俺達は異変の首謀者の元へ向かって飛んでいる。
俺はそのルートがわからないので、霊夢が俺を引っ張るカタチで飛んでいる。
カルゴ「霊夢さ、なんでここまで異変を放置したわけ?少し前からこの異変起こってたろ?」
霊夢「そうね。行動を起こさなかったのは、確信が持てなかったからよ。ただ寒いだけじゃ、ただの異常気象かもしれないでしょ?」
あれ?霊夢ってここまでしっかりしてたっけ?
カルゴ「確かに。でも、日に日に気温が下がってきてたんだし、もう少し早く行動起こしても良かったんじゃないか?」
霊夢「うっ…そ、そうね…。昨日の夜なんかは、少し雪もちらついたしね…」
雪!?ホントに冬じゃないか!
カルゴ「そりゃ気付かなかった。んで、そこまで異変が悪化してたのに動かなかったのかよ?」
霊夢「面倒くさいからね」
何なんだこの巫女は…!
カルゴ「怠惰巫女」ボソッ
霊夢「あ?」
カルゴ「何でもね」
霊夢「……」
ヒュオオオ…
冷たい風が頬を撫でる。
カルゴ「それにしても寒いな」
霊夢「そうね。手を繋いでたところで、さして意味はないわね」
カルゴ「まぁまぁ♪ 手が温かいんだし、それでいいじゃん♪」
霊夢「それもそうね」
その頃────永遠亭
分身「ウィイイイイイイイイイイ↑ッス!どうも、カルゴで~す!」
鈴仙「え…?エスカルゴ?」
レミィ「な、何かあった?」
巫月「えすかるごこわれた!?」
フラン「!?!?」
異常なテンションで現れた分身に驚きを隠せない4人。驚きのあまり、横たえていた体を起こす。
分身「やっほー。エスカルゴから伝言な(ちゃんと伝言もらった訳じゃねぇけどなw)」
4人「??」
分身「『異変解決いってきまーす。心配はしなくてイイよー。この冬終わらせてくるねー』…だってさ。(めんどくせぇからこんな感じでいいよな)」
フラン「異変解決って…何処にいるのよ!?」
血相を変えてコタツから立ち上がるフラン。
分身「それは知らんなぁ。とりあえず、伝えるべき事は伝えたぜ。バイバイ♪」
フラン「待って…」
シュンッ
エネルギーを使い果たした分身は、最後に手を振ってみんなの前から消えた。
巫月「きえた!」
レミィ「ま、霊夢と一緒なら大丈夫でしょ」
再び横になるレミリア。
鈴仙「そうね」
鈴仙も同じく横たわる。
フラン「何で霊夢と一緒だってわかるの?」
レミィ「エスカルゴは霊夢の所行ったんだから、その結果無理矢理巻き込まれたんでしょ。それに、エスカルゴが自分から解決に行くとは思えないわ」
フラン「あっ、そっか…。私も行きたいなぁ…」
外を見つめ、しゅんとなるフラン。
巫月「いへんかいけつってなーに?」
鈴仙「巫女さんのお仕事のことよ」
巫月「そーなんだ!えすかるごはおてつだい?」
鈴仙「うん、そうね」
巫月の頭を撫でる鈴仙。
レミィ「巫月ちゃんって…産まれてどれくらい経つんだっけ?」
顔を引き攣らせながら尋ねるレミリア。
鈴仙「えーと…そろそろ3ヶ月ね」
レミィ「成長早くない?フランが3ヶ月のとき、こんな感じじゃなかったはずだけど…」
フラン「(私はどんな感じだったんだろ…)」
妹のフランを、赤ん坊の頃から知っているが故の発言だ。
鈴仙「そうねぇ…。混血の奇跡ね」
巫月「?」
レミィ「あ…あはは…」
一方、解決組────。
ビュオオオオ…
カルゴ「うおっ、さみぃ…」
⑨「やいエスカルゴ!ここで会ったが⑨年目だ!あたいと今すぐ勝負しろ!」
通りかかったㄘʓ๑に襲われていた。
お前かよ!!
カルゴ「寒いから風吹かすな!!」
霊夢「そうよ!」
⑨「とにかくあたいと勝負だ!いくぞ!凍符『パーフェクトフリーズ』!!」
話通じねぇなこの
若干イラつきながらも、俺と霊夢はスペルの弾幕を回避していく。
しかし…なんだ?
弾幕が、大きくて速い…。
この前は人形にすら負ける程だったというのに。
何故だ?
だが、その理由はチルノ自ら明かしてくれた。
チルノ「はっはっはー!恐れ入ったかー!!冬のあたいは真のさいきょーだぞー!」
カルゴ「冬の…」
そうか、氷の妖精だから冬だと力が増すんだ。
確かに、前に湖凍らせてもらった時も妙に力が増してた様な気がする。
霊夢「ああもう、めんどくさいわね!余計寒くなるじゃないの!」
回避行動から一転、チルノに殴りかかる霊夢。
おい待て霊夢!
