※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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第三次月面戦争・勃発!②

??「よくも妹をやってくれたね… 」

 

背後に来たのは、依姫の姉、綿月豊姫だった。

 

マジかよ豊姫まで来たのか…いつの間に?

気配を感じなかったんだが…。

今までに無く集中してたから、少しの物音でも反応出来るはずなのに…。

 

カルゴ「眠らせただけですよ?」

 

悪夢を見せてるけど…ね。

 

豊姫「同じ事です。…貴方は妹を殺めなかったので、命までは取りませんが、今すぐ地上に送り返します」

 

カルゴ「それを拒んだら?」

 

豊姫「最新の科学兵器である、森を一瞬で素粒子レベルに浄化する扇子で、貴方を消し去ります」

 

俺の背中に、閉じた状態の扇子をトンと当てる。

 

カルゴ「おお、それは怖い」

 

いやぁぁぁぁっ!!

そんな物騒なの近付けんなやドアホーッ!!!

 

表情には出さないが、内心では叫んでいる。

 

今やられたら剣も素粒子レベルになっちまうかもしれない…どうすれば…。

さっきの、火雷神とかいうやつやられた時に鎧は解除したし…今それやろうとしたら瞬殺される。

扇子と鎧攻撃Ver.…どっちが速い?

五分五分かな…。

 

豊姫「逃げようとか考えてたりするのかしら?」

 

余裕そうな声が聞こえてくる。

 

カルゴ「ええ、まぁ。八意様の事もありますし、貴女方には手を出したくありません。もっと上の立場の人に用があるのです。通しt」

 

豊姫「そんな事聞けるわけないでしょう?消されたいの?」

 

やっぱダメだよねー、わかってるよー。

 

カルゴ「ええ、まぁ。消してみて下さい。それがハッタリでは無いと言うのなら」

 

ハッタリだという事に命を賭けてみる。

 

豊姫「愚かな…跡形もなく消してあげましょう」

 

カサリ、という扇子を開く音が聞こえた。

 

やばい!この賭け、俺の負けだ!!

 

豊姫「では、さよう───」

 

カルゴ「フンヌッ!!」

 

マズいと判断した俺は、剣を鞘ごと結界へ向けて投擲する。投げられた剣は、鞘ごと結界に突き刺さる。

 

豊姫「──なら」

 

フワリと優しい風を感じた瞬間、意識が途切れた。

 

 

 

 

 

豊姫Side

 

サァァァ…

 

目の前の男は、一瞬にして素粒子レベルに浄化され、私の前から消えた。

これで、第三次月面戦争は終わりを告げた筈…。

しかし、依姫にかけられた術が解けてない……。しかも、何処と無く嫌な気配を感じる…何かしら?

 

豊姫「ああ、いけない。結界に奴の武器が…」

 

きっと、あれのせいね。

 

剣を抜こうと駆け足で向かう。

 

月霞様、何故まだあんな所に…?

もう休まれても……

 

飛竜「危ない豊姫、後ろだ!!!」

 

豊姫「え────」

 

飛竜が警告するも、振り返り切る前に頭に電気が流れ、意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

エスカルゴSide

 

カルゴ「ふぅ〜…」

 

まさか本当に浄化出来るとはねぇ…。

よくもまぁこんなもん持ってますよ。

 

浄化された後、兵士達と衝突した場所よりも手前で再生した。

槍の壁に囚われている依姫、扇子を閉じた豊姫の背中を見、ある程度の事情は把握した。

そこで、豊姫に不意打ちをしようとしたが、大将のような男に見つかってしまった。

 

カルゴ「あとはお前だけだ」

 

遠くにいる大将に向けて呟く。

 

飛竜「貴様ァ…!」

 

大将の暗く低い声が聞こえてくる。

 

カルゴ「一閃『Mishap of Thunder』!!」

 

これでThe・ENDにしてやるよ。

俺史上最大の魔法陣だ!!

