後半は次の次に。
どうしても書きたい話がありましてw
麗葉を倒した1週間後。
異変後恒例の宴会が行われることになった。
尤も今回は、異変ではなく事件として扱う様だ。
異変というレベルではなく、本気で危なかったからという理由らしい。
確かにこれまでの異変はあまり危なくなかった。
なら何故解決されたのかというと、“迷惑だから”解決されただけだ。紅い霧や明けない冬、過去に永遠亭の皆が起こしたらしい明けない夜の異変。誰かが死ぬ要素は無かった。…まぁ、多少は危なかったらしいが。
宴会当日────。
カルゴ「…そんで、手伝い開始はほんの数時間前とか…遅すぎやしませんかね霊夢さんんん!?」
宴会開始までおよそ1時間。
会場である博麗神社には既に、毎度の如く宴会客達がわんさと集まってきていた。
そんな中、俺と霊夢は大急ぎで料理をしていた。
……痴話喧嘩をしながら。
霊夢「あんたが私を起こさないからでしょう!?手伝ってっていうならもっと早く起こしなさいよね!」
カルゴ「起こしたろバカタレ!!ミルク飲ませて昼寝しやがってこの怠惰巫女!」
霊夢「久しぶりに聞いたわよそれ!ていうか文句言うならまた起こせばいいじゃないの!」
カルゴ「そん時から料理してるんだが!?そっち行ってないんだが!?気付けるかドアホ!トイレ行ってくるって言って寝てたのはどこの紅白巫女だ!?」
霊夢「あぁもう、うるさいうるさい!!さっさと終わらせるわよ!」
カルゴ「あー逃げるんだなこの紅白怠惰巫女!」
霊夢「合わせるな!」
…喧嘩というよりはただの言い合いだ。
事の発端は至極単純。
宴会料理を丸々押し付けられたのだが、当然1人では出来ないので、頼み込んで霊夢にも手伝ってもらうことにした。しかし育児もあるので、一段落したら手伝うという話をしていた。
そして、大体が終わった頃を見計らい、手伝いを要求したところ、「トイレ行ってくる」の一言。
待てど暮らせど来ないので、仕方なく料理を続けていた。人手が足りなく、時間が無かった。
分身に頼もうにも、その他の家事をやらせたせいで電力を使い切っていたのだ。
暗くなった頃、欠伸をしながら霊夢が登場。
「おはよう。まだ終わってないの?」……これを聞き、少なからずキレたのは言うまでもない。
そこからは霊夢も手伝い始めて、作業スピードはおよそ1割ほど早くなった気がする。
カルゴ「オラ霊夢、ちゃんと菜箸動かせ、野菜が底に張り付くだろ!」
炒め物を作っているのにも関わらずろくに菜箸を動かさない霊夢に檄を飛ばす。
霊夢「あんたは料理人か!」
カルゴ「料理人だよ!」
霊夢「はぁ!?」
カルゴ「いつも作ってんの俺だろ!」
霊夢「そーだけど昼ご飯は私でしょ!?」
カルゴ「昼だけだろが!!」
顔を見合わせて大声でそんな言い合いをしている時、台所に魔理沙がやってきた。
魔理沙「おーい、もう始める時間だぞー?」
レイカル「え」
もうそんな時間なのか!?
魔理沙「まーたそんなに顔近付けやがって…」
レイカル「ッ!?」
ハッと気付いた俺達は距離をとる。
魔理沙「料理中までキスしてんのかよ〜、仲良しだなぁお前らは」
手を頭の後ろで組んでケタケタ笑う。
レイカル「まだしてない」
魔理沙「(するつもりだったのかよ!?)」
霊夢「それに…な、仲良くなんてないもん/////」
魔理沙「え?好きで仲良いから付き合ってるんだろ?」
なるほど、魔理沙にとって付き合うとはそういう事か。合ってるような少し違うような…。
考え方も捉え方も人それぞれだからわからんが。
霊夢「好きだけど仲良いとは思ってないわ/////」
目を逸らしながら顔を赤らめる。
カルゴ「ヒドーい、仲良しだと思ってたのにー。うわーんうわーん悲しーよー(棒)」
魔理沙「ほら、エスカルゴが悲しんでるぞ?」
霊夢「嘘泣きでしょ」
カルゴ「チッ、迫真の演技だったっていうのに。ほれ、その炒め物終わったら行くぞ。待っててやるから」
霊夢「…ありがと/////」
魔理