チルノ相手に何ムキになってやがる!
俺は急いで粒子をばらまく。
カルゴ「『粉塵雷撃』!!」
パチン……バチバチバチバチィィ……
指を鳴らし、放出した粒子に電気を伝える。
⑨「うぎゃあぁぁあ!!」
電撃を喰らったチルノは呻き声を上げ、弾幕の発射をやめる。
霊夢「痛っ!痛いじゃないのよ!」
此方を振り向き大声で喚く。
おっと、霊夢諸共やってしまったか。
というか、効いてないのかよ。
普通じゃそんな軽く済まないんだぞ?
カルゴ「すまんすまん。でも、霊夢は力加減下手くそだからな、俺がやるよ」
霊夢「酷っ…」
カルゴ「ありゃ」
彼女なりにショックを受けたようだ。
カルゴ「…ま、ヘコたれた霊夢は放っておくとして」
チルノへと向き直る。
⑨「なんだ!あたいはまだやられてないぞ!」
若干フラついているものの、元気に抗議する。
カルゴ「わかってる。雷武器『雷杖』」
右手に杖を出し、チルノの前へ行く。
チルノ「なっ…何するつもりだ…!?」カタカタ…
寒さのためか、恐怖からかはわからないが、カタカタと震えている。
氷の妖精だし…寒さじゃなくて恐怖かな?
カルゴ「すまんな。セイッ!」
ドカッ
チルノ「ふげっ…」
杖を振り下ろし、チルノの頭を殴る。
その一打でチルノは気絶する。
カルゴ「よっ…と…」
一旦地面に降り、チルノを寝かせておく。
カルゴ「お待たせ」
空中で待機している霊夢の元へ戻る。
霊夢「あんたも中々酷い事するじゃない」
カルゴ「そうか?無駄に力使いたくないからな。とはいえ、素手で殴るのはなんかアレだし…」
妖精とはいえ女子だし、素手では殴りたくない。
もし殴るなら、武器を介して殴りたい。
天魔?…あいつは女だが“女子”では無いだろ。
それに、天魔相手だと「素手で殴りたくない」なんて言ってられる余裕なんて無かったしな。
霊夢「(アレって何よ…。)そんなことは置いといて、さっさと次行きましょ」
カルゴ「次ったって…一体どうやっt…」
???「ちょっとそこの!なに私の友達に手ェ出してるのよ!」
進行方向に1人の女が現れる。
薄紫のショートボブに白いターバンのようなものを巻き、ゆったりとした服装をしている。
パッと見、雪女だ。
えーと……誰だっけ?
レティ・ホワイトロック…だったかな?
霊夢「邪魔されたからぶっ飛ばしただけよ、文句ある?」
だから、その言い方をなんとかせい!
しかも倒したの俺だし!!
カルゴ「手荒な真似をして済まない。この、長引く冬の異変を解決しようとしているんだが、邪魔をされたので仕方なく倒したんだ。通してはくれないか?」
話し合いで解決するのならそれがいい。
俺は霊夢とは違うぜっ!
レティ「あぁ…確かに長いわね。通してもいいけど…私を倒したら…ね。(ヒマだし)」
言われる前から何となくわかってた。
カルゴ「そうか。それなら、先手必勝でやらせてもらう。雷符『Midnight☆Thunder』!!」
ブワッ…
俺を中心にして、闇が広がる。
霊夢「なんか久しぶりね、これ」
レティ「なっ…真っ暗じゃないのよこれ!」
バリバリバリィィッ…
レティ「(何この音!?なにか来る!)白符『アンデュレイションレイ』!!」
音で攻撃が来るのを察したレティは、襲われる前に弾幕を発射し、雷を掻き消し始める。
くそっ…冷静だな…!
見えなくなったらもっと慌てるだろ普通!
