カルゴ「ごめんね、参拝に付き合わせちゃって」
はたて「別にいいわよこれくらい。…なんだかんだ言って、やっぱり不安なんじゃない」
カルゴ「てへへ…。さ、行こ…」
ターン!
賽銭箱から背を向けた途端、勢いよく襖が開いた。
諏訪子「この気配、エスカ………あれ?違う…」
あれ、諏訪子様?気配で俺だとわかったの?
神様ってすげぇな。
カルゴ「諏訪子様こんにちは!エスカルゴで合ってますよ!」
はたて「(ちょっと!?あんた、神様相手に…)」
諏訪子「私の知ってるエスカルゴは私よりずっと大きいんだけど…」
目の前のチビが本人だと信じられないようだ。
カルゴ「えへへ…。実は、(ry」
諏訪子「へ〜…。じゃあ、間違いじゃなかったんだ」
カルゴ「ええ。流石です諏訪子様!」
はたて「(神と対話するとか、エスカルゴって何者なの!?)」
表情には出さないが、神と普通に話している俺に対し驚いているはたて。
諏訪子「えへへー。それで、今日は何しに来たの?」
カルゴ「これから天魔様に勝負を挑むので、勝利祈願に来ました!!」
ビシッと敬礼する。
諏訪子「そっかー、うちの神社選んでくれてありがとうね!」
カルゴ「こ、この前、諏訪子様が私のこと守ってくれると仰ってましたので!」
諏訪子「うんうん、私が守ってあげる!(何この子可愛い…私のモノにしたい…。…なんてね♪)」
カルゴ「では、行ってきます!」
諏訪子「いってらっしゃい!勝ったら褒めてあげるね!」
マ・ジ・す・か!!
カルゴ「はいっ!!!」
諏訪子「頑張れ〜♪」
笑顔で手を振って見送ってくれる諏訪子様。
バシュシュッ
諏訪子「…ん?さっき、天魔って言ってた?えええええええええ!?なんでまた!?」
やっと相手に気付き、驚く諏訪子様。
はたて「ねぇ、なんで神様と知り合いなのよ」
カルゴ「ん?…まぁ、ちょっとね」
はたて「顔広いわねー…」
カルゴ「えへへ…」
はたて「(でも、洩矢諏訪子様って祟り神って聞いたけど…。祟り神からの加護って大丈夫なのかしら?)」
はたて「はい、着いたわよ。あとは1人で頑張ってよね」
門前まで俺を送り、即座に飛び立つはたて。
はたてとしても、面倒事は避けたいのだろう。
カルゴ「うにゅ…。さ、行くか…」
門兵「止まれ」
やはり、門番に止められた。
美鈴とは違って、デキるやつだなぁ…。
カルゴ「俺エスカルゴ。天魔様に用があるのね」
門兵「帰れ。それと、あの方の名を口にするな」
カルゴ「…殺されたくなければ退いて?」
笑顔で門兵を見上げ、脅しをかける。
もちろん、殺す気などサラサラ無い。
言いすぎたかな?…ま、いっか☆
門兵「ふざけるな!」
カルゴ「なら強行突破させてもらおうかな。無駄な力は使いたくないけどね」
ニヤリと笑う。
門兵「皆の者、こいつを抑えろ!」
門兵達「うおおおおおお!!」
1人の指示で、近くにいた天狗達が動き出す。
カルゴ「雷鎧『サンダーアーマー』攻撃Ver.!」
全方位に伸ばされる刃で、
門兵「ひっ…ひぃっ…」
1人だけ、パシr…伝達用として残しておいた。
カルゴ「ねーねー、天魔様に伝言お願い出来る?吸血鬼エスカルゴが、再戦したいって言ってるって」
門兵「ふ、ふざけるな、誰が貴様なんぞの言うことを…」
カルゴ「ふーん。雷武器『雷鎌』」
1人の門兵を人質に取り、鎌を首に当てる。
門兵「や、やめろ!!」
手を伸ばし、仲間の命乞いをする門兵。
カルゴ「やめて欲しいならさ、天魔様への伝言、お願い出来る?ここで大人しく待ってるからさ」
門兵「わ、わかった……」
足早に中に入る門兵。
門兵「待たせたな」
しばらくして、門兵が天魔を連れてくる。
天魔「…む?お主…本当にエスカルゴか?」
カルゴ「こんにちは、天魔様!少し事情がありまして、身体が幼児化してしまいました!」
天魔「ふむ…(うちの門兵がこうも易々とやられているところを見ると、本物であろうな。なにせ、ここの門兵は精鋭部隊なのじゃからな。それにこの気配はエスカルゴのものじゃろう)」
カルゴ「天魔様、よろしいでしょうか?」
天魔「む?用件はなんじゃ?」
門兵「(やべ、伝えるの忘れてた!!)」
