※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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今回はほのぼの要素満載です( ̄▽ ̄)ニヤリ


花見と新たな能力①

異変を解決してから2日目。

幻想郷は満開の桜に覆われていた。

既にタンポポやつくしなども生えてきている。

昨日までは何も無かったというのに。

全く幻想郷という所は恐ろしい。

春が戻った途端に春になるとは。

もう少しジワジワと春らしくなるのかな、と思っていた。

 

レミィ「さぁ、行くわよ!博麗神社へ!!」

 

皆「おー!」

 

上海「シャンハーイ!」

 

蓬莱「ホラーイ!」

 

今回は美鈴やパチュリーも含め、皆で宴会へ向かう。宴会は昼からであるのだが、場所取りの為に早く向かう事にしたのだ。

今回の宴会は、“異変解決のお祝い”というより、“皆で花見をする”という意味合いが強い。

もちろん霊夢は面倒くさがっているが。

 

巫月「えんかい、えんかい〜♪」

 

初めての宴会が楽しみな巫月は、歩きながらピョンピョン飛び跳ねている。その首には炎を象ったペンダントがかけられている。

 

フラン「楽しみだね!」

 

巫月「うんっ!」

 

元気そうでなによりだぜ。

それにしても…俺としたことが…はぁ…。

 

昨晩、炎火達の幻想郷に行っていた事がバレた。

理由は至って単純だ。

巫月の首にペンダントがかけられていたからだ。

俺としたことが、単純な事を見落としていた。

炎火達の所へ行っていたという物的証拠がある以上、言い訳は不可能だった。

「私達も連れていけ」と、姉妹から散々言われた挙句、レーヴァテインで叩かれグングニルで刺されまくった。

そして、その後に宴会料理を作り始めたのだから、俺の疲労は半端じゃない。

 

カルゴ「ふあぁぁ…」

 

巫月「えすかるご、ねむいの?」

 

巫月が俺を見上げて尋ねる。

 

カルゴ「いや、大丈夫だぜ」

 

巫月「よかった♪」

 

何と可愛いのだ、我が娘よ…!うあああああ!!

 

咲夜「ふわぁぁ…」

 

俺の欠伸が移ったのかというタイミングで、口に手を当てて欠伸する咲夜さん。

 

レミィ「あら?眠いの?」

 

咲夜「いえ、大丈夫ですよ、お嬢様…」

 

レミィ「そう…?」

 

咲夜さんもかなり疲れている様子だ。

歩きながら欠伸するなんて、普段の彼女では有り得ない事なのだ。

そもそも咲夜さんの欠伸なんて見たことないが。

昨晩は、皆が寝静まってから料理に着手したので俺も咲夜さんも徹夜した。

その疲れが溜まっているのだろう。

 

 

 

みんなで楽しく歩いていると、長い道のりもそんなに長くは感じなかった。

 

カルゴ「もう着くな。よし、俺が1番乗りだ!」

 

博麗神社まで残り300m程の所で、集団から飛び出して駆け出す。

 

フラン「あっ!私が1番よ!!」

 

フランも集団内から飛び出し、後を追う。

 

レミィ「またあんたらだけで…!待ちなさい!」

 

レミリアはいつもと同じく、フランよりワンテンポ遅れて飛び出す。

 

鈴仙「やれやれね…。お父さんになったのに変わらないわね…。エスカルゴらしいけど」

 

走り去った方を見つめながら呟く。

 

巫月「れーせん、わたしもいきたい!」

 

鈴仙「わかったわ。おいで」

 

巫月「うんっ!」

 

鈴仙は巫月を抱っこし、ゆっくり飛び始める。

 

咲夜「(全く…子供みたいなお方ですね…)」クスッ

 

美鈴「いや〜、皆さん元気ですねぇ!でも、私なんかは門や玄関から離れるだけで元気になりますよ!あっはっはっは!」

 

荷物を持たされている美鈴だが、元気にそんな事を言う。

 

咲夜「あら、それなら今すぐ門番の仕事に戻ってもらおうかしら」

 

美鈴「えぇ!?折角のお花見なのにぃ!」

 

咲夜「冗談よ」

 

美鈴「咲夜さんが言うと冗談に聞こえません…」

 

 

 

一方、その頃…。

 

カルゴ「ぬおおおお!!」

 

石階段を全速力で登る。

 

フラン「待てー!」

 

レミィ「待ちなさーい!」

 

フランもレミリアも俺と同じく走って追いかけてくるが、それほどの走力は無い。

 

カルゴ「はぁ、はぁ…急、過ぎんだろ…!」

 

普段空から行っているので、正式なルートから博麗神社を訪問するのは初めてである。

博麗神社は高台に位置するので、その前には長く急な階段があるのだ。

 

鳥居、あんなに遠かったっけ…?

