※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

201 / 1140
あらすじ
エスカルゴを片付けた後、彼の注意を自身から外す為に彼の知り合いを皆殺しにしようと妖怪の山へ向かった麗葉。
彼の力を以てヒビキ達の班を蹂躙するも、麗葉は力を使い果たしてしまう。
そんな所にタイミング良く現れたエスカルゴ。
そして、目覚めたヒビキ。
2人は麗葉を倒そうと団結するのだった───。





コピーした能力者達

星熊 勇儀
鈴仙・優曇華院・イナバ
巫月・優曇華院・スカーレット
藤原 妹紅
霧雨 魔理沙
エスカルゴ・スカーレット(現在使用不可)
八雲 紫(〃)
伊吹 萃香(〃)





麗葉の誤算

 

 

殺す、と宣言した俺達は、武器を構えながらジリジリと偽魔理沙に近付いていた。

 

カルゴ「本気出せよ?」

 

敵を見据えながら隣の弟に声をかける。

 

ヒビキ「当たり前だろーが。こんな奴、スペルの練習台にしてやンよ」

 

カルゴ「それが良いな」

 

さて…複数の能力持ちを相手にどう戦おうか。

走って近付いたところで、スキマを出されたら意味が無い。弾幕もだ。俺の能力は既にコピーされてるから、格闘もありだが…。

 

偽魔理沙「どうした?掛かってこないのか?」

 

と、余裕の偽魔理沙だが、実は内心焦っていた。

 

偽魔理沙「(逃げられない…!ヤバイヤバイどうしよう…!飛ぼうとした所で間抜けの速さじゃ一瞬で追いつかれる…背中を向ければその瞬間に…)」

 

カルゴ「言われなくても!行くぞヒビキ!」

 

ヒビキ「おう!!」

 

ゴチャゴチャ考えんのは俺らしくねぇ!

 

地面が抉れる程に強く地を蹴って接近する。

間合いに入った所で、振り上げた剣を袈裟懸けに振るい、一刀両断を狙う。

だがその攻撃は、ステップバックされた為に不発に終わってしまう。

 

ヒビキ「どこ見てやがるァッ!!」

 

だが彼女の背後には、太刀を構えているヒビキが回り込んでいた。ステップバックしてきた所で、太刀を勢いよく振り下ろす。

 

偽魔理沙「クッ、前後から…!」

 

舌打ちした偽魔理沙は、勇儀さんへと変身する。

その直後に、振り下ろされた太刀は偽勇儀さんの左腕を切り飛ばした。

 

偽勇儀「ぐぉっ…!」

 

ヒビキ「チィッ、腕で受けて逸らしやがった!」

 

勇儀さんの姿とか殺りづらいんだよクソ!!

あの時のこと思い出して足が竦む…!

 

偽勇儀「ふんっ!」

 

ドガアアアアアアァッ!!

 

右手で地面を殴り、大地を揺るがす。

 

ヒビキ「わわっ…」

 

カルゴ「うおっ!?」

 

偽勇儀「スキありっ!!」

 

少しではあるが体勢を崩してしまったため、その隙を逃さず追撃を狙う。

 

カルゴ「『魔力遷移』!!」

 

剣に紫のオーラを纏わせ、魔力のみを引き出す。

 

カルゴ「地獄の雷よ、目の前の敵を打ち砕け!!獄雷『Deadly Thunder』!!」

 

地面に剣を突き立て、そこから赤黒い雷を召喚して偽勇儀さんへ真っ直ぐに向かわせる。今回は最大限に攻撃力を上げている為、流石の鬼と言えども致命傷は免れないレベルだった。

 

偽勇儀「ぐああああああああっっ!!!(やばい、この身体でも致命傷になり得るかもしれない…!クソ、あの蓬莱人に…!)」

 

絶命する寸前、勇儀さんの姿から妹紅の姿に変える。が、雷はまだ止んでおらず、肉体は粉砕される。

 

