※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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番外編です。
文章のまとまりがなく、今までにないほどダラダラと長くなってしまいましたので、時間の無い時は読まない事を強くお勧めします。


紅魔館で過ごす年末年始(番外編)

「全く…お昼過ぎたというのに…なんでこうも寒いのよ…」カチカチカチ…

 

「あははっ、お姉様、歯がカチカチ言ってる〜。ここまで聞こえてくるよ〜?」

 

「仕方ないじゃない、寒いんだから!!暖房も弱過ぎるのよ!というか、なんであなたは上にいるのよっ!!」

 

「暖かい空気は上に行くんだよ〜、知らなかったの?」

 

フランは天井スレスレを飛んでいる。

レミリアは普通に床を歩いている。

 

「知る訳ないじゃないそんなのっ!そもそもなんであなたは知ってるのよ!?」

 

「なんででしょ〜」

 

「勿体ぶらないで教えなさい!」

 

「うふふ、エスカルゴに教えてもらったの〜♪」

 

うん、確かに俺が教えた。

この前、抱きついてても寒い寒いと駄々こねたから、その時に教えたのだ。紅魔館は天井が高いから、床との気温差もそこそこあることだろう。

 

「なっ…!全くエスカルゴは…!なんで私には教えてくれないのかしら…いっつもフランばっかり…!」ブツブツ

 

俺の方をチラ見してブツブツ言う。

 

「当然じゃない、私たちはずぅ〜っと一緒に居るんだもん♪お姉様とは話す機会すらあまりないじゃない」

 

「そ…そうだけど…」

 

「何度も言ってるけど、エスカルゴは私のものなんだから貸さないわよ〜♪」

 

「なんですって〜!?」

 

「そこまでです!!」

 

『!?』

 

急に大きな声が聞こえたから二人とも言い合いをやめる。

 

『咲夜…!』

 

大きな声で二人を止めたのは咲夜さんだった。

どうしたんだ?

 

「お嬢様も妹様も、今日が何の日かわかりませんか?」

 

『知ーらない』

 

口を揃えて言う。息ピッタリだな…。

 

「今日が何の日だって言うの?ただの寒い日じゃないの?」

 

レミリアが尋ねる。

 

「今日は1年の最後の日…すなわち、大晦日です!」

 

『おおみそか?』

 

「大晦日というのは大切な行事なんですよ?大掃除に年越しそばに…あと……。何がありましたっけ?」

 

俺の方を振り返り、俺に尋ねる。

なんか、いつも完璧な咲夜さんに頼られると凄く嬉しいな。だが残念なことに、俺もそれくらいしか知らない…。

 

「すいません、俺もそれくらいしか…」

 

「そうですか…」

 

「で?その“おおみそか”がどうしたの?」

 

「ですから、みんなで大掃除しましょう!」

 

「今更掃除なんかしなくても、咲夜のおかげで館内はいつも綺麗じゃない。そんな事する必要ないわ」

 

「そうよそうよ」

 

面倒臭いのか、ほんとにそう思っているのか、咲夜さんを褒めるレミリア…と、同意するフラン。

 

やっぱ…掃除も咲夜さんが?

いつも大変だなぁ…。

 

「そうだとしても、ただ掃除することだけが大晦日の掃除の目的ではありません。仲を深めるというのも大事な目的です。みんなで掃除すれば、仲も深まり、心も綺麗になるというものです。ね ?」

 

また俺を振り返り、同意を求める。

 

「そうですね」

 

「ほら、エスカルゴさんもこう言ってる事ですし、お嬢様方も一緒にお掃除しましょう!」

 

「私はいいわ、あなた達でやりなさい」

 

「私もやらなーい。楽しそうじゃないもの」

 

フランまで…。

ハッ!そうだ!

 

「俺はやるぞー。咲夜さんばかりに任せるのも申し訳ないし、いつも色んなことやってもらってばかりだしな」

 

「エスカルゴやるの?あなたがやるなら私やるわ!」

 

「ちょっ、フラン!?」

 

「言ったでしょ、お姉様。私たちはず〜っと一緒に居るの♪」

 

「………フランがやるなら仕方ないわね。私もやるわ」

 

「お嬢様!」

 

「わーい!」

 

咲夜さんもフランも喜ぶ。

 

「では、皆様に掃除して頂く場所を発表しますので、そこへ移動して下さい」

 

『はーい』

 

「ではまず、お嬢様。お嬢様は、パチュリー様のお手伝いを」

 

「パチェの手伝い?」

 

「ええ。今現在パチュリー様は図書館で小悪魔と二人だけで本の整理をしておられます。なので、お嬢様のお手伝いがあればパチュリー様も助かるでしょう」

 

「わかったわ」

 

と言い足早にそちらへ向かう。

 

「次に、妹様、エスカルゴさん」

 

『はーい』

 

「お二人には…館内の床という床を全て掃除してもらいます。掃除道具はあちらにございます」

 

指で指し示す咲夜さん。

なにやら掃除道具が山積みされている。

モップやら箒やら雑巾やら…が沢山ある。

 

「なんか大変そうだなぁ…」

 

とフラン。

 

「いつも綺麗…なんでしょう?なら少しの掃除で済みます」

 

「そうだけど…」

 

「なら大丈夫ですね、問題有りません」

 

「うう…。まぁ、頑張りましょ」

 

フランが俺に向かってガッツポーズ。

可愛いのぅ…。

 

「そうだね、頑張ろう」

 

「では私はこの辺で。やることがございますので」

 

「頑張ってね♪」

 

「お二人も…」

 

そう言い残し、奥に消える咲夜さん。

あっちは…確か厨房だったかな?