 

カルゴ「っしゃあああ!」

 

大声で自分を奮い立たせ、飛ぶように走る。

 

 

 

フラン「はっや……はぁ、はぁ、はぁ…」

 

レミィ「あんな速さで走るとか、どんな脚してんのよアイツは…」

 

2人は足を止めて、段々と小さくなっていく背中を見ていた。

さらに、その様子を上空から眺めている者が。

 

巫月「ふらんちゃんたち、どうしたの?」

 

巫月と鈴仙だ。巫月は、道半ばで立ち止まっている2人を見てそう尋ねる。

 

鈴仙「あはは…疲れちゃったのね…」

 

巫月「そーなんだ。ね、はやくえすかるごのとこいきたい!」

 

鈴仙「わかったわ!」

 

巫月にお願いされ、ちょっぴり加速する鈴仙。

 

 

 

その頃、霊夢は…。

 

霊夢「(さっきから煩いわね…。エスカルゴ?なんでエスカルゴが階段から?)」

 

お茶を飲むのをやめて、奇声が聞こえてくる階段の方へ歩いていった。

 

 

 

カルゴ「うおおおおお!!」

 

もう少しで…登りきる…!

鳥居はもう、目の前だ!!

 

グ○コのポーズで鳥居の下を潜ろうとするが、その前に1つの人影が現れた。

 

霊夢「ゲッ!エスカルゴ!?」

 

霊夢!?

 

カルゴ「うわっ、ちょっ、止まれ…な…」

 

霊夢「止まりなさい!!」

 

カルゴ「うわあああ!!」

 

U・ボルトを遥かに超える速さで走っている俺。

もちろんそんな急に止まれるはずもなく…。

 

ドサッ…

 

登りきったところで、霊夢にぶつかり…そのまま石畳に押し倒す。咄嗟の事だが、手は動いたので霊夢の頭は保護出来た。

 

霊夢「なんで出会い頭に押し倒すのよ…!/////」

 

そう言う霊夢の顔は真っ赤だ。

 

カルゴ「えっと…ごめん…」

 

うおおおお赤くなってる霊夢可愛ええええええ!

 

顔が目の前…相変わらず慣れない状況ではある。

ベッドや布団でなら慣れているのだが。

 

霊夢「どうしたのよ、そんなに急いじゃって…」

 

カルゴ「早く来たかっただけだよ」

 

霊夢「えっ…?そ…それって…早く私に会いたかったって事…なの?/////」

 

カルゴ「!?」

 

イイ具合に勘違いしてくれたな…。

でも、余計な事言ってこんがらがるよりもこのままでいいか。

 

カルゴ「そんな所だ。まさか鳥居の下に居るとは思わなかったよ。いつも通りお茶でも飲んでるのかと思ってた…」

 

霊夢「あんたの声が聞こえたから見に来たのよ。うるさかったわ…」

 

カルゴ「はは…声出した方が力出るからな」

 

霊夢「そう…。というか、早く退きなさい」

 

未だ押し倒したままだ。

 

カルゴ「退く前に1回だけ…イイか?」

 

霊夢「えっ……?」

 

チュッ…

 

目を丸くする霊夢に、そっと唇を重ねる。

 

カルゴ「えへへ…赤くなってる霊夢見てたら我慢出来なくなった…」

 

霊夢「別にいいけど…/////」

 

良いの!?

