※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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復讐心に駆られる愚かな吸血鬼・後編

クレイ「総員、奴を殺せ!!」

 

部下「はっ!!」

 

クレイの一言で、部下共が向かってきた。

 

カルゴ「雷装備『翼竜ノ舞』」

 

バサァッ…バシュンッ

 

このままだとテラスで戦う事になるので、互いに吸血鬼ならばと空中戦に持ち込む。

 

部下「貴様…この数を相手に勝てると思っているのか?」

 

レイピアを構えながら問う。

 

カルゴ「オ前ラ…俺ノ敵カ味方カ…ドッチダ?」

 

部下「?何を訳の分からん事を…」

 

カルゴ「ナラバ死ネ。雷武器『雷槍』」

 

キィン!

 

槍で突くが、鎧に弾かれる。

 

部下「ふはははは!そのような槍が、この鎧に通じるかっ!」

 

カルゴ「ナラ硬度ヲ上ゲレバ良イ」

 

鎧の隙間を刺す、エストックなんて要らない。

 

グサッ…

 

部下「ぐふっ……」

 

心臓ごと貫かれ、一瞬で生命活動を停止する。

 

クレイ「今だ!!」

 

グサッ

 

カルゴ「ガッッ…」

 

部下「殺ったか!?」

 

カルゴ「………」

 

貫かれたレイピアを伝い、血がダラダラと流れ出る。

 

クレイ「ははははっ!たかが1人殺してイキってるから隙が生まれるんだよォ!」

 

カルゴ「オオオオオオオオオオオ!!!」

 

ズバババババッ…

 

部下ら「!?」

 

雄叫びを上げると同時に両手に大剣を出し、回転斬りをする。

 

ビシャアッ

 

至近距離で斬ったため、大量の返り血を浴びる。

 

カルゴ「ガァ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」

 

クレイの周辺の部下を斬り裂き、クレイの両足を膝下から斬っ飛ばす。

 

クレイ「うあああああああああ!!」

 

部下ら「坊ちゃん!!おのれええええ!!!」

 

カルゴ「ガルァアアア!!!」

 

振り向きざまに大剣を思い切り振るう。

 

ズバババババッ

 

部下「っ…」

 

真っ二つにされた部下共は地上に降り注ぐ。

後にはクレイとエスカルゴの2人だけが残った。

 

カルゴ「んっ………………あれ……?」

 

だがここで、暴走狂気が静まってしまう。

 

クレイ「やっ…やるじゃ、ねぇか…(目が普通になった…どういう訳だ…?)」

 

両足の再生も済んで、震える声ではあるが口調は変わらないクレイ。

 

カルゴ「あぁ…部下共は死んだか」

 

地上を見下ろし呟く。

 

クレイ「お前のおかげでな(こいつ…覚えてないのか?)」

 

カルゴ「あ」

 

クレイ「?」

 

ズボッ

 

腹に刺されていたレイピアを引き抜く。

 

クレイ「(こいつ…痛みを感じないのか!?)」

 

カルゴ「後はお前だけだな。…殺す」

 

クレイ「!!」

 

よく分からんが…俺はまた暴走したのか?

だが今回は、良い暴走だな。

敵を殲滅するため…もう1回暴走したいところだけど…。

理性があっても、コイツの事なら殺せるぜ?

躊躇無く…な。

 

カルゴ「雷武器『雷刀』」

 

両手に刀を装備する。

 

クレイ「(小さい…)」

 

カルゴ「紅眼『吸血鬼の本質』」

 

クレイ「(ダサ…)」

 

カルゴ「おいテメェ!今、“ダサ…”って思ったろ!!」

 

クレイ「!?おまっ…心読めるのか!?」

 

カルゴ「馬鹿の考える事なんざ、心読めなくても分かるんだよボケがッッ!!!」

 

クレイ「言ってくれるじゃねぇかよ!!このなり損ないがァ!!」

 

カルゴ「うるせぇクソガキ!『雷神の剣舞』!」

 

ズバッ…ズバッ…ズバババッ

 

優雅に舞いながらも四肢を切り落とす。

 

クレイ「ぐああああ!!」

 

あまりの痛みに悲鳴上げる。

 

カルゴ「………」

 

一瞬で殺す事は出来る。

けどそれじゃあ、この恨みは晴らせない。

この怒りは鎮まらない。

よって…ジワジワ殺す事に決めた。

 

クレイ「(こいつ…真顔で…!傷付けることを何とも思わないのか!?元人間だろ!?)」

 

