カルゴ「おお〜…」
はたての後に付いて歩くエスカルゴ。
始めて来る場所なのでキョロキョロする。
天魔の屋敷…そこは、紅魔館とは違い和風建築なのだが、どこか道場のような造りだ。
俺通ってた弓道場…いや、大会の会場そっくりだな…。
カルゴ「天魔様がどこにいらっしゃるのかわかるのか?」
はたて「ええ。そこに通せと言われてるからね。…でも…」
言葉を切るはたて。
カルゴ「でも?」
はたて「ううん、何でもない」
カルゴ「ちぇ〜」
はたて「(応接室じゃなくて、
しばらく歩き、大きめの引き戸の前に立つ。
はたて「ここよ。…頑張って」
クルリと背を向けるはたて。
カルゴ「あ、ちょ!来てくれないの!?」
はたて「案内までが私の役目だから…」
カルゴ「せめて中に入るまで…」
はたて「…仕方ないわね。見届けるだけよ」
カルゴ「すまん!」
手を合わせてニッと笑う。
カルゴ「…どーやって入るんだ?」
はたて「は?いや、普通に叩けばいいじゃない」
カルゴ「それはわかるが…緊張する…」
はたて「頑張って」
カルゴ「うぅ〜…はたてぇ…」
はたて「なに文みたいな事言ってんのよ…」
カルゴ「だって緊張がぁ〜…」
はたて「あのねぇ…あんたも男ならビシッと…」
決めてきなさい、と言おうとしたその時───。
??「そこ!居るのはわかっておるぞ、入って来なさい!」
カルゴ「ひぃっ!?」
室内から怒鳴り声が聞こえてきた。
声しか聞こえてないのだが謎の威圧感がある。
はたて「ほら」
グイッ
カルゴ「あ、こら、押すな!」
文字通りはたてに背中を押され、引き戸と向き合う。
カルゴ「はぁ〜……ふぅ〜……」
深呼吸完了…っと。
コンコンコン
??「入って来なさい」
カルゴ「失礼します」
ガラガラガラ…
何だここ…広っ!?
エスカルゴは思わず入口に立ち尽くす。
その部屋はまるで道場…。
紅魔館の特訓部屋よりずっと広い。
両脇には大柄な天狗達がズラリと並んでいる。
床は畳ではなく板張り、そして真正面には一段高くなっている場所があり…そこに1人の女性が座っている。
その場はまるで、時代劇に出てくる、将軍様が座っている場所のようだ。
??「遠い所をよく来たな。わしが天魔じゃ」
この女性が…??
思ったより小柄なんだな…。
天魔「ほら、いつまでもそんな所に立ってないで、近う寄れ」
カルゴ「は、はい…」
戸を閉め、天魔の正面…およそ5m辺りに立つ。
天魔「座ったらどうじゃ?」
カルゴ「…失礼します」
正座をする。
天魔「(呼んだはいいが、急にわしと戦えというのもな…。どうすれば良いのじゃ?)…まず名を名乗れ」
カルゴ「エスカルゴ・スカーレットでございます」
天魔「ふむ…エスカルゴか。では本題に入ろう」
カルゴ「!!」
早速かよ!!
天魔「(あ、こっちは本題じゃないか…。)此度は、誠に申し訳無かった」
座ったままではあるものの、頭を下げる天魔。
カルゴ「はい!?」
なんで天魔様が謝るの!?
天魔の意外な行動に、大天狗らはザワザワと騒ぎ出す。
天魔「この騒動の原因は全てこちらにある。(軽く雑談でもするか。エスカルゴも緊張しておるようじゃし。)…どうやらお主、八雲 紫と繋がりがあるようじゃな?」
カルゴ「は、はい。そうでございます」
急に何?
天魔「この騒動の発端は、それを妬んだ大天狗がお主を亡き者にしようと刺客を差し向けたことから始まったようじゃな」
カルゴ「え……」
妬み!?
天魔「(あ、その結論に至った理由も言っとくか。)昨晩、命令に背いた者共を拷問し、聞き出したのだ。…案ずるな、その者共はもうこの世にはおらん」
死刑!?!?