 

霊夢「場所くらい考えてよね…?皆が見てるじゃない、恥ずかしい…/////」

 

カルゴ「え…」

 

顔を上げて辺りを見渡すと、既に来ていたメンバーがこちらを見ているのに気がついた。

 

カルゴ「え…えっ、みんな来るの早くない!?」

 

急いで立ち上がる。

 

霊夢「そりゃ花見も兼ねてるもの、朝早くから場所取りに来るでしょ」

 

霊夢も立ち上がり、埃を払う。

 

カルゴ「やばい、恥ずかしい…」

 

ドンドン顔が熱くなっていくのがわかる。

 

霊夢「もう遅いわよ。それに、恥ずかしいのはあんたじゃなくて私だから」

 

背を向けて中に戻っていく霊夢。

 

カルゴ「あうぅ…」

 

見られちゃったか…恥ずかしいな…。

 

巫月「えすかるご〜!」

 

空から娘の声が降ってきた。

そちらを見ると、鈴仙に抱っこされている巫月が居た。

 

カルゴ「巫月!」

 

巫月「えすかるごってはやいね!ふらんちゃん、まだかいだんにいるよ!」

 

抱き抱えられながら階段を指さす巫月。

 

カルゴ「そ、そうか…」

 

見られてないよな…?

 

フワリと着地する鈴仙。

同時に巫月が駆け寄ってきたので、膝をついて娘を抱きとめる。

 

巫月「さっき、あのあかとしろのひととおくちくっつけてたね!なにしてたの?」

 

赤と白の人?…あ、霊夢か。

って、やっぱ見られてたんかい!

なんて言おうかな…?

 

カルゴ「えーとね…好きな人同士はお口をくっつけるんだぜ。な、鈴仙!」

 

鈴仙「そうね。私とエスカルゴも、いつもお口くっつけてるでしょ?」

 

巫月「そーだね!わたしもえすかるごとおくちくっつける!」

 

ふぁっ!?

 

カルゴ「いや…親子ではあんまりやらないんじゃないかな…?」

 

やるかもしれないけどさ。

 

巫月「わたし、えすかるごのことすきだよ!おとうさんだもん!えすかるごはわたしのこときらい…?」

 

目を潤ませて(そう見える)父親を見上げる娘。

 

カルゴ「いや、大好きだぞ!」

 

どこから上目遣いなんて覚えてきたんだ!?

そう見えるだけか。

 

巫月「じゃーおくちくっつけよー!」

 

俺の頭をガシッと掴む巫月。

 

カルゴ「わかったよ、1回だけな」

 

娘には弱いな、俺は…。

 

巫月「うん!」

 

チュッ…

 

言うが早いが、早速唇を重ねる娘。

 

ふおおおお!!唇柔らけぇええええ!!

 

巫月「えへへ〜♡」

 

唇を離した巫月は、いつも以上にニコニコしている。

 

カルゴ「ふふ…ふふふふっ…」

 

娘とキスする事をイケナイ関係みたいに思うのは俺の心が汚れてるからか?

 

鈴仙「良かったわね、巫月♪」

 

巫月「うん!」

 

カルゴ「全く…娘とキスなんてなぁ…」

 

巫月の頬を伸ばしながら呟く。

 

鈴仙「とか言って、嬉しいんでしょ?(凄くニヤニヤしてるし…)」

 

カルゴ「へへっ、まーな♪」

 

いやぁ、巫月はどこもかしこも柔らかいねぇ。

 

フラン「追い…ついた…」

 

レミィ「はぁ……はぁ……」

 

ようやく階段を登り終えた2人。

大袈裟に見えるほど、肩で息をしている。

その後ろには置いてきたみんなが居る。

 

カルゴ「遅いぞー」

 

フラン「エスカルゴが速いだけよ…」

 

レミィ「そう、よ…」

 

そんな2人の後ろから、上海と蓬莱が来る。

 

カルゴ「おう、来たか」

 

人形達「バカジャネーノ!? バカジャネーノ!?」

 

罵りながら俺の頭を殴ったり蹴ったりする。

 

カルゴ「ちょっ…」

 

アリス「ふふっ、元気ねぇ」

 

見物人の中からアリスが出てきた。

 

カルゴ「ようアリス。相変わらずこの子らは元気だぜ」

 

上海「シャンハーイ!」

 

蓬莱「ホラーイ!」

 

アリス「修繕の必要も無さそうだし、安心ね」

 

カルゴ「大事にしてるからな」

 

口角をクイッと上げてドヤる。

 

アリス「それならいいわ」

 

そう言って人混みに戻るアリス。

頭には人形2人が、右手は娘と手を繋ぎ、自分の周囲にはフラン、レミリア、鈴仙がいる。

両手に花…を遥かに超えている。

 

全身に花…だな。想像すると気持ち悪いけど。

 

美鈴「準備出来ましたよー!」

 

