※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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花見と新たな能力④

神奈子「お前………まさか………」

 

目を見開く神奈子様。

 

マ…マジで…?

 

神奈子《本当に聞こえているのか?》

 

微かではあるが確かに聞こえる。

 

カルゴ《本当に聞こえてますね》

 

神奈子「何なんだお前は!何故そんなに力を持っているんだ!?吸血鬼じゃないのか!?」

 

茣蓙をバンバン叩いて声を荒らげる。

 

カルゴ「吸血鬼ですよ。しかし、神奈子様の声は囁き声位にしか聞こえませんし、偶然かも知れませんよ」

 

諏訪子「偶然で起こるかなぁ?」

 

神奈子「いや、無いだろそんなの。ほんの僅か、霊力があるのでは?」

 

早苗「うわっ…チートですねぇ…」

 

顔を顰める早苗。

 

違うぜ早苗。

チートってのは俺みたいな半端者じゃなくて…。

まぁ、もっと他に居るさ、そう呼ぶべき人物が。

 

カルゴ「霊力があった所で、それを行使する術が無い以上、宝の持ち腐れですよ。魔力があっても雷属性の魔法しか使えないですし」

 

雷属性の魔法しか使えない……というのは勿論、魔導書の雷属性の部分しか読めないからである。

他の属性の部分は丸っきり読めないので、使えないという事だ。

 

諏訪子「雷の?あの魔法陣のやつ?」

 

諏訪子様が言ってるのは恐らく、『Mishap of Thunder』の事だろうな。あとエスパだ。

 

カルゴ「いえ、あれは魔法ではありません」

 

諏訪子「そうなの?魔法陣出てたけど…」

 

カルゴ「あれはただ…、魔法陣から召喚する方がカッコイイかな…と思ってデタラメにイメージしただけですので、魔力は消費してません」

 

諏訪子「なるほどね〜。(デタラメにイメージしてあのクオリティ!?精密過ぎるでしょあれ…)」

 

魔法陣の精密さを思い出し、内心驚愕する諏訪子様。

 

カルゴ「霊力…ねぇ…」

 

普段、戦闘時には電力と妖力、体力しか消費していない。妖力は通常の弾幕でのみ消費する。

電力は俺の能力によるものなので、やはり主力は電力なのだ。

 

…待てよ?もし霊力を行使できるようになったとしたら、電力が尽きても霊力での攻撃に切り替え、戦闘を続行出来るんじゃ…?

 

諏訪子《そうなるね〜。もしそうなれば誰よりも長く戦えるだろうね!》

 

カルゴ《そうですね》

 

そんな姿を想像し、思わずニヤリと笑う。

 

早苗「どうしました?」

 

カルゴ「いや。もし本当に俺に霊力があるなら、使えるようにしたいかな、って思っただけさ」

 

神奈子「訓練次第で如何様にもなるさ。精進しなさい」

 

カルゴ「はいっ!」

 

 

紫「霊夢ぅ〜?…あら?霊夢が居ないわね」

 

勇儀「あれ、おかしいな…さっきまでエスカルゴと一緒に寝てたと思ったんだが…」

 

 

大妖怪組の声が聞こえてきた。

紫さん達はどうやら、霊夢を誘おうとしているらしい。だが当の本人は中で寝ている。

 

カルゴ「霊夢なら寝てますよー」

 

手をメガホンのようにして呼びかける。

 

紫「わかったわー」

 

紫さんが手を挙げて返事をする。

 

 

紫「寝てるんですって。どうしましょう?」

 

勇儀「もう夜も遅いし、帰るか?」

 

幽香「そうね。そろそろ帰りましょうか」

 

妖夢「(やっと開放される…)」

 

 

神奈子「じゃ、私らも帰るか」

 

諏訪子「そだねー」

 

早苗「ですね」

 

少しよろめきながら立ち上がる。

 

カルゴ「そうですか。お疲れ様でした」

 

俺も立ち上がって頭を下げる。

 

諏訪子「ばいばい、また神社に来てね!」

 

ニコニコとしている諏訪子様。

 

カルゴ「はいっ!」

 

 

 

 

 

カルゴ「はぁ…」

 

大妖怪、神様が帰ったのが引き金になったのか、次々と帰宅した花見客達。

境内は、先程までの騒ぎが嘘のように閑散としている。なので、眠っている霊夢の代わりに、俺が花見の片付けをしている。

 

なるほど、こんな労働を強いられたんじゃ、異変解決も億劫になるな。

…あれ?俺まで怠惰になってきた?