 

飛竜の頭上には、月全体を覆い尽くさんとばかりに魔法陣が広がる。

 

飛竜「………」

 

頭上の魔法陣を見据え、腰に差している刀に手をかける。

 

ここまで大きくすると、結構消費するものだな。

でも、依姫の呼び出した火雷神のおかげで充電は出来たがな。

 

これほどのサイズとなると、一撃で致命傷になりうる。

 

カルゴ「召・喚!!!」

 

天に向けていた右手を振り下ろし、召喚の合図を送る。

 

飛竜「ぬぁぁぁッ!!」

 

掛け声と共に刀で頭上に降り注ぐ雷を切る。

切られた雷は飛竜の両側に落ちる。

 

カルゴ「はぁ!?」

 

雷を切った(・・・・・)だと!?

その得物、雷切か!?

 

飛竜「危ない所であった…」

 

ホウと大きく息をつく飛竜。

鬼のパンチなんかよりも強力なこの雷、切れるか否かは飛竜にとって賭けであった。

 

今の結構消費したんだが!?

力の無駄遣いになったじゃん!

 

カルゴ「クソがァ…!喰らえや、地獄の雷!!!獄雷『Deadly…」

 

剣を地面に刺そうとするが、剣を所持していないことに気付く。

 

カルゴ「んなっ…!?」

 

飛竜「どうした、技も出せぬか!!」

 

俺の剣!妖魔雷霊剣はどこだ!?

まさか、丸ごと浄化されたんじゃ…!?

 

飛竜「…!貴様の得物ならそこにある」

 

上空を指さす飛竜。

そこには、結界に突き刺さっている剣があった。

 

俺、浄化される前に突き刺したのか?

そんな隙があるか?…いや、投げたんだろうな。

俺ならきっとそうするだろう。

 

カルゴ「イイのか?テメェ、斬られて死ぬぞ」

 

飛竜「フン…場所を教えただけだ。取らせるとは言っておらん」

 

カルゴ「だろうな。取られると自分が負けるからだろう?月の総大将さんよ」

 

飛竜「…人を煽るのが上手い奴だな貴様は…」

 

顔に青筋を浮かべる飛竜。

 

カルゴ「それ程でもねぇよ。さて、この世を離れる覚悟は出来たか?今からお前をあの世に送る」

 

飛竜「……そうか。そういえば、此度の目的を聞いていなかったな。貴様は何しに来た?」

 

カルゴ「目的ィ?ンなの決まってんだろ。テメェみてぇな都の上層部の奴らを皆殺しにし、月の都を壊滅させる事だッ!!」

 

飛竜「なるほど…。ならばお前のことは、ここで消しておかなくてはなるまい」

 

殺戮を楽しんでいるのか、少しばかり口角を上げる飛竜。

 

カルゴ「つーかさっき言ったろ!兵士達来させる時に!!」

 

飛竜「………」

 

言ってから思い出したわ俺も!

戦うのが楽しくて…いや、大変で忘れてた。

 

飛竜「貴様…名は何という」

 

なに?殺す相手の名前を知りたいってか?

 

カルゴ「まずは自分が名乗るのが筋じゃないのか?」

 

飛竜「む…それもそうだ。俺は、総大将を務める月霞 飛竜。遥か昔の月面戦争時には、鬼の小娘をあと一歩の所まで追い詰めた」

 

鬼の小娘…萃香さんか…。

 

カルゴ「吸血鬼のエスカルゴ・スカーレットだ。オッサン、長生きし過ぎだぜ…」

 

冷たい汗が一筋、俺の頬を伝う。

 

飛竜「地上と違って、月には寿命という概念自体無いからな。羨ましいか?」

 

勝ち誇った様にフンと鼻を鳴らす。

 

カルゴ「まさか。俺だって半分不老不死さ」

 

吸血鬼不老不死化計画……Project蓬莱人もある。

 

飛竜「貴様がそうであったところで、周りの奴らはそうでは無かろう?さぞかし寂しいだろうよ、周りの者が死にゆく様を見るのはな」

 

カルゴ「────ッ!!」

 

霊夢…咲夜さん…魔理沙…早苗…。

 

身近な人間達の顔と声が脳裏に浮かぶ。

そして、無意識にそういった場面を想像する。

 

カルゴ「テメェェアァアアァッッ!!!」

 

地を蹴り、刀を持つ飛竜に素手で殴り掛かる。

 

飛竜「フンッ、今更気付いたか」

 

重厚な鎧で、吸血鬼の本気のパンチすら止める。

ヒビどころか、傷一つ付かない。

 