カルゴ「あ、翼も斬るか」

 

クレイ「やめっ…」

 

ふと何かを思い立ったかのように、サラリととんでもない事を言うエスカルゴ。

そしてそれに、かなりの恐怖心を抱くクレイ。

 

カルゴ「『雷速断刀』」

 

ズバァッ

 

避けられないよう、一時的に素早さを上げてクレイの背後に回り込み、予告通り翼を切り落とす。

 

クレイ「うあああああ!!」

 

飛べなくなったクレイは地面へと落下。

 

カルゴ「もう少し苦しめてやる。何にしよう?」

 

クレイ「(もしかしてこいつ、オレ様で楽しんでるのか!?クソッ、早く再生しろ!)」

 

ニュルッ…

 

だが、クレイの再生が完了する前に追撃が来る。

 

右手を天に掲げ、エネルギーを溜める。

 

カルゴ「禁弾『降り注ぐ厄雷』!!」

 

溜めたエネルギーを、一気に上空に解き放つ。

放たれたエネルギーはしばらくチャージされる。

 

カルゴ「……喰らえ」

 

溜められたエネルギーは無数の槍へと形を変え、地上に降り注ぐ。

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……

 

クレイ「あ゙あ゙ぁ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙!!!」

 

再生中の手、足、そして胴体を地面ごと貫く。

 

カルゴ「ははっ、安心しなよ。心臓は狙ってないからさ」

 

クレイ「………」ピクッ…ピクピクッ…

 

喉を貫かれたクレイはもはや口もきけない。

脊髄神経を破壊したはずだが、やはりそこは吸血鬼。ただでは死なない。

 

カルゴ「あれぇ?いつものナメた口もきけないのか?あ、そうか、喉潰されたんだもんねwww」

 

クレイ「(まずい…本当に殺される…)」

 

あー、気持ちいい。

大嫌いな奴を潰すのは気持ちいいね。

…けど、俺にはもう、嫌いな奴なんて居ない。

幻想郷は…本当に最高だよ。

でも…だからこそだ。

だからこそ、俺らの平和を乱す者は消す。

 

カルゴ「雷武器『雷槍』」

 

槍を装備して地面に降り立つ。

 

カルゴ「オラ口開けろクソガキ」

 

クレイ「……」

 

弱々しく口を開けるクレイ。

 

カルゴ「フンッ!!」

 

グサァッ

 

クレイ「───ッ!!」

 

カルゴ「あれ、まだ死なない?」

 

口内から延髄を破壊したはずなんだがな。

それじゃあ……。

 

カルゴ「男ならではの苦しみ、与えてやるよ」

 

ニコッと笑って足を上げる。

 

クレイ「(や、やめろっ…!)」

 

カルゴ「フンッ!」

 

ブチブチグシャアッ

 

クレイ「───ッ!!」ブクブク…

 

泡を吹いて白目を剥き、気絶するクレイ。

 

カルゴ「おいおい、何気絶してんだよ?」

 

ガンッ

 

全身に刺してた槍を解除し、頭を蹴って無理矢理起こす。

 

クレイ「ヒュー…ヒュー…」

 

クレイはもう虫の息である。

 

カルゴ「お、起きたね。じゃあ殺そう」

 

クレイ「………(やめろ…命だけは…!)」パクパク

 

パクパクと口を動かすが、言葉にならない。

 

カルゴ「…ん?何か言いたいのかな?」

 

クレイ「(本当に殺されちまう…!)」

 

カルゴ「殺されたくないのか?」

 

クレイ「(そうに決まってんだろ馬鹿が!)」

 

カルゴ「でもなぁ、助ける訳にはいかないなぁ。だって、咲夜さんたちを殺したんだろう?」

 

クレイ「(そ、それは……)」

 

カルゴ「つー訳で…君も死のうか♪」

 

クレイ「───ッ!!」

 

満面の笑みで見下ろされ、心底怯えるクレイ。

 

どうやらこいつ…打たれ強く無いみたいだ。

再生が俺より遅い。

俺のこと“なり損ない”とか言ってるクセに、“なり損ない”に負けてんじゃねぇよ。

 

カルゴ「吸血鬼って、肉片からも再生するんだよね。という訳で、跡形もなく消し去ってやるよ」

 

再び右手を天に掲げる。

 

クレイ「(ヤバい、こいつ本気だ!)」

 

カルゴ「テメェに…俺の最強の技を喰らわせる価値はねぇ。禁弾『降り注ぐ厄雷』」

 