桜の木の下で美鈴が声を張り上げる。

どうやら、茣蓙を敷き終えたらしい。

 

永琳「あら、中々いい場所じゃない」

 

笑みを零しながら茣蓙へ向かう永琳。

 

てゐ「まったりするかね〜」

 

己が発する言葉(まったり)とは縁遠い存在であるてゐは、両手を頭の後ろで組みながら茣蓙へ向かう。

 

フラン「今度は私が1番乗りよっ!」

 

レミィ「私も負けないわよっ!」

 

茣蓙へ走っていく落ち着きの無い姉妹。

 

咲夜「美鈴が見つけたにしてはいい場所ね」

 

いつの間にか茣蓙の上で正座している咲夜さん。

 

美鈴「にしてはって酷くないですか!?」

 

咲夜「冗談だってば。いちいち真に受けないで」

 

テキパキとお茶の準備をしながら言葉を返す咲夜さん。

 

美鈴「はぁ〜……」

 

鈴仙「私達も行きましょ!」

 

巫月「うん!えすかるご、行こ!」

 

カルゴ「おうよ!」

 

娘に手を引かれて桜の木の下へ移動する。

心地良いそよ風に吹かれ、皆で談笑する時間は、とても短く感じられた。

そして、宴会が始まる時が来た。

 

魔理沙「おいエスカルゴ、そろそろだぞ。アレよろしくな」

 

紅魔館&永遠亭組の元に魔理沙が来た。

 

カルゴ「ん?俺が音頭とるのか?」

 

魔理沙「私は当然やらないし、霊夢もやりたくないって言ってる。お前しかいないだろ」

 

おい、当然ってなんだよ当然って。

 

カルゴ「しゃーねーな。ちょっと行ってくる」

 

フラン「頑張れ〜!」

 

鈴仙「しっかり見てるからね〜!」

 

レミィ「かっこよくキメてきちゃいなさい!」

 

見送られながらその場をあとにし、前に出る。

すると、集まったみんなに注目される。

隣には霊夢と魔理沙が居る。

 

カルゴ「マジで俺言うの?」ボソッ

 

霊夢「早くして」

 

魔理沙「早くするんだぜ」

 

確認するも、急かされただけで終わった。

 

覚悟決めるか…。

 

カルゴ「今回も無事、異変の解決及び、西行妖の再封印に成功しました。えーと…かんぱーい!」

 

一同「かんぱーーーーい!!」

 

最後は投げやりになってしまったが、何とか言い切る。

 

霊夢「もっとカッコよくキメてよ」

 

霊夢に脇腹を突かれる。

 

カルゴ「うっせ」

 

魔理沙「そういえば、紅魔館建設中だよな?何かあったのか?」

 

カルゴ「…ちょっとね、訳ありなのさ」

 

魔理沙「ほーん…」

 

俺が壊したなんて言えねぇよな…。

ましてや、嘘を真に受けて…だから…。

 

魔理沙を適当にあしらい、自分達の茣蓙に戻ろうとするが…。

 

ヒビキ「兄貴ィ」

 

背後から弟に声をかけられる。

 

カルゴ「どうした?」

 

ヒビキ「姪っ子に会いに来た。まだ会ったことないからな」

 

カルゴ「だな。ついてきな」

 

ヒビキ「おう」

 

そーだな、巫月と会ったことないんだったな。

 

カルゴ「椛は来てんのか?」

 

ヒビキ「向こうで将輝と楓と花見してる」

 

カルゴ「なるほどな」

 

そんな話をしながら自分らの陣地に連れていく。

 

巫月「おかえり!」

 

フラン「おかえりなさーいっ!」

 

カルゴ「ただいま。巫月、伯父さんが来たぞ」

 

ヒビキの背中を押して前に出す。

 

ヒビキ「伯父さん言うな」

 

巫月「わんこだ!」

 

犬耳に即座に反応する巫月。

 

ヒビキ「えーと、エスカルゴの弟のヒビキだ。よろしくな。巫月ちゃん…だよな?」

 

巫月「うん!」

 

ヒビキ「可愛いなオイ…。全然兄貴に似てねぇ」

 

頭を撫でながらこちらを振り返る。

 

カルゴ「鈴仙に似てるからな」

 

ヒビキ「ほーん…(俺と椛は…想像出来ねぇ…)」

 

ヒビキが巫月を撫で始めて5秒程が経った。

 

カルゴ「さぁ、もう戻るんだ。これから皆でワイワイするから」

 

ヒビキの手を無理矢理引き剥がし、背中を向けさせる。

 

ヒビキ「えー…。ちぇっ…」

 

もう少し撫でていたかったのだろう、渋々と言った様子で帰っていく。

 

俺の娘には触らせんぞ…!