ヒビキ「はぁ…はぁ…。や、殺った…のか…?」

 

カルゴ「はぁ、はぁ、はぁ…。た、多分ね…」

 

妹紅の…“老いることも死ぬ事も無い程度の能力”では、能力と言えども体質なので模倣は出来ない…らしいし、大丈夫だろう。

 

ヒビキ「……じゃ、皆を病院に運ぶから、兄貴も手伝ってくれ」

 

背を向けて、未だに地に伏せている仲間を見やるヒビキ。

 

カルゴ「おう、わかってんよ」

 

俺もヒビキに倣って背を向けた瞬間、背後から、ボウッという火が燃え上がる様な音が聞こえてきた。怪しんで振り返ると、そこには無傷の偽妹紅が居た。

 

カルゴ「お…おいおい…体質はコピれないんじゃ無いのか!?」

 

偽妹紅「さぁ?復活出来たから続きと行こうか?(逃げるより、ここでコイツらを殲滅しておくのが得策かもな。それにしても…蓬莱人…恐るべき種族だな。この女は、生まれながらでは無く後天的になった様だが…。八雲 紫や伊吹 萃香、間抜けの能力が使える様になるまでこのままで居れば…無敵ではないか!)」

 

この時点で、麗葉は2つの誤算をしていた。

1つ目は、“力量までは模倣出来ない為、使える能力には限界がある”という事。

2つ目は、“強い力はそれだけ消耗が激しく、使える能力には限界がある”という事。

『無敵』…そう思ってしまった為に、自らの弱点を忘れてしまっていた。

つまり、妹紅とは違って、麗葉の再生には限界があるのだ。決して無敵などでは無い。

 

カルゴ「嘘だろ…どうやって倒せってんだよ!」

 

ヒビキ「何度でもぶっ殺してやるよォ!!妖撃『妖気の刃』!!」

 

太刀に手をかざして妖気を纏わせ、刃の形にしてそれを飛ばすヒビキ。

 

カルゴ「『風の傷』!!」

 

ヒビキの攻撃を掻き消さぬよう、刃が敵に達してから風の傷を放つ。それらの攻撃は確実に偽妹紅の身体を完全に破壊していた。

 

ヒビキ「…また復活すんのか?」

 

太刀を構え直して警戒するヒビキ。

 

カルゴ「分からん…けど、警戒しろ」

 

ヒビキ「わぁってる」

 

数秒後、再び目の前で炎が上がり、復活する。

 

ヒビキ「クソッ、キリがねぇ!何処かに肉片でも残ってんじゃねぇのか!?」

 

肉片と聞いて、己が不老不死になる前の事を思い出した。肉片を採取し、バックアップを残しておいたから自分も復活出来ていた。

 

もしや、今の攻撃で完全に消し去れてなくて……肉片が何処かに残っているから復活するんじゃないのか?

 

カルゴ「ヒビキ、太刀触らせろ」

 

ヒビキ「何でだよ」

 

カルゴ「霊力で強化してやる」

 

ヒビキ「…頼む。(そんな事出来るのか…)」

 

少しこちらに太刀を傾ける。

俺はそれに触れ、霊力で強化する。

 

カルゴ「オッケー」

 

ヒビキ「サンキュ」

 

妖力⇔霊力の切り替えは、やはり遅い。

自身の戦闘スタイルから考えると、妖力弾はほぼ使わず、妖力より霊力の方が使うので、山へ向かう際に切り替えておいたのだ。

 

カルゴ「潰すぞ」

 

ヒビキ「ああ」

 

標的を見据え、攻めの構えを見せる。

 

偽妹紅「やられっぱなしは嫌だな!喰らえっ!」

 

弾幕を発射する偽妹紅。

幸い、スペルでは無く通常弾幕の為、燃えたりはしない。

 

ヒビキ「この程度の攻撃がこの俺に避けられないとでも思ったか!?」

 

ヒビキは、避けるというより弾を斬りながら威勢よく吼える。

 

カルゴ「ヒビキ!次でカタつけんぞ!皆の治療が遅れちまう!!」

 

もし次でダメなら、病院への搬送は分身とヒビキに任せて俺だけこいつと戦うしかないが…。

 

ヒビキ「おう!なら、この前のアレ(・・)で決めるぞ!」

 

カルゴ「ダメだ、自然が荒れるぞ!!」

 

ヒビキ「構うか!皆重症なんだ、そっちが優先だろう!!」

 

カルゴ「…!」

 

そりゃあそうか…!

