平和な宴会を書きたかったんだけどな(笑)
なるほどね、宴会に戦闘はつきものなんだな。
幽香さんよりも先に仕掛ける、と覚悟を決めた俺は戦闘態勢に入る。
観客「………」
観客達も息を呑んで見守る。
よし、やるか!
カルゴ「混合武器『雷銃&雷砲』!!」
魔法陣を大量に作成する。
それを1つずつ、上海と蓬莱に渡し、幽香さんに向けさせる。さらに、余った魔法陣を、霊夢の張った結界に向かって投げて貼り付ける。貼り付けられた魔法陣は結界と同化し、何処にあるか判別不能になる。
パチェ「へぇ…あんな使い方も出来るのね」
レミィ「パチェはあんな事出来たっけ?」
パチェ「出来ないわ。私の魔法陣とエスカルゴの魔法陣は、その本質が違うのかもね」
レミィ「??」
カルゴ「雷武器『雷銃』!」
全てを貼り終え、手ぶらになった俺は両手に銃を装備する。
このまんま発射したって意味ねぇな。
なら、せめて…。
カルゴ「雷銃操法『スパークショット』!!」
連射力を上げた弾幕は真っ直ぐに幽香さんへと向かう。幽香さんは口元に笑みを浮かべながら日傘を翳し、それらの攻撃を防ぐ。
カルゴ「クッソ…キリがねぇや…」
頬に流れる冷や汗を拭う。
あの日傘が邪魔過ぎる………けど。
防げるのは、当然ながら傘を向けている側のみ。
つまり、傘をどこかに向けさせておいて、その反対側から攻撃すればいいって事だ。
至って単純明快だ。
カルゴ「上海、蓬莱。結界内を飛び回れ。狙ったままでな」
上海「シャンハーイ!」
蓬莱「ホラーイ!」
小声で指示し、2人に予測不能な動きをさせる。
魔法陣は幽香さんを狙ったままだ。
同じ方向から攻撃しても意味が無い。
様々な方向から攻撃する為には、2人の陽動作戦は不可欠なのだ。
幽香「(人形達が持ってる魔法陣…あれからは何が出てくるのかしら?そう言えばさっき、他のを投げてたわね…。あれはどこに?)」
目だけを動かし周囲を見回すも、何も見つからない。
幽香「(透明になってるの?だとしたら警戒は必要ね)」
人形達を放ってすぐにやるんじゃ、陽動作戦の意味が無いし、もう少し気を逸らす必要があるな。
カルゴ「雷神『Thunder☆Fall』!!」
名前の通り、滝のように降り注ぐ雷。
幽香「くっ…少しキツいわね…」
雷に打たれながら呻く幽香さん。
いや、即気絶してもおかしくない電力なんだが?
仕方ねぇ、そっちが終わる前に!!
カルゴ「『エスカルゴ・スパーク』!!」
先に放ったスペルが終わる前に、全方位からの極太レーザー攻撃を畳み掛ける。もちろん、上海らの持っている魔法陣からも発射されている。
ゴオオオオオオオオオオオオオッッ……
結界の内部は、ペンキをかけたようにレーザーの色…即ち、黄色一色に光り輝いている。
魔理沙「やり過ぎじゃないか?流石の幽香もタダじゃ済まないんじゃ…」
霊夢「いいえ…幽香なら絶対ピンピンしてるわよ(もう結界にヒビ入ってるんだけど!?あーもー、少しは手加減してよ!結界壊れたら神社も壊れるんだけど!?)」
カルゴ「はぁ…はぁ…」
やべ…今のエスパの嵐で、力1割…いや、2割は使っちまったな…。
大量にエスパを放つと、消費量がえげつない。
幽香「やってくれたわね…!」
顔に青筋を浮かべる幽香さん。
服や日傘は所々焦げている。
幽香「喰らいなさい!花符『幻想郷の開花』!」
少し早めの弾幕を発射してくる幽香さん。
喰らえと言われて喰らう阿呆が何処にいる?
楽々と弾幕を回避していく。
しかし、スペルを中断したのか、元々そういうスペルなのか、ものの数十秒で終わる。
幽香「全く…ちょこまかと…!幻想『花鳥風月、嘯風弄月』!!」
密度を増やす弾幕。
しかし、これも難なく避ける。
幽香「やっぱり私は、弾幕よりこっちが合ってるわね…」
傘をこちらに向ける。
それの意味するところ───。
幽香「元祖『マスタースパーク』」
細い傘からは想像も出来ないような極太の光線が伸びてくる。
カルゴ「やばい、逃げろ!」
上海と蓬莱を結界の外に出し、強制的に戦線を離脱させる。そして……。
カルゴ「うおおおおお!!『雷神拳』!!!」
目の前に迫る光線を、避けたり相殺するのではなく、拳で砕こうと試みる。
霊夢「バカッ!!逃げなさい!!」
結界を維持するのに精一杯であるが、必死に回避を促す霊夢。
逃げてばかりでは何も生まれないぜ、霊夢。
そのまま右ストレートを繰り出すが。
バヂュンッ…
耳を塞ぎたくなるような気味の悪い音を立てて、レーザーが右半身を通過する。
霊夢「エスカルゴぉ!!」
霊夢が悲痛な声で叫ぶ。
カルゴ「…?」
視界が揺れる。体が傾く。意識が薄れる。
そのまま重力に従い、地面に倒れる。
カルゴ「…え…ぁ……」
倒れた衝撃で意識がハッキリし、自分が地面に倒れていることに気付く。
ズキッ
カルゴ「あがぁッ!!」
意識がハッキリしたせいで、痛みに気付く。
カルゴ「あ…ぅああ…」
右半身が、抉られたように消し飛んでいた。
右腕は付け根から、右足も付け根から。
腰や腹も抉れ、臓物がこぼれ落ちてきている。
もう少しずれていれば心臓も消し飛んでいた。
幽香「大丈夫よ、ちゃんと手加減してあるから。急所は外してあるわよ」
カルゴ「くっ…!」
手加減した?
