※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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新たな悩みと新たなスペル

咲夜「エスカルゴさん、今朝の新聞です」

 

カルゴ「えっ?ありがとうございます。…文の奴、帰ってから早速書いたのか…」

 

咲夜「流石ですね」

 

カルゴ「ですね…」

 

夕方に帰って朝方に配るとかすげぇな。

なんて早さで書いたんだ…。

 

そして新聞を読み進めるエスカルゴ。

 

カルゴ「ん?」

 

咲夜「どうしました?」

 

広告欄に何かを見つけるエスカルゴ。

 

カルゴ「文から俺宛に手紙?みたいな…」

 

咲夜「えっ?なんて書いてあるんですか?」

 

エスカルゴの横から覗き込む咲夜。

 

カルゴ「『エスカルゴさんへ。忘れ物がありましたので、私の仕事場に取りに来て下さい。射命丸文』…って書いてあります」

 

咲夜「忘れ物…?」

 

なんかあったか?

いや、何も持って行ってないはずだがな…。

 

カルゴ「んー…ま、行けばわかることです」

 

咲夜「そうですね(広告欄を手紙代わりに使うなんて…新聞記者…羨ましい…!)」

 

つーかこれ…俺が新聞を隅々まで読んでること前提で考えてるんだよな?広告欄なんて隅っこだぞ。

ちゃんと新聞読んでて良かったぜ…。

 

フラン「えー、また何処か行くの?」

 

カルゴ「ちょっとな」

 

フラン「ふーん…」

 

レミィ「何でも良いけど、気をつけてよね?山って言ったら昨日…」

 

カルゴ「大丈夫だって。もう自由に入れるらしいじゃんか。それに、襲われた所で、しっかり返り討ちにしてやるさ」

 

レミィ「確かに、あなたなら大丈夫だと思うけどね…」

 

カルゴ「まぁな。…あと、楽しみにしててくれ」

 

レミィ&フラン「何を?」

 

咲夜「?」

 

カルゴ「あ。いや、何でもない」

 

3人「???」

 

カルゴ「じゃあ行ってくる」

 

早速席を立つエスカルゴ。

 

フラン「えっ!?もう!?」

 

カルゴ「他にもやりたいことがあるからな」

 

デートスポット探しとかな。

 

フラン「ぶー…」

 

レミィ「気をつけてよね」

 

カルゴ「わかってる」

 

咲夜「お気をつけていってらっしゃいませ」

 

カルゴ「はい」

 

読み終わった新聞を机の上に置き紅魔館を出る。

 

美鈴「おや、またお出かけですか?」

 

カルゴ「ええ、ちょっと。なんか忘れ物しちまったようで…」

 

美鈴「ありゃ。エスカルゴさんってば、意外と忘れん坊なんですね♪」

 

カルゴ「…そうですね。というか、最近ちゃんと起きてるんですね」

 

この美鈴の様子を見るに、さっきまで寝ていたようだが。

 

美鈴「そりゃあ門番ですもの、寝てちゃ意味ないですからねっ!」

 

ドヤる美鈴。

 

今まで散々寝てたくせに何言ってんだ…(汗)

 

カルゴ「今日は寝たんですか?」

 

少し意地悪してみる。

 

多分否定するだろう。そんで、アレ言ったら…。

 

美鈴「いえ!」

 

カルゴ「…ふーん。ヨダレ垂れてますよ」

 

美鈴「うぇえ!?」

 

エスカルゴに指摘され、急いで口元を拭う美鈴。

 

カルゴ「クックック、わっかりやすいですねぇ!あっはははははっ!」

 

あまりに予想通りにいったので、腹を抱えて笑うエスカルゴ。

 

美鈴「そんなに笑う事無いじゃないですかー…」

 

少し頬を膨らます美鈴。

 

カルゴ「あはははー…美鈴さんの反応が面白くて…ぷふふっ…」

 

美鈴「全くもう…」

 

カルゴ「じゃ、いってきますね」

 

美鈴「はーい、お気をつけて!」

 

美鈴いじるの面白いな…ぷぷぷっ…。

 

 

 

 

 

カルゴ「ふぃ〜…」

 

あ、今回は天狗居るのな。

 

すると、その天狗はエスカルゴの元に駆け寄り…

 

哨戒天狗「エスカルゴ様!」

 

カルゴ「様!?」

 

哨戒天狗「今まで数々の無礼を働き、申し訳ございませんでした!」

 

深々と頭を下げる哨戒天狗。

 

カルゴ「いやいや、気にしないで良いよ。…なんで“様”なんだ?」

 

哨戒天狗「天魔様と互角に渡り合えるお方…そんなお方と対峙したのにも関わらずこうして生きていられるなんて…。相当手加減して下さったのですね…!」

 

目をキラキラさせてエスカルゴに食いつく天狗。

 

カルゴ「ま、まぁね」

 

この前は“何用だ”とか言ってたのに…。

 

哨戒天狗「本日は何用で山へ!?」

 

あ、言った。

 

カルゴ「文に用があるんだ」

 

哨戒天狗「わかりました!お気をつけて!」

 

カルゴ「はいよ」

 

やれやれ…。

 

哨戒天狗を軽くいなし、仕事場へ直行する。

 

コンコン

 

カルゴ「文〜、来たぞ〜」

 

扉を叩き、到着したことを告げる。

 

文「あやっ!早いですね!入って良いですよ!」

 

中から声がする。

 

カルゴ「はーい」

 

ガチャッ

 

カルゴ「よっ。忘れ物取りに来たよ」

 

文「気付いてくれたんですね!」

 

目の下にクマがある様に見えるが…?