死んでからでは治せるものも治せないものな!

 

カルゴ「合わせろよ!」

 

ヒビキ「兄貴が俺に合わせろよ!」

 

ったく、口の減らねぇ弟だ!

 

兄弟「提携『雷獣の咆哮』!!」

 

2人で高々と飛び上がり、縦に回転して勢いを付け、偽妹紅の目の前に剣(太刀)を叩きつけて『風の傷』以上に高威力な衝撃波を放つ。

 

ボゴォォオオオオオッッ!

 

偽妹紅「────ッ!!」

 

その衝撃波は、地面を深々と抉って、跡形もなく偽妹紅を吹き飛ばし、前方数百mに渡って自然を破壊し尽くした。炎は現れない。それどころか、気配すら感じられなくなった。

 

ヒビキ「…はぁ…はぁ……殺った、か…?」

 

カルゴ「…多分……な」

 

妖力の大放出に不慣れなヒビキには既に、戦う力など残されていなかった。それゆえ彼は、太刀を放り出して地面に座り込んでいた。

一方俺はと言うと、剣の力を大放出しただけで、自身の力はそこまで消費してなかった。剣を鞘に仕舞い、念には念を入れて周囲を警戒していた。

 

本当に…大丈夫なのか…?

 

ヒビキ「もう大丈夫だろう、手伝ってくれ」

 

ヨロヨロと立ち上がって仲間の元に這いよる。

足に力が入らないようだ。

 

カルゴ「オメーも無理すんな、膝が笑ってるぞ。禁忌『エスカルゴ・カルテット』」

 

分身を3体作成し、そこから更に3体ずつ分身させ、白狼天狗を2人ずつ抱えさせる。

 

これ以上分身させるとデキが悪いからな…残りの数人は俺が持つか。

 

 

 

ヒビキは椛を、俺は将輝と楓を抱え、その他の天狗を能力で浮かび上がらせ、下山する。

 

ヒビキ「…なんで皆浮いてんだ?それも兄貴の能力か?」

 

カルゴ「そうだぜ。プラスやマイナスといった、電気的な話になるが…聞くか?」

 

ヒビキ「いや、いい。(そういう事か…)」

 

カルゴ「そか」

 

なーんか、かなり呆気なく終わったな。

もっとこう…長引くかと思っていた。

 

カルゴ「皆を運んだら、お前はどーすんだ?」

 

ヒビキ「めんどくせーけど、お上に報告だな」

 

カルゴ「…それはドンマイだ」

 

 

 

それからしばらく飛び続け、永遠亭に着いた。

結界があるのを見受けられたので、永遠亭の皆を護衛している分身に事情を話し、永琳に結界を解除してもらい、重症の天狗達を運び込んだ。

鈴仙やてゐも駆り出されたのは言うまでもない。

ヒビキは、永遠亭でゆっくり治療を受けるよう勧められたが、報告の為にこれを辞退した。

そして俺は、天狗達の介抱の為に先程作った分身を残し、ヒビキと共に妖怪の山へトンボ帰りした。

 

 

 

ヒビキ「わざわざ送ってもらって悪ぃな」

 

現在、フラフラのヒビキを上司の元まで送って行っている。送ると言っても、何処にいるのかがわからないので、“弟の護衛をしている”と言った方が合っている。

 

カルゴ「気にすんな。怪我の方はどうだ?」

 

ヒビキ「…まぁまぁ大丈夫。悪くない」

 

カルゴ「そりゃ良かった。それで、上司は何処に居るんだよ?」

 

ヒビキ「もう少し上に行きゃ、上の奴だけが警備している区域だ」

 

やっぱ鴉天狗と白狼天狗は組まねぇのか?

