カルゴ「ふわぁぁ〜……はふぅ…」
咲夜「ふふっ、大きなあくびですね」
カルゴ「ん…そうですね…」
彼は今、眠い目を擦りながら新聞を読んでいる。
何故だろう…すぐ眠れたはずなのに疲れがあまり取れてないぞ…?
カルゴ「いってくる」
フラン「いってらっしゃい♪」
カルゴ「おうよ!」
レミィ「ビシッとキメるのよ?」
カルゴ「!?わ、わかった…」
相変わらずラブリーなフランに癒され、何故かノリ気なレミリアに驚きを隠せぬまま紅魔館を出るエスカルゴ。
美鈴「すぴー…」
カルゴ「あちゃー…」
また寝てるし…。
というか、壁に寄りかからずによく眠れるな。
俺が前にここで寝た時は寄りかかったぞ?
これも一種の才能…か。
起こさないでおいてあげよっと。
ぷにっ…
カルゴ「おっ…」
美鈴のほっぺも柔らけぇな。
カルゴ「ふふっ…」
バシュッ
眠ってる美鈴にイタズラをして飛び立つ。
風が気持ちいいな…。気温も丁度いい。
美鈴「ギャアアアアアアアアアアア!!」
風に乗って美鈴の悲鳴が聞こえてきた。
なんか…すまん。起こせば良かったか。
哨戒天狗「エスカルゴさん!またお会い出来て嬉しいです!」
カルゴ「…おう」
妙に馴れ馴れしいな…まぁイイけど。
生意気なのに比べたら数億倍可愛いもんだ。
哨戒天狗「本日は何用で!?」
昨日と変わらぬキラキラした目で尋ねる。
自由に通れるようになったとはいえ、やっぱ気になるんかな?そもそも、任務云々とかじゃなくて、個人的に話しかけて来てるような気がする。
カルゴ「ちょっと会いたい人が居てね」
哨戒天狗「なるほど!お気を付けて!」
カルゴ「はいよ。仕事頑張ってな」
哨戒天狗「はい!ありがとうございます!」
カルゴ「じゃ」
哨戒天狗「はい!」
哨戒天狗と軽く話し、また仕事場へ直行。
コンコン
文「はーい!何方ですかー?」
あ、起きてるのね。ちゃんと休んだか?
カルゴ「エスカルゴだぜ」
文「え…どうぞ中に!(どうしたんだろう…)」
カルゴ「お邪魔します」
ガチャッ
カルゴ「よっ」
文「あの…どうしたんです?」
カルゴ「…返事は早い方が良い…と思ってね」
文「!…なるほど(まさか自分から来るとは…エスカルゴさんも予想の斜め上を行きますねぇ…)」
カルゴ「良いよ、文。…これからもよろしくな」
誰も泣かせない為なら、常識外れだろうがなんだろうがやってやるよ。たとえ自分を犠牲にしても。
文「!!…はいっ♪(やったああああ!!)」
ほっ…とりあえずこの件は終わり…か。
文「でも、“早い方が良い”って言ってるのにどうして1晩空けたんですか?」
カルゴ「あー…答え出す前にフランとレミリアに言っとかないと…。事後報告だと殺されそうで…」
文「はいぃ!?(殺され…えぇ!?)」
カルゴ「霊夢と付き合い始めた時、フランに殺される夢見てさ。夢の中で、“黙ってちゃダメよね?”って言われたから…言うようにしてる」
文「なるほど〜…(怖い夢ですね…)」
カルゴ「あ、そうだ」
ついでにアレ聞いておこう。
文「?」
カルゴ「幻想郷って、どんなデートスポットがあるかな?」
文「そうですねー…そもそも妖怪がデートするなんてあんまり聞きませんねぇ…」