それに、急所を外しただと…?
あくまでも格上だという余裕か…。
幽香「あなたは戦闘不能、私の勝ちね」
嘘だろう?自分で設定した…それも、自分が一番得意なルールで負ける?ふざけんなよ…。
カルゴ「…10秒だ」
幽香「?」
カルゴ「今から10秒以内に俺が立ち上がったら、勝負続行だ」
咄嗟に思いついた苦し紛れの案だ。
だが、どんな形であっても、負けるのは嫌いだ。
幽香「良いわよ、待ってて上げる。10秒ね」
カルゴ「ああ…」
立つには、少なくとも足は再生しなければならない。だが、再生には優先順位がある。
1.臓器などの重要部位
2.四肢、翼などの末端部分
3.骨折等
4.切り傷等の日常生活内で起こりうる軽い怪我
腰や腹が抉られている現状では、そこが優先されるため、10秒で右足の再生まで完了するのかは本当に五分だ。
霊夢「ダメよ!!10秒なんかで治りっこないわ!それに、これ以上続けてなんの意味があるのよ!死んだらどうするのよ!」
カルゴ「俺は死なねぇよ?
地面に倒れたまま、無理に明るい声を出して霊夢に応える。
霊夢「そ、そうだけど!今回ばかりはダメよ!!投了しなさい!」
再生に必要なのは、「治す」という思い。
思いがスペルを生み、思いが人との関係を作る。
更には、思いが己の体をも作る。
ここで「治す」ことを諦めたら、この体の再生は止まり、失血死するだろう。
カルゴ「大丈夫だっての…。見ろよ、もう塞がってるぜ?へへ、へ…」
二チャッ…ズルルッ……メキッ…ゴキッ…
何度聞いても、再生する音は聞き慣れない。
クッソ…耳障りな音だぜ。
幽香「6……5……4……」
残り4秒の時点で、スネまでは再生している。
やばい、間に合わないかもしれない。
カルゴ「治れ治れ治れ治れえええええええ!!」
思いをより強固なものにする為、大きな声を出し己を奮い立たせる。
幽香「……1……」
───治った!
足が完全に再現した所で、左腕をバネのようにして飛び起きる。
カルゴ「間に合った…」
幽香「あら、本当に間に合ったわね。腕は?」
右腕がまだ完全に再生し切っていない。
カルゴ「これくらい屁でもない……。そもそも、レーザーを殴ろうとしたのが馬鹿だった」
こうして話している間に、腕の再生が完了する。
幽香「じゃあ、続きをしましょう───」
再度傘をこちらに向ける。
マスパか!
カルゴ「させるか!雷神『荒れ狂う
結界内でこれでもかと暴れ回る雷。
雷神『Thunder☆Fall』の強化版であり、電力も増している。その分、他のスペルよりズバ抜けて消費が激しいので多用は禁物だ。
幽香「ぐっ…!中々やるじゃないの!」
結界内にもうもうと立ち込める土煙の中で、幽香さんの声が聞こえてきた。
その声から察するに、大してダメージを与えられていないだろう。
カルゴ「絶雷『紫電一閃』!!」
幽香「!」
スペルの宣言により身構える幽香さん。
シ──────ン……
フラン「あれ?何も来ない…」
レミィ「失敗…なの?エスカルゴが?」
鈴仙「スペル使うほどの力が残ってなかったってこと?」
幽香「…?」
宣言したにも関わらず、未だ訪れない攻撃に首を傾げる幽香さん。
カルゴ「……」
そんな様子を見て、俺は内心ほくそ笑む。
────いけ。
ズガァァァァァァッ!