 

 

 

カルゴ「だー、クソっ!1人でなんてやってられっかよ!」

 

いつまで経っても終わる気配の無い片付けに嫌気が差し、箒を石畳に叩きつける。

 

カルゴ「禁忌『エスカルゴ・カルテット』!!」

 

いつもと違って充電してねぇから、そこまで力は残ってねぇ。でももう、1人では出来ん!

 

分身「1人でやれよ…」

 

分身「最近戦闘以外で分身を作るの多過ぎだぞお前は。ここ数日で作った分身の数数えた事あるかよ?」

 

カルゴ「効率的に何かをするにはそっちの方がイイだろ」

 

掃除しながら口を動かす。

 

分身達「(ド正論だけどめんどくせぇ…)」

 

未だに突っ立っている分身達。

 

カルゴ「よし、もしテッペンこえる前に終わらせてくれたら霊夢の寝顔見せてやってもいい」

 

腕組みをして分身達にそう言い放つ。

テッペンとは午前0時のこと。

つまり、「テッペンをこえる」とは、午前0時を過ぎることを意味する。現在は23:45だ。

 

分身達「雷速『クイック』」

 

バシュシュシュッ!

 

素早さを上げ、方々に散る分身達。

 

カルゴ「あっテメェ!折角集めたゴミ蹴散らすんじゃねぇよ!!」

 

集めたゴミを蹴飛ばされ、怒声を浴びせる。

 

分身「早く終わらせんぞ!!」

 

分身達「おう!!」

 

カルゴ「……」

 

やる気満々だからいっか…。

 

やっているときに注意されるとやる気がなくなるので、注意を諦める。

 

しっかし…集め直すのは面倒臭いな。

 

カルゴ「雷牢『雷神の牢獄』」

 

落ち葉が広がった場所全体を囲む。

 

パチン☆

 

硬度を上げてあるので、ゴミを集めながら縮む。

 

カルゴ「ふははは、このまま滅してくれるわ!」

 

大魔王の様な事を言ってみる。

そして、再度指を鳴らす。

 

ドォォォォン…

 

予想通り、爆発によってゴミは細切れになる。

だが。

 

カルゴ「やっべ」

 

縮むと小爆発が起きるのは分かっていた。

だが、周囲が静かな為か、爆発音が響いた。

 

霊夢、起きたかもしんねぇな。

 

分身達「うるせぇ!起きるかもしんねーぞ!!」

 

カルゴ「わかってんよ、さっさとやれ!」

 

分身達「じゃあ、もっと人手増やしてやんよ!!禁忌『エスカルゴ・カルテット』!!!」

 

分身が分身を生み出す。

 

カルゴ「!?!?」

 

追加分身達「雷速『クイック』」

 

一斉にあちこちに散らばる分身達。

 

え…えっ、今何体なの?

1+3+9=13……本物含めて13人!?

キモッ!!多過ぎだろ!!

 

 

 

 

 

23:58

 

分身達「終わったぞゴルァ!!」ハァ、ハァ…

 

急いだからか、それとも興奮のためか、息が荒い分身達。

 

カルゴ「しゃーないな。静かに来いよ」

 

分身達「……」コクコクッ

 

早速言うことを聞いて黙り込む分身達。

賽銭箱の横を通過し、玄関ではなく縁側から中に入る。

 

分身達「しまった!」

 

中に入った瞬間、分身達が声を上げる。

 

カルゴ「ん?」

 

シュンッ

 

振り返った瞬間、12体も居た分身達は消えてしまった。

 

カルゴ「え?」

 

消えた…え、時間切れって事か?

いや、充電して無くても1体につき16%は与えた。タイムリミットにはまだ余裕があるハズだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜少年思案中〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「────はっ!」

 

しばらくその場で考え込み、理由を考えた結果、1つの答えが導き出された。

 

分身を作り過ぎたせいで力が細分化されたんだ!

