Q.エスカルゴにとって嫁カノの基準って何?
結論「エスカルゴとその子の想いによる」!
エスカルゴ自身、無意識下で「彼女に相応しくない男だよなぁ」と考えてる。でも、そんな自己嫌悪を突き破るくらい「好き好き好き好き好き好き!」となった瞬間に彼女にプロポーズしてる。
ある意味では、発情期にも近いかもしれないね。
なおレミリアの方も同じように「自分はまだ彼には相応しくない」と考えてるので、エスカルゴからのプロポーズを既に何度も断っているんだけど。
彼女達の多くは「いつか結婚して責任取ってくれるでしょ」と思ってるので、自分から逆プロポーズはしないみたい。
いつか皆がハッピーエンドを迎えられるといいね。
カルゴホォー↑リツジムショ
現場が紅魔館から近い者達は自力で、紅魔館から遠い者は俺、紫のスキマ、もしくはパチュリーや、小悪魔、小悪魔姉妹、魔理沙の瞬間移動魔法にて、各地に散って行った。
少し前に、小兎姫にはトランシーバーにて避難の準備をさせるように言ってあるので、その準備さえ間に合っていれば、もう避難開始できるはずだ。
こんな事になるならマミさん────マミゾウにトランシーバーを渡しておけば良かったとつくづく思う。しかし、渡してないものは仕方ない。彼女が今も里にいると信じて、作戦に臨もう。
◆
「さぁ来ましたよ、布都、屠自古っ!避難してきた里人達を、私の仙界へご案内しなさい!」
「「はいっ!!」」
「お困りでしたら私も手を貸しますよ〜♪」
「青娥殿!一体、今までどこに……いいや、今は何も言いますまい。では青娥殿は、私の仙界の中にて、避難してきた里人達の相手をしてやってください。壁抜けショーか何かをやれば、暇も紛れましょう」
「壁抜け?性的に相手するのはダメかしら?」
「女子供の前で何を言っているのですか!」
「うふふ、冗談♡」
「どこまで冗談なんだか……」
◆
「はーい、押さないでーっ!駆けない、押さない、泣き叫ばない、死なない!避難に大事なこの四原則
『かおなし』を、皆さん守ってくださーい!あっ、マミゾウさん!」
「何やっとるんじゃ小鈴、避難誘導なんぞ自警団の連中に任せい!お主は避難するんじゃ!」
「でも、その自警団の人達が全く居なくて……」
「里人の数に対して、自警団の頭数なんぞ微々たるものじゃからの……。しかも、夏を超えるこの酷暑の中じゃ、ヤツらが居たところで避難も思うようにはいくまいて……」
「ッ……」
その時、里にふわりと心地よい涼しい風が吹く。小鈴らが空に目を向けると、カンカン照りの中で、鴉天狗の一団が、団扇を携えてやってきたのが目に入る。射命丸母娘も居る他には、金髪ロングの謎の美女も居た。
「うっ、うわああああっ!天狗だああぁっ!!」
「ひぃぃっ、お助けぇぇっ!」
「ナンマンダブナンマンダブ……」
「南無妙法蓮華経……」
「羯帝羯帝波羅羯帝波羅僧羯諦……」
「南無大慈大悲救苦救難……」
「貪狼・巨門・禄存・文曲・廉貞・武曲・破軍」
「狼狽えるな!大人しく避難せよッ!!」
「「「!?」」」
「やれ、宵闇の!」
「天狗風情がこの私に命令しないでくれるかしら。私はエスカルゴの指示でのみ動くのよ」
大人化ルーミアはとても広い範囲で闇の度合いを調整できる。普段は光を全く通さなくする闇だが、今は避難誘導の為に、ある程度の光は残している。
暗さで言うなら、ルーミアの闇の下のみ、夕方の明るさとなっている。そして鴉天狗達が風を吹かせ暑さを和らげている。
「気持ちいい……」
「ほれ小鈴。避難しよう。鴉天狗共め、風を吹かせながらも避難誘導をしてくれるようじゃ。鼻高や、山伏までおるようじゃぞ」
「はいっ……!」
「おい、そこの化け狸。お前の避難先は妖怪の山、天狗の里だ」
「なぬぅっ!?今から山登りじゃと!?正気か!?いや正気じゃないな!暑さでトチ狂ったのか!?」
「人間は仙界、人外は天狗の里。山の英雄様からの指示である。避難誘導に手を貸さないのであれば、大人しく受け入れろ」
「儂はエスカルゴの知り合いじゃ!それに、人にも化けられるんじゃぞい!……ほれ、見ぃ!」
「……見なかった事にしてやる、さっさと避難せよ」
「融通が効くようになったのう!助かるぞい!」
マミゾウが彼女だと勘違いした鴉天狗は大人しく引き下がる事にした。本当ならここでマミゾウにも避難誘導に手を貸してほしかった所だが仕方ない。彼女も含め、エスカルゴファミリーとはトラブルを避けるのが今の妖怪の山の鉄則だからである。
そんな所にドタドタと河童の一団が追加で参加。キャスター付きの、巨大な機械を押してきている。
