※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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1回戦第3試合・第4試合 〜ある種、最速〜

「さぁさ始まりますよ第3試合!」

 

「現時点の結果は……こちら!ドドン!」

 

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 リサvs緋月ではリサが、シガレットvs樹理愛では樹理愛が勝ち上がり、トーナメントは、思ったより順調に進んでいる。

 

「……次なる戦いへ臨むのはこの2人です!!」

 

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「住処は天界、昼間は姉と同じ寺子屋で勉学に励むクールな女子!優曇華院姉妹と組んで『雷三姉妹』としても活動しているが今回は久しぶりに1人での参戦!さぁ果たしてどこまで勝ち上がれるのか!?永江魅玖~~~ッ!!」

 

「対するは博麗家末っ子!生まれからして中々壮絶だったらしい!?見た目通りの突然変異女子!一体どんな戦いをするのか……!?博麗霊子~~っ!!」

 

 魅玖vs霊子。遂に霊子、つまり博麗家の末っ子がとうとう公式にお披露目だ。コロシアムには地底や妖怪の山の重鎮も居る。今の博麗神社一派がどれ程強者揃いなのかを世に知らしめる、良い機会だ。

 

「頑張れ、魅玖、霊子」

 

「ありがと、お父様♪」

 

「……」

 

「霊子。あんたの強さ、見せ付けてやんなさい」

 

「……」

 

 魅玖は可愛らしく返事をするが霊子は無視をするという、対象的な反応。今回俺はこの大会を紅魔館陣営から見ているのだが、弦月姫も虔魔も軽く眉を顰めている。ファザコンな弦月姫や、それなりには礼儀を身につけている虔魔だし、こういった反応になってしまうのは仕方ないのかもしれない。

 

「無愛想ですね、霊子」

 

「虔魔と変わんねーぞ」

 

「それは心外です。僕はそれなりににこやかに対応できるつもりですが」

 

「まだまだだよ。咲夜さんや弦月姫を見習いな」

 

「……はい」

 

 今の虔魔は「口は笑ってるが、目は笑ってない」という状態に近い。対応としては満点と言えない。だからこそ「まだまだ」だ。

 咲夜さんと弦月姫の営業スマイルは抜けるくらい完璧だ。

 

「「それでは第3試合、始めッ!!」」

 

 動かない。魅玖は静かに弾幕を展開するが霊子はそれを観察するように眺めている。警戒するような様子ではない。眺めている(・・・・・)。まさにこの表現こそが今の霊子にはピッタリだろう。

 

「……ハアァッ!!」

 

 バリバリとスパークを放つ雷の弾幕を、緩やかなカーブを描きながら放つ魅玖。霊子はそれを見るやガパッと大口を開け、突然変異ならではの超強力な超音波を放つ。

 

「〜〜〜〜〜ッ!!」

 

 ぽしゅんっ、と情けない音を立て、魅玖の弾幕は消されてしまった。超音波を拾える耳でないと今の霊子は「欠伸の為に大口を開け、それを隠そうともしていない」ようにも見えかねない。しかし弾幕が消えた事によって、超音波を拾えない耳の持ち主も

「霊子が何かした」くらいの事は伝わったようだ。

 俺達のような吸血鬼からすれば、例えば戦闘機がすぐ近くで飛び立ったような凄まじい音だったが、霊子はお構い無しとばかりに平然と使った。全く、遠慮の欠片も見えないヤツだ。

 

「え……な、何で…………結界も何も無いのに……っ」

 

「今度はこっちから行くよ」

 

「ッ!!……雷鎧『サンダーアーマー』ッ!!」

 

 魅玖が俺直伝のアーマーを纏う。しかし霊子は、表情ひとつ変えることなく魅玖の土手っ腹を殴り、ステージの壁へ彼女を叩き付けた。

 壁に穴が空く程の威力、流石の魅玖も戦闘不能になってしまい、勝者は霊子となった。

 超強化されているのは超音波だけではない。種族特有の利点とも言える再生能力の他、身体能力まで強化されている。それが博麗家三女、博麗霊子だ。

 

(ピリピリする……。お父さん程じゃないけど、割と痛いな。そういえば巫月お姉ちゃんも雷使いだって聞いてるけど…………どんな感じなんだろう)