おいコラ。伝えとけと言っただろ愚図天狗が。
カルゴ「もう1度天魔様と戦いたいのです!」
天魔「それは良いが…なぜまた暴れたのだ?」
その理由も言えよ愚図天狗。
思い切り門兵を睨む俺。
その視線に気付いたのか、肩を窄める門兵。
カルゴ「通してと言っているのに通してくれないからです」
天魔「なにっ?……おいそこの」
その門兵に声をかける。
門兵「ひゃいっ!!」
天魔「客人くらい通してはどうだ?」
ギロリと睨む天魔。
門兵「し、しかし…このような幼子が…」
天魔「名を名乗ったのだろう?ならば通せ」
門兵「本物かわからないのに通すのは…」
天魔「客人が来たことをわしに話し、わしがソレを偽物と判断したならば消せば良いのじゃ。以後気をつけよ」
門兵「はっ!」
消すのかー…怖いなぁ。
天魔「してエスカルゴよ、どのように戦うかな?」
カルゴ「スペルカード数は無制限、どちらかが戦闘不能になるまで、というのは如何でしょうか?前回と同じですが」
天魔「うむ、良いぞ。しかし、何故またわしと戦いたがる?」
カルゴ「前回の決着をつけたいと存じます」
真っ直ぐに天魔の目を見つめて答える。
天魔「なるほどの!では始めよう!門兵共は引っ込んでおれ!」
門兵達「はっ!」
自信たっぷりなところ悪いが…今度は勝算アリだ。
屋敷前で距離を取り、睨み合う。
カルゴ「雷武器『雷砲』ミサイルVer.!!」
先手をとったのは俺だ。
天魔「(みさいる?)」
カルゴ「サンダー!」
ドォォォ…
天高く登ったミサイルは、天魔目掛けて急降下してくる。
天魔「ハッ!」
だが当然、避けられてしまう。
ドガァァァァァァァ!!
着弾したミサイルは大爆発する。
天魔「どうした!この程度ではわしは倒せんぞ!」
逆にこれで倒されてはつまらねぇ。
これは、開始の合図みたいなものよ。
カルゴ「混合武器『雷刀&雷銃』!!」
ジャキィィン……ドシュシュシュ…
天魔「おっ…よっ、ほっ……」
飛んでくるナイフを紙一重で躱していく天魔。
やっぱ素早いな…。
鴉天狗並みの素早さだと避けられるのはわかってたけどさ…。もっと密度増やすか?
いや、不可能弾幕は禁止されてるからこれでいいか。それに、鴉天狗以下なら避けられないし。
天魔「ふぅ…中々やるのう。よし、次はわしからいくぞ!絶倒ノ太刀壱式『縮地~戒縛〜』」
ドシュッ…
強く踏み込んでからの一撃。
カルゴ「うあっ!」
天魔「!」
斜めに振るってきた剣を、しゃがみ込みで避ける。
あっぶね…体小さくて良かったぜ。
ま、計画通りっちゃあ計画通りなんだが。
ここまで思い通りに行くとはな。
天魔「なんと…避けるとはな」
カルゴ「えへへ…」
天魔「(ホントに童子じゃのう…)」
さーて、そろそろ決着つけようかな?
いや…もう少し楽しむか。
せっかくロリ体型になったんだからな。
ロリ体型って言い方は良くないな。
カルゴ「雷装備『死神の纏い』」
天魔「ほう…死神…か。絶倒ノ太刀弍式『破滅~夢幻ノ連鎖~』」
これは…背後に瞬間移動するやつだ。
シュンッ
カルゴ「えいっ!!」
振り返ると同時に鎌でガードする。
カカカカカカッ……
凄まじい連続攻撃だな…。
天魔「なんと…!まさか、防がれるなんて…」
後ろに飛び退き、剣を構え直しながら驚きの言葉を呟く。
カルゴ「前も喰らいましたから!」
鎌を掲げてドヤる。
カルゴ「私には、諏訪子様の加護があります!!絶対に勝ってみせます!」
天魔「(諏訪子様…か。何故彼奴は諏訪子様と?)面白い、勝ってみせよ!」
よし、遠慮無く。前よりも強気でいくぞ。
カルゴ「もー1本!『クロスインパクト』!!」
左手にも鎌を出し、X字のエネルギー波を放つ。
天魔「むっ…ハァッ!!」
ボゥン…
カルゴ「えー…」
天魔の一太刀でエネルギー波は斬られ、爆発した。
天魔「では、お主の知らぬ技を見せてやろう。剣技『風神の乱舞』!」
美しい舞を見せながら斬りつけてくる。
カルゴ「なら俺も!『雷神の剣舞』鎌Ver.!!」
ローブをはためかせ、鎌と剣を交える。
天魔「ふっ…中々に優雅なものよのう」
カルゴ「へへっ…。やぁっ!」
キィン!
