「恋愛自壊人形 恋するサーティン」という漫画を読んで思いついた話になっています。
推しは「灰かぶり」という子です。
以前、「エスカルゴを見て育った、人里にて暮らす人間の男」の話を書きましたが、今回は、それの女バージョンです。
それではどうぞ。
「……え?どうしてロリコンの俺が、数年前にベビーブームの起こった人里で育ったロリを襲わないか?そんな事を聞いてどうするんだ、穹?」
「いやぁ……レミリアさんに続き、ルーミアさんとも交わるような父上ですから、気になったのですよ。霊夢さん、魔理沙さん、咲夜さん、早苗さんの例を見るに『人間』も父上の許容範囲内、ですよね?」
「まぁそうだな、否定しちゃ嘘になるわな」
「しかしこの4人が人外になって以降、父上が誰か人間に手を出したと聞いた覚えがありません。特に父上と関わりのある本居小鈴さんさえ、今ではもうアラサーというか、三十路というか……その……」
「……」
「老けるのが早いなら不老不死化させたり、人里を抜ける手伝いをして人外化させたりなど、父上ならそれくらいするはずです。しかも父上は里をデートスポットにするくらい通っていますから、里でも、お気に入りの子の1人や2人、居てもおかしくないはずなんです。だからこそ、腑に落ちない。何故、父上のハーレムに『人間』が居ないのかがッ!!」
ある日、記者志望の娘に「何故ハーレムに人間が居ないのか」と詰め寄られた俺は、どうにかして、それっぽい言い訳をしようと思案するが、どうにもそれを許してくれる雰囲気ではない。
そもそも、穹の思考すら騙せるような上手い嘘が思い付けない。……この場から逃げるか、それとも、過去と向き合うか────。
「チと胸糞悪い話をするが、いいな?」
「構いませんとも」
「ならいい。────あれは確か」
◆
────あれは
阿求の、いや稗田家の管轄下の寺子屋だったり、元気に店番をする子供や、親の手伝いをする子供を見かける度に、やっぱ俺はロリコンだなとつくづく思う。
だって、元気な女児の声が聞こえればそれだけで自然と視線をそっちに向けちまうから。
「っ!」
そんな時、反対側から仲の良さそうな親子3人が連れ立って歩いてくるのが目に入った。両親の間に娘が居て、3人仲良く手を繋いで歩いている。
全く、微笑ましいことだ。俺達はあんな風に親子3人で手を繋いだことなんてあったっけか。俺は、いつも自分ばかりだし────と思いつつ、視界に妖怪である俺が入らないように迂回しようと脇道に入ろうとしたら、その両親が「あっ」と声を出し、俺を呼び止めた。
「……なんスか2人揃って……」
「あのっ……エスカルゴさん!あなたに信仰を捧げたお陰で、私達は娘を授かる事ができましたっ……!」
「本当になんと礼を言えばいいのやら分かんねェ!エスカルゴさん!ありがとうな!!」
「あー……」
俺が子沢山だからという理由で俺を崇め奉った、あのカルト教団の元信者だった。つまり、俺を信仰してくれている、「神としての俺」の信者である。こうなると、神としてはあまり無下にはできまい。
「そりゃ良かった。これからも、どうかお幸せに。俺からも祈ってる」
「ありがてぇ……!な、今夜あたり2人目どうだ!?俺、もっと稼ぐからよ!」
「やだよお前さんったら、こんな所で……♡」
「なんでい、こんな所じゃなかったらいいんかい!じゃあ決まりだァ!」
などとイチャつき始める2人をよそ目に、俺は、母親の陰に隠れつつこちらを見ている少女と対話を試みようと、地に膝をついて目線を合わせる。
「……こんにちは。君、お名前は?」
「……こはる……」
それが俺と人間の少女、小春との出会いだった。
今になって改めて思う。この子と俺は、こうして出会うべきじゃなかったんじゃないか……と。
キリがいいから一旦切ります。こんなに短いのは、恐らく初めてです。あまりにキリが良すぎました。
次回は5000字、次々回は7000字はあるので……。