お前でもだ、ヒビキ。

今は初対面だから撫でさせてやっただけだ。

これから会う時は、半径1m以内に入る事は固く禁止するぜ。

 

咲夜「お疲れ様でした。エスカルゴさんもお茶、如何ですか?」

 

カルゴ「いただきます」

 

咲夜さんからお茶を受け取り、熱いうちに口に運ぶ。

 

はー…花見っていいな…。

普段騒がしいてゐまで大人しく茶を飲んでら…。

明日は槍でも降るか?

 

??「おいエスカルゴ〜!こっちで一緒に飲まないか?」

 

俺の肩に手を置き、飲みに誘う者が1人。

 

あれ、この声って…。

 

カルゴ「ども、こんにちは…萃香さん」

 

振り返り、引き攣った笑みを浮かべる。

 

萃香「おうおう!さぁ、一緒に飲もう!霊夢も待ってるぞ!」

 

カルゴ「少しだけですよ?」

 

萃香「わかってるって!ほんの少しだけ、な!」

 

皆に一応断りを入れてからその場を離れる。

鬼相手だからなのか、誰も何も言わなかった。

ただ、上海と蓬莱だけはついてきた。

 

霊夢「これならあんたも酔わないわ。凄く弱いから」

 

移動するなり霊夢が盃を差し出す。

 

カルゴ「サンキュ」

 

受け取ったそれを口に運ぶ。

 

あ…確かにこれなら大丈夫かも。

 

霊夢「どう?」

 

カルゴ「うん…大丈夫だよ。美味しいし」

 

顔は真っ赤に紅潮し、目は虚ろになっているものの、自分を保てているので大丈夫と判断を下す。

 

霊夢「そう。それなら良かったわ」

 

カルゴ「こんなに弱い酒は中々無いな。紅魔館にあった最弱の酒ですら酔ったのに…」

 

霊夢「あぁ…前言ってたわね。その酒、かなり上出来だと思うわ」

 

自らの口にも酒を運びながら“上出来だ”と言う。

 

カルゴ「どゆこと?上出来…って…」

 

霊夢「(しまった…余計な事を…!)その酒、私が作ったのよ。いっ…一緒に飲みたいから…/////」

 

カルゴ「おお、そうなのか。ありがとな」

 

霊夢が作ったって…へー…。

わざわざ俺の為に…ふふっ、嬉しいな…。

 

カルゴ「でも、どうやって作ったんだ?」

 

酒を作る施設なんて無いだろうに。

 

霊夢「……驚かないで聞いてくれる?/////」

 

真っ赤になってモジモジしている霊夢。

萃香は、その方法を知ってか知らずか、ニヤニヤしているばかりである。

 

カルゴ「おう」

 

霊夢「口噛みの酒…なのよ、それ…/////」

 

カルゴ「ッ!?」

 

思わず噎せそうになる。

 

てことは…霊夢と間接キスしたって感じか?

まぁ、さっきキスしたばかりだけど。

 

カルゴ「ふふっ…霊夢の口嚼酒か。驚いたけど、悪くねぇな」

 

そんな感じしないけどなぁ…。

 

霊夢「ほ…ホントに美味しい?1回しか味見してないのよ?」

 

カルゴ「うん、美味しいよ」

 

霊夢「良かった……」

 

安心しきったように脱力する霊夢。

 

萃香「良かったなぁ!」

 

萃香が霊夢の背中をバンバン叩く。

 

霊夢「もう、なんて言われるのかヒヤヒヤしてたわよ…初めて作るし…恥ずかしいし…」

 

カルゴ「そっかそっかぁ…。ふふふっ、霊夢ぅ…よしよし…」

 

そう言って霊夢の頬を撫でる。

 

霊夢「あれ…?ま、まさか、酔っ払った…?」

 

カルゴ「そんな事無いよ?霊夢の口嚼酒らもん」

 

霊夢「呂律回ってないわよ…。(でも、これくらいなら大丈夫かしらね)」

 

その後も3人で飲み続けた。

幸い、悪酔いすることは無く、ほろ酔いのままであった。上海と蓬莱の2人は、そんな俺を心配そうに見上げていた。

 

??「ちょっといい?」

 

背後から声をかけられる。

 

カルゴ「はい〜…?」

 

振り返ると、日傘を差し、癖のある緑の髪に、真紅の瞳の女性が立っていた。

白のカッターシャツとチェックが入った赤のロングスカートを着用し、その上から同じくチェック柄のベストを羽織っている。

 

えーと…誰だっけ?