 

カルゴ「隅々まで読んでるからな」

 

文「ありがとうございます!(皆がスルーする広告欄まで読んで下さってるなんて…新聞記者冥利に尽きます!)」

 

カルゴ「いやいや、ちゃんと読むさ。…というか、俺が広告欄を読むのもわかってたんだろ?」

 

文「ふふっ、そうですよ♪(ほとんど賭けだったけど…エスカルゴさんを信じて良かったです♪)」

 

カルゴ「それで、忘れ物って…?」

 

文「まぁまぁ、そう焦らないで下さいって♪お茶でもいかがですか?」

 

カルゴ「うーん…じゃあお願いしちゃおっかな」

 

あまりゆっくりは出来ないけど…。

 

文「はーい♪(良かった♪)」

 

 

 

2時間後

 

文「とまぁ、最近あった事はこんな感じですかね〜」

 

カルゴ「ほへー…色々あるんだなぁ…」

 

エスカルゴは文のおしゃべりに付き合わされていた。とはいえ、嫌々付き合わされていた訳では無い。

文の話術があまりに巧みで、つい時間を忘れてしまう程に惹き込まれていたのだ。

だがそれは、文が自身の緊張を解すために行っていた事だった。

 

文「そうそう!昨日、新聞書いてから、天魔様のところ行ったんですよ!(よぉし、そろそろ…!)」

 

カルゴ「ほう」

 

え…新聞書いてから…?

お前、ちゃんと寝てる!?

 

文「天魔様ったら、私とエスカルゴさんのこと…そういう関係だって疑ってるんですよ?ふふっ♪」

 

!?

 

カルゴ「ぶふっ……ゲホゲホッ、ゲホッ…」

 

思わずお茶を吹きそうになった。

 

文「あややっ、大丈夫ですか?」

 

カルゴ「あ、ああ…。そ、そんな事より…そういう関係…って?」

 

文「(意外と鈍感…?)ですからその…彼氏と彼女…の手前なのか?…と……/////」

 

カルゴ「あ、付き合ってるとは思ってないのね」

 

なら安心だな。

 

文「でも私は…(2人きりの今しかないです!)」

 

カルゴ「?」

 

文「あなたと…そういう関係になれたらイイなって…思ってます…/////」

 

顔を赤らめながら笑顔で告白する。

 

カルゴ「……」

 

ちょ待って…ナチュラルに告白してきた…?

新しいパターンですよこれは…。

 

文「(言っちゃった…うぅ…エスカルゴさん固まってますよ…)」

 

な、なんて言えばいいの?

外の世界じゃ全くモテなかったから断り方もわからないんだよね…。いや、断るったって…鈴仙の時みたいに泣かせたら…うわ、それめっちゃ嫌や…。

とりあえず言ってみるか…。

 

カルゴ「あの…ね?俺、彼女が4人も居てさ…」

 

もちろん小悪魔のことは隠しているエスカルゴ。

 

文「…はい…」

 

カルゴ「これ以上増やすのは…というより、やっぱり…勝手に彼女作るのなんて良くないと思うんだよ…」

 

いや違う、そうじゃなくて!何言ってんだ俺!?

 

文「…はい…(勝手にって…?)」

 

いや…ここまで来たら言ってやる!

俺らしく、ビシッとな!!

 

カルゴ「今度会ったら返事する…待っててくれ」

 

文「!?(わざわざ返事を伸ばすなんて…これもうOKするフラグが立ったのでは!?)」

 

カルゴ「だから…頼む」

 

頭を下げて返事の延期を懇願する。

 

文「わかりました!今度会ったら、絶対聞かせてもらいますね!」

 

めっちゃ晴れやかな笑顔ですやんか…。

でも、こういう人ほど、断られた後に1人で泣くタイプなんやで…。そーゆー幼馴染居たもん…。

 

カルゴ「お、おう!」

 

絶対に誰も泣かせない。

 

文「(こういう大事な事に関しては、嘘つけない人なんですよね〜、エスカルゴさんは♪)」

 

カルゴ「つ、つい長居しちまったな。そろそろ帰るよ。あ、忘れ物ってのは何だ?」

 

見るからに焦ってるエスカルゴ。

 

文「あ、これですこれです!」

 

懐から3枚の写真を取り出す文。

 

カルゴ「あ、これ…あの時の。ありがとな♪」

 

たくし上げ、ダブルピース、ムニッと…。

ふふっ、あやや可愛い…。

…フランの盗撮お願いしようかな?