 

 

 ◆

 

 

「お次はこちら!!何の因果なのか、かつて『下の4兄妹』として名を馳せていた4人のうちの2人が相見えるッ!!」

 

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「活動範囲を広げた、大賢者の娘。既にその視野は外の世界にまで及んでいる!幼い頃は無邪気に力を奮うトンデモ娘だったが、年を経る毎に段々とそのなりを潜めてしまう。しかし今回、賢者の服装で参戦したということは!!まさか!遂に一肌脱いで見せてくれるのか!?八雲茜~~~~ッ!!」

 

「対するは『博麗の妖怪巫女』の異名を持つ、幼き巫女!父から受け継いだらしい『狂気』を孕んだ、危うい戦いを見せてくれるのかっ!?母の教えを、父の強さを!十全に発揮して見せてくれるのか!?博麗霊麗〜〜〜っっ!!!」

 

「「第4試合、始めッッ!!」」

 

 開始と同時に動いたのは霊麗。消えたのかと思うほどの超スピードで前進して、茜に突撃していた。先手必勝、これは霊麗の圧勝だ────そう思った。

 

「ッ……結界……!?」

 

「もう忘れたの、お姉ちゃん?私の結界生成速度は幻想郷最速だよ」

 

 茜の最大の武器。それは、紫さんから受け継いだ

《境界を操る程度の能力》ではない。霊夢は勿論、紫さんすらも凌ぐとされる「結界の生成速度」だ。

 一見、地味だと感じる者が多いこの強み(・・)。しかしこれは、単なる速度として考えればとても恐ろしい事実が見えてくる。

 まず、10数年前までは文が幻想郷最速を名乗り、それは近年まで事実であった。しかし文の娘である穹の方が能力の相性もあって幻想郷最速となった。

 そんな所に、妖舞という息子が生まれた。そんな彼が本気の居合をすれば文より速い穹さえ見えない(・・・・)レベルの移動速度を叩き出すのだ。

 そして茜の結界は、よーいドンで始めればそんな幻想郷最速である妖舞の居合すら防げる(・・・・・・・・・・)のである。

 結界の生成速度は文句無しに茜が幻想郷最速だ。霊麗の突進程度が、茜に防げないはずが無かった。茜にとって欠伸しながらでも(・・・・・・・・)防げるレベルだったに違いない。

 

「ふぅん。まっ、そう来なくっちゃね。茜の結界は超頑張れば壊せるレベルだし……よーしっ、いっちょやりますか……♪」

 

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 お祓い棒を構えて、不敵に笑う霊麗。そこから、彼女の猛攻が始まった。ズガッ、ガガガガッと茜の結界へ凄まじい連撃を与えていく。

 生成速度は早くとも強度は突出して強くない為、段々とヒビが広がってしまう。が、生成速度が速いという事は、壊されてもすぐ用意できるという事。壊して突撃しようとする瞬間には既に新たな結界が目の前にあるのだ。

 霊愛だったらまず確実にキレていただろう。だがそこは霊愛よりは冷静な霊麗、お祓い棒がダメだと分かると拳を最大限に強化して殴り掛かる。

 

「ッ……」

 

 それすらも無理だと気が付くと遂に奥の手を使い始めた。再度お祓い棒を取り出すと、結界の表面をツウッと撫でるように擦る。

 すると一瞬の間を置いてスキマが開いた。

 

「なっ……私の結界に……!」

 

「残念♡」

 

 そして霊麗はスキマを開いた瞬間に全身を蝙蝠へ細分化させて飛び込んで行った。結界で自分を囲み防御していた茜にとってこれは、密室に侵入されたようなもの。当然ながら、密室を作っていた結界を全て解除した上で回避しようと飛び退く。

 

「きゃっ……!」

 

 逃げても逃げても、執拗く追い縋る蝙蝠の霊麗。武器など持たない茜には中々にキツイようだった。そこに目をつけた霊麗は、ガブリと茜の首筋へ牙を突き立てる。

 

「しまっ…………んっ、うぅっ……んんっ…………♡」

 