料理するところの汚れはなかなか大変だからなぁ…。

 

紅魔館来てまで大掃除することになるとは思ってもみなかったな…。でも、みんなが居るから人間だった頃と違って苦痛には感じない。あの頃は1人だった。

 

「よし、やるぞ」

 

「そうね。なかなか大変だものね。全く、何で咲夜はこんなこと…」

 

「ああ。床全体なんて大変すぎる。…でもな、それをいつも咲夜さん一人でやってるんだぞ?」

 

いつも頑張ってる咲夜さんにそんな事言うのはあんまりだと思ったので、フランに「大変だ」という所には同意しつつも咲夜さんをフォローする。

 

「うう…そうよね、いつもそれを一人でやってるのよね。私たちは二人だから、まだ楽なのよね」

 

わかってくれたか。

俺はほっとする。

 

「そういうことだ、やろう」

 

「うんっ」

 

二人で山積みされてる掃除道具の前に立つ。

こんなに沢山の道具、どこに仕舞ってたんだろ?

 

「私掃除初めてなんだけど…何使えばいい?」

 

そこからか…。

それなら、咲夜さんが大掃除を提案したのも初めてなのかな。

 

「床の掃除には箒使って…それから雑巾がけする」

 

超大雑把に説明する。

 

「箒?雑巾?」

 

「どうした?」

 

「これも箒なの?魔理沙とのは全然違うわ」

 

「あれは魔法使い用のだね。これは掃除用」

 

紅魔館にあるのは…そう、学校にあるようなT字の箒だ。

魔理沙のあれが魔法使い用なのかはわからないが…どう見ても屋内の掃除用では無い。屋外で落ち葉を集めるのには使えそうだ。

細かいゴミを集めるのには向いてないだろう。

 

「それで、雑巾っていうのは??」

 

雑巾すらわからないのか…?

お嬢様だからかな?

 

「雑巾ってのはこれだ」

 

と言ってフランに雑巾を見せる。

 

「この布が雑巾ね、わかったわ」

 

「でもまずは、箒でゴミ取ってからだぞ」

 

「は〜い♪」

 

箒の使い方を教える。

 

「ちょっと…難しいわね」

 

難しくなんて無いぞ、と言おうとしたが、自分はどうだったのか、自分の過去を振り返る。

 

小一の頃…初めての頃の掃除は五年だったか六年の先輩に教えてもらいながらやって…ほとんどやってもらってた。だんだん、見て覚え、やりながら覚えていった。

 

そっか、今のフランはあの時の俺なんだ。

 

そう思い直し、もっと丁寧に、優しく教える事にした。

 

「まず箒はこう持って…こう動かすんだ。そして、ゴミ集まったらこのちりとりでこう…ゴミをとる」

 

見せながら教える。

こうした方が覚えやすいだろう。

 

「わかったわ!こう持って…こうね!」

 

そう言いながらフランもやってみる。

なかなか板についてきたじゃないか。

覚えるのが早くて助かるな。

 

「そうだね。んじゃ先ずこの部屋からやるか」

 

「うん。禁忌『フォーオブアカインド』!」

 

えっえっ、急に何!?

 

「おいどうした!?」

 

「どうしたも何も…分身した方が早いでしょ?」

 

そういうことか…ビックリしたぜ。

 

「なるほどな。んじゃ俺も……」

 

エネルギーで分身の作成を試みる。

 

「ぐっ……んぐぐ………むむむ……」

 

エネルギーが集まり、人の形をとる。

赤ん坊サイズにはなったがとても分身とは言えない。

 

「はっ……はぁっ……」

 

分身するには体力もエネルギーも足りてない。

分身はもっと訓練してからにしよう。

 

「惜しかったわね」

 

「まぁ…ね…」

 

「じゃ、掃除しましょ」

 

四人のフランと俺、合わせて五人だから大きな部屋もあっという間に終わる。

 

「終わったわね、次の部屋行きましょ」

 

「いや、ちょっと待って」

 

「なぁに?」

 

「ここは床ではなく絨毯だから箒も雑巾はしなくていいんだけど…あそこにコロコロがある、あれやろう」

 

「絨毯のところはあの変なのやるの?何に使うの?」

 

コロコロを手に取り実演しながら教える。

 