俺(本体)は元々64%程あった。

というか、計算上キリが良いのでそう仮定する。

分身を3体生み出したので、1人につき

64%÷(3+1)人=16%となる。

16%が更に分身を作った事で、分身1体につき

16%÷(3+1)人=4%になり、クイックとも相まってエネルギーの消費が激しくなったんだ。

 

カルゴ「ふむふむ、なるほどなるほど…」

 

霊夢の寝顔は守れたな。よし。

んじゃ、最後にそれ見てから帰ろっと。

 

諏訪子《大丈夫ー?怒られない?》

 

うおっ、ビックリした…。

 

カルゴ《大丈夫ですよ、多分!足音を消す工夫は考えてあります!》

 

諏訪子《そーなんだ!》

 

足音を消す為に軽く浮かび、襖をそっと開ける。

 

霊夢「………………」

 

カルゴ「……………」

 

布団の上で正座している霊夢と目が合った。

 

諏訪子《うわぁ……バレてるね》

 

カルゴ《あはは…》

 

霊夢「あんた、寝顔覗こうとしてなかった?」

 

勘鋭すぎだろ…。

 

カルゴ「してた」

 

誤魔化した所で何の意味もないので正直に言う。

 

諏訪子《(馬鹿正直だなぁ…)》

 

霊夢「しかも、分身連れてきてたでしょ」

 

カルゴ「聞こえてた?」

 

霊夢「勘」

 

おいおい…鋭すぎて怖いな…。

 

霊夢「そういうのやめてくれる?」

 

嫌悪感を丸出しにする霊夢。

 

カルゴ「すまない…」

 

そりゃそうだよな…。

覗きなんてされたくないよな…。

 

霊夢「分身とは言えあんたとは別人なんでしょ?他の男なんかに見られたくないわよ」

 

カルゴ「……?どゆこと?」

 

言っている意味がわからず、聞き返す。

 

霊夢「だーかーらー!あんたしか見ちゃダメって言ってんの!!」

 

顔を真っ赤にしながら言い放つ霊夢。

当の俺は、その意外な言葉に目を丸くする。

 

カルゴ「え…ぁ…良いの?」

 

霊夢「あんただけなら、ね。一緒に寝たんだし、今更でしょ?」

 

カルゴ「そうだね…」

 

霊夢「それに私達は………アレ…なんだしさ…」ゴニョゴニョ

 

次第に小声になる霊夢。

 

カルゴ「アレって?」

 

霊夢「察しろバカぁ!!」

 

カルゴ「んがっ」

 

霊夢の投げた枕が顔面にヒットする。

 

うおおお、いい匂いだ…!

 

枕を顔に押し当てる。

 

霊夢「あっ!!匂い嗅がないでよ!!!」

 

カルゴ「いい匂いだなぁ」スーハースーハー

 

構わず嗅ぎ続ける。

 

霊夢「助平!変態!!」

 

畳を叩きながら罵声を浴びせる。

 

カルゴ「何だそれは、褒め言葉かな?」スーハースーハー

 

霊夢「違うわよっ!返してっ!!」

 

軽くいなすと、霊夢が飛びかかってきた。

 

カルゴ「…へっ」

 

引っ掛かったな、霊夢!

 

両手を広げ、飛びかかってくるのを受け止める。

 

霊夢「!!」

 

ギュッ…ドサッ

 

そのままの勢いで後ろに倒れる。

当然頭は打つが、そんなのはどうでもいい。

 

計画通り…!

 

内心大喜びする。

霊夢が俺の上に乗るカタチになるのだ。

 

霊夢「ご、ごめん…大丈夫?」

 

あ〜…近い、いい匂い、可愛い…。

 

カルゴ「大丈夫だ、問題無い。このまま寝よか」

 

霊夢「ばっかじゃないの!?」

 

ベチッ

 

左頬をビンタされる。

 

カルゴ「へぶっ……叩く事無いじゃんか」

 

霊夢「ふんっ…」

 

ぷいっと顔を背ける。

 

カルゴ「んじゃあ俺はそろそろ帰るぜ」

 

眠くなってきたかも…。

 

霊夢の頬を撫で、下ろしながら立ち上がる。

 

霊夢「あ…その前に少しだけ…時間貰ってもいいかしら…?」

 

