※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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エキストラマッチ③ 〜継戦〜

「「おいおい、お前達ィ?まさか弾幕を避けるのでいっぱいいっぱいなワケないよなぁ?そんなんじゃ倒せるモンも倒せねーぜェ♪」」

 

「弾幕の凶悪さはお母さんっぽいな……」

 

「や、多分、お父さんだと思うな……。この密度……このゴリ押し感は、絶対、絶対お父さんだよ……!」

 

「あー……言われてみれば……」

 

「「ならコレに私らしさを足してあげようかしら。あんたらに回避できる?」」

 

「「……ッ!?」」

 

 弾幕の密度は俺、緩やかなホーミング性は霊夢。2人の良いとこ取りの、いやらしい弾幕。これでもまだ通常弾幕だ。スペカでも、非スペカでもない。

 濃い弾幕が揃いも揃ってホーミング性を得たら、どうなるのか。それはもはや悪夢の始まりである。

 

「「やっぱ俺と霊夢は相性がいい。精神的繋がりも強いと思うし、五行思想で言う木属性同士だから……とかいう理由付けはできる、が────理由なんざ、どうでもいい!勝てりゃあそれでいいッ!!」」

 

「……霊魔!ここはいいから、あんたは霊子を!」

 

「え……で、でも!2人でやっと全方向からの攻撃に耐えられてるのに、1人でなんて……」

 

「あんたの卍解だったら、一応お母さんの結界でもどーにかできるんでしょ!?私は半妖だし、霊力の弾幕の効果は霊魔より薄い!だから……、私はここで耐えてるから、霊魔はさっさと助けてきなッ!!」

 

「〜〜〜〜〜〜〜ッッ……分かったよ、もう!!」

 

「……夢境『二重大結界』ッ!!」

 

 ヤケクソのように叫ぶと、霊魔は霊子の救助へと向かう。霊愛は、相殺する為か、弾幕バージョンの二重大結界を使用。ただ結界を張ると、受け止めるだけ……防戦一方になるからだろう。

 攻撃は最大の防御という言葉を体現したような、そんな戦法だ。一方、霊魔はというと……。

 

「霊子!魔法を消して身を縮めて結界から離れて!僕が助ける!」

 

「無理だよ!コレ私が殴ってダメだったんだよ!?私、お兄ちゃんよりもパワーあるんだからね!?」

 

「そんなの関係ない!こうしてる間もお姉ちゃんは耐えてるんだ!僕だってホーミングの弾幕を背中に喰らいながらここに来てるんだからっ……!絶対に、霊子を結界から出さなきゃ、ダメなんだっ!!」

 

「ッ……!でも!」

 

「霊子!『力を合わせて乗り越える』、それが家族だって……思い知らせてやる!!」

 

「!?」

 

 背中に被弾しつつも、真っ直ぐけん玉を持って、結界へと先を向けながら、フーッ、と息を整える。

 

「確かに、僕のパワーは霊子より弱いよ。超音波の範囲だって霊子よりは狭い。でもね霊子、妹1人も助けられないで……『お兄ちゃん』だなんて呼ばれる資格も、名乗る資格も無いんだッ!!」

 

「っ!」

 

「卍解ッ!!『安穏遊戯(あんのんゆうぎ)────曇電兌死(どんでんがえし)』ッ!!」

 

 伊弉諾物質が使われたけん玉が本物の剣に変貌。そして、霊魔の姿が消えたかと思うと、霊子を覆う霊夢の結界にヒビが走り……パーンと甲高い音を立て砕け散ってしまった。

 

「「嘘でしょ!?霊子の攻撃すら耐える結界よ!?それを霊魔(あの子)が壊したっての……?姿も見えなかった、やっぱ霊魔のヤツ早すぎだろ……!」」

 

「これで3対1!合体したのが仇になったね!!」

 

「「……甘い。甘すぎるわ。忘れたの?これはただの団体戦じゃない。全ての戦いが同時に、同一空間で行われるバトルロイヤルだってこと!!」」

 

「!!」

 