カルゴ「ずっと前から気付いてたよ!!けどよ、考えたくねぇだろォがよォォォ!!」

 

右ストレートを喰らわせた体勢のまま頭突きをお見舞するが、それも防がれる。

 

飛竜「ははっ、現実逃避とは醜いな。死の事実から目を背けるか!!」

 

カルゴ「うるせぇぇぇ!!」

 

金的をしようとするも、鎧のたれに蹴りは阻まれ、逆にこちらの脛がダメージを受けた。

 

カルゴ「くぉっ…」

 

脛を押さえ、うずくまる。

 

飛竜「ぬぁぁっ!!」

 

当然、飛竜はそんな隙をスルーするハズもなく、腹に豪快な蹴りを喰らわせる。

 

カルゴ「グぇぇ……!」

 

遠くに蹴り飛ばすと同時に、刀を振りかざして斬りかかって来る。

 

カルゴ「雷牢『雷神の牢獄』…!」

 

体勢不十分のままスペルを発動する。

 

飛竜「ムンッ!!」

 

飛竜を囲むも、一撃で切り裂かれる。

 

カルゴ「雷符『Dark Side of the Full Moon』!」

 

闇が広がり、10個の巨大な電気玉が飛竜を襲う。

 

飛竜「ぐぅっ………はァァァッ!!」

 

最初の数発こそは喰らっていたものの、規則性のある技の為に次の攻撃が読まれてしまい、玉は切り裂かれて四散する。

 

今のうちに!

 

カルゴ「紅眼『吸血鬼の本質』!!」

 

視界を奪っている隙にステータスを上げる。

その直後に玉が全て消され、闇が晴れると、鎧から細く黒い煙が上がっているのが見える。

どうやら、布部分が焦げたようだ。

 

何だコイツ…勇儀さんより強え…!

月人…なんだよな?

 

カルゴ「クソが…テメェ、クソムカつくぜ!!」

 

飛竜「何とでも言うがいい。貴様は俺に勝てん」

 

どうする…?

吸血鬼の力で殴っても蹴っても傷一つ付かない鎧じゃ、武器作ったところで弾かれてお終いだ。

つまり、雷武器シリーズは効かない。

混合武器シリーズも同じだ。

『Mishap of Thunder』が効かなければ『紫電一閃』も効かない。

剣が無いから、霊力での攻撃に移るには少しだけ時間がかかる…けど、四の五の言ってらんねぇ!

 

カルゴ「雷装備『翼竜の舞』」

 

巨大な翼を出して飛び上がり、飛竜の頭上30m程を旋回する。そして、飛びながら集中する。

 

飛竜「…何のつもりだ」

 

カルゴ「………」

 

飛竜の問いには答えず、集中する。

 

よし…頃合いだな。

 

カルゴ「喰らいやがれ月の総大将!!雷極『夢想封印・迅雷』!!」

 

旋回していたのを止め、空中停止しながら飛竜を囲むように結界を張る。

 

飛竜「ムゥ……結界だと…」

 

カルゴ「ここで決めたるァァァァッ!!!」

 

力を込め、封印を完了させようとする。

 

飛竜「─────甘いッ!!!」

 

飛竜の刀が青いオーラを纏い、結界を十字に切り裂く。

 

カルゴ「なっ…!」

 

飛竜「ぬぁぁぁッ!!」

 

刀を振るい、斬撃を飛ばす。

 

カルゴ「おっとォ!」

 

空中移動速度が上がっているので、斬撃も軽々と避けられる。

 

クソがっ…ホントに勝ち目がない…。

剣を取ろうにも、アイツの背後…無理だ、取れるわけが無い…。さっき飛んだ時に取ろうとしたけど、アイツの近くだから近寄れなかったんだ…。

 

諏訪子《勝てない時はね、神様に頼っちゃえばいいんだよ!》

 

唐突に、諏訪子様の声が頭に響いてきた。

 

懐かしく感じるのは何故だろう?

