※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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第三次月面戦争・潜入

兵士達を蹴散らし、綿月姉妹を無力化し、飛竜を倒した俺は、結界が解除されるまで、束の間の安息を享受していた。

 

カルゴ《諏訪子様、本当に甘えて良いんですね?本当に甘えちゃいますよ?》

 

諏訪子《イイよ、おいで♪ ちゃんと出来たら甘えさせてあげるからね♪》

 

カルゴ《頑張りますよ。甘える為です!》

 

諏訪子《(正直だねぇ…♪)》

 

紫さん…手こずってんのかな…。

 

そう思った瞬間、都を覆っていた薄紫色の結界が歪み、そして消えた。

 

カルゴ「あ、消えた」

 

諏訪子《よーし、潜入だー!行けー!》

 

上層部の者……国のトップ的な奴ってことだよな。

うーん…何処にいるんだろう?

偉そうな身なりしてるやつを片っ端から?

それしかないのか…?

 

標的の探し方を思案していると、目の前にスキマが開いた。

 

紫「お待たせ…。随分待たせたわね…」

 

中からはゲッソリした様子の紫さんが出てきた。

 

カルゴ「いえ、大丈夫ですよ。休憩したかったので」

 

立ち居住まいを正して言葉を返す。

 

紫「なら良かったわ…。さぁ、あとは…」

 

カルゴ「都に潜入し、トップをはじめとする数人の暗殺ですよね、わかってますよ」

 

紫「…行ってきなさい」

 

カルゴ「はい」

 

紫さんに一礼し、都へと歩を進める。

 

諏訪子《でも、このまま入るの?》

 

カルゴ《もちろん、違いますよ。隠密行動用に、レミリアに技教えて貰ったのでそれ使います》

 

諏訪子《あれか!》

 

カルゴ「隠密『スカーレットデビル』!!」

 

ポンッ!

 

スペルカードの詠唱をすると、軽く爆発が起き、俺の体は消え、次の瞬間には蝙蝠と化していた。

 

カルゴ「…………」バサバサ…

 

よし、蝙蝠になれた。

あとはこのまんま潜入するだけだな。

 

変身が完了した俺は都へと羽ばたく。

都まではおよそ1キロほど。

これは、レミリアの『きゅうけつ鬼ごっこ』の真似である。本人から教えて貰った。

 

そーいや、なんでレミリアのは符名がついてないんだろう?○符とか○○とか。

まぁなんでもいいけどね。

 

諏訪子《ねーねー、エスカルゴの蝙蝠姿見てみたいな〜♪》

 

カルゴ《今度甘える時にお見せしますよ》

 

諏訪子《楽しみにしてるね♪》

 

カルゴ《ういっす》

 

なお、脳内で会話は継続して出来る。

が、言葉は発せない。

蝙蝠の口の構造は発声に向いてないのだ。

 

 

 

カルゴ「………」バサバサ

 

遅い…遅すぎる…。

 

中々都へ辿り着けず、若干イラついている。

ただ、この形態だと遅いと言う訳では無い。

普段が速すぎるだけだ。

普段の形態だと、この姿よりも筋肉量もあり、翼も大きく、更に巨大な翼を作るスペルまであるため、蝙蝠の姿よりも速く飛べるのだ。

この姿でスペルの使用は出来ない。

あくまでも隠密行動の為のスペルだ。

解除は自分の意思で可能だ。

 

 

 

カルゴ「キィ……」バサバサ

 

ようやく門前に到着した俺は一息つく。

わざわざ門から通る必要は無い。

今は蝙蝠なのだから。

 

さて、どこ行こうか…?

偉い奴が居るのはデカい所だと相場は決まってるが、何処も彼処もデカいんじゃ、虱潰しに探すしか…。

 

諏訪子《ねぇねぇ。その中でさ、特に目立つ所とか、特に大きい所は無いの?少しだけ他と違う装飾の建物とかさ》

 

カルゴ《そうですねぇ…。真正面に天守閣の様なものが。特別大きいという訳では無いですが、装飾が若干派手かも…》

 

諏訪子《じゃあそこに行ってみよ!》

 

カルゴ《はい》

 

そうか…大きさだけじゃなくて、総合的に見て判断すべきなんだな。視野を広く持とうぜ、俺。

 

心の中で苦笑いし、天守閣の様な建物へ向かう。

窓は全て障子張りになっている。

 

うーん…どう侵入しようか?