軽く剣を弾く。
カルゴ「セイッ!」
天魔「ぐっ…」
サクッと天魔の脇腹に刺さる鎌。
そこからは、例によって電気が流れている。
天魔「あああっ…」
あれ?気絶せんの?
天魔「ふっ…ふふっ…この程度では戦闘不能にはならんぞエスカルゴよ…!」
脂汗を流しながら俺を見下ろす天魔。
カルゴ「まだ本気ではありませんものね」
天魔「そうとも…!本気を出してやるぞ…!!」
俺を殺しかけたあの技…かな?
天魔「だが、死ぬんじゃないぞ!絶倒ノ太刀肆式『狂乱~再来スル厄災~』!!」
高く飛び上がる天魔。
あかん、殺されかけたやつだ!
カルゴ「身代わりとなれ!!『分身』!!」
即席の分身を作成。
分身「身代わりとか酷くね!?」
なん…だと…!?
分身まで幼児化してる!?
カルゴ「良いから!雷装備『翼竜の舞』!!」
ブンッ…バシュンッ
作った分身を天魔目掛けてブン投げ、自分も飛び立つ。
天魔「(マズい…もう止まれない!)」
空中で分身とぶつかり、それを破壊し更に地面目掛けて突き進む天魔。
ドオオオオオオオオオオオッッ
ビリビリビリビリ……
あっぶねぇ…間一髪だったぜ…。
でもおかしいな、分身が止めてくれると思ったんだが…。天魔の威力の方が上だったんだな。
屋敷の前方の地形は、大きく変わった。
天魔「クッ…!」
その頃────守矢神社
ビリビリビリビリ……
神奈子「ん……?何だこの揺れは…」
昼寝していた神奈子様は、謎の揺れによって目を覚ました。
早苗「地震…ですかね?やだなぁ、折角幻想郷に来たのに…。こっちに来てまで地震なんて…」
外の世界は地震が多かったことを思い出す早苗。
諏訪子「ううん、多分今のは天魔の一撃だよ」
神奈子「?なんでそう思うんだ?」
諏訪子「神奈子は寝てたからわかんないだろうけどさ、さっきエスカルゴが来てね。天魔に勝負を挑むって言ってたの」
先程の出来事を簡潔に説明する。
神奈子「エスカルゴが?何故ここに来たんだ?」
諏訪子「勝利祈願に、だって」
神奈子「ほう…。意外と信仰が厚いな。しかし、この前引き分けになったんだよな?何故また…」
諏訪子「多分、引き分けなのが嫌なんじゃない?決着をつけたいんだよ」
早苗「頑張って欲しいですね…」
空を見上げる早苗。
神奈子「そうだな…」
諏訪子「エスカルゴなら勝てるよ。(でも…子供の姿で勝てるかどうか…)」
天魔「まさか避けるとはな…」
カルゴ「ギリギリでしたけどね…」
冷や汗を流しながら抉れた地面に降り立つ。
やはり分身は砕け散ったようだ。
もっとも、かなり即席だったので、天狗のパンチ程度でも倒せるレベルだろうがな。
天魔「うーむ…山にも影響を及ぼした事だし、そろそろ決着をつけよう。お主を無力化する」
そういや、前回はどうして気絶したんだ…?