まだ、月に来て1時間ちょいなのに。

 

カルゴ《お話出来たんですか?》

 

諏訪子《何処にいても出来るよー。ただ、エスカルゴが凄く集中してたから黙ってただけだよ》

 

じゃあどうして今話しかけてきたのか…ってのは、俺が窮地に立たされているからだろうな。

戻ったらちゃんとお礼言わなくちゃ…。

 

カルゴ《なるほど…。しかし、私には霊夢や依姫みたいに、他の神様を喚んだりその身に宿したりなど出来ません…》

 

諏訪子《呼び出せるだけの霊力あれば出来るよ。でも、それには少し足りてない。剣が無きゃ》

 

カルゴ《剣があれば神様を喚べる…と?しかし、名前がわかりません…》

 

なんで霊夢や依姫は神の名前を暗記出来るんだ?

あと、どんな神様なのか、も。

 

諏訪子《ううん、喚ぶんじゃなくてね、その身に宿すの。神様の名前は、“武甕槌男神(タケミカヅチノオオミカミ)”。古事記や日本書紀にも出てきてね、雷神、尚且つ剣の神様って言われてるの。どう?エスカルゴにピッタリじゃない?》

 

カルゴ《お…おお…!しかし、力を貸してくれますかね…?》

 

諏訪子《エスカルゴがかなりの実力者なのは、神なら見てすぐわかるし、もし力貸す気が無いなら来てくれないよ。大丈夫、自分の強さを信じて》

 

カルゴ《わかりました…頑張ります》

 

諏訪子《じゃあ、私はまた黙ってるからね。剣、ちゃんと取ってね》

 

カルゴ《はい》

 

どっちにしろ剣を取らなきゃ話にならんってか。

やってやろうじゃねぇか。

 

カルゴ「閃光『シリウス』!!」

 

エネルギーを発散させ、眩い光を放つ。

 

飛竜「ぐぅぅ……目が…ッ……」

 

目を抑えて呻く飛竜。

そして、その隙を縫って結界に刺さっている剣を抜き、構える。

 

いや…これなら、神を喚ばなくても…いける!!

 

カルゴ「殺(と)ったァァァッッ!!!」

 

上空から猛スピードで剣を突き刺そうと急降下する。

 

諏訪子《ダメッ!!!》

 

飛竜「そこかっ!!」

 

見えないながらも振り向き、刀を此方に向ける。

 

やべ、刺さる─────。

 

ドスッ……

 

カルゴ「…ガフッ……」

 

刀は俺の心臓を貫通し、口から大量の血を吐く。

 

飛竜「馬鹿め。黙って襲えばいいものを…」

 

カルゴ「…………!」

 

最後の力を振り絞り、電気を反発させ、飛竜から遠くに剣を飛ばす。

 

飛竜「ム?」

 

カルゴ「…………」ガクッ

 

飛竜「終わったか…。敵ながらよく戦った。死体は丁寧に埋葬してやろう」

 

身体から剣を引き抜き、死体を抱えて都に戻ろうとする飛竜。だが、その時────。

 

カルゴ「オルァァァァッッ!!!」

 

背後から声が聞こえ、風圧が襲ってくる。

 

飛竜「なっ……ムンッ!!」

 

死体を投げ、刀を再び抜いて斬撃を受ける。

 

カルゴ「チィッ…反応速度ヤベェなお前…!」

 

飛竜「貴様…確かに殺したと思ったが…。あれは偽物か?」

 

カルゴ「いいや、本物だ。俺はお前に殺された。だが俺は、半分不老不死なんだ、よッ!!」

 

剣を交えたままキックをかまし、後方に下がって距離を取る。

 

飛竜「そうか…。復活後すぐに武器を取れる様、死の間際に剣を飛ばしたのだな」

 

カルゴ「多分そーゆーこった。行くぜ総大将ォ、今度こそ決着をつける!!」

 

飛竜「もう一度殺すまでだ!」

 

刀を構え直し、立ち向かってくる飛竜。

 

諏訪子《今だよ!心を込めて喚んでね!》

 

カルゴ《はいっ!!》

 

諏訪子様に促され、なんと言おうか一瞬で考える。

 

カルゴ「武甕槌男神(タケミカヅチノオオミカミ)よ!我が呼び掛けに答えよ!そして力を貸し給え!!」

 

諏訪子《(そのまんま…だけど、その方が正直な気持ちは伝わるよね!)》

 

神《…何用だ》

 

頭の中に野太い男の声が響く。

 

カルゴ《貴方様が武甕槌男神ですね?》

 

神《如何にも》

 

うおお、成功か!