「こう…回る方を下にして、棒を持ってコロコロ〜ってやるんだ。回るヤツはベタベタしてるからゴミが取れるって訳だ。ある程度ゴミついたら剥がして捨てて」

 

「なるほどね、わかったわ!」

 

咲夜さんは、フランが分身することもわかってたのか、丁度コロコロは五個ある。いや、よく数えてみたら、コロコロに限らず、すべての道具が五個ずつあるではないか。

 

呆気に取られて道具の山を見つめる。

 

「どうしたの?」

 

「あ、いや…なんでもない」

 

フランの一人が話しかけて来るが…これは本物か?分身か?まぁ掃除してくれるからどっちでもいいけど…。

 

「コロコロ〜♪」

 

コロコロ…気に入ったのかな?

 

四人してずっとコロコロしてる。

位置、向きは違えど、四人で全く同じ動きしてるのはなかなかシュールだな。

 

「ほら、次行くぞ〜」

 

「待って〜」

 

次の部屋へは、箒、ちりとり、雑巾、コロコロの四種類を五個ずつ持っていく。

 

「えっとここは…絨毯無いから雑巾だな。よし、じゃあ先ずは箒〜」

 

「絨毯無かったら箒のあとに雑巾ね、わかったわ」

 

箒がけを終える。

 

「あっという間ね♪」

 

ホントだな。

 

「雑巾の使い方教えるぞ〜」

 

『はーい!』

 

一斉に手を挙げる。

 

「さて、ここに、水の入ったバケツがあります。ここに雑巾を入れて、濡らして、絞って、床を拭きます。簡単だろ?」

 

まずは口だけで説明。

 

「やってみるから見ててね」

 

『うん!』

 

…頷くのも四人同時は怖いな…。

 

「雑巾入れまーす」ポチャッ

 

冷たい水は嫌だから投げ入れる。

 

「次に、絞り…おお、温かい!!」

 

水じゃなくてお湯だ!!

 

「どうやって絞るの?」

 

「あ、ああ…こうやって…」

 

絞る。

 

『わかった!』

 

四人してバケツのとこに来た。

バケツは一つだけだ。

それにしても、なんでお湯なんだ?

寒いだろうからっていう咲夜さんの気遣い…なのか?

後でお礼言っておこう。

 

「よし、やりますか!」

 

 

 

「早いねー」

 

「早いなぁ…」

 

人数のおかげでサクサク進む。

 

どの部屋も終わったから次は廊下か。

 

「ここもさっきまでと同じね!」

 

「ちょっと待って」

 

箒を持って走り出すフランたちを止める。

 

『なに?』

 

みんなで振り返る。

 

「ここは広くて長いから、コイツを使う」

 

そう言ってモップを見せる。

 

「モフモフしてそうなのが付いてるね」

 

「ここでゴミ集めるからあまり触るなよ?」

 

『はーい!』

 

実演する。

 

「こんな感じだ。わかった?」

 

『はーい!』

 

…ん?待てよ?これだけ広いならアレ使っても…。

 

俺もスペル使うことを思いついた。

地に足ついてるならクイックが使える。

 

「雷速『クイック』」

 

パリパリ…

 

よし、行ける。

 

ドォォォォ!

 

一蹴りで廊下の端までこれた。

これならもっと早く終わるぞ。

 

「なに今の!?」

 

「俺もスペルを使った。これなら早く掃除終わるぞ」

 

「ホント!?流石エスカルゴ!」

 

四人のフランが一斉にモップを投げ出し抱きついてきた。嬉しいが、ちと苦しい…。

 

「あ…ありがと…でも今は掃除やろ?な?」

 

四人の頭を撫で撫で、そう言う。

 

『はーい♪』

 

「ふぅ…」

 

 

 

スペルのおかげで廊下も一瞬だ。

少し焦げ臭いが…まぁ…気のせい…だろ…。

 

次の部屋だ。入ると、他の部屋とは雰囲気が違う。

 

「ここ、お姉様の部屋よ」

 

レミリアの部屋!?

 

「えっ!?勝手に入って大丈夫かな!?」

 

「大丈夫よ、掃除なんだから」

 

「そか…そうだよな…」

 

なんかいい匂いだな…。

 

 

 

『おーしまい♪』

 

「次は俺たちの部屋行こ」

 

『そうね♪』

 

…分身はいつまで出てるんだ?

 

 

 

「よし、やるか〜」

 

「そうね〜」

 

と言いつつ俺はまっすぐ枕元へ向かう。

ちょっと探したいものが…。

 

「ん〜…………」

 

見つからないな…。

吸血鬼って髪切れたり抜けたりしないのか?

それとも既に咲夜さんが掃除した?

 

黒髪を見つける。

 

「…ちっ」

 

自分の髪の毛見つけても嬉しくもなんともない。

探してるのはもちろんフランのだ。

 

…え?なんの為かって?……なんとなくだ。

別に、秘密のケースに入れて保存しとく訳では無い。俺はそんな変態じゃ無い。

 

キラッ…

 

「!!」

 

これだ!

