カルゴ「文〜?どこだ〜?」
あーあ、咲夜さんに文の部屋聞いときゃ良かったぜ。
現在エスカルゴは、待たせてしまった文を探している。
文「あややっ!呼ばれたような気がします!」
後ろ!?
カルゴ「後ろかよ……」
振り返ると、部屋からひょこっと顔を出してる文が目に入る。
カルゴ「あ、そこだったのね」
文「はい!…もう終わったんですか?前言ってた話ですと2、3時間はかかるって…」
カルゴ「あー…今日は早く帰らせたっつーか…」
文「え?でも前は“早く帰れ”って言っても帰ってくれないって…」
カルゴ「…用事でも残ってたんでしょ」
キスのことは絶対に黙ってなきゃな。
つーかさ、何でこんなことになったんだっけ…?
うーん…。
天子が異変起こす→解決に行く→ビリビリ→
ビリビリ気持ち良い→私を気持ち良くして→
やってくれなきゃ壊す→なら殺す→
殺せなかった→要求のエスカレート(現在)
うわぁ…こんな事になってたのか…。
てことは、ビリビリやらなきゃ良かっ…いや、それ俺の能力だし仕方ないじゃん。
泣くほど構って欲しいとか…心痛むなぁ…。
文「用事ねぇ…」
怪しいなと言わんばかりに考える文。
カルゴ「さ、行こうぜ」
文「はいっ!行きましょう!」
手を差し出してくる文。
カルゴ「…?」
な、なんで手を…?
文「あ、すみません!!(やってしまった…)」
慌てて手を引っ込める文。
カルゴ「いや…まぁ…大丈夫…だけどね。せめて館を出てからにしようぜ」
手を繋ぐくらいでは浮気にならない…よな?
見方によってはなるのかな…。
天子とのキスは完全にダメだけど(泣)
文「はいっ!(良いんですか!?)」
文…なんで俺と手を繋ごうと?
まさか文…俺のこと…?
いやいや、1日や2日とはいえ、仲間の所離れて生活してたんだ、ただ単に寂しいってだけだろ。
2人で外へ出る。
カルゴ「暗いな」
文「ですね」
寝てたからあんま腹減ってねぇや。
朝ご飯しか食べてない。
???「ぐすんっ…」
カルゴ「ん?」
泣き声?
文「どうしました?」
カルゴ「今泣き声が…」
文「そうですか?私には何も…」
カルゴ「んー…」
気のせい…か?
???「うっ…ひっく…」
気のせいじゃないな。上か。
カルゴ「ちょっと待って。屋根見てくる」
文「はーい!」
バサァッ
翼を広げ屋根の上を見る。だが誰も居ない。
居ない…やっぱ気のせ……ん?
カルゴ「!」
時計台の柵にフランが座っているのが見えた。
フラン…時計台で何やってんだ?
カルゴ「フラン」
そばに行って話しかける。
フラン「!エスカルゴぉ!」
ギュッ…
カルゴ「どうした?こんな所で」
フラン「やっと起きたのねっ!」
カルゴ「あ、ああ…さっきな。で、どうした?」
フラン「あのね…私ね、エスカルゴのこと運んだり綺麗にしたりしたかったの…。だって私のエスカルゴだもん…」
カルゴ「お、おう…」
フラン「なのに、文とか咲夜とか…お姉様まで私の邪魔するの」
カルゴ「じゃ、邪魔?」
フラン「私がエスカルゴのこと運ぶって言ってるのに文運んだり…血だらけだったから綺麗にしようとしたら咲夜が“仕事だ”って言って皆を部屋から出したり…」
カルゴ「………」
つまり…自分がやりたかった事を他の人にやられて不貞腐れてたって事かな…?
そもそも、フランが俺のこと運べるのか?
落としちゃわない?