 霊魔と霊子が霊愛に合流するより前に、こちらに咲夜さん、鈴仙が合流を果たす。しかも、霊魔達の到着の方を遅くする為に、咲夜さんが空間をほんの一部だけ広げてくれるというオマケ付きだ。

 しかも自分と鈴仙がこちらに早く合流する為に、反対にこちらは空間を縮めるというチートっぷり。やはり伊達にメイド長として働いていない。

 

「惜しいわ、霊愛ちゃん。これで3対3よ」

 

「────合体してるのを除けば、だけど」

 

「〜〜〜〜〜ッ!!」

 

「や、やっと合流できたぁ……お待たせお姉ちゃん」

 

「速く飛んでんのに中々着かなかったよね。なんか妙に遠く感じたけど、何なの?」

 

「……!咲夜の仕業か!!」

 

「ご名答。だけど、霊愛ちゃん?次の博麗の巫女をやるのなら、もう少し早く答えてくれなくちゃ」

 

「くっ……」

 

「「あんたらは手ェ出さないで咲夜、鈴仙。私達の子供達は私達で倒す。後ろに控えていてくれれば、それで構わないわ。その気になれば3人で潰せると見せ付けたかっただけだから」」

 

「そう?ならそうさせてもらうわ」

 

「手が必要なら言ってね〜」

 

 霊夢にそう言われて、咲夜さんと鈴仙は大人しく引き下がる。霊愛、霊魔、霊子の誰も、引き下がる2人を追おうとはしなかった。そんな事をしたら、自分が狙われるだけだと……理解しているから。

 

「「さて、と。やりましょうか、あんた達ィ」」

 

「……今のメイン人格はお母さんっぽい。お母さんに集団戦法は効かないからお父さんに切り替わったら3人で一気に攻めよう」

 

「分かった。僕が真っ先に切り込むよ」

 

「弾幕への対処は私がやる」

 

「「甘いなぁ。俺にだって集団戦法は効かねェぜ?狂乱『エネミー・イン・サンダーランド・怪』」」

 

「「「!?」」」

 

 全方位に弾けるように放たれる高密度な雷による弾幕。しかしてそれらは急激に方向を変え、今回は鋭いホーミング性を帯びて3人を襲い始めた。

 

「は!?」

 

「自己『スフェリカルバリア』!!……何その角度、弾幕版の燕返しみたいな……」

 

「────────ッ!!」

 

 霊愛は回避と結界での防御を織り交ぜて、霊魔は強固なバリアを展開、霊子はその超音波にて弾幕を掻き消す事で、それぞれがそれぞれのやり方で対応している。

 しかしこれで終わるほど、俺も霊夢も甘くない。

 

「「ハァアッ!!」」

 

「なッ!?」

 

「僕のバリアが瞬殺……!?」

 

「これ絶対私のパワー超えてんじゃん!」

 

 弾幕と一緒に突撃する。霊愛の結界を体当たりで破壊し、そのまま霊魔のバリアに、ドッッと強烈な掌底を加えてやる。

 体当たりなどで結界を壊された霊愛は勿論の事、霊子もまた、俺達の突進力に目を見張っている。

 

「「単純なパワーは、既に通常時の2倍以上────このレイム・スカーレットの強さを刮目なさい」」

 

「……ダサッ。……え、何それフツーにダサくない?お姉ちゃんお兄ちゃんどう思う?」

 

「まぁ……うん……この名付けのセンスは……」

 

「お父さんだろうね。お母さんのフリしてお父さん喋ってるでしょ」

 

「「あっれェ〜……?普通に不評か?」」

 

「レミリアさんと合体したとき?の『レミルゴ』、だっけ?その方がまだマシじゃないのかな……って、僕は思うけど……」

 

「「いや大差無いでしょ」」

 

「あうぅ」

 

 霊魔はフォローしてくれるものの、霊愛と霊子の2人から同時にツッコミを受けてしまう。やはり、霊魔のセンスはちょっとばかり俺寄りらしい。

 

「「ま、まぁ今考えたからな。仕方ない仕方ない。そんなユルい名前だからと油断してると、お前らのその首………もらってくぞ?」」

 

「はいはい、そう簡単にはやられたり────」

 