 公開百合。たまらん。俺には異種間の百合にしか見えない。何枚か写真を撮って、保存しておこう。

 

「……エスカルゴ、なんで写真撮ってるの……」

 

「ん?……あぁ、娘が頑張ってるからな」

 

「絶対それ違うでしょ、エスカルゴだし絶対アレにエロさ見出してるでしょ……」

 

「なんだ。流石フラン、分かってるじゃんか」

 

「……分かりたくないけど、エスカルゴの考えてる事だもんね……聞かなくても、大体は予想ついたよ」

 

 呆れ顔のフランもまたとても可愛いものである。

 さて、戦場はどうなってるかと言うと、やはり、霊麗が一方的に茜を攻め立てていた。力が抜けて、上手く振り払えないらしい。やがて霊麗の蝙蝠達は吸血を止め再び1人に集まる。

 

「フー、ごちそうさま。疲労回復、空腹も満たせて最高だね」

 

「くっ……ち、力がっ……」

 

「さぁて後は頭を割っ……」

 

「────なんてね!隙あり!!」

 

「なっ、まだ動けるなんて……はぁッ……!?」

 

 茜が右手を真一文字に振り抜く。ただ空を切っただけかと思われたが、それは霊麗の胴体を、腹から真っ二つに分割してしまった。

 しかし、血が溢れたとかそういった様子はない。紫さんの怪ラストワードに似た技を使ったらしい。成程、こんなにショッキングな様子は蓮子に見せるワケにはいかない。

 

「くっ、動けない……しかも細分化できない……」

 

「そ。お姉ちゃんの身体を分割させてもらったよ。ついでに、細分化もできないように、お姉ちゃんの輪郭を固定、つまりお姉ちゃんとそれ以外の境界を固定させてもらったよ」

 

「ッ……えげつないね、茜……!」

 

「賢者の娘……だからね。さ、降参する?」

 

「……博麗の巫女に、降参(逃げ)は許されないんだよ。妖怪巫女だろーと、それは同じ」

 

「そう……分かった。じゃあ倒すよ」

 

「この弾幕を避けられたら大人しくしてあげるッ!霊符『夢想封印 絶』ッ!!」

 

「ッ!?この霊力の密度……お姉ちゃんまさか……」

 

「全ての霊力を、一気に弾幕に変換してるんだよ!言わばこれは、捨て身の夢想封印……!動けないなら茜が降参するしか、私に後は無いからね!!まァ、弦月姫お姉ちゃんや霊子と戦う時の為の、最終手段として取っておきたかったんだけどさァ……!」

 

(確か霊力も、限界まで枯渇したなら回復するまで目を覚まさなくなるって、お父さん言ってたな……。というより、何この密度と威力……!私の結界がすぐ壊される!まさか霊麗お姉ちゃん、捨て身どころか私を道連れにするつもり!?)

 

「……気付いた?でももう遅いよ!このままジワジワ削られて……共倒れしようよッ!!」

 

「ッ、このままじゃっ……くっ……うああ……っ!!」

 

 何重もの結界を張るが、それら全てを破壊して、ジワジワと弾幕の到達地点と茜との距離を詰める。霊力の出力が上がると共に威力も弾幕の密度も倍になっていく。

 

「アハハははハハッ、ハハはアァッ!!全部、全部ブッ壊してあげるからァッ!!」

 

「こ……こうなったら、もう……っ」

 

「……えっ」

 

「移動式結界(コレ)、見た事あるでしょう?」

 

「あ」

 

 幾重もの結界を展開したかと思うと、弾幕すらも跳ね返す勢いで、結界を射出した────!!

 

「あうっ」

 

 弾幕による破壊が追い付かない程の多重生成で、ガツンと顔面に結界をぶつけられた霊麗はそのまま目を回して気を失ってしまった。

 

「勝負あり!!」

 

「勝者、八雲茜〜〜〜〜〜〜っっ!!」




子供達についてザックリまとめてみました……!
これまでで一番編集頑張ったかもです。
どうかご視聴よろしくです……!
https://youtu.be/MAuC8sSacro

今回は久しぶりに蓮子が居ないので、マエリベリー名義ではなく本名の八雲茜名義で出場しています。やる気です。えい、えい、むん!
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