まぁいい。
カルゴ「ですね、決着をつけましょう」
総攻撃を仕掛ければ勝てるハズだ。
だがそれには、必殺技のぶつかり合いじゃなくて先手必勝というやり方が良いだろう。
カルゴ「禁忌『エスカルゴ・カルテット』!!」
瞬時に出現する3体の分身。
天魔「(分身じゃと!?しかも3体……)」
カルゴ「よっしゃ行くぞォ!!」
景気付けに大声を出す。
分身達「おう!!」
それに応える分身達。
カルゴ「混合武器『雷鎌&雷鞭』!!」
分身1「雷武器『雷刀』!!」
分身2「雷武器『雷槍』!!」
分身3「雷武器『雷鎌』!!」
全員がバラバラな武器を出し、天魔に向かっていく。対する天魔は、目に見えて焦っている。
天魔「(くそッ…どれが本物だ!?)」
カルゴ達「うおおおおおおおお!!」
天魔「迷っている暇はない!とりあえず此奴だ!絶倒ノ太刀零式『未来~明日ヲ信ジル~』!」
剣に己の妖力を纏わせ、1人に突き刺す。
分身2「グッ…!」
カルゴ「!!」
防御すると思っていたが、反撃すると思っていたので驚いてしまう。
天魔「(やったか!?)」
妖力を流し込み、様子を見る天魔。
まさか…壊れるか?
分身2「うおおおおおお!力流れてキター!!」
天魔「なにっ!?」
なんと…!まさかのパワーアップか?
霊夢の霊力強化みたいなものなのかな?
分身2「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
天魔の強力な妖力を取り込み、テンションが上がって雄叫びを上げる分身。
…そんな事も出来るのか。
へっ、これもまた一興…か。
カルゴ「よしお前らァ!!そろそろ決着つけんぞ、力出し切れやァ!!!」
分身のテンションに触発され、俺自身もテンションを上げる。
分身達「おう!!」
持てる力を全てぶつけてやる!!
カルゴ「絶技『天翔雷霆零槍』!!!」
分身1「一閃『Mishap of Thunder』!!」
分身2「雷符『Dark Side of the Full Moon』!」
分身3「雷神『Thunder☆Fall』!!」
ドオオオオオオオオオッ!!
天魔「ぬああ゙ぁああ゙あぁ゙ああぁぁ゙ああ……」
バタン…
苦しそうに呻いて倒れ込む天魔。
カルゴ「よっ…しゃあ…!」
ドサッ…
勝利を確信して地面に座り込む。
分身達「力…使い果たしたぜ…」
カルゴ「乙」
分身達「(ヒデェ…)」
シュンッ
エネルギーを使い果たした分身達は消え去った。
カルゴ「はー…疲れたぜ…」
充電しながら空を見上げる。
文「あやややや!?エスカルゴさん!?」
抉れて崖となった所から文が顔を出した。
いや、文だけではない。
同僚と思われる鴉天狗や、白狼天狗等々も集まっていた。
カルゴ「お、文じゃん。やっほー」
座り込んだまま手を振る。
文「何事かと来てみれば…あや?そこに倒れているのは…?」
カルゴ「天魔様だよ。勝負してね、勝ったの」
笑顔でピースサインをする。
文「ええええ!?天魔様に勝ったのですか!?」
カルゴ「うん。そこの門兵が見てたはずだよ」
門の影からコソコソ見ている兵士たちを指さす。
文「ほ、本当ですか?」
門前に駆け寄り、隠れていた門兵に尋ねる。
門兵「え、ええ…。信じ難い事ですが、天魔様の攻撃を尽く避け、最終的には………」
カタカタ震えながら話す門兵。
カルゴ「やったネ♪」
フランもそうだけど、分身って強力だな。
文「エスカルゴさん、取材してよろしいですか!?」
カルゴ「いーよー。でも、少しだけね、まだやる事あるから」
文「わかりました!」
例によって、“少し”では無かったが、彼女の頼みなので仕方なく耐えた。
文「これは大スクープですよぉ!!!」
文はホクホク顔で飛び立った。
カルゴ「よーし、諏訪子様んとこ行k……」
スタッ
目の前に1人の白狼天狗が降りてきた。
???「おいチビ、俺と勝負しろ」
そいつは、俺がよく知っている者だった。
ったく…命知らずな弟よのう…。
カルゴ「ぼく、ただの弱い子供だよぅ…」
ウル目でヒビキを見上げる。
ヒビキ「ふざけるな、弱い子供が天魔様を倒せるか。立て。そして構えろ」
チッ…ギャグが通じんヤツめ。
そーいや、椛や将輝、楓が居ないな。
ま、いっか。次は弟の相手をしよう。
充電…40%も無いが、ヒビキなら2%でイイな。
充電器を引き抜き、ヨロヨロと立ち上がった。