カルゴ「やっと見つけた」
裏側に回り込んだ。
確かに2軒、大きな建物がある。あれが宿舎か。
あちこちにログハウスのようなものがある。
隊長レベルになれば与えられるという家か。
標高の低い方にも点在している。
また、高い方にもだ。
低い方が白狼天狗、高い方が鴉天狗なのは最早間違いないだろう。そういう仕組みなんだ、ここは。
カルゴ「っしゃ!景気付けにドデカいの落とすか!一閃『Mishap of Thunder』!!!!!」
ヴォン……ギュウウウウウ……
カルゴ「召・喚!!」
ズアッ…ドドオォォォォォォォン…ビリビリ…
空気までが震えている様にも感じられる。
カルゴ「ふぅ、スッキリしたぜ」
力の無駄遣いではあるが、先程からイラついていたので解消したかったのだ。
カルゴ「さーて、行きますかね」
関節を鳴らしながら呟き、宿舎へと向かう。
その頃──────紅魔館
フラン「お姉様」
タタタタ…
レミィ「どうしたの?」
フラン「雷が聞こえて来るわ。ドドーン、ドドーンって」
庭を1人で歩いていたフランは外の異変に気付き、室内で紅茶を飲んでいる姉の元に戻り報告する。
レミィ「あら、天気悪いのかしら。咲夜!洗濯物取り込んでおきなさい」
咲夜「いえ、快晴です。雲1つありません」
レミィ「え」
咲夜「恐らく、自然の雷ではありません。エ…」
フラン「きっとエスカルゴに何かあったのよ」
咲夜「!」
言われちゃった…流石妹様ですね。
レミィ「大丈夫よ。エスカルゴならどんな奴が相手でも倒せるわ」
フラン「でも…エスカルゴが山に着いたくらいからずっと鳴ってるのよ? 長引きすぎだと思わない?」
咲夜「確かに…少々心配ですね」
レミィ「大丈夫よ、エスカルゴを信じなさい」
フラン「……………うん……………」
それでも心配が拭えないフラン。
妹様…心配なのですね。私もです…。
行きたい…。エスカルゴさんの元へ…。
咲夜「…お嬢様、お塩が切れていたのを忘れていました。買いに行っても宜しいでしょうか?」
レミィ「行ってきなさい」
咲夜「ありがとうございます」
申し訳ございません、お嬢様…。
時を止めて厨房に戻り、懐に
博麗神社
霊夢「朝からドンドン煩いわねぇ…」
霊夢はいつも通り境内の掃除をしていた。
山の方…? アイツ…何かやらかしたのかしら?
???「よう霊夢〜、来たぜ〜」
この声は…。
霊夢「魔理沙…何しに来たのよ」
魔理沙「暇だから来たんだぜ!」
霊夢「暇なら掃除手伝いなさいよ」
魔理沙「生憎だが、この箒は掃除用じゃないんだ」
霊夢「箒なら貸すわよ」
魔理沙「うっ…そうじゃなくてなぁ…」
霊夢「?」
魔理沙「霊夢お前、気付いてんだろ?」
霊夢「……何に?」
魔理沙「エスカルゴが妖怪の山で戦ってる事に、だ」
気付かない訳が無いでしょ、こんなにドンドンいってるのに。
霊夢「…これはただの雷でしょ」
魔理沙「今日は雲1つ無い快晴だぜ?」
霊夢「………」
魔理沙「な、アイツのとこ行かないか?」
霊夢「私は行かないわ」
魔理沙「彼氏のことが心配じゃないのか?」
!?
霊夢「は…はァ!? な、なんで魔理沙が私とアイツのこと知ってる訳!?」
魔理沙「異変解決の後、一緒に寝てたろ」
あの昼寝のことね…。
霊夢「み、見てたの?」
魔理沙「………」ニタァ
霊夢「あんたねぇ…!」
今すぐ夢想封印をぶっ放してやりたい顔ねぇ!
魔理沙「で、どうなんだ?」
霊夢「…アイツの強さは私がよくわかってるわ。山の連中になんて、絶対負けない」
魔理沙「天魔にも、か?」
天魔…か…。でもエスカルゴなら…。
霊夢「…えぇ、エスカルゴはいつも予想の遥か上をいくからね。幻想郷最強に成り得るんじゃない?」
魔理沙「………ま、霊夢がアイツのこと信用してるってのはわかったが…それでも少しは心配するべきじゃないのか? 多分今頃、フランは凄く心配してると思うぜ?」
霊夢「………」
魔理沙「な?」
霊夢「何が言いたいのよ?」
魔理沙「一緒に山に乗り込もうぜ!」
はぁ…。
霊夢「…ホント魔理沙は戦うのが好きね…」
魔理沙「まーな!」
霊夢「褒めてない」
魔理沙「へへ…行くぜ霊夢!」
霊夢「はぁ…」
結局、魔理沙に言われるがまま山へ向かう霊夢であった。
門兵鴉天狗1「止まれ!」
門兵鴉天狗2「貴様が侵入者だな!?」
門兵鴉天狗3「おい話すな!今すぐ殺せっ!」
門兵鴉天狗4「はあぁぁぁっ!!」
カルゴ「退け。殲滅『Breath of Thunderstorm』」
バリバリッ…ズアッ
門兵鴉天狗達「ぐあああっ!」
ドオオオオオオッ!