上空に、先程の数倍のエネルギーを溜める。

 

クレイ「(ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい)」

 

カルゴ「今頃、走馬灯でも見てるのかな?来世は良い奴に生まれ変われよな。…喰らえッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

走馬灯───。

 

死の危険に直面した際、それまでの人生が脳裏に思い浮かぶと言われるモノ。

過去の経験からピンチを乗り切る方法がないか、脳が必死に探している状態なのだそう。

 

よく、“走馬灯は死の直前に走る”と言われますが、死の直前に走るのであれば、走馬灯というものの存在すら世に知れ渡ることはありません。

つまり、死の直前では無く、死の危険に直面した際…と考えるのが自然でしょう。

死者が“走馬灯が走った”と私達生者に伝えることは出来ないのですから。

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「ふー…やっと終わった…」

 

無数の槍に粉砕されたクレイ、そしてその部下共もついでに粉砕し、死体も残らぬようにした。

そして、血に染まった大地に土を被せた。

だが、こんな騒動の中でも美鈴は眠っていたようで……本当にあの門番には感心する。

 

上海「シャンハーイ…」

 

蓬莱「ホラーイ…」

 

心配そうな顔をして、2人が寄ってきた。

 

カルゴ「おお、大丈夫だったか」

 

上海「シャンハーイ!」

 

蓬莱「ホラーイ!」

 

カルゴ「そうかそうか、良かった。だが、俺はこれから少し出掛ける。留守番頼めるか?」

 

上海「シャンハーイ!!」

 

蓬莱「ホラーイ!!」

 

2人共グッと手を握る。

 

カルゴ「ごめんな。今度出掛ける時は3人で出掛けような」

 

上海「シャンハーイ!」

 

蓬莱「ホラーイ!」

 

2人に留守番を任せ、永遠亭向けて飛び立つ。

 

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

診療所側に行ったのだが、“本日休診”の札が掛けられていたので家側の扉を叩く。

 

ガララッ

 

カルゴ「!」

 

てゐ「あ、エスカルゴ来たウサよー!!(血まみれウサァァァァ!!)」

 

大声で中に呼び掛けるてゐ。

 

永琳「連れて来なさい」

 

奥から永琳の声がする。

 

てゐ「…という訳ウサ、ついてくるウサ!」

 

カルゴ「おう」

 

てゐの先導で永遠亭の中を進む。

 

てゐ「ここウサ」

 

ススッ

 

襖を開け、中に入る。

 

鈴仙「エスカルゴ!?」

 

両手で口を抑え、目を見開く鈴仙。

 

永琳「あら、血だらけじゃない」

 

カルゴ「ええ、まぁ。それより、みんなは…」

 

永琳「みんな、回復は順調よ。吸血鬼姉妹はともかく、ほかの3人には再生を促進させる薬飲ませたから、今晩には退院出来るわよ」

 

カルゴ「良かった…」

 

みんな、何事も無かったかのように眠っている。

 

永琳「酷い怪我だったわ。細いので串刺しにされたのね」

 

カルゴ「ええ…そうみたいです」

 

永琳「あと、ごめんなさいね。あなたの分身達、働かせ過ぎたせいで消えちゃったみたい」

 

申し訳なさそうな顔をする永琳。

 

だから居なかったんだな。

 

カルゴ「それくらい大丈夫ですよ」

 

永琳「なら良いんだけど…。さ、こっちは大丈夫だから、服は洗濯してあなたもお風呂入ってきたら?というか入ってきなさい。汚れが酷いわよ」

 

カルゴ「…すいません」

 

1人で風呂場へ向かう。

 

 

 

永琳「ウドンゲ、あなたも行ってきたら?」

 

鈴仙「えっ?あ、はい」

 

鈴仙もエスカルゴの後を追う。

 

永琳「(あらあら、ホントに行っちゃった…。ま、この子達はまだ起きないし、2人きりにさせてあげても良いかもね)」

 

 

 

カルゴ「はぁ…」

 

とりあえず無事で良かったな。

クレイもぶっ殺したし、もう大丈夫だ。

 

あーもー…シャワー出来ねぇ……。

いや、頑張るk……

 

ガララッ

 

カルゴ「!?」

 

鈴仙「エスカルゴ〜、来たよ〜」

 

カルゴ「鈴仙…」

 

せめて前は隠してくれ…。

あ…タオルつけてないや。ま、いっか。

 

鈴仙「シャワー出来ないでしょ?やってあげる」

 

カルゴ「…頼む」

 