「うへ〜、遅れちったぁ!」
「にとりに怒られるよぉっ!」
「泣き言言ってないで!ほら、スイッチオン!」
「「「ポチッとな!!」」」
河童製の、冷水のミストカーテン。これで幾分か体感温度は更に下がるはずだ。
里の人間達は、妖怪達に守られ、保護されながらそれぞれ避難していく。涼しい風、涼しい闇、霧のように降り注ぐ冷たいミスト。およそ猛暑日の気温だとは思えない、この上なく快適な環境であった。
そして同じく里の某所では……。
「赤蛮奇!あぁ、お前も誘導してたのか……!」
「えっと……妹紅、だっけ。うん。上を見るに妖怪が率先して避難誘導をしてるようだから、私もって。まずかったりした?」
「寧ろ助かってる!頭、限界まで出せよなっ!」
「もう出してるから安心して」
「ハハッ、そうか!」
「……ねぇ妹紅。アイツ……エスカルゴは?」
「っ!…………アイツは……太陽を止めに行ったよ」
「────ッ!?」
◆
「……そうか。菫子のヤツ、幻想郷で……」
「ええ。笑って逝ったわ」
「ヘッ……アイツ、幸せなヤツだな。孫に見守られ、再び幻想郷に来て。しかも、老衰とはな。羨ましい最期だよ。……それで、孫ってのは何処だよ?菫子の友として、孫にも挨拶しておきたいんだが」
「茜ちゃんが、実家に連れてったわ」
「茜の実家って言うと、紫の家か。ま、菫子も孫も外来人だしな。人里の人間達となんて、一緒に避難させられないもんな。茜の外での友達ということを差し引いても、妥当な判断だぜ」
地上を任された霊夢らは、博麗神社で待機。既に菫子の遺体は茜と蓮子により運ばれたあとで、もう神社はもぬけの殻である。そして、人里では避難が始まっている頃だ。
「……」
「なぁ霊夢、まだ怒ってんのか?迎撃、攻撃に参加させてくれなかったこと。私からも、エスカルゴにガツンと言っておいてやろうか?」
「いいわ。アイツが無事に戻ってきたら、死ぬまで抱き締めてやるんだから」
「……やっぱツンデレだよな、霊夢って」
「は?」
「だってさ、エスカルゴと同じ部隊に入りたいって志願したのは……つまるところアイツと力を合わせて戦いたかっただけなんだろ?」
「……うん」
「素直にそう言えば、エスカルゴだって作戦を変更してくれたかもしれねーぜ?エスカルゴのヤツは、惚れた女にはトコトン弱いからなぁ」
「そりゃあ……そんなの私が誰よりも知ってる事よ。だけどね……エスカルゴが選んだのは私ではなくて、フランで、レミリアだったのよ」
「あとパチュリー、モルモー、幻月達もだな」
「うっさい!」
「極めて小声だぜ」
「……はぁ。しかもエスカルゴのヤツ、何故か霊子と
「先々代の手記に名前が出てたヤツだっけ?」
「ええ、そう。先々代の博麗靈夢が倒した敵の中にその死の天使……サリエルってのが入ってた。だけどまさかそいつと霊子を組ませるなんて……」
「何となくだが、狙いは読めるな」
「だからこそ、よ。本当に大丈夫なのかしらって、不安になるのは私だけじゃないはずよ……」
「……。それにしても暑いな。もう、猛暑日だぜ」
「太陽が近付いてきているのが、与太話じゃなくて現実だと目に見えて分かるわね。あと1日も猶予は無さそう。気を引き締めなさい、魔理沙」
「ああ────地球最後の日にならないよう全力を尽くすのみだぜ。にしても師匠はどこ行ってんだ、こんな時に……」
「魅魔だっけ?」
「ああ。ここんとこ、姿を見せやがらないんだよ。魔界に行ってるでもないし、どこに居るんだか」
「成仏したんじゃないの」
「縁起でもないこと言うなっ!……いや、霊としてはそれが正しいのか……」
◆
「────以上がエスカルゴ達の立てた作戦の概要です。依姫様、豊姫様……お願いです。本作戦に参加するよう玉兎達に指示を!もしそれが叶わないのであれば、今一度、玉兎の指揮権を……私にッ!!」
「鈴仙……冷静に考えれば分かることでしょう。月を抜けたあなたは、いわば裏切り者。そんなあなたに指揮権など任せられません。まして現在の月の都、あなたも来たときに目にしたでしょう。突如現れた異国の神により破壊され尽くした月の都の惨状を」
「ですが!ここで玉兎達の力が無くては……月がッ!地球が消滅するんですよ!?」
「そんなモノ嘘です。エスカルゴ・スカーレットが頭の中だけで考えた最悪の事態の1つに過ぎない。わざわざ、手を貸す必要性を感じない。それより、こちらの復興に手を貸してもらいたいものですね」
「〜〜〜〜〜ッ……!!くっ……さ、サグメ様からも何か言ってください!」
「……」
「サグメ様の頼みだとしても無理なものは無理だと言わざるを得ません。そこまで人員を割けません。混乱に乗じて純狐が攻めてくるかもしれませんし」