カルゴ「ありがとな、その気持ちだけで十分だ」
礼を言いつつ頭を撫でる。
フラン「咲夜もそう言ってた…」
カルゴ「あらら…」
やばい…ご機嫌ななめだな…。
カルゴ「な、なぁフラン。今度さ、2人でデートしないか?だから…もう中に戻って…な?」
フラン「…ホントに?」
カルゴ「ああ」
フラン「2人で?」
カルゴ「そう」
フラン「やったぁ♡」
ミシミシッ…パキッ
カルゴ「ぐっ…」
肋骨が折れ、苦痛に顔を歪めるエスカルゴ。
フラン「〜♪」
ピキンッ
カルゴ「あがっ…フラン、骨折れた…」
フラン「ごめんなさいっ☆」
少し力を緩め、顔を上げて謝るフラン。
カルゴ「可愛いから許す」
フラン「えへへっ♪…ねぇエスカルゴ」
カルゴ「なんだ?」
フラン「何でこんな時間に外に居るの?」
カルゴ「文のこと山に送ろうと思ってね」
フラン「そっか…文、帰るんだね」
カルゴ「ああ。新聞もあるし、仕方ないさ」
フラン「そうね…。いってらっしゃい!」
カルゴ「うん、いってくる。さ、寒いから中に入りなさい」
フラン「はーい♪」
スッカリ機嫌は直ったようで、パタパタしながら玄関に戻るフラン。
フラン「あっ、文!またね!」
文「フランさん!…はい、また!」
2人の話し声が聞こえる。
どうやら挨拶も済んだようだ。
俺も行くか。
カルゴ「お待たせ」
エスカルゴが玄関に戻った時には、既にフランは屋内に戻っていた。
文「いえいえ!フランさんが居たんですね!」
カルゴ「そうみたい」
文「(私、全然聞こえなかったんですけど…よく聞こえましたね…)」
カルゴ「さ、行こうぜ」
手を差し出し、笑顔で言う。
文「はいっ!」
ギュッ
温かいな…。
2人で手を繋ぎ、夕闇の空へ飛び立った。
ちょっと聞いてみるか。
カルゴ「なぁ文」
文「はい?」
カルゴ「なんで俺と手を繋ごうって…?」
文「えっ…あっ…その〜…/////(聞かれるとは思ってませんでしたね…なんて言おう…)」
顔を赤くして目を逸らす文。
カルゴ「寂しいのか?」
文「さ、寂しい?」
カルゴ「ほら…寂しい時は誰かに甘えたくなったりするでしょ。多分」
過去の自分に文を重ね合わせるエスカルゴ。
文「(まぁ…天狗たちの所を離れて、ほんの少しは寂しかったかもですね…。でも、そんな事より…)」
真っ直ぐエスカルゴの目を見据える文。
カルゴ「……?」
真っ直ぐ見るなよ…ちぃっとばかし照れる。
あまりに真っ直ぐに見つめられ、少し顔が赤くなるエスカルゴ。
文「…私…(言っても…良いのかな…?)」
カルゴ「……」ゴクリ
何て言うつもりだ…?
文「エスカルゴさんに…甘えたいなーなんて…あはは…ご迷惑でしたか?(やっぱり今はちょっと…)」
カルゴ「いや、迷惑なんて事無いよ」
迷惑なのは天子だけだぜ。あとてゐ。
カルゴ「ちょっと照れるけど」
文「えへへ…(やっぱり私はダメですよね…。エスカルゴさんとは到底釣り合いませんよ…)」
などと話してる間に、妖怪の山に着いた。
カルゴ「…で、山に入って良いんだっけ?」
哨戒天狗らが居ねぇけど…?
文「そうですね!」
カルゴ「んじゃ、行こうか」
文「はいっ!」
何故か天狗が1人も見当たらず、スムーズに文の仕事場に着いた。
カルゴ「着いたー」
文「なんか久しぶりな感じがしますねー」
カルゴ「そっか…いつもここに居たんだもんな」
文「ですね〜…」
うーん…送り終えたし…帰るか。
文「あ、そうだ!天魔様がエスカルゴさんに、“ゆっくり休んでくれ”と!」
カルゴ「もちろん!」
そりゃ、休まなきゃダメだな。
あ、風呂入らなきゃな。ズボンで隠してるけど、下半身にはまだ乾いた血が着いてるしな。
カルゴ「じゃあ、そろそろ帰るよ。またね」
文「はいっ!(また
バサァッ
エスカルゴは文の仕事場から飛び立った。
文「さて!早速、新聞書きますかっ!」
文は、エスカルゴが飛び立つのを見送り、新聞の作成に取り掛かった。