ワンテンポもツーテンポも遅れて落ちてくる雷。
幽香「ッ!?」
油断していた幽香さんに、雷が直撃する。
観客達「遅っ!!」
霊夢「時間差攻撃…?」
これは、一閃『Mishap of Thunder』の魔法陣が出現しないVer.だ。
だが、魔法陣が無いという事は召喚の詠唱の必要も無い訳であり、不意打ちが可能となる。
その頃────妖怪の山。
天魔「む?(晴れておるのに雷鳴…?よもや、またエスカルゴか?)」
同時刻────地底。
キスメ「あれ?雷?また大雨降るのかなぁ…」
───────天界。
天子「あ、雷の音だ。…ご主人様、早く戻らないかなぁ〜…こっちは暇でしかないわよ…。また異変起こそうかなぁ…」
また、このスペルを使った場合、雷鳴は幻想郷中に轟く。迷惑極まりないので、多用は禁物だ。
幽香「な…中々の一撃だったわ…!」
小刻みに息をしながら、見る者をゾッとさせるような笑顔で称賛の言葉をかける幽香さん。
カルゴ「うっす。でもまだ勝負は…」
幽香「ついてないわよ」
冷たい声色でそう言い放ち、俺を倒さんと肉薄する。
せめて傘を弾き飛ばせれば…!
カルゴ「フンッ!!」
傘を弾き飛ばそうとアッパー攻撃を仕掛けるが、空振りに終わる。
幽香「ここよ」
いつの間にか背後に回り込んでいた幽香さん。
振り返る隙…否、後ろ蹴りを喰らわせる隙すら与える事はなく、閉じた傘をバットの様に振るう。
カルゴ「───ッ!!」
バキバキと嫌な音を立てる背骨。
打たれた体は数m吹っ飛ばされる。
カルゴ「ゲホッゲホ……ガフッ……」
うつ伏せのまま、咳とともに吐血する。
折れた背骨がなんかの臓器に刺さったかな…。
幽香「ふふ…結構楽しめたわ。また戦いましょ。次までにもっと強くなっておく事ね」
傘をさしてくるりと背を向ける幽香さん。
それを見て、霊夢は結界を解く。
カルゴ「クッソ…!」
腕よりも様々な神経が通っている背骨は、胃等の臓器なんかよりも治りがずっと遅い。
それ故、立ち上がる事も幽香さんを追うことも出来ないのだ。
クソ…たかが背骨1本でこんなにボロ負けすんのか俺は…。
カルゴ「ちぇ…もっと強くなるっきゃねーな…」
背骨が治ったので、ゴロンと仰向けになる。
あぁ、綺麗な空だ。快晴だな…。
くっそー…悔しいな…。
霊夢「大丈夫?」
霊夢が俺の顔のそばにしゃがむ。
スカートが長いため、中は見えな(ry
カルゴ「大丈夫に決まってんだろ?俺を誰だと思ってんだよ」
霊夢「私の彼」
真っ直ぐに目を見つめてそう呟く。
カルゴ「……………」
そんな事言う奴だったっけ…?
霊夢「違うの?」
カルゴ「…いや、そうだぜ」
照れ隠しのために、軽く笑う。
霊夢「お疲れ様」
ギュッ…
俺の上半身を起こし、抱き締める。
カルゴ「…!」
霊夢「でも、次は負けないでよね。
んな事言うなよ、照れるから…。
カルゴ「わかってる。次は勝つ」
霊夢「…うん♪」
ふと桜の木の下を見ると、巫月とフランが此方に来ようとしているが、それぞれ鈴仙とレミリアに止められている様子が目に入る。
鈴仙とレミリアは、いっつも空気を読んでくれるからなぁ…ありがたいよ、ホント。
霊夢「風呂貸すから、すぐに入りなさい。折角の花見が台無しよ」
カルゴ「そうだね。そうさせてもらうよ」
霊夢に引っ張られて立ち上がる。
霊夢「肩、貸す?」
カルゴ「大丈夫だよ」
霊夢「そう、ならいいわ。サッと入って、サッと出てよね。みんな、あなたを待ってるわ」
カルゴ「…ああ」
霊夢とはそこで別れ、風呂へと向かった。
あ、あれれ?
相打ちに持ち込ませようとしてたのにいつの間にか負けてた…。
ま、勝ってばっかじゃつまんないもんね。
俺なら、主人公が勝ってばかりな漫画やアニメ、小説はあまり好かないな。
いくら主人公補正があるとはいえ、敗北を味わって強くなるべきだと思うんだよね。
(あくまでも個人の考えですぜ?)
しかも今回の負けた理由がなぁ…。
あっ、これ以降は次回に(汗)
幽香さん、スペカが2枚ととても少ないので、非常に書きづらいですね…。
おかげで、ただのおっかない人物になりましたw
でも、多かったら多かったで、どれ使えばいいか迷うな…w
因みに、天子は未だに「エスカルゴは幼児化している」と思ってます。
なのであれから来てませんw
何故かというと、元に戻る薬の存在を知らないからですね。
元の青年の姿に戻る(つまり、成長する)まで、何年もかかると考えています。可哀想な勘違いですね。
紫電一閃の意味はYahoo知恵袋で調べました。
雷の類語としての意味で調べたので、四字熟語の方とは意味が違いました。
遠くまで聞こえる雷……という意味でした。
(山や地底、天界の下りはそこから持ってきた)
いつかこの小説をゆっくり茶番化したいな。
はやいとこ編集技術身につけたい。
次こそは平和な宴会にします。