※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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お呼び出し

スタスタ…

 

カルゴ「…ん…?」

 

足音?…こんな時間にか?

 

エスカルゴは謎の足音を聞き、目を覚ました。

時計を見ると、大体午前3時である。

 

…泥棒か?なら気絶させて外に出しとくか。

 

カルゴ「雷武器『雷銃』」ボソッ

 

カチャッ…キィィィ…

 

銃を装備し、廊下を見る。

 

確実に…居る。誰かが。

 

その者は、丁度この部屋を通過したところだ。

後ろ姿が見えるものの、暗くて、男だか女だかすら判別出来ない。そして音も無く背後に忍び寄り…

 

カルゴ「動くな」

 

?「ひぃっ!?…エスカルゴさん!?」

 

体をビクッとさせ、エスカルゴの名を呼ぶ。

 

その声…!

 

カルゴ「文か。…解除」

 

エスカルゴが銃を解除すると同時に振り向く。

 

文「そ、そうですよ!?誰だと思ったんですか!?」

 

カルゴ「泥棒」

 

文「酷いですよぉ〜…」

 

カルゴ「悪い」

 

見たことない服だったし…。

 

文「ったくぅ〜…」

 

口を尖らせる文。

 

あ、可愛い。

 

カルゴ「こんな時間に何してるの?」

 

文「いつも新聞配達してる時間なので…ついクセで起きてしまったんです。それで、部屋に戻る所で…」

 

カルゴ「あ…新聞の事考えてなかったな」

 

文「私もです…」

 

幻想郷中に配ってるはずだから…ちょっとマズイか?

 

カルゴ「どうする?」

 

文「まぁ、仕方ないですね。今日ははたての新聞が売れますね」

 

カルゴ「はたて……」

 

あ、姫海棠はたてか。

 

文「エスカルゴさんははたてに会ったこと無いんでしたっけね」

 

カルゴ「だね」

 

文「この前の白狼天狗との戦いも観てたんですよ」

 

カルゴ「へー。それは知らなかった」

 

文「そういえば、エスカルゴさんこそこんな時間に何を?」

 

カルゴ「廊下で足音するから来てみた」

 

文「え…言うほど足音しました?」

 

カルゴ「静かだからよく聞こえたってだけ」

 

文「なるほど〜…」

 

カルゴ「じゃ、俺はもう少し寝るから」

 

文「あ、はい!おやすみなさいです!」

 

カルゴ「…文も寝るの?」

 

文「そうですねぇ…やる事もありませんし」

 

カルゴ「そか。そんじゃまた後で」

 

文「はいっ!」

 

エスカルゴは部屋に戻り、再び眠りについた。

この後、とんでもない報せが入るとも知らずに。

 

 

 

 

 

フラン「ねー、文はこれからどーするの?」

 

文「どうと言われましても…誤解が解けるまではあまり表立って動けませんからねぇ…」

 

現在、朝食を終えみんなでテラスでまったりしていた。

 

フラン「このまま皆で暮らすのも楽しそうね♪」

 

カルゴ「確かにそれはあるかもな」

 

文「確かに楽しそうだとは思いますが…新聞がありますからね…」

 

フラン「ぶー…」

 

カルゴ「つーか、勝手に文のこと連れてきた訳だけどさ、文って脱獄犯扱いだよな?」

 

文「それを言うならエスカルゴさんだって。まだ侵入者扱いですからね?」

 

カルゴ「めんどくさいよなアイツら」

 

文「上からの命令ですからねー…」

 

そこに、咲夜が現れた。

 

咲夜「エスカルゴさん、お客様です」

 

カルゴ「わかりました」

 

誰だろ?

 

フラン「私も行く!」

 

カルゴ「オッケ」

 

文「私もいいですか?」

 

カルゴ「え?あ、ああ」

 

レミィ「なら私も!」

 

カルゴ「結局全員か」

 

みんなで玄関へ向かう。

そこに居たのは……。

 

文「はたて!」

 

はたて「文!?ここに居たの!?」

 

文「えー、なんですかー、あなたまで私のこと捕まえに来たんですかー?」

 

ジト目ではたてを睨む文。

 

はたて「違うわよ!天魔様の使者として来たのよ!」

 

文&カルゴ「え…天魔様!?」

 

はたて「ええ。天魔様からのお呼び出しよ」

 

カルゴ「呼び出しってのは…」

 

文「一体どっちを…」

 

はたて「エスカルゴさんの方に決まってるじゃない。文がここにいるなんて今知ったんだから」

 

Noooooooooooooooooo!!!!!

 

エスカルゴは心の中で絶叫した。

 

嫌な予感しかしねぇよ!?

だって天魔って言ったら…天狗たちの長じゃねぇの!?だとしたら今回の騒動について…色々処罰されたりするんじゃ…!?