 

 

 

 

チャプン…

 

カルゴ「はぁ〜…気持ちいい…」

 

疲れが癒されていく…。

 

鈴仙「ねぇ、エスカルゴ」

 

カルゴ「ん?」

 

鈴仙「さっき…何があったの?」

 

カルゴ「………」

 

そりゃ気になるよな…。

幻想郷のパワーバランスの一角を担ってる、紅魔館の皆がここまでやられたんだからな。

 

カルゴ「…何というか…さ、フランたちの従兄弟が、復讐しに来たみたい」

 

鈴仙「復讐…」

 

カルゴ「そ。フラン達を自分のモノにしようとしたらしいんだが、突っぱねたから殺そうとしたみたいだ」

 

鈴仙「酷い…。でも、なんで咲夜さん達も…」

 

カルゴ「邪魔するだろうからって、部下に任せて皆殺しにしようとしたらしい。失敗したがな」

 

鈴仙「その従兄弟、今は…」

 

カルゴ「殺したよ。部下諸共」

 

鈴仙「…そう…(それはそうよね…恋人が傷つけられたんだものね…)」

 

カルゴ「…引いたか?」

 

鈴仙「ううん、引かないわ。私だって、月では軍役についてたから…。何とも思わないって訳じゃないけど、気にしてたら生きていけないもの」

 

カルゴ「だよな…」

 

月では軍役に…か。

鈴仙も、結構辛そうな過去背負ってんな…。

聞いてはみたいけど……単なる好奇心なんかでは聞いちゃいけないような気がする。

 

 

 

 

 

その晩

 

風呂から夕飯まで、結局永遠亭の世話になった。

そして落ち着いた頃に、みんなの前でもう一度説明した。そして、帰り際────。

 

咲夜「何から何まで、ありがとうございました」

 

小悪魔「ありがとうございました!」

 

パチェ「…ありがと」

 

姉妹「ありがとう!」

 

永琳「良いのよ、これが仕事だから。お金は今度、エスカルゴに持たせてくれればそれで良いわ」

 

レミィ「わかったわ」

 

カルゴ「…じゃ、帰ろう」

 

フラン「そうね!」

 

咲夜「……」ペコリ

 

みんな疲れてるのか、帰りは静かだった。

 

 

 

文「あややっ、皆さんお揃いで!少しだけ取材しても宜しいですか!?」

 

門前に、文が居た。

 

レミィ「…悪いわね、もう寝るのよ」

 

文「先程の侵入者についてなんですけど…。紅魔館に向かったきり消息不明でして…」

 

一同「!!」

 

カルゴ「俺が取材受けるからみんな先に寝てて」

 

フラン「私も…」

 

カルゴ「良いから。夜も遅いから、もう寝てな」

 

フラン「…はーい…」

 

小悪魔「……」ペコッ

 

みんなを中に戻らせ、外で取材を受ける。

 

 

 

 

 

 

 

ガチャッ

 

カルゴ「ただいま」

 

つってもみんな寝て…

 

上海「シャンハーイ!!」

 

蓬莱「ホラーイ!!」

 

扉を開けるなり、2人が飛びついてきた。

 

カルゴ「すまない、待たせたな」

 

中に戻り、静かにパジャマに着替え、その日は眠った。

 

 

 

後日、新聞には取材されたこと、山での事が事細かに書かれていた。

それによると、山の内部には空洞があり、その中では結界に穴が開けられていて、その穴は外の世界に繋がっているそう。

侵入者(クレイ)はそこから侵入し、周囲の白狼天狗や鴉天狗を傷つけ、紅魔館へ襲撃したそうだ。

つまり、あの時フランらが言った、「山の方から血の臭い」というのは当たっていたのだ。

 

そして最後に、“その侵入者らを、エスカルゴ氏がたったの1人で葬った”と書かれていた。




クレイ戦、今回はあっさりし過ぎ?
それだけエスカルゴの恨み、怒りが激しかったっていう事です、お察しを。
あなただって、愛する者、家族が傷付けられたら怒り狂うでしょう?そういう事です(´-ω-)



ちなみに、暴走時に使用する大剣。
あれは、アニメ・犬夜叉に出てきた“七人隊”の首領、蛮骨が使用する蛮竜をモチーフにしてます。
(筆者は子供の頃から犬夜叉を観てるので)
どのような形なのかは…興味がある方はぜひ検索してみて下さい(・ω<)-☆
“犬夜叉 蛮竜”で画像検索すれば出ます。
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