カルゴ「えー…彼氏と彼女でどこか散歩に行ったりとかは?」
文「我々天狗はほぼ常に仕事がありますし…もしその彼氏と彼女の隊が違えば、休みの日も違ったりしますので散歩すら…」
カルゴ「マジかよ…」
じゃあヒビキと椛は…初めて会ったあの時はたまたまデート出来てたって事か。
文「たまーに休みが重なった時だけ、一緒に自然の中を散歩するといった感じでしょうか…」
カルゴ「それもうやってるァァァ…」
文「あやややや…」
カルゴ「ヒビキ辺りに聞いてみるか…」
アイツに頼るなんてゴメンだと思ってたんだがなぁ…こればっかりは仕方ない。
文「あやっ?ヒビキというと…エスカルゴさんに酷似した形で幻想入りし、今では白狼天狗最強と謳われる…あの…?」
カルゴ「そうそう。前に記事にされた通り、アイツと椛は付き合ってるからね。デートとか何やってるのか、参考にしたい」
文「なるほど〜。…なんか親しげですね?」
カルゴ「そりゃ兄弟だもの」
文「…へ?」
カルゴ「俺とヒビキは、人間の頃は兄弟だったのさ。あれ?言ってなかったっけ?」
文「初耳ですよ!?」
カルゴ「もうみんな知ってるかと思ったぜ。白狼天狗との戦いの時、他の奴まで俺のこと“ヒビキ隊長のお兄さん”って呼んでたから」
文「椛ぃ〜…話して下さいよぉ〜…」
カルゴ「ははは…。じゃあ俺はこの辺で。デートスポット探したいからさ」
文「はぁ〜い♪」
ガチャッ
そしてエスカルゴは文の仕事場を出た。
カルゴ「ヒビキは何処かなぁ…。それか椛か」
とりあえず山頂付近探してみるか。
バサァッ
翼を広げ、上空からの捜索を試みる。
カルゴ「お、あれは…ん?椛…か?」
椛に似ている白狼天狗を見つける。
スタッ…
?「あなたは!」
あ、やっぱ椛じゃないのか。
んー…似てるな。
椛を幼くしたような顔してやがる。
?「あなたがエスカルゴ様ですね!?天魔様と互角に渡り合ったという…あの!」
カルゴ「そうだよ。…様はつけなくていいよ」
?「えっ?わ、わかりました!あの、私、犬走 楓といいます!もう一度、エスカルゴさんにお会いしたかったのです!」
カルゴ「お、おう…ありがとう…。あれ?犬走って…椛と同じ…」
楓「はい!犬走 椛の妹です!」
カルゴ「道理で…似てるなと思ったんだ」
楓「似てるだなんてそんな…」
??????「誰と話してるんだ楓〜」
木陰から1人の男白狼天狗が現れた。
楓「あ!将輝!エスカルゴさんだよ!」
男白狼天狗3「あ、あなたは!ヒビキ隊長のお兄さんではないですか!」
カルゴ「うんそうだよ」
男白狼天狗3「自分、
カルゴ「これはどうも御丁寧に。ヒビキの兄の、エスカルゴ・スカーレットです」
ペコッと頭を下げる。
…犬ばかり…なのか?偶然か?
将輝「今日は何しに山へ!?」
将輝も目を輝かせながら尋ねる。
カルゴ「ヒビキを探しにね。もしくは椛」
将輝「なるほど!隊長でしたら今は宿舎で休んでおられますよ!」
カルゴ「宿舎…裏側の方か。サンキュ」
将輝「自分も同行して宜しいですか!?」
楓「ちょっ、将輝!」
カルゴ「…別にいいが仕事は?」
男が色々言って女がそれを諌めるって…あれ?
ヒビキと椛もそんな感じだよな?
白狼天狗の男はどいつもガンガン来るのか?