カルゴ「さ、左様にございますか…」
天魔「して、八雲 紫が介入したというのも…元はと言えばお主が山で騒動を起こしかけたかららしいな?」
カルゴ「はい……」
天魔「何故そう何度も山に来るのだ?」
カルゴ「用があるから…でございます」
それしかねぇだろォ!!(泣)
天魔「ほう。…それは誰にじゃ?」
良いのか…?正直に言っても…。
いや、正直に言うべきだろう。
カルゴ「ある時は河城にとりに…、またある時は射命丸 文に…。主に、この2名でございます」
天魔「ほう…。お主は顔が広いのだな」
と言って僅かに微笑む天魔。
だがすぐに真面目な顔付きになり…
天魔「そして…お主」
カルゴ「はい」
天魔「射命丸とはどのような間柄なのじゃ?」
はあ…また来たよその話…。
カルゴ「取材する者とされる者…という間柄でございます」
天魔「だが見た者の話によれば、かなり仲が良さそうだったと聞くが?」
カルゴ「そう見えただけでしょう」キッパリ
天魔「なるほどの。……で、お主と射命丸にそのような関係があると誤認した者が大天狗にそう報告し、射命丸を捕らえお主を誘き寄せた…」
カルゴ「!!」
やっぱそーか…。
天魔「そしてお主はまんまとそれに引っかかり…多数の天狗達に攻撃される…が、これを撃破し、射命丸の救助に成功した…と。これが昨日の出来事じゃな?」
カルゴ「はい」
天魔「射命丸は現在何処に?」
カルゴ「我が住まい…紅魔館にて保護しております」
天魔「保護の理由は?」
カルゴ「文の身を守る為でございます」
天魔「(呼び捨て…やはりこの2人何かあるな?ふふっ、面白いではないか)」
それ以外理由は無いだろう。何故今更…?
天魔「何故紅魔館で保護する事が射命丸の身を守る事に繋がる?」
カルゴ「紅魔館には数多の実力者がおります。文本人もかなりの実力者ではございますが、その文が捕まった以上は、それ以上の力が必要だと判断したのです」
フラン、レミリア、咲夜さんにパチュリー…おっと、美鈴を忘れていた。
天魔「(うむ、尤もな考えじゃな)」
エスカルゴの言葉に小さく頷く天魔。
天魔「そこで、だ」
カルゴ「?」
天魔「お主、この騒動をどう見る?」
え〜…さっきもこんな話しなかった?
まぁいいけど。尋問は同じこと何度も聞いたりするし。
カルゴ「大天狗様らの独断による行動…?」
天魔「そ、排他的な考えの大天狗らが悪いのよ」
やれやれと言った感じに首を振り…ジロリと大天狗らの方を睨む天魔。
そして天魔に睨まれ縮こまる大天狗。
天魔様って意外と話わかる人???
カルゴ「排他的…ですか」
天魔「大天狗らの言い分はな?山の秩序を守る為、侵入者は排除すべきだ、と言うのだ。だが、秩序云々の前に掟がある。この山は実力主義…。強き者を許し、歓迎すべきなのに、その事を忘れていたようなのだ」
カルゴ「はあ…」
掟…か。
天魔「だからわしは、お主を許そうとしていたのじゃ」
カルゴ「え?」
マジ?
天魔「射命丸の新聞には、度々お主のことが報じられているな。わしはそれを読み、此奴は山に入れても大丈夫、掟に従うまでだ、と思っていた。だがそれも、大天狗らは気に入らなかったようだ」
カルゴ「……!」
大天狗め…!
天魔「だがやはり、わしは山を束ねる者…そう簡単に許す訳には行かん。それはわかるな?」
カルゴ「はい」
天魔「故に、ある策を講じた」
カルゴ「…策?」
天魔「そう。皆が納得する方法じゃ」
カルゴ「はあ…」
天魔「(やっと話繋げられた…。わしは話が苦手じゃからのう…。)」
皆が納得…?
天魔「ここまでダラダラと長い前置きになってしまったのじゃが…つまり、早い話が、わしと戦えということじゃ」
前置きだったんかい!
尋問とかじゃなかったのかよ!
つーかそれより…
カルゴ「天魔様と…私が…?」
悪夢が現実になってしまった…。
天魔「もちろんこれはお主の為じゃ。もしお主が勝てば、山への自由な通行を認めよう」
カルゴ「本当ですか!?」
思わず身を乗り出すエスカルゴ。
天魔「わしを倒すことは即ち、山で1番になるということ。となればもう誰も逆らうことは出来まいて」
カルゴ「なるほど…」
天魔「射命丸の事もそうじゃ。罪人扱いするのを止めさせ、今まで通りに過ごさせよう。まぁこれはお主が負けてもそうするつもりじゃが」
カルゴ「もし私が負ければ…?」
天魔「山への自由な通行は認められん。…いや、それを機に、大天狗らがお主らに更なる圧をかけることになるじゃろう」
カルゴ「………」
天魔「だがそれでは、お主は更にストレスが溜まることだろう」
カルゴ「!!」
天魔「裏の…地面が陥没したあれ、見たぞ」
ジロリとエスカルゴを睨む天魔。
カルゴ「………」
天魔「天狗らに攻撃され…射命丸が捕えられ…お主のストレスは溜まり…そしてそれに負け、暴れたのだろう?」
カルゴ「はい…」
天魔「おかげで、アレをまともに喰らった者は全治半年以上の大火傷よ」
と言ってカラカラと笑う天魔。
半年以上!?妖怪なのに!?
カルゴ「申し訳ございません…!」
天魔「いや、いい。その原因もこちらなのだからな、そこについては何も言わんよ。して、どうなのじゃ?戦うか?」
それしかねぇだろーな…!