やっぱ窓からは無理か。仕方ない、入口探そ。

 

滑空して高度を下げ、地表3m程の高さを飛ぶ。

 

世羅「遅い…月霞殿は何を…」

 

大将の帰りを待ちかねた世羅が出てきた。

周囲には数人の護衛がいる。

喜ばしいことに、扉は開け放したままである。

 

好機!!!

 

カルゴ「キィィィッ!」

 

世羅の頭上を猛スピードで飛び、建物内に侵入する。

 

ハーッハッハッハッ!侵入成功だぜ!!!

 

 

 

 

 

世羅Side

 

護衛「あ、蝙蝠が…」

 

護衛「入ってしまいましたね」

 

世羅「何故蝙蝠が?………まさか敵か!?」

 

一旦はスルーしかけた世羅であったが、敵だという可能性を思い付き、血相を変えて引き返す。

 

護衛「御華影様!?」

 

急いで屋内へ戻り、護衛もそれを追う。

だが、時すでに遅し。

既に蝙蝠は建物の奥へと消えていた。

 

護衛「あの蝙蝠が敵などありますかね…?」

 

世羅「以前、ある文献で見た事がある。吸血鬼は自らの肉体を蝙蝠へと変えることが出来る、と。綿月姉妹のその後の報告によれば、敵は吸血鬼。その可能性は十分過ぎる程にある」

 

護衛「つまり、敵が侵入した可能性が…?」

 

世羅「いや…可能性では無く、もはや確定と考えていいだろうな。月霞殿や綿月姉妹が帰ってこないのがその証拠。……既に…門外で…ッ」

 

悔しそうに唇を噛み締め、言葉を切る。

 

護衛「そんな!」

 

護衛「あの御三方が…」

 

世羅「今すぐ、都に残っている全兵士、全幹部に伝達せよ!蝙蝠を探し出し、見つけ次第即座に殺せと!玉兎達にもだ!!」

 

護衛達「はッ!!」

 

 

 

 

 

エスカルゴSide

 

カルゴ「キュイィィ…」

 

見つけた…!

あれが月の都のトップ、皇帝だ!!

 

俺は、建物内を飛び回り、やっとの思いで皇帝らしき人物を発見した。

何故そう判断したのかというと、ド派手な玉座に座って酒を煽っており、その前で女が舞を舞っているからだ。

 

よし、まずは皇帝から殺す!

 

カルゴ「キィキィ…キィ…」

 

弱々しく鳴きながら部屋へ堂々と入る。

 

一同「ん?」

 

その部屋にいた全員が此方を見る。

皇帝は酒を飲むのをやめ、女は舞を止める。

 

皇帝「なんじゃ此奴…どこから入った?」

 

カルゴ「キュオォォォ…」

 

フラフラと飛びながら、盃を持っていない方の手に留まる。

 

皇帝「ふはははは!畜生までも朕に魅了されたか!!」

 

カルゴ「キュイィ…」

 

んな訳ねぇだろクソジジイ。

 

女「流石明帝(めいてい)様ですわ♪」

 

なるほど、この皇帝はメイテイっていうのか。

酒に酔って酩酊してるのか?ぷふふっ…。

よし殺そう。

 

ガブリッ

 

腕に思い切り噛み付く。

 

明帝「痛っ…何じゃ此奴、朕の血を吸っておる」

 

ヂュウウウウ……

 

おえっ、クソマズッ!!!

吐きたい!!

◥(ฅº₩ºฅ)◤、;'.・ オボロロロロロロロロロロロロロロロロ

 

女「急に入ってきたクセに明帝様の血液に口をつけるなんて…図々しいっ!!」

 

明帝「これこれ、そのようなことを言うでない。此奴とて腹が減っておるのだろう。満足するまで吸わせてやろうぞ」

 

女「………」

 

 

 

数分後

 

明帝「まだ吸っておる…そんなに朕の血が気に入ったか?」

 

気に入るかよクソボケジジイ、寝言は寝て言え!

腹がタプタプだよクソが!!

殺したら即吐いてやる!!

 

女「そろそろ引き剥がした方が…」

 

明帝「そうじゃな。皮膚の色が変色してきておるし、何より頭がクラクラしてきた…。すまぬ、離れてくれ」

 

体を鷲掴みにし、引き剥がそうと試みる。

 

チッ、仕方ない!