カルゴ「お」
扉も吹っ飛ばせたか。ラッキー☆
ズキッ…
カルゴ「うっ…」
腕を振るいすぎたか…肩がおかしいな。
まぁいい。それより、地下牢…だっけ?
鴉天狗達「止まれ!」
鴉天狗の宿舎だからか、どこからともなく沸いて出てくる鴉天狗達。
カルゴ「邪魔だなぁ…。文さんの救助に行けないじゃん。雷鎧『サンダーアーマー』攻撃Ver.」
全方位に刃を伸ばし、鴉天狗達を貫く。
鴉天狗達「ガッ……」
カルゴ「これ以上邪魔するなら………殺すぞ」
最後の一言にとびきりの殺意を込めて言い放つ。
鎧を解除され、鴉天狗達はその場に崩れ落ちるが、誰も追おうとはしなかった。
カルゴ「邪魔するぜ」
扉を、開けるのではなく破壊しながら、宿舎内へ足を踏み入れて行った。
地下牢内
No .1鴉天狗「おい…外が騒がしくないか?」
No.2鴉天狗「そうだな…」
No.1鴉天狗「侵入者の相手の前に、今のうちに楽しんでおくか?どうせスグには来れまい」
文「ん゙ー!!ん゙ん゙ー!!!」
No.2鴉天狗「ケッ…もっと弱らせてからが良かったんだが…」
No.1鴉天狗「少しでも楽しめればイイだろう」
No.2鴉天狗「そう…だな」
文「────ッ!!」
2人はゆっくり文に向かって行った。
カルゴ「おいお前。地下牢ってのぁ何処だ?」
現在、入口付近で鴉天狗数名の相手をし、その中の1人の胸ぐらを掴み、尋問していた。
鴉天狗「地下…だろ」
カルゴ「んなの分かってんだよ。行き方を聞いてんだよ察しろやボケナスが」
エスカルゴは、捕えられている文を未だ助け出せず、もどかしい思いをしていた。
そのおかげでストレスは募り、言動も行動も、いつもとは違い荒々しくなっていた。
そして、頭に血が上り、周囲の状況が読めなくなってきていた。
鴉天狗「………」ニヤ…
カルゴ「何笑っ────」
ドスッ……
後ろから刺されるまで、後ろに誰かがいた事に気付けなかった。
左胸から刃が1本生えているのが目に入る。
カルゴ「ゴフッ……」
口から血を吹き出す。
鴉天狗「はあぁぁぁっ!!」
ズボッ…ズバァッ!
左胸に刺した刀を抜き、もう1度斬り掛かる。
肩口から白刃が滑り込み…反対の腹へ抜ける。
袈裟懸けに斬られ、胴体は真っ二つにされた。
カルゴ「───ッ!」
ドサッ…ビチャチャ…
口から夥しい量の血を吐き、倒れる。
待ってこれ…痛いって次元超えてる。
背骨斬られるのハッキリ感じたんだが…。
再生間に合うのかよ…?死ぬだろ…。
文を助け出せず…フランのところに帰れずに?
鴉天狗「っしゃあ!!
鴉天狗達「よっしゃああああああああ!!」
薄れゆく意識の中で、鴉天狗達の歓声を聞き…自分への負の感情がどんどん高まっていく。
なんで俺はこうなんだ…?
自分で決めた事すら満足にこなせねぇのかよ?
俺はまだ死ねないだろ…誰1人幸せにしてやれてないじゃないか…。
カルゴ「……………」
鴉天狗達「今夜は宴会だーッ!いえーいっ!」
ニュルルッ…ズルッ……ゴキッ……
鴉天狗達が手を取り合って喜んでいる中…なんとか再生が間に合い、一命を取り留めた。
カルゴ「ぐっ…!」
血に濡れた床から起き上がりながら呻く。
上半身の方が再生したため、腹から下は裸だ。
それに気付き、下半身のズボン、下着を脱がせ、着用する。血に濡れているが、無いよりマシだ。
鴉天狗「うっ…うわあああ!!!」
1人の鴉天狗が此方を指さして叫ぶ。
鴉天狗「なっ!?いつの間に再生を!?」
鴉天狗「生きてやがるだと!? トドメ刺せぇ!」
今俺死にかけたかんな…?
スペルカード戦?それはルールのある戦いだ。
今俺がやっているのは殺し合い…。
それが、やっとわかったよ。
彼はここで…考える事を止めた。
カルゴ「グァアアアアア!!!」
負の感情に支配され…新たな能力が発現した。
次回!真のチート、現る!
…力使えるのは条件が揃わなきゃ駄目なんだけど。