「「お姉ちゃんッッ!!」」

 

 霊魔と霊子の声が重なる。お喋りで注意を逸らすなんてのは俺の常套手段。しかし霊愛はまだ甘く、それに気が付けなかった。ついさっき、自分達が、作戦の中でそうしたのに。

 霊魔と霊子は、半妖の霊愛より動体視力だったり反射神経だったり色々と優れているおかげか、色々おちゃらけている中での奇襲にも、ギリギリ反応ができたらしいが……。

 

「「はい、ドォーン♡」」

 

「────」

 

 穴が空かない程度の力加減で霊愛の腹を思い切り掌底。加減しながら思い切りだなんて、その言葉に違和感しかないのは認めるが、とにかく、加減して思い切り掌底してやった。

 霊愛は吹っ飛ばされて、観客席を守る為の結界にブチ当たると、そのまま気絶してしまった。

 

「お姉……ちゃん……?」

 

「……厄介な方から倒す。前に、お父さんが言ってた事をそのまま実践してる。実際、夢想天生を使えるお姉ちゃんはかなりの脅威だからね。真っ先に倒すべきだと、僕もそう思う。僕があの2人の立場でも真っ先に霊愛お姉ちゃんを倒そうとするね」

 

「じゃあ次に倒されるのは私だね、霊魔お兄ちゃんよりも厄介だと思うよ、私は」

 

「ま……そう思うんならそうなんじゃない」

 

「わ、素っ気な〜い。ま、いいけどさ。ねぇねぇ、お母さんとお父さんから見てさ、私とお兄ちゃんはどっちがメンドイの?」

 

「「……どっちもどっち(・・・・・・・)」」

 

「「ッッッ!!」」

 

 2人を同時に吹っ飛ばすべく、霊魔へ拳、霊子へかなり強力な電撃を飛ばす。霊愛を攻撃した時より素早く動いたが、やはり同じ吸血鬼だとギリギリで回避されてしまった。

 しかし2人も俺達の速さは理解しているようで、普通の回避ではなく蝙蝠化による回避だったあたりかなり追い詰められている。

 

「「ヘェ。読めてた?」」

 

「まぁ……ギリギリだったけど」

 

「「フーン、そう。……読めてるよ霊子」」

 

「イギャッ!?」

 

 霊魔に向き直っていると、蝙蝠化を解いた霊子がガブリと首筋に噛み付こうとしてきた。だから雷を纏う事で防御してやる。しかも攻撃してくる直前に纏ったので、緊急回避も叶わず、俺達が纏った雷に噛み付いてしまい、口内から、直に電撃を喰らってしまった。

 流石に口内に喰らってしまえば一発で気絶すると思ったのだが────。

 

「フーッ……フーッ…………耐え、たァ…………!!」

 

「「!……巫月の結界にも耐えたり、耐久力がかなりブッ飛んでるよね、霊子は。というより巫月の方は効いてすらいないように見えたけども。何にせよ、あんまり長引くと後ろで待ってる咲夜さんと鈴仙が退屈しちゃうからね。……これで終わらせる」」

 

「来るよ、構えてお兄ちゃん!」

 

「わかってる」

 

「「2人共、ちょっとずつ強くなってるからね……。調子に乗ってしまわないようにしてあげる」」

 

「乗らないけど?」

 

「僕も。その辺は大丈夫だと思う」

 

「「そうかしら。霊魔なんて、少し前まで見られた謙虚さが薄れているように感じるわよ?」」

 

「そんな……事は…………」

 

「「私の(・・)わからせ(・・・・)は、エスカルゴみたいに優しくはない。痛いわよ」」

 

「イタイのはお母さん達のその格好でしょ。何よ、黒フードのパーカーって」

 

「それに関しては厨二病のお父さんのセンスだよ」

 

「「……生意気だね。借りるぜ、霊夢の魔力。あと、10秒で終わらせると宣言しよう」」

 

「「!?」」

 

「「────領域展開」」

 

 両親による、息子と娘の蹂躙が始まる。




リグル動画。一部閲覧注意です。
https://youtu.be/4BHm9lX26_o

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