見つけたそれを素早く秘密のケースに入れて、ロックを掛け、引き出しに仕舞う。

 

よし、誰にも見つかっ…

 

「何してるの?」

 

一人のフランに見つかった。

他の三人はコロコロに夢中である。

 

「!!」

 

「何仕舞ったの?」

 

「仕舞ったんじゃなくてこの中を片付けただけさ」

 

「…ふ〜ん」

 

興味を失くしたのか、その一人も掃除に戻る。

 

危なかった…。俺はほっと胸をなでおろす。

ごめんよフラン…嘘なんかついて…。

こんな変態で…ごめん…俺はお前の全てが大好きなんだ…!

自分の行いを勝手に正当化する。

 

 

 

そうこうしてるうちにここの掃除も終わった。

 

「ここもおしまいね」

 

「そ、そうだね、次はどこ行く?」

 

「どしたの、エスカルゴ?」

 

「いや、なんでも…」

 

「ふーん…。次は私の部屋行きましょ」

 

「わかった」

 

フランの部屋?入ったことないような…。

 

 

 

「ここよ」

 

「ここなのか」

 

レミリアの部屋とは少し離れてるな。

それにしても…普段使ってないハズだが綺麗だな…。

咲夜さんかな?

 

「さ、やりましょ」

 

フランの部屋ってだけでドキドキする。

 

「どうしたの?」

 

「いや、なんでも。やろ」

 

「うん」

 

 

 

あっという間だなぁ…。

 

特訓の部屋は昨日の特訓のあとやったからいいとして…。

 

「次はどこやる?」

 

「えと…図書館は?」

 

「あそこはお姉様たち居るじゃない、掃除もやってくれるわよ」

 

「まぁまぁ…念の為に行ってみよ?」

 

「そうね」

 

 

 

図書館についた。

そっと扉を開ける。

俺とフランの二人で覗いてみる。

これは分身だろうか?

 

「なんで私が…」ブツブツ…

 

「ほらレミィ、口動かしてないで、手を動かして」

 

「せっせ…せっせ…と」

 

本の整理はとっくに終わったようだ。

フランの言う通り、掃除までやってくれている。

レミリアはブツブツ文句言いながら、パチュリーは、レミリアに注意する時以外は黙々と。

まぁ、自分の周りの狭い範囲しかやってないが。

小悪魔は…あれ?本持ってる。

一人だけで忙しなくあちこち動き回ってる。

…まさか、本の整理は全て小悪魔に任せたのか…!?

 

「なぁフラン、小悪魔の手伝いしないか?」

 

「…そうね、なんか見てられないわ」

 

扉を開け、中に入る。

 

「あなたたち!?もう終わったの!?」

 

「ええ。お姉様は、図書館の中すらも満足に出来ないの?」

 

「うぅ〜…」

 

「私たちはすぐ終わったわ。ね、エスカルゴ♪」

 

「そうだね」

 

「あんたたちはどうせズルい手でも使ったんでしょ!?見なさい!フランが四人もいるじゃない!!」

 

フランたちを指さし叫ぶ。

 

「レミィ、うるさい」

 

「パチェはズルいと思わないの!?」

 

「二人は私たちよりも掃除するところが広かったんだから、それくらいやって当然でしょ」

 

「うぅ〜…パチェまでぇ〜…」

 

「で?二人は何しに来たの?」

 

「チラっと中覗いて見たら、小悪魔が一人で本運んでたからさ、手伝おうと思ったんだ♪」

 

「わ、私ですか?私は一人で大丈夫ですよ!ありがとうございますフラン様」

 

「最初に手伝おうって言い出したのは私じゃなくてエスカルゴよ」

 

「え、エスカルゴ様ですか!?ありがとうございます!私は一人でも大丈夫ですよ!お気持ちだけで十分です!!」

 

「でも大丈夫そうには見…」

 

「まぁ、小悪魔なら一人でも大丈夫よ。ね?」

 

パチュリーが割り込み小悪魔に尋ねる。

 

「は、はい、大丈夫です!」

 

「そんな訳で、ここは大丈夫よ、他の所へ行きなさい」

 

「は…はい…」

 

「待ちなさい!どこか行くなら私を手伝…」

 

「レミィは黙って手を動かして」

 

ひぇ〜、辛辣…。

 

「パチェの鬼!悪魔〜!」

 

「吸血「鬼」が何を言ってるのかしら?」

 

「ううう………」

 

うお、上手い返し方だな…。

 

「せっせ…せっせ……」

 

「じゃ、行きましょ」

 

「あ…うん…」

 

フランに手を引かれ図書館を後にする。

 

「そろそろ戻るわね」

 

「?」

 

スゥ…

 

あ、分身が一人のとこに集まる…。

 

「ふぅっ…」

 

「お疲れ様」

 

「エスカルゴこそ」

 