流れ弾を避けながら思う。
霊夢「くっ…痛いわね!」
カルゴ「ん?…あ」
霊夢も視界を失っているので、流れ弾に被弾しているのだ。
そーだ、チルノの相手してる時から手を離してたんだった。
カルゴ「悪いな」
キュッ
霊夢「なっ、なに!?」
急に手を掴まれた霊夢は甲高い声を上げる。
カルゴ「大丈夫、俺が掴んでるから」
霊夢「う、うん…」
カルゴ「雷武器『雷盾』」
ガン○ムのような大きな盾を出し、霊夢を引き寄せて2人で隠れる。
霊夢「全く…なんで1発で片付けなかったのよ?1発でちゃんと倒してればこんな事には…」
視界を奪われているにも関わらず強気な姿勢を貫く霊夢。
カルゴ「力温存しとく為だってば。あれで片付けられると思ったんだけどな…相手が思ったより冷静でね」
霊夢「はぁ…。次でキメなさいよね」
ギュッと、握ってい手に力を込める霊夢。
カルゴ「…!わかった!」
霊夢からの応援…ふっ、イイな。
レティ「くっ…!」
スゥ…
カルゴ「お」
レティのスペルの効果時間が終わると同時に、俺のスペルの効果時間も終わる。
レティ「何よさっきの…」
カルゴ「解除。…よくアレに対処出来たね。驚いたよ」
盾を解除し、レティに賞賛の言葉をかける。
レティ「かなり焦ったけどね」
カルゴ「そっか。それじゃそろそろ終わらせよ」
レティ「予告!?(心理戦かしら?)」
カルゴ「もう少し勝負を楽しみたいとは思うけど、状況が状況だしね。拷問『Thorny Restriction of Thunder』」
ギチッ…ギチチッ…
レティ「う、動けない…!」
ロープを出してレティを縛り付ける。
カルゴ「少しだけ眠っててもらうね」
ロープに流す電気を強める。
バチバチバチバチッッ
レティ「くっ…くぅ…!あぁああぁあああ!!」
少しだけ耐えたものの、高電圧に耐えかねたレティは堪らず悲鳴を上げる。
レティ「っ……」
ガクンと項垂れ、地面に落下し始める。
そのままロープを伸ばし、地面にそっと下ろす。
カルゴ「ふぃ〜…」
微調整ってかなり疲れるな…。
霊夢「へぇ、器用なものね」
カルゴ「まぁね♪」
霊夢「ほら、行くわよ」
カルゴ「おう」
手を繋いで飛び始める。
疲れた上に、思ったより力が足りない。
異変解決に来る前に、永遠亭で分身に3分の1も使ったのがここにきて効いてきた。
異変解決するには、力不足かもしれない。
カルゴ「なぁ霊夢」
しばらく飛んだところで、霊夢を呼び止める。
霊夢「なに?」
カルゴ「血、飲ませてくれる?」
疲労回復には血だ。
霊夢「イ・ヤ・よ!!」
カルゴ「えー…」
霊夢「あれ変な感じするし。第一何で今なのよ?今は異変解決しに向かってるんでしょ?」
カルゴ「そうなんだけどさ。霊夢んとこ行く前に結構力使っちゃったから…役に立てないかも…。だから…ね?」
人差し指を突き合わせてお願いする。
霊夢「えー…何でこんな所で…」
カルゴ「頼む、少しだけ!なっ!」
手を合わせて頭を下げる。
霊夢「……………じゃあ…」
しばらくの沈黙の後、顔を赤くしながら霊夢が口を開く。
霊夢「お賽銭、倍増ね…?」
Oh......お小遣い足りるかな?
いや…そろそろ本格的に稼がなきゃダメか。
カルゴ「了解だ。じゃ、少し吸わせてもらうね」
空中で静止し、霊夢を抱き寄せる。
霊夢「ちょっ…抱く必要あるの?/////」
カルゴ「多分ある」
霊夢「多分って…(温かいわね…)」
そして、霊夢の綺麗なうなじに口を付ける。
カプッ…
霊夢「っ…」
予想通り、ピクリと反応する霊夢。
やっぱ抱いてて正解だったな。
こうして体を固定してなきゃ、俺の牙が…。
チュウウウ…
霊夢「んっ……くぅっ……」
歯を食いしばり、声を我慢する霊夢。
カルゴ「〜♪」
霊夢の血も絶品なんだよな〜。
フランのとはまた違った美味さがある。
同じ人間だけど、咲夜さんとも全然違うし。
霊夢「ふーっ……ふーっ……」
息が荒くなってきている霊夢。
もう少し…もう少しで満タンだぞ…。
ヂュルルルル…
霊夢「すっ…少しじゃ、ないじゃない…!」
ギュウウウウ…
俺の背中をつねり始めた霊夢。
イデデデデデ!!
カルゴ「んー…」
渋々口を離す。
カルゴ「ご馳走様♪」
9割は戻ってる、大丈夫だ。
それにしても痛かった…。
霊夢「全然少しじゃないじゃないのよ…」
カルゴ「えー…まだ満タンじゃないな…へへ…」
霊夢「しょうがないわね…。それじゃ……」
ゴキッ
カルゴ「アウチ」
頭を掴まれ、急に引き寄せられたので首が鳴る。
チュッ…
うおおおおおおおおおおお…!
霊夢からキスしてきたァァァ!!!
霊夢「これで…我慢してくれる…?/////」
顔を真っ赤にさせながら上目遣いで聞く。
カルゴ「おうっ!ありがとな!」
霊夢「ふんっ…。こ、これくらい何でもないわよ…バカッ/////」
や、やばい、めっちゃ可愛いんだけど…!
霊夢「ほら、早く行きましょ。帰ったらお願い、聞いてあげるから」
カルゴ「はーいっ!」
霊夢「(キス1つでこんなにテンション上がるものなの?…恥ずかしいけど…なんか嬉しいわね…)」
空中で吸血、キスまでしてしまった俺達は、再び手を取り合って飛び立った。
……霊夢曰く、もう少しで目的地らしい。
なんか、めっちゃ久しぶりの投稿w