 

はたて「さ、エスカルゴさん、行くわよ」

 

カルゴ「えぇ〜……」

 

はたて「そんな露骨に嫌な顔しなくても…」

 

カルゴ「だってぇ…もし戦いになったら死ぬかもしれなくね?」

 

はたて「そこはまぁ…吸血鬼の再生能力でさ…」

 

レミィ「ちょっと待ってよ!天魔ってのはそんなに強いの!?」

 

はたて「単純なパワーなら…」

 

文「山の四天王と変わらないかも……」

 

カルゴ「あややややややややややややややや…」

 

文「それに、天狗ならではのスピードも…」

 

勇儀さんがクソ速くなった感じ?

え、勝てる気しないんだけど?

あのパワーまともに喰らったら弾けるよ?

 

カルゴ「これ死んだやん…」ボソッ

 

はたて「い、いや、まだ戦うと決まったわけじゃ無いから、そこは安心して!ねっ?」

 

カルゴ「はあ…」

 

なら大丈夫…かな?

 

と、僅かばかりの希望を抱いたエスカルゴ。

だがその希望は、次の文の言葉によって雲散霧消してしまった。

 

文「でもあの方…戦いが好きだし、手加減するって言うクセに、気分がノッてくると暴走しがちだし…」

 

はたて「ちょ、文!」

 

文「あ…」

 

慌てて口を塞ぐが時すでに遅し。

それらの言葉は全てエスカルゴの脳に刻まれた。

 

カルゴ「クソ強くて戦いが好き…?手加減するって言うのに暴走し勝ち…?」

 

文「あやややや…しっかり聞こえてましたか…」

 

はたて「ま、まぁまぁ!戦う訳じゃ無いかもだからさ!さ、行こ!」

 

カルゴ「おいっす…」

 

ふらりと玄関から出るエスカルゴ。

 

フラン「行っちゃダメ!殺されちゃうわ!」

 

レミィ「そうよ!やめなさい!」

 

2人に止められ立ち止まる。

 

カルゴ「でも…これに従わなきゃこの騒動に決着つけられないんだろ」

 

はたて「そうね」

 

フラン「だ、だとしても…」

 

カルゴ「それに、天狗らに狙われる生活なんてゴメンだぞ。というか文の新聞が読めなくなる」

 

文「エスカルゴさん…」

 

カルゴ「大丈夫。俺はこの前勇儀さんに勝ったんだ。…でも、油断しないで戦ってくる」

 

レミィ「うぅ…」

 

カルゴ「な?俺らの生活がかかってるんだよ」

 

レミィ「しょうがないわね…」ボソッ

 

俯きながら呟く。

 

フラン「お姉様!?」

 

レミィ「でも!絶対に生きて帰ってくるのよ!紅魔館の主としての命令よ!!」

 

キッと顔を上げ、エスカルゴを指さして叫ぶレミリア。その目には涙が光っていた。

 

カルゴ「ああ。生きて帰ってくるよ」

 

ポンポンとレミリアの頭を撫でながら言う。

 

フラン「死んじゃったら許さないんだからね!」

 

カルゴ「…死なないよ」

 

同じくフランの頭も撫でる。

 

フラン「負けたらキュッとしてドカーンするから」

 

カルゴ「ふぇっ!?」

 

負けたら!?

 

フラン「…冗談よ」

 

真顔で言うなよ…。

冗談に聞こえねぇよ…!

 

はたて「天魔様が待ってるわ。行くわよ」

 

カルゴ「…わかった」

 

せめて最期くらいは笑顔で…。

 

カルゴ「いってくる」

 

フラン「うん」

 

レミィ「死なないでよ」

 

咲夜「お気を付けて」

 

文「頑張って下さい!」

 

カルゴ「もちろん」

 

バシュシュッ

 

はたてに続き飛び立つエスカルゴ。

 

…いや、最期って何だよ。死ぬ気満々かよ俺。

なんであんなこと考えたんだ?

 

はたて「不安かしら?」

 

カルゴ「…多少はね」

 

はたて「気をしっかり持って」

 

カルゴ「うん」

 

はたて「あなたはどうしたいの?」

 

どうしたいの、とはどういう事だ?

この騒動をどう片付けたいか、って事か?

 

カルゴ「話し合いで済むならそれで終わらせたいね」

 

はたて「ま、それが一番よね」

 

カルゴ「ああ」

 

などと話してるうちに、あっという間に着いた。

といっても……

 

カルゴ「なんじゃこの屋敷は」

 

はたて「天魔様のお屋敷よ」

 

空から直行で屋敷に来た。

 

いつも通らない…というか、見ない側なので屋敷の存在に気付かなかったぜ…。

 

門兵天狗「!貴様ァ!侵入者だな!?」

 

はたて「天魔様に呼ばれたのよ。通しなさい」

 

門兵天狗「!?…し、失礼しました…(侵入者、殺されるなw)」ニヤリ

 

カルゴ「…?」

 

門番、笑った?

 

はたて「ほら行くわよ」

 

カルゴ「あ、はーい」

 

うう…天魔ってどんな奴だろう…。

ほんとに話し合いで済むのかぁ…?

 

はたての案内により屋敷内へと歩を進めるエスカルゴ。だがやはり、彼の中には一抹の不安があった。

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