「…ありがと」

 

「…それで、次どうする?」

 

「咲夜さんのとこ行こう」

 

「なんで?」

 

「あの時咲夜さんは、厨房の方に向かったんだ。料理するところの汚れは、こういう床とかの汚れとは段違いでさ。多いし落ちにくいからな」

 

「そうなんだ…。わかったわ、行きましょ」

 

 

 

厨房らしき所に着く。

 

台の下から、ヘッドドレスがチラッと見える。

しゃがんでるのか。

あれ、見えなくなった。

声掛けてみるか。

 

「咲夜さん」

 

「ひゃっ」ゴッ

 

あっ…頭ぶつけちゃった…。

 

「あはは、咲夜ドジ〜!」

 

「こ、こらフラン、あんまり笑うな(汗)

咲夜さん、大丈夫ですか!?」

 

「だ、大丈夫です…」

 

台の下から声が聞こえる。

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「いえ、大丈夫です、私が驚き過ぎたせいですので」

 

スクッと立ち上がる咲夜さん。

 

「すいません…」

 

「で、お二人はどうされたんですか?もう終わったんですか?」

 

「終わったわよ〜」

 

「お、お早いんですね…。まさか、スペルを無駄使いしたんじゃないですか…?」

 

「無駄じゃないわ、“こうりつてき”に終わらせるためよ」

 

「フフッ、そうですね」

 

「どの道具も五個ずつありましたが…ホントは分身するのも見越してたんじゃありませんか?」

 

思ってたことを聞いてみる。

 

「さぁ、どうでしょうか」

 

優しく微笑む咲夜さん。

わかってたなこりゃ…。

 

「ねー咲夜、何か手伝う事ない?」

 

「ここももう終わるので、大丈夫ですよ」

 

「他に掃除するところはないですか?」

 

「ここが最後なので大丈夫です。ありがとうございます」

 

ちぇ…普段のお礼も兼ねてお手伝いしたかったんだがな…。やる事ないなら仕方ない…か。

 

「お優しいんですね」

 

ニコッとしながら言う咲夜さん。

別に…優しいなんてことない。ただのお礼だ。

 

「いえ、いつも起こしてくれたり、お掃除してくれたり、お料理作ってくれたり…色々してもらってるので、そのお礼です」

 

「まぁ…!ありがとうございます。でも、お気持ちだけで十分ですよ」

 

咲夜さんの笑顔は優しくて柔らかい…。

昔漢字テストでよく見かけた、「柔和な笑顔」というのはまさにこの事だろうな。

フランとはまた違った癒しを得られる…。

 

「そうですか…」

 

またの機会にするか…。

またの機会…?母の日とか…か?

こっちにもあるのかな?

 

少し考え込む。

 

ピーッ!!

 

何かの音が聞こえた。なんだ?

 

「さ、お夕飯ができました、席に着いて下さい」

 

えっ今のって料理完成の合図!?

って、片付けしながら料理してたのか!?

まぁ…咲夜さんほどになればそれくらいなんでもない…のかな?

というか今夜の夕飯は…?

 

そんなことを考えながら席に着く。

レミリアやパチュリーも既に着席していた。

 

「どこ行ってたの?」

 

レミリアが俺に尋ねる。

 

「咲夜さんのお手伝いに…」

 

「あなたが咲夜の手伝い?何してきたの?」

 

「いやぁ…もう全て終わってて何も…」

 

「でしょうね。咲夜は完璧だもの」

 

「あはは…」

 

「お待たせ致しました」

 

咲夜さんが料理を持ってくる。

 

これは…カルボナーラだぁ!!!!

 

「あら咲夜、今日はお疲れ様」

 

「ありがとうございます。お嬢様こそお疲れ様でした」

 

「全くよ。この私が、戦った訳でもないのにこんなに疲れるなんてね。…でも、そんなに悪くは無いわね」

 

「そう思っていただけて嬉しいです」

 

へー…あれだけあーだこーだ言ってたのにそう言うなんて…。なにか意味でも見出せたのかな?

 

「パチェの周りが、私の手によってドンドン綺麗になるのは、やってて気持ちよかったわ」

 

そゆことか。

 

「そうでしたか。さて、そろそろ食べましょう、冷めてしまいます」

 

「そうね。では、いただきます」

 

『いただきまーす!!』

 

咲夜さんのカルボナーラ超うめぇ!!!

 

「んん〜!」

 

思わず声が漏れる。

ほっぺが落ちるほど美味いってやつだ!!