鴉天狗の速さなら楽に首取れるだろうに…。

 

カルゴ「皆が永遠亭に居るのは俺の独断って事にしとけ。勝手に集団で山を出たとバレたらメンドイだろ?」

 

ヒビキ「すまねぇ、そうさせてもらうわ」

 

ガサガサと草を掻き分け、登る、登る、登る。

道無き道を進むのは、近道だからだそう。

 

ヒビキ「もう少しで………後ろだッ、兄貴!!」

 

前を歩いていたヒビキが振り返った時、俺の背後に何かを見つけ、声を荒らげる。

 

カルゴ「何が後ろに─────……っ!?」

 

振り返った俺は目を見開いた。

先程滅したばかりの偽妹紅がそこに居るからだ。

 

偽妹紅「クククッ……あれは死ぬかと思ったぞ?蓬莱『凱風快晴 -フジヤマヴォルケイノ-』!!」

 

妹紅の十八番のスペルを発動し、広範囲に炎の弾幕をばら撒く。

 

偽妹紅「(全く…あの時、力が回復しなければ再び殺されていた…。どうせ再生するだろうがな…)」

 

飛び上がり、地面に剣(太刀)を叩きつけて強烈な衝撃波を放ったその刹那、一定時間が経過した事により紫を始めとする能力が回復した。

それを逃さず、ゼロコンマ数秒だけ、兄弟の攻撃よりも早く行動し、スキマを開いてその空間にその身を隠したのだ。

それ故、跡形もなく消えたように見えたのだ。

 

カルゴ「何なんだよお前、不死身かよ!」

 

弾幕を避けながら文句を垂れる。

 

偽妹紅「私ではなく、この女がな。全くこの能力は素晴らしい。不老不死なぞ、あの頃では夢のまた夢であった!」

 

ヒビキ「兄貴、山が!!」

 

ヒビキが悲痛な叫びを上げる。

ハッと気付いて周りを見ると、偽妹紅の火が山に燃え移っているのがわかった。いつの間にか、俺ら兄弟は炎の壁に囲まれていた。

 

カルゴ「おいヒビキィ!テメェだけでも逃げろ!コイツの相手は俺がする!!」

 

弾を避けるのではなく、剣を抜いて弾を斬る。

これ以上燃え広がるのを抑えるためだ。

 

ヒビキ「俺もまだ戦えるぞ!」

 

カルゴ「コイツを吹き飛ばす算段を思いついた!お前が居ちゃ出来ねぇんだよ!!早く行け!」

 

ヒビキ「っ…死ぬんじゃねぇぞ!?」

 

カルゴ「いいから行け!!!雷牢『雷神の牢獄』最高強度!!」

 

燃えている範囲のみ、最高強度の牢で囲む。

 

ヒビキ「お、おいぃぃぃ!俺まだ中に居…ゲホ、ゲホッゲホッ……」

 

バカ、だから早く行けと!!

 

カルゴ「しゃあねぇなぁ!世話の焼ける弟だぜ!雷鎧『サンダーアーマー』!!」

 

手を伸ばしてヒビキの身体に触れ、鎧を発動。

こうすることで、2人共鎧を纏うことが出来る。

“纏わせる事”は出来ずとも、“共に纏う事”ならば出来るのだ。この後手を離しても消えはしない。

 

カルゴ「オラ、鎧纏わせた!邪魔すんなよ!!」

 

ヒビキ「お、おう!って、何をするんだ!?」

 

カルゴ「見てればわかる!」

 

そうこうしているうちに、徐々に火の勢いが弱まってきた。

 

ヒビキ「グッ……息苦し…なっ、てきた…」

 

目が霞む…頭がクラクラしてきた…。

 

偽妹紅「電気は…火に、弱いんじゃ、ないのかよ…なんで、破れないんだこの壁は…!!(スキマは力を消費するのが早い…出来るだけ節約しなければ!)」

 

俺らには、明らかに酸欠の兆候が現れていた。

酸素が足りていないのは、火が何よりも示していた。燃え盛っていた炎が今は影を潜めて、焚き火の如き小さい炎が所々で燻っている程度だ。

 

今だ…今しかない!