いやそれ犯罪な。…猫耳の時に盗撮したか。

 

文「いえいえ!…その写真取りに来るって時にあんな事になったんですよね…ビックリしましたね」

 

カルゴ「そーだなー…文が拘束されてるって聞いてめっちゃ驚いたよ」

 

文「エスカルゴさんの驚いた顔、見てみたいです♪」

 

カルゴ「おいおい…」

 

文「あ、そうだ!見て下さい!」

 

カルゴ「?」

 

文「ほら、2人で撮ったの飾ってますよ♪」

 

カルゴ「飾っ……うえぇ!?」

 

文に指をさされるがままそちらを見る。

すると、作業机の上に2人で撮った写真が写真立てに入れられて飾ってあるのが目に入る。

写真の中の2人は、顔を寄せ合い、弾ける様な笑顔をしている。

 

文「あの写真見ながら仕事をすると…作業がとても捗ります♪」ニコッ

 

なんか目頭が熱く…。

 

カルゴ「そっか…ありがとな、文……。でも、捗るのは良いけどな、ちゃんと身体休ませろよな?」

 

文「ちゃんと休ませてますよ?」

 

カルゴ「じゃあ今日は何時間寝た?」

 

文「そうですねぇ……昨日夕方に帰ってきて…しばらく書いて、休憩ついでに天魔様の所へ行き…」

 

カルゴ「……」

 

文「戻ってきて新聞を書き終わった頃には日付変わってて…」

 

カルゴ「!?」

 

文「そこから印刷し、一旦は眠りについて…」

 

カルゴ「……」

 

文「起きて配って戻ってご飯…そして今に至る…と。あ、1時間も寝てないですね」

 

あっけらかんと答える文。

 

カルゴ「おい大丈夫なのか!?」

 

思わずガタンと席を立つ。

 

道理で!なんかクマあるなぁと思ったんだ!

 

文「少し眠いですねぇ…」

 

言ってるそばから目を擦る文。

 

カルゴ「おいおいおい…そりゃまずいぞ文、今すぐ寝なさい」

 

文「いえそんな…。大丈夫ですよ?(エスカルゴさんが私の心配を…)」

 

カルゴ「1時間も寝てないとか絶対ダメだ、今すぐゆっくり休め。今休まなきゃ身体壊すぞ」

 

つーか文っていつ寝てるの?

朝は配達…昼は特ダネ探し…夜は…新聞作成?

…夜中や昼に寝てるんだろうな。

ん…昼のうちに印刷終わらせて夜には寝るのか?

 

文「いやいや、そんな〜…大丈夫ですって!」

 

カルゴ「ダメだ、そうやって身体を酷使してると、いつか絶対体調を崩す。だから休め」

 

文「はぁ〜い…」

 

カルゴ「じゃ、今日は帰るぜ。…ありがとうな」

 

文「今度会ったら…」

 

カルゴ「わかってる。…じゃあな」

 

文の言葉を遮り、笑顔で仕事場を出る。

 

ガチャッ

 

???「おわぁ!」

 

?「キャッ!」

 

カルゴ「うわっ!」

 

な、なんだ?

 

ヒビキ「急に出てくんなよ兄貴…」

 

椛「驚いちゃいましたよ…」

 

扉の目の前に居たのは、ヒビキと椛だった。

 

カルゴ「お前らかよ…扉の前で何やってんの?」

 

ヒビキ「別に?兄貴の声がしたから来てみた」

 

カルゴ「えー」

 

ヒビキ「兄貴、モテモテだなぁ」

 

カルゴ「!?…聞いてたんかよテメェ」

 

ヒビキ「椛もな」

 

椛「ちょっ、ヒビキ!?」

 

カルゴ「椛は良いとして…」

 

椛「ほっ…」

 

ヒビキ「んなっ…」

 

カルゴ「潰してやる、勝負だ」

 

ヒビキ「…良いぜ」

 

カルゴ「よし」

 

3人で上空へ移動する。

 

カルゴ&ヒビキ「椛、ルールと合図頼む」

 

椛「(ハモってるし…さすが兄弟ね…。)わかりました。一度被弾したら負けです。……始めっ!」

 

ヒビキ「だりゃああああっ!!」

 

椛の合図と共に斬り掛かるヒビキ。

 

カルゴ「………」

 

地上戦の方が速いな、コイツ。空中だと遅い。

文や天魔に比べたらスーパースローに見えるわ。

さて。俺の思いをこのスペルに…最大限込める。

そんで…ぶっぱなす!!

 

カルゴ「QED『葛藤の波紋』!!」

 

ヒビキ「避けにく!?えっ待てよこれどっちに…」

 

これは、外の世界で(・・・・・)エスカルゴが見てきた、フランの弾幕。

 

俺との勝負に使ってねぇから…まだ本気は出してないって事だ。でも、アレンジしたこれもかなり避けにくいだろ。つーか迷うはずだ。

 

ヒビキ「あ」

 

ピチューン

 

 

 

 

 

カルゴ「怪我はねぇな」

 

ヒビキ「ああ、大丈夫。んじゃまた」

 

椛「……」ペコッ

 

カルゴ「おう」

 

仕事に戻るヒビキと椛を見送り、エスカルゴも紅魔館へ向けて飛び立った。

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