 

「お口に合いましたか?」

 

「はい!!凄く美味しいです!!」

 

「ありがとうございます」

 

「確かに美味しいわね」

 

「うん!美味しい!はい、あ〜ん」

 

おお、みんなフォークに上手く巻けてる。

俺そんな上手く巻けないぞ…。

 

「はむっ」

 

「きゃははは、いつもよりガッツいてる〜」

 

「美味しいからね!仕方ないね!」

 

そう言いながらウインクする。

 

 

 

もう食べ終わった。

 

「咲夜さん、おかわりお願いします!!!」

 

「わかりました」

 

「わぁ、もう食べたんだ…速いね…」

 

呆れるフラン。

まだ半分も食べてない。

 

「お待たせしました」

 

「きたきたきたー!」

 

テンションが上がる。

 

「さっきより多くない?」

 

フランが咲夜さんに尋ねる。

 

「ええ。エスカルゴさんなら恐らくまたおかわりを言うかもと思いまして」

 

「あはは、そうかもね!」

 

「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ……」

 

「残さず食べて下さいね」

 

「むぐっ」

 

大きく頷く。

残すわけがない。

 

少しして、おかわりも完食。

 

「フゥーッ……」

 

ちょっとボーッとする。

 

まだあれば食べたいな…。

そう考えてた時に、

 

「まだありますよ」

 

咲夜さんのその一言が聞こえ、ふと我に返る。

 

「食べたい!食べたいです!」

 

「フフッ、わかりました」

 

「あ〜、エスカルゴばっかりずる〜い!私も!」

 

「わかりました」

 

「フランもか。よく食べるなぁ」

 

「あなた程じゃないわ」

 

「二人してなにしてるのかしら…大食い対決じゃないのよ?」

 

「わかってるわ!美味しいから食べるだけよ♪」

 

「お待たせしました」

 

『…あれ?なんか少なくない?』

 

「申し訳ありません、もう無くなってしまいました」

 

「あら…仕方ないわね。続きはまた今度のお楽しみにしましょ」

 

「そうだね!よし、食べよー!」

 

『もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ…』

 

「全く二人して…子どもみたいに…」

 

パチュリーの呆れるような声が聞こえる。

まぁ子供だし…ね?

 

 

 

『ごちそうさまー!!』

 

ふと二人をみると、レミリアもパチュリーもテーブルに突っ伏して寝てる…。

 

「わぁ…ほんとに完食なさいましたね」

 

「えへへ♪私もこれ好き♪えっと…なんて言うんだっけこれ…」

 

『カルボナーラ(です)』

 

咲夜さんとハモる。

 

「ふふっ二人とも息ピッタリね♪」

 

『たまたま!(です!)』

 

「あっははは、面白ーい!」

 

「やれやれ…。咲夜さん、ごちそうさまでした!また今度お願いします!」

 

「わかりました」

 

「…ん…やっと食べ終わったの…?」

 

レミリアが顔を上げる。

 

すぐ食べ終わったはずだが…?

 

「あんたら食べてる間に眠くなったわ」

 

『あはは…』

 

今度はフランとハモった。

 

 

 

その後はしばらく談笑してた。

パチュリーは読書してたが。

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろお蕎麦を食べましょう」

 

咲夜さんが唐突にお蕎麦を持ってくる。

 

「えっ!?さっきカルボナーラ食べたじゃない!」

 

レミリアが声を上げる。

 

「なんでお蕎麦?」

 

フランが言う。当然の疑問か。

 

「年越しそばという物です。エスカルゴさんは…ご存知ですよね?」

 

「ええ、まぁ。詳しくは知りませんが…年越す前に食べ切れれば良いんですよね?」

 

「そうです。では食べましょう」

 

「え、ちょ、待ってよ、急なことで何が何だか…」

 

「後で説明致します。さぁ、お召し上がり下さい」

 

折角だしな…あの二人も…と思ったので咲夜さんに提案してみる。

 

「あの、咲夜さん。折角なので、美鈴や小悪魔も…」

 

「小悪魔は兎も角…門番は外に居て欲しいんですけどね…」

 

「侵入者が居たら俺が責任持って殲滅しますから!」

 

「殲滅とは穏やかではありませんね…。ですが…そうですね、折角ですしね。わかりました」

 

「ありがとうございます!俺が連れてきます!」

 

「お願いします」

 

「私も〜♪」

 

フランがついて来る。

 

「よし行こう!」

 

 

 

 

「うぅ〜…寒いぃぃ…こんな時くらい中に入れて下さいよ咲夜さぁん…こんな寒い時にまで侵入者なんて来ないですよぉぉ……」カタカタカタカタカタ…

 

「美鈴さん」「美鈴♪」

 

「はぅぁぁ…寒過ぎて幻覚幻聴がぁ〜…」

 

「いえ本物です。ま、何はともあれ中へどうぞ」

俺たちは美鈴の背中を押して中に押し込もうとする。

 

「はわっ!?いいいいけません!!中に入ったら咲夜さんに怒られちゃいます!!!」

 

「咲夜さんから許可は得てますのでその心配はありませんよ」

 

「ええ!?…あの咲夜さんが?」

 

疑ってるが…まぁ仕方ないか。

 

「そうよん♪」

 

「うう…嘘だったら恨みますからねぇ〜……」

 

どこまで疑ってるんだ…と苦笑する。

 

中に入る。

 