 

カルゴ《貴方様の力を私にお貸し下さい。目の前の敵を倒したいのです》

 

神《貸すのは一向に構わん。だが、条件がある》

 

カルゴ《条件…ですか?一体どのような…?》

 

神《時間はおよそ5分のみだ。それと…我を楽しませよ。…数千年ぶりの戦闘で、ガラにも無く気持ちが昂っておるのだッ!!》

 

武甕槌男神がそう言うと、俺の身体が強力な電気を帯びる。

 

カルゴ「うおっ!?イタタタタッ!!」

 

俺でも痛いってどんだけ強いの!?

 

神《どうした。この程度の電気に耐えられなければ力を貸すことは出来んぞ》

 

カルゴ《……何でもありません。お貸し下さい》

 

神《うむ》

 

カルゴ「ッ!!!」

 

更に電力が増し、帯電が酷くなる。

 

やってやる…この程度で俺は死なねぇ!!

 

カルゴ「究極雷『神の加護を賜りし雷』!!」

 

通常の雷より更に光り輝き、太く速い雷を落とす。

 

飛竜「ぐあぁああぁぁああッ……!!」

 

悲鳴を上げて地に倒れ伏す飛竜。

 

カルゴ「はぁ…はぁ……」

 

肩で大きく息をする。

尤も、神様の力をモロに使ったので、俺自身の充電はまだまだある。

 

カルゴ「勝った…!」

 

神《もう終わりか、呆気ないものだな…》

 

神が提示したタイムリミットまで、あと3分はある。

 

飛竜「まだ……だ……!!」

 

刀を杖にしてヨロヨロと立ち上がる。

 

カルゴ「仕方ないな。弱ってる奴を甚振る趣味は無いんだが…ここで死ね」

 

飛竜「(くっ……足が動かん…!)」

 

カルゴ《もう一度お願い致します》

 

神《うむ。粉微塵にしてやれ》

 

カルゴ《はい》

 

なら、俺史上最強の技で葬ってやろう。

 

カルゴ「真・絶技『天翔雷霆零槍』!!」

 

神《なっ…我の力も吸われて……》

 

え…あ、憑依してる状態だからか…。

 

神の力をも取り込んだ槍は、これまでになく長く鋭く形成され、煌びやかに輝く。

 

カルゴ「喰らいなっ!!オルァァァァッ!!!」

 

全身の力を込めて投擲する。

 

飛竜「ぐっ……ぬわああぁぁぁぁぁッッ!!!」

 

極太の槍はレーザーの様に真っ直ぐに突き進み、飛竜の身体を消し飛ばす。

 

カルゴ「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

疲れた…。

 

今度こそ勝ったと確信した俺は、その場にペタンと座り込む。

 

神《うむ、まだまだムラがあるが、初めて我の力を行使したにしては上出来だぞ》

 

カルゴ《ありがとうございます…》

 

神《ではそろそろ時間だ。我はもう帰る》

 

カルゴ《はい。お忙しい中、本当にありがとうございました》

 

神《…精進するがいい》

 

カルゴ《はい》

 

それきり、武甕槌男神の声は聞こえなくなった。

 

諏訪子《お疲れ様!!よく出来たね!!》

 

カルゴ《諏訪子様のご教授あってこその成果です。ありがとうございます》

 

諏訪子《あと少しでこの任務も終わりだから、今度来たらたっっっくさん甘えさせてあげるね!》

 

やったァァァァ!!!

 

カルゴ《ありがとうございますっ!!》

 

諏訪子《でも、まだ終わってないから油断は禁物だよ。わかった?》

 

カルゴ《はいっ!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫「やっと…出来た…!全く…ほんっと面倒臭い所よね、月って…!」

 

エスカルゴが飛竜との死闘を制した頃、紫は都を囲む結界の解除に成功した。

 

あとは…エスカルゴを潜り込まるだけね。

 

既に満身創痍となっている紫は、彼の元へとスキマを繋いだ。




山場越えましたね…。
次はあの方が出てくる!?
(ちょびっとだけは)お楽しみに!
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