カルゴ「……はい……」
天魔「よくぞ言ったエスカルゴよ!」
大天狗「貴様如きが天魔様に敵う訳あるまい!無惨に殺される前に逃げたらどうだ!?ハーッハッハッ!」
大天狗の1人が急に立ち上がり言い放つ。
天魔「………」ギロリ
大天狗「………」( ´・ω・`)
天魔に睨まれ一瞬で縮こまる。
天魔「さて。どこで戦おうかの?」
カルゴ「……どこでも。この部屋も十分広いですし…外で空中戦、地上戦を行うのも良いでしょう」ニヤリ
大天狗「あやつ…阿呆か?相手は圧倒的な格上、自分の得意な条件下で申し込めばいいものを…」ボソッ
カルゴ「………」ジロッ
大天狗「………」( ´・ω・`)
天魔「ははっ、そうかそうか。…わしはこの部屋での戦いに慣れておる。それでも良いと申すか?」
カルゴ「はい」
天魔「だがそれではお主が圧倒的不利だぞ?」
カルゴ「一向に構いません」
この言葉を聞き、大天狗らは騒めき始める。
天魔「ふふ…ふふははははは!格上にも動じぬ肝っ玉…気に入ったぞ!さぁかかって来いエスカルゴ!…殺す気でな!」
そう言うなり高見から飛び降り、腰に差していた剣を抜く天魔。
カルゴ「ッ!」
距離を取ろうと10数m飛び退くエスカルゴ。
あーあー…マジで戦うのかー…。
でも俺…山にはちょこちょこ来るしな…。
勝たなきゃなるまい。
ちらりと大天狗を見ると…ニヤニヤしてエスカルゴを見ている。そしてそのニヤニヤ顔に若干の苛立ちを覚えるエスカルゴ。
大天狗らは…俺が負けると思ってるようだがな。
これは俺らの生活がかかってる。
負ける訳にはいかん。
カルゴ「雷武器『雷刀』」
バチバチッ…
天魔「ほう…!」
瞬時に刀を形成したエスカルゴを見、感心の声を漏らす天魔。
カルゴ「やるからには、本気でいかせて頂きます」
天魔「(此奴…刀を構えると同時に雰囲気が…。先程までの緊張は何処行った?こっちが本質か?)良いぞ!ガンガン来い!」
天魔…絶対強いよな。
勝てるかな…?いや、弱気になるな!
強気で行かねば、天魔のペースに呑まれる。
天魔「殺す気で、とは言ったが、これは殺し合いでは無い。お主の力を証明する為の戦いじゃ。よって、ルールを設けようと思う」
カルゴ「ルール…ですか」
スペルカードルールだよな?
天魔「お主が自由に決めて良いぞ」
何だと!?こんな好機、逃す手はないぜ!!
カルゴ「スペルカード数は無制限。どちらかが戦闘不能となるまでの決闘………如何でしょう?」
これは俺の最も得意なルール。
ほぼ殺し合いに近いが…そうではない。
天魔「(わしスペカ持ってないんじゃが…ま、そこは剣でなんとかしよう。)それで良いぞ!」
カルゴ「ありがとうございます」
天魔「(此奴がわしを倒せるとは…悪いが、わしもそうは思えん。幾ら強いといっても、せいぜい7割のわしと同等という感じじゃろ。よってわしは7割程度で戦おう。)大天狗よ、合図を頼む」
大天狗「は、はい!」
余裕たっぷりの天魔…。
ゼッテー余裕ぶっこいてんだろ天魔…。
よし決めた、ぶっ倒してやる。
そんでもって、大天狗共に泡吹かせてやんよ。
と、硬く決意したエスカルゴだった───。
思ったより重くなっちゃった…?
…どこかで矛盾が生じてないか心配だな…。
キャラ設定
天魔(本名は
一人称…わし
二人称…お主
※気に入った者は苗字や名前で呼ぶことがある。
使用武器…剣
悩み…「周りの天狗は弱すぎて相手にならん」
勇儀並みの怪力、文以上のスピードを持つというクソ化け物。実質上の幻想郷最速は彼女。
鬼の代わりに山を治めていて、守矢神社の八坂神奈子ともうまくやっている様子。
好戦的で、“暇だから”と言う理由で大天狗、鴉天狗らと戦ったりするも、テンションが上がると無意識のうちに力を解放させてしまう。
現在の屋敷は6戸目の屋敷で、それまでの屋敷は全て天魔の
なので多少暴れても大丈夫な様に、十分に戦える程の広さの部屋も造った。
スペカを所持していないが、豊富な剣技により相手を圧倒する。
技名のカッコ良さを自負している。
自分の強さが圧倒的過ぎて、現在は誰ともまともに戦えず、好戦的故にかなりストレスが溜まっている模様。自分と互角に渡り合える者が欲しいと思っている。
また、いつも同じメンツばかりと話をしているので、客人と話すとなると、同じような事を言ってしまったり、何を話せば良いのか分からなくなったりする。
コミュ障…では無いものの、準コミュ障と言った感じ。