 

ポンッ

 

明帝「むぉっ!」

 

女「きゃっ!」

 

爆発したかと思うと、玉座の前に剣を背負った1人の青年が現れた。

 

カルゴ「おっ……おぇぇぇぇ……」

 

口を開けると、自然と血が溢れてきた。

身体までもこの血を拒絶しているのだ。

溢れてきた血は床を真っ赤に染める。

 

明帝「何じゃお主は!」

 

カルゴ「お前の命、貰い受ける」

 

口元を拭い、指を指す。

 

明帝「何だと─────」

 

次の瞬間には、明帝の胴体に大穴が空いていた。

 

女達「きゃあああああああ!!」

 

本当は、失血死させるのが良かったんだけどね。

こんなに臓器(なかみ)飛び散らせると、掃除がめんどくさいんだもん。ま、俺はやらないけど。

 

女「そ、そんなっ……」

 

女達は腰を抜かしている。

 

カルゴ「お前には手を出さない。片付けておけ」

 

そう言い残し、部屋を出ようとするが。

 

兵士「居たぞ!蝙蝠じゃない、吸血鬼だ!!」

 

部屋の入口に大勢の兵士が集まってきた。

手には、昔の日本人が使っていたような武器を持っている。刀と銃が合わさった様な武器だ。

 

カルゴ「やべ…雷鎧『サンダーアーマー』!!」

 

兵士「一斉射撃、よーい!……発射!!」

 

ズダダダダダダダダ……

 

おっ…効いてない。

よっしゃ、流石俺の鎧だぜ!

 

カルゴ「上の奴らに用があるんだが」

 

撃たれながら兵士に問いかける。

 

兵士「なっ…効いてないだと!?」

 

兵士「いいからもっと撃ちまくれ!!」

 

兵士「うおおおおおっ!!」

 

1人くらい質問に対する反応してくれても…。

 

カルゴ「殲滅『Breath of Thunderstorm』!!」

 

腕を振るい、前方向を薙ぎ払う。

壁は抜け、柱は折れ、兵士は吹き飛ぶ。

 

カルゴ「はぁ…仕方ない。また虱潰しに探すか」

 

呟き、また蝙蝠となってその場をあとにした。

 

 

 

 

 

世羅Side

 

マズい……この状況、非常にマズい。

都に入られた。これはもう間違いないだろう。

あの蝙蝠、急に加速してこの中に入った。

扉が開くのを待ち構えていたのだろう。

いや、それだと非効率的だな。

潜入する為の入口を探していて、偶然私が出てきたからその隙に…この中……に……。

 

ある事に気が付き、ピタリと足を止める。

 

待て。という事は、敵を招き入れたのはこの私?

そんな………嘘だろう?

…そうだ、これはあくまでも可能性の話だ。

 

首を横に振り、再び足を前に動かす。

迎う先は、上司…皇帝のところだ。

 

私のせいな訳がない。

私は絶対の軍師、御華影 世羅。

そのようなミスは絶対に無い。

 

そう考えを固めた世羅だが次の瞬間、風切り音が聞こえたと同時に首が飛んだ。

 

 

 

 

 

エスカルゴSide

 

カルゴ「よしっ、討伐数⑨っと…」

 

剣を振り、血を払って鞘に収める。

 

それにしても、何だコイツ…。

他の奴よりとびきり偉そうな格好しやがって。

しかもこの羽扇…諸葛亮気取りか?

軍師なのか?

…何にせよ、飛竜より頭は良いだろうな。

 

皇帝を始末した後、いったん外に出、丁度そこで出会った玉兎達と対峙した。

そこでレイセンとも出会ったが、他の玉兎を気絶させた後に大まかな事情を教えた。

永琳の名を出すと、大人しく色々教えてくれた。

八意永琳の影響力を思い知らされた。

お偉いさんの数を尋ねた所、綿月姉妹を除いて⑨人だそう。その中には当然皇帝も含まれている。

偉いか偉くないかでは服装を見ればわかるそう。

上の立場なら装飾品も派手だというのは、やはり何処の世界でも同じなのだ。

 

カルゴ「Mission Clear♪」

 

上層部の者の殺害という目的は達せられた。

あとは帰るだけだな。

 

カルゴ「紫さーん!」

 

俺は廊下で叫んだ。




とんでもなく今更感ですが、クレイの名前の由来載せておきます。物忘れって怖いですね(確信)
何故今思い出したかと言いますと、過去話を読み返したからです…(汗)



夜符「デーモンキングクレイドル」
夜王「ドラキュラクレイドル」
これらはレミリアのスペカ名ですが、その中にある“クレイドル”から取りました。
クレイドール…そのまんまですね…w

翼がフランのと酷似してるというのは、“ドール”という共通点からです。
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