「あら、あなたにしては遅いじゃない。もっと早く来ると思ったけど」

 

「さ、咲夜さん!中に入っていいって本当ですか!?」

 

「本当よ?……外がいいなら外でいいけど?」

 

「いいいいえいえ!中が良いです!」

 

「なら素直に来ればいいのに…」

 

「いつもの癖でしょうか、疑ってしまいました…」

 

「全く…」

 

「次は小悪魔ですね、呼んできます」

 

「私も〜♪」

 

「お願いします」

 

「あ、あの…咲夜さん、これは一体…?」

 

「ああ、これは…」

 

美鈴が咲夜さんに尋ねる。

説明を咲夜さんに任せ、俺とフランは次は図書館へ。

 

 

 

「小悪魔〜、どこ〜?」

 

扉を開け、中に呼びかける。

 

「はぅ〜…ここれすぅ〜…」

 

弱々しい声が聞こえる。

 

「あ、あそこに…」

 

パチュリーの机にもたれ掛かって座っている。

整理は終わったようで、疲れ切ってる。

というより…燃え尽きてるって感じがするな。

 

「みんなで蕎麦食べることになったから、小悪魔も行こうぜ!」

 

「ごめんなさいぃ…食べたいんですけど…もう動けないですぅ…」

 

「エスカルゴ、抱っこしてあげて」

 

「いいのか?」

 

「うん。だって、動けないんだものね」

 

「そうだな」

 

「大丈夫ですよぉ〜…申し訳ありませんし…」

 

フラフラ立ち上がる小悪魔。

 

「ほら、フラついてる…。いいよ、抱っこするから」

 

「すみませぇ〜ん……」

 

ホントに疲れ切ってるなぁ…。

 

俺は小悪魔をお姫様抱っこする。

おんぶと迷ったが…その方が椅子に座らせやすいだろう。

 

「ありがとうございます…このご恩はいつか…お返し致します…」

 

「いや、大丈夫だよ。この前突進したしな…」

 

あの時のことを思い出し苦笑する。

 

 

 

 

部屋に着いた。

 

「あら小悪魔…お姫様抱っこなんてしてもらって…」

 

「パチュリー様が本の整理を全て任せるからですよぉ…。お掃除もレミリア様に任せて…」

 

「仕方ないじゃない、私は身体弱いんだから」

 

「うぅ〜…」

 

珍しく愚痴る小悪魔を椅子に下ろす。

 

「ありがとうございましたぁ…」

 

深々と頭を下げる小悪魔。

 

「いいっていいって」

 

「さぁ、みんな揃ったところで…お蕎麦を食べましょう!」

 

「んん?そう言えばどうしてお蕎麦を…」

 

あ、小悪魔には理由言ってなかった。

 

「あとで教えてあげるわ」

 

「あ、お願いします」

 

あ、パチュリーが教えてくれるのか。

ではお願いするか。

 

『いただきまーす!』

 

 

 

 

「ん、さっきより少ないわね」

 

「先程お夕飯をお召し上がりになられたばかりでしょうし、あまり食べられないと思ったのですが…もう少しお召し上がりになりますか?」

 

「いや、このままでいいわ。流石咲夜ね」

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 

『ごちそうさまでしたー!』

 

「あと1分で年越しです。なんとか間に合いましたね」

 

懐中時計を見ながら言う。

さっき食べ終わったばかりか、食べるのに時間がかかった。

 

「おなかいっぱい…」

 

「そうねお姉様…」

 

「美味しかったですぅ…」

 

「あら小悪魔、時間かかったわね」

 

「パチュリー様ほどではありませんが…」

 

「ふふ…そうね…」

 

「そうだ、みんなでカウントダウンしないか?」

 

提案してみる。

 

「いいわね!」

 

「いいんじゃない?」

 

「…見てるだけにするわ」

 

「そう言わずに、パチュリー様もっ!」

 

「…仕方ないわね」

 

「いえーい、気分乗ってきましたー!」

 

「美鈴うるさい」

 

美鈴をたしなめる咲夜さん。

 

「すいません…」

 

「まぁまぁ…。もう少しですから。咲夜さん、あと何秒ですか?」

 

「えっと…あと7秒です。6…5…」

 

「まずい!じゃ、カウントダウンいくぞ!」

 

俺は焦り、音頭をとる。

 

 

 

『3!』

 

 

 

『2!!』

 

 

 

『1!!!』

 

 

 

『0!!いえーい!!!』パチーン!!