 

自分でも気付かぬうちにかなり酔いが回ってしまっているので、頭が回らない。

 

??「あなたがエスカルゴね?」

 

カルゴ「そーですよぉ…。吸血鬼のエスカルゴ・スカーレットれす、お見知り置きを……」

 

??「(話しかけるタイミング間違えたわね…。)私は風見 幽香。あなた、私と手合わせをして下さらない?」

 

あー、そうだそうだ、幽香さんだった。

負けたんだよなぁ…前は。

でも、もう負けないぞ。今の俺は強い。

幻想郷のトップ5には入ってるだろ。多分。

 

過去に幽香さんと戦った時の事を思い出す。

 

カルゴ「良いれすよ…。ふふっ、一度戦ってみたかったんれすよ…」

 

幽香「そうなの?じゃあ話は早いわね」

 

カルゴ「うっす…」

 

盃に入った分の酒を飲み干し、立ち上がる。

 

霊夢「待ちなさい!酔ったまま戦うなんてダメ!酔いが覚めるまで待ってなさい!」

 

カルゴ「大丈夫〜。安心しなって〜。霊夢が血を飲ませてくれるならイイんだけどな〜…」

 

霊夢「じゃあそれでいいから!私の血でいいなら飲ませてあげるから、酔ったままはダメ!」

 

幽香「随分と献身的ね、霊夢」

 

霊夢「……ほら、さっさと済ませて」

 

幽香さんの一言をスルーし、首を差し出す。

 

カルゴ「ありがとね、霊夢。大好き」

 

ガブッ…

 

礼を言ってから首に噛み付く。

 

霊夢「痛っ…(なんか今日は痛いんだけど…?)」

 

小さな声で呻く霊夢。

 

カルゴ「〜♪」

 

そんな霊夢に気付かずに、チュウチュウと音を立てて血を飲む。

 

霊夢「はぁっ…んっ……(あれ、痛くない…気のせいだったのかしら…)」

 

口を手で塞ぎ、声を押し殺す。

萃香はそんな様子をニヤニヤしながら見ていた。

 

 

 

カルゴ「美味しかったよ。ありがとうな」

 

頭がスッキリしてきた所で吸血をやめる。

 

霊夢「そう、なら良かったわ。気をつけて戦ってきてよね」

 

カルゴ「おうよ!」

 

霊夢の血飲んだ後なら負ける気しねぇ。

 

カルゴ「すみません、お待たせしました」

 

俺が立ち上がるのと同時に上海と蓬莱も反応し、頭の上に移動する。

 

幽香「大丈夫よこれくらい。…始めましょうか」

 

カルゴ「ウッス。れ…」

 

霊夢に結界を張るよう頼もうとしたが、既に張っていてくれた。

 

幽香「ルールはあなたが決めて良いわ」

 

距離を取りながら、余裕の笑みで言い放つ。

 

そんな事言うのは、自分が格上だという余裕からか?それならいつも通り、俺が得意な戦法でいかせてもらうぜ。

 

カルゴ「スペルカード数は無制限、どちらかが戦闘不能になるまでというのはどうです?」

 

幽香「面白そうね。ガンガン来なさい!」

 

ニタリと笑う幽香さん。

その笑顔を見て、思わずゾッとした。

合図を出す者がいない。

つまり、いつでもいいという事だ。

片方が先に仕掛ける攻撃…それが開始の合図。

 

カルゴ「……」

 

距離を取って睨み合うも、幽香さんはまるで警戒している様子がない。

 

チッ…掴み所ねぇな…。

しゃーない、相手は受けの姿勢だし、俺が先に仕掛けるとするか。

 

そう決めた俺は、覚悟を決め戦闘態勢に入った。




押し倒したいよね。口嚼酒飲みたいよね。www
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