 

カルゴ「解除!!」

 

燃えていた部分を囲んでいた強固な牢を解除。

その直後、山全体を吹き飛ばさん勢いで凄まじい大爆発を起こした。

 

ドガァアアアアアアアッッ!!

 

俺達兄弟を包んでいた鎧はその勢いで砕け散る。

 

偽妹紅「ぎゃああああああ────…」

 

爆発の中、偽妹紅の断末魔を聞く。

そして、これ以上は復活しない事を祈りながら、作戦の成功を喜んだ。

 

カルゴ「ヒビキ、撤退だ!真っ直ぐ進め!」

 

ヒビキ「お、おう!」

 

先程よりも激しく燃える炎の中を進み、その場から離脱する。そして十分に離れてから、燃えているその場所を再度最高強度の牢で囲んだ。

今度は、完全に酸欠させて消火するために。

 

ヒビキ「なぁ…あれ、何で爆発したんだ?」

 

息をつきながらそう訊ねるヒビキの顔は、煤けている。今の自分もこんな顔をしているのだろう。

 

カルゴ「バックドラフト現象…ってやつさ」

 

ヒビキ「あっ、それ…!聞いたことあっけど忘れちった…」

 

カルゴ「相変わらず忘れっぽいなぁ…。いいか?バックドラフト現象ってのは、密閉された空間で火災が発生して、不完全燃焼によって火の勢いが衰え、可燃性の一酸化炭素ガスが溜まった状態の時に、窓を開けるなどの酸素を取り込む行動をすると、熱された一酸化炭素に急速に酸素が結びついて、化学反応が一気に進んで爆発を起こすんだ」

 

ヒビキ「なるほど、わからん!」

 

カルゴ「そうだろうな!」

 

兄弟「……ぷっ……あはははっ!」

 

俺達は久しぶりに、顔を見合わせて笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「たっだいまー!」

 

ヒビキを上司の元に送り届けて、俺以上に説明が下手なヒビキの代わりに俺が説明し…。

博麗神社へ、元気よく帰った。

2人共笑顔で迎えてくれるはず…。

そう思っていたのに、神社内に居たのは、浮かない表情の紫さんと霊夢だった。

 

紫「おかえりなさい…」

 

霊夢「おかえり…」

 

カルゴ「ど、どうしたんです?さっき、山で奴を消去してきましたよ?」

 

そんなに俺の見た目が酷いか?

いやそうじゃないな。なんだろう?

 

紫「ええ…見てたわ。あなたは、本当によくやってくれたわ」

 

霊夢「あんた、倒してすぐ場を離れたでしょ」

 

カルゴ「…そうだね」

 

すぐそこを離れて…それで、遠隔操作してた。

それがどうしたというんだ…?

 

紫「しばらくの間再生しなかったから、今度こそ完全に倒したと…私も霊夢もそう思っていたわ」

 

霊夢「……」

 

無言のままコクコクと頷く霊夢。

 

紫「でも、ついさっき、妹紅の姿で復活したの」

 

霊夢「それを見て、すぐに私と紫はそこへ行ったわ。勿論、スキマで移動したからあんたには会ってないけどね」

 

確かに霊夢達には会ってない。

それどころか、匂いも気配も感じなかった。

 

カルゴ「…そ、それで?」

 

紫「私を見て、最初は『巫女共々殺してやる』って意気込んでたけど…封印しようとしたら、スキマでここに落とされたわ…」

 