 

フランとハイタッチする。

 

『あけましておめでとー!』

 

 

 

しばらく変なテンションで騒いだ。

 

 

 

「はぁ…疲れた…」

 

「そう…ね…」

 

「ふぇぇ…」

 

「夜も遅いです、もうおやすみ下さい」

 

「はぁ…やっと寝れる…」

 

とはパチュリーの言。

 

「後片付けは私がやりますので。皆様おやすみなさいませ」

 

「おやすみ…」

 

「おやすみなさいです〜…」

 

パチュリーも小悪魔も行ってしまった。

 

「さて、私は……」

 

咲夜さんは皿を重ねて持っていこうとする。

 

またいつの間にかレミリアは居なくなってる。

 

「フラン、俺は咲夜さんを手伝ってくよ」

 

「えっ?」

 

「その方が咲夜さんも早く眠れるでしょ?」

 

「そうね。でも、私も行くわ」

 

「よし」

 

こっそり後をつける。

 

咲夜さんが厨房に入ったところを見て…

 

「咲夜♪」「咲夜さん♪」

 

俺らも厨房に入る。

 

「お二人共…!なぜこんなところに?」

 

「咲夜にも、早く休んで貰いたいから♪」

 

「ありがとうございます…でも私だけで大丈夫ですよ、お気持ちだけで十分です」

 

「いいからっ!やらせて?」

 

「いけません」

 

「咲夜さん。俺にもやらせて下さい」

 

言ってから気づいたけど…ちょっと言葉選びミスったかな?

 

「そんな…エスカルゴさんまで…」

 

「今夜くらいいいじゃないですか」

 

「……わかりました…今夜だけ…お願いします」

 

『はーい♪』

 

やっと折れてくれたか…。

 

フランが皿を洗い、咲夜さんが汚れを確認しつつ皿を拭き、俺が片付ける。

 

咲夜さんがいつも一人でやっている仕事を三人で分担してるからすぐ終わった。

 

「ありがとうございました。お陰様で早くに休めそうです」

 

「えっへへ〜♪」

 

「たまには手伝わせて下さい」

 

「そんな…申し訳ないです」

 

「またそんなこと…。いつも咲夜さんが一人でやってるんですから、たまには手伝わせて下さいね?」

 

「…はい…ではその時はまたお言葉に甘えて」

 

咲夜さんが苦笑する。

 

 

 

「そろそろ眠くなってきたわ」

 

「そうですね。ゆっくりお休み下さい。起こすのは何時頃になさいますか?」

 

うーん…どうしよう…。

 

「なぁ…何時に起きる?」

 

「明日は…好きな時間がいいわ」

 

「そうだね。じゃあ明日は好きな時間に起きるので、起こさなくて大丈夫です。多分…お昼頃になるかと思うので、お昼ご飯からお願いします。」

 

「承知しました」

 

『おやすみなさ〜い』

 

「はい、おやすみなさいませ」

 

 

 

部屋に着き、ベッドに入る。

 

「ふぅ…」

 

「…ねぇ…分身に聞いたんだけどね?」

 

「ん?」

 

「あそこに何か…隠してるでしょ?」

 

ギクッ……やはり隠し事はするべきでは無いな…。

 

「えっと…」

 

「言って?怒らないから」

 

先生や親は絶対怒るパターンのやつや…。

いや、俺が悪いしな…。

 

心を決め、白状する。

 

「あの…な、その……フランの髪の毛を…だな?保存して…その…えっと…」

 

「髪の毛?なんでそんなの?」

 

「えと…捨てるの勿体無いって言うか…」

 

「髪の毛が?」

 

「…うん…」

 

「えー…ちょっとびっくり…」

 

こりゃ嫌われたかな…。

 

「ごめん…嫌われてもしょうがないよな…」

 

「私、エスカルゴが何しても嫌いになんてならないわ」

 

「ほんとに…?」

 

「この前言ったじゃない」

 

「そうだけど…こればっかりは嫌われるかと…」

 

「私のことが好き過ぎるからこんなことしたんでしょ?」

 

「うん」

 

即答する。

 

「全く…。私もエスカルゴのこと大好きだけど…私たち、いつも一緒に居るじゃない?そんなことする必要ないでしょ?」

 

それもそうだ。俺何やってんだろ?

 

「そうだね…。大好きだよ」

 

「ふふっ…エスカルゴったら…」

 

 

 

「あとね、お皿洗い、楽しかったわ」

 

おっ、急に話題が…。

 

「それはよかった」

 

「またやろうね♪」

 

「そうだな」

 

「じゃ、おやすみ〜」

 

え、今日は何も無しか…?

仕方ないか…。でも何もしないのも寂しいな。

 

「今日はこのまま?」

 

「そんな訳無いじゃない」

 

ほっ…。

 

「今日はどうする?手?血?ギュ〜?」

 

と選択肢を出してみる。

 

「今日はぁ〜………ギュ〜ッ♡」

 

と言って抱きついてくるフラン。

 

「じゃあ俺も♪」

 

俺も抱きつく。

 

「ギュ〜ってすると、いつもよりあったかいね♪」

 

「そうだね♪」

 

「じゃ、寝よっ♪」

 

「うんっ」

 

『おやすみっ♪』




長くはなってしまいましたが、書いてて楽しかったです。
ここまでお読み下さった皆様、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。

次回は…エスカルゴのキャラ設定をご紹介します。
明日できるかな…。
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