何やら改まった様子で尋ねてくる。

当然答えはYESだ。

 

カルゴ「良いよ。どうした?」

 

霊夢「来て」

 

霊夢が俺の手を取り、歩き出す。

どこに行くのかわからないが、行けばわかるので黙ってついて行くことにした。

 

 

 

霊夢「ここよ」

 

カルゴ「おお」

 

霊夢に連れてきてもらった場所…。

そこは、博麗神社の裏側だった。

以前天子を気絶させた所だ。

 

裏側も、桜が綺麗だな。

 

霊夢「夜桜も良いでしょ」

 

カルゴ「そうだな」

 

桜を見上げたまま答える。

 

霊夢「(反応薄いわね…折角2人きりなのに…)」

 

…あ、忘れるところだった。

 

カルゴ「霊夢。ちょっと話があるんだが」

 

霊夢「な、何よ改まって…」

 

それに関しちゃ、さっきの霊夢もだけどな?

 

カルゴ「ま、屋根で桜見ながらゆっくり話そ」

 

霊夢を軽々と持ち上げ、屋根に飛び上がる。

 

霊夢「わっ……抱っこするなら言ってよ…」

 

カルゴ「抱っこするよなんて言ったら、『自分で行くからいい』とか言うだろ?」

 

屋根に霊夢を下ろす。

下ろされた霊夢はいつもの様に寝転がる。

 

霊夢「…かもね。それで、話って何?」

 

カルゴ「驚かないで聞いてくれるか?」

 

俺も霊夢の横に寝る。

 

霊夢「大丈夫よ。話して」

 

カルゴ「…あのさ。俺…もしかしたら霊力があるかもしれないみたいでさ。霊夢と修行したいなーなんて…思ったんだけど…」

 

霊夢「はぁ?なんであんたに霊力があんのよ?」

 

カルゴ「まぁ、無いとは思うんだけど。あくまで可能性の話だからさ」

 

霊夢「??」

 

怪訝な顔をする霊夢。

やはり、複数の力を持ち合わせるのは異例なのだろう。

 

霊夢「何かあった?何も無ければそんな頓珍漢な事言わないでしょ」

 

流石霊夢だな、鋭い。

 

カルゴ「守矢神社の神様達と喋っててね。頭ん中で神奈子様と話せたら霊力があるって感じだったんだけど、話せたんだよね。だから、あるのかなーって」

 

霊夢「なるほどね…。修行なんてゴメンだけど…あんたとなら良いわよ。(頭の中で神奈子と話す?頭がごちゃごちゃしそうね)」

 

カルゴ「ほんとかっ!?」

 

霊夢「私の修行は厳しいわよ、覚悟しなさい!」

 

カルゴ「おうよ!」

 

 

 

この後、早速数時間もの特訓をした。

もちろん、何か出来た訳では無い。

俺が帰宅し、眠りについたのは、朝方…それも、文の相手をした後だった。




ちょ、宴会の後に2時間くらいしか眠れないとか地獄かよwww



前回、前々回と出てきた口噛みの酒について。
「『君の名は。』で出てきたやつ?」と何人からか言われましたが、筆者はそれ見てないです(汗)

彗星、入れ替わり、たき君とみつは、としか…。
口噛みの酒が出てくるシーンがあった様ですね。
今度見てみようかな?
TSUTAYAならレンタルしてるハズ…。



神と脳内で話せる様になる条件
1-1.神の気まぐれ(奇跡のCHI☆KA☆RA)
1-2.巫女、若しくは巫女の素質がある者

恐らく灯乃子は1-1ですね。

複数の神と脳内で話せる様になる条件
2-1.神の気まぐれ(奇跡のCHI☆KA☆RA)
2-2.巫女、若しくは巫女の素質がある者
2-3.霊力持ち

エスカルゴは2-3ですね。


また、霊夢は博麗神社に祀られている神を知らないらしいので、これらの事は出来ないとします。
一方早苗は、諏訪子様と神奈子様々ながそばに居るのでそもそも脳内で会話する必要性がありませんね。

なので、霊夢と神、早苗と神の脳内会話は無しとします。

エスカルゴも灯乃子も、羨ましいなぁ。
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