悔しそうに唇を噛み締める。

 

「落とされた」ってことは、足元に開かれたっていうことかな。

 

霊夢「で、すぐにまた向かおうとしたわ。けど、既にそこには居なかった」

 

カルゴ「逃げたってことか…」

 

霊夢「そうね。気配が追えなかったから、スキマで逃げたと考えて良いわね。落とされた時、飛ぼうとしたら即閉じられたわよ…」

 

そりゃ、すぐ閉じるよな。

足元に開いたって事は、飛べば出れるんだから。

 

カルゴ「それで、奴の行方は?」

 

紫「奴は今…あなたの姿になって飛んでるわ。これを見て」

 

スマホサイズのミニスキマを開く紫さん。

言われるがままにそれを見ると、確かにそこには目が黒い俺が居た。そして、その背景の景色を見てあることに気付く。

 

カルゴ「何だって俺に…って、コイツまさか!」

 

紫「気付いたわね。こいつは誰かの記憶を見て、紅魔館へ向かってるわ。恐らく、フランドール・スカーレットの能力を模倣しに行くのね。殺すことも考えているでしょう」

 

霊夢「スキマを使わないあたり、堂々としてれば怪しまれないとか思ってるんでしょうね。既に、本物が分身を飛ばしてるっていうのに」

 

そうだけど…アイツじゃ力不足かもしれない。

やっぱり俺が行くしかないのか…。

 

紫「こう、互いにスキマで落としあってもイタチごっこになるだけ。前よりも私の能力を使いこなせてきてる…。やっぱり殺すしかないわ。エスカルゴ、お願い出来るかしら?」

 

カルゴ「……終わりの無い戦いに行け、と……。その間、俺以外の皆は平和に暮らせる。そういう事ですね」

 

俺は正直、この終わりの無い戦いに嫌気がさしていた。妹紅の様な善良な奴なら兎も角、麗葉の様な下衆な敵が不死身だと、相手が下衆過ぎて逆に殺る気が無くなってくるものだ。

 

紫「そう卑屈にならないで。難しいだけで、この戦いには終わりがあるわ」

 

カルゴ「無いでしょう…。殺しても殺しても再生するんですから」

 

鞘を背中に掛け直しながら投げやりな返事をする。

 

紫「さっきの話聞いても気付かない?」

 

カルゴ「不死身ってことしか」

 

紫「段々と、再生の精度が落ちてきている。再生にも限界があるという事。妹紅の能力を我が物に出来て無いってことは、他の能力もきっとそうよ」

 

カルゴ「つまり…どういう事です?」

 

紫「殺しまくれば終わりが来るって事よ。あいつは完全な不死身じゃない」

 

殺しまくれば…か…。

 

カルゴ「……わかりました、殺ります。しかし、俺からもお願いがあります。それを聞いて頂けるなら…この仕事、完璧にやり切りましょう」

 

紫「大丈夫よ、何でも言って」

 

カルゴ「では─────」

 

 

 

紫さんにお願いをしてから、最終作戦を実行し始めた。




今回のまとめ
弟と協力し、何度も麗葉を殺す。
ついに殺しきったと思われたが、しばらくして復活してしまった。
殺すのは無理だと判断した紫は、再封印しようと霊夢と共に山に向かうも、足元にスキマを開かれ神社に逆戻り。
見張りながらエスカルゴの帰りを待ち、帰ってきたエスカルゴに現状、再生に関する仮説を伝えた後、交換条件を出された紫。
それを快諾し、ついに最終作戦に乗り出した。






コピーした能力者達

星熊 勇儀
鈴仙・優曇華院・イナバ
巫月・優曇華院・スカーレット
藤原 妹紅(ほぼ使い切ったので限界はそろそろ)
霧雨 魔理沙
エスカルゴ・スカーレット(⬅今コレ)
八雲 紫(力の回復待ち)
伊吹 萃香(力の節約中)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。