将輝「向こう側の見回りということにします!」
カルゴ「…なるほど」
3人はそこから飛び立つ。
…黙って飛ぶのはつまらんな。
カルゴ「えっと…将輝」
将輝「はい!」
カルゴ「ヒビキはまだ最強なのか?」
将輝「はい!あれからヒビキ隊長は更に力をつけられて…。恐らく、白狼天狗では誰も適わないでしょう」
カルゴ「将輝はどうなんだ?あいつに勝ちたいって思ってるのか?」
将輝「…!それは…もちろん、そう思っています。ですが、ヒビキ隊長とはもう…」
言葉を切る将輝。
カルゴ「力の差が…ってか?」
将輝「はい…」
カルゴ「ならあいつに勝てる方法教えてやる」
将輝「本当ですか!?」
カルゴ「ああ。アイツは、真っ直ぐ突っ込んできてばかりだ。それを避けて、その隙に一撃を入れればいい」
将輝「なるほど…」
カルゴ「これからアイツを訪ねるが、多分戦闘になるだろう。それを見てれば分かる」
将輝「おお…!ありがとうございます!」
カルゴ「おう。あ、もう着くな」
将輝「はい!」
カルゴ「うわー…でっかいクレーターだなー…」
将輝「それだけエスカルゴさんの力が強いということですよ」
カルゴ「うーん……」
ただのストレス発散がなぁ…。
門兵「あ、あなたは!」
将輝「あのエスカルゴさんだぞ!」
門兵「お通り下さい!」
カルゴ「どうも」
楽だなー…。
門、玄関を開け、将輝と楓の案内でドンドン進むエスカルゴ。
中の造り…は、鴉天狗のそれとあんまり変わらないのか。とすると、地下牢もあるのかな?
ガララッ
将輝が重そうな扉を開ける。
将輝「ヒビキ隊長!エスカルゴさんです!」
将輝が声を張り上げる。
中はとても広く、居間のようになっていて、中には大勢の白狼天狗がいる。
当然、中に居る彼らは一斉にこちらを見る。
ヒビキ「兄貴!?どーしたんだよ!?」
中からヒビキ、続いて椛が出てくる。
カルゴ「ちっとお前に用があってな」
ヒビキ「へぇ〜。兄貴が俺にねぇ…」
ニヤニヤしているヒビキ。
カルゴ「お前らがデートすんのって何処だ?」
ズバリ直球で聞いてみる。
ヒビキ「聞いてどうする?」
カルゴ「なんとなくぅ〜」
ヒビキ「ふーん。良いぜ、教えてやっても」
カルゴ「お」
ヒビキ「俺と勝負だ!勝ったら教えてやる!」
この発言に、周囲の白狼天狗らはざわめく。
やっぱな。予想通り過ぎだよ、全く。
カルゴ「よし。なら外行こうぜ」
ヒビキ「おう!」
喜び勇んで外に飛び出すヒビキ。
あとに続いて椛、エスカルゴ、将輝、楓…その他大勢が外に出る。
カルゴ「…な?言ったろ?」
歩きながら隣の将輝に言う。
将輝「そ、そうですね…(隊長、お兄さんに全部読まれてますよ…!)」
宿舎を出、距離を取る。
カルゴ「地上か?空中か?」
距離を取りながら尋ねる。
周りでは、白狼天狗たちが遠巻きに見ている。
ヒビキ「地上だ!」
カルゴ「おっけ。今日のルールは?」
ヒビキ「スペルカードは1枚!降参したら負け!」
カルゴ「1か。余裕余裕」
ヒビキ「…!」
カルゴ「椛、合図お願い」
椛「は、はい!……始めっ!」
ヒビキ「うおらァァァァァ!!」
合図と共に飛び出すヒビキ。
将輝「(ほ、ほんとだ…真っ直ぐにしか突っ込んでいかない…)」
楓「速い…」
カルゴ「………」
芸が無いねぇ…。
さて、どうしようか?よし、殴ろう。
カルゴ「『雷神拳』」
ボグゥッ
ヒビキ「グッ…!」
アッパーで思い切り空中に跳ね上げられるヒビキの体。
将輝「やっべ…パワーが違ぇ…」
楓「凄いね…」
将輝「あぁ…」