「純狐さんは幻想郷内で支援に当たっていますッ!太陽が迫ってきているこの非常時に嫦娥を攻撃するなんてバカな事、あの人はしませんッ!こんな時にそんな事をする程、あの人は、考え無しのバカじゃありませんからッ!」
「「……」」
「……依姫様……豊姫様……ッ!」
月の都では、鈴仙とサグメが綿月姉妹と面会し、どうにか玉兎部隊を借りられないか交渉中である。しかしやはりと言うべきか、交渉は進まない。いやそれどころか今にも頓挫しようとしている。
そんな中で、ずっと沈黙を貫いていたサグメが、遂にスケッチブックの上で口を開く。
『────もし仮に地球が失われたと仮定しよう。するとどうなるだろうか。何らかの方法で月だけを救ったと仮定して、月にとっては罪人を追放する、流刑地である「地球」が消える。本当にそれだけ、だろうか?いいや違う。我々の敬愛する八意様が、生まれ故郷を失う事になる』
「「────ッ!!」」
『それに加えて、もし地球が救われたなら月の都の復興なんてものはすぐに終わる。私の彼に頼めば、それこそ「秒」で終わるはずだ』
「しかしアイツに頼むのはっ……」
『依姫、豊姫が彼に頼む必要は、無い。私や鈴仙が彼に頼めばそれでいい。彼なら私達の「お願い」を聞いてくれる。そうするよう、どんな手を使っても彼に頼み込む。だからどうか、玉兎部隊の指揮権を鈴仙に。もしくは2人が、我々に代わり玉兎部隊の陣頭指揮を執ってほしい』
「お願いします、依姫様、豊姫様っ……!」
深々と頭を下げる2人。長い沈黙が4人を包む。頭では豊姫も依姫も分かっている事だった。しかし過去に、彼に任せたせいで夫、そして息子を喪った経験があるこの2人は、中々、任せるという決断に踏み切れずにいた。
それでも、状況が状況である。地球が滅びれば、遠くない未来、月の都も確実に滅びる。間違いなく滅びるのだ。復興もあったもんじゃない。
2人は、遂に決断した。
「────分かりました。私と依姫が、玉兎部隊の陣頭指揮を執りましょう」
「お姉様……!」
「依姫も分かってるでしょう。地球が滅びれば月も滅びる事。月夜見様のお帰りを待つのが今の我らの使命である事。地球は、月夜見様の故郷でもある。流刑先である前に守らなくてはならない
「……はい」
「豊姫様……依姫様っ!」
『鈴仙、喜んでいる時間は無い。次の作戦を、早く2人に』
「あ、はい!」
綿月姉妹の決断に喜びの色を隠せない鈴仙。だがサグメは冷静に、そんな鈴仙を押さえる。そして、鈴仙とサグメは元々用意してきた彼からの「策」を2人に告げる。
「では、彼の作戦をお伝えします。玉兎部隊には、近付く太陽から放たれた過剰な分の『熱』が地上に届くのを遅らせてもらいます。もちろん私も前線に立ちます。ですので、詳細な指揮は同じ玉兎の私が執ります」
「それは構わないとして、『熱』を……どうやって?
『熱が届くのを遅らせる』とは何なの?」
「彼────いえ、八雲紫曰く『熱は波長。波長を操る能力を持つのであれば、広義的に熱の届く早さなども操れると判断して間違いない。もしも能力がそのレベルに達していないのであれば、なんらかの方法で強化する他ない』────とのことでした。
『そもそも地球は光……電磁波という形でしか、太陽からのエネルギーを受け取っていません。それらは多少能力を成長させればモノにできるはずよ』とも言ってました」
「八雲紫の案ですか」
「はい」
「……まぁ、この私達ですらも、一度は出し抜いた女ですもの……確実な作戦だとは思うわ。悔しいけど。だけど鈴仙、あなたなら分かると思うけど、うちの玉兎達にそこまで能力を高めている者など、誰1人として居ないわ。あなたも流石に『熱』までは無理なのでしょう?」
「はい。ですので私を含めて、玉兎部隊を一時的に魔界に移動させます。そこで魔界の創造神に能力を拡張してもらいます。送迎については八雲紫の娘、茜ちゃんが行う手筈になっています」
「「創造神!?」」
「詳細は後ほど説明させて頂きますがエスカルゴの義理の母です。信用に値します。彼女に能力を拡張してもらったら直ぐに月の都に戻ります」
「……分かったわ。その辺の事は鈴仙、あなたに一任します。だけど、まだ疑問は残るわ。近付きすぎた太陽を元に戻すのは一体誰が?近付きすぎた太陽を再度遠ざけなければ、この問題は解決しないわよ」
「太陽は元に戻しません」
「「……え?」」
「エスカルゴの作戦では────あの太陽は、破壊する事になっています」
里人の中にぬ~べ~と玉藻モドキいるぞ。