カルゴ「オルァ!!」
ヒビキ「ぐえっ…」
ドドォォォ…
エスカルゴはその場に先回りし、跳ね上げたヒビキを地面に叩き付ける。
カルゴ「ふぅ〜…。『分身』」
バチバチッ…
分身「なんだ?」
カルゴ「ヒビキを潰す」
分身「アレで、か」
カルゴ「おう」
将輝「分身!?」
楓「そんなの出来るのね…」
将輝「勝てる気がしねぇ」
楓「この前ボコボコにされたばかりでしょ」
将輝「……」
分身「ひゃはっ!グチャグチャにしてやるぜ!」
おいおい…ジュ○メかよお前は…。
カルゴ「せぇぇのぉぉ…!」
2人「『ダブルエスカルゴ・踵落とし』!!!」
ドオオオオオオオッッ
将輝「(容赦ねぇ……)」
ヒビキ「……」ピクッ…ピクピクッ…
分身「あ、痙攣してんぞ」
カルゴ「顔も地面にめり込んでら」
ヒビキ「ぶはっ!」
カルゴ「あ、起きた」
ヒビキ「ここまでする事無いじゃんか!」
バッと起き上がりエスカルゴに噛み付く。
カルゴ「じゃあ降参しろ」
ヒビキ「やだ!」
何なんだコイツは…。
分身「よし、潰すか」
カルゴ「だな」
ヒビキ「ゑ゙」
2人「………混合武器『雷銃&雷砲』」
ヒビキ「!!」
ヒビキは武器を警戒して後ろに飛び退く。
2人「『ダブルエスカルゴ・スパーク』!!!」
ヒビキ「しまっ…」
ちゅどーん
分身「あーあ、気絶しちゃった」
カルゴ「仕方ねーか、木に頭ぶつけたんだから」
分身「ちゃんと起こせよ?」
カルゴ「わかってる」
プスッ
分身「また吸いやがる…」
シュンッ
カルゴ「よし、起こすか。…起きろ」
ゲシッ
ヒビキの脇腹を軽く蹴る。
ヒビキ「ぐ……イタタタタ……」
カルゴ「起きたな、降参しろ」
ヒビキ「しゃーねーな。っていうか…」
カルゴ「?」
ヒビキ「何なんだよあれ、かめは○波かよ」
カルゴ「ポーズはそれだが見た目はファイナ○フラッシュだな」
ヒビキ「ははっ、確かにな!!」
膝をポンと打つヒビキ。
椛・将輝・楓「(何の話だか全くわからない…)」
将輝「お疲れ様でした!」
エスカルゴに頭を下げる将輝。
カルゴ「おう」
ヒビキ「おい将輝ィ、お前まさか、兄貴の応援してたんじゃないよなぁ?」
ジト目で将輝を見るヒビキ。
将輝「えっ!?ま、まさか!アハハハハー…」
ヒビキ「ったく…」
椛「もっと特訓が必要ね」
ヒビキ「だな…」
カルゴ「で、デートはどこ行ってるんだ?」
それ聞くためだけにここまでしたんだよなぁ…。
ヒビキ「玄武の沢だな」
椛「そうね」
カルゴ「ほー…。行ってみるか」
ヒビキ「山の麓にあるぜ」
カルゴ「おっけ。…じゃあな」
将輝・楓「お気を付けて!」
カルゴ「おう」
バサァッ
椛「楓?なんであなたがエスカルゴさんと居たの?」
楓「ヒビキ隊長とお姉ちゃんのこと探してたみたいだから教えてあげてたの!」
椛「ふーん」
2人の話し声が聞こえるな。
やれやれ、どっちも可愛いのう。
ま、スカーレット姉妹の方が圧倒的に上だがな。
さて、まずは玄武の沢ってとこか。
…どんな所なんだ?
キャラ設定
犬走 楓
ヒビキの直属の部下。
白狼天狗としての実力はまだまだ。
椛の妹で、姉に似てかなりの美少女。
色々ガンガン言っちゃうタイプの彼氏を持っていて、いつもそれを止めたり諌めたりする役回り。
ちなみにその彼氏というのは将輝のこと。
エスカルゴに尊敬の念を抱いている。
犬渡 将輝
ヒビキの直属の部下。
白狼天狗としての実力はそこそこながらも、隊長であるヒビキとつるむ事が多々ある。
エスカルゴを尊敬している。
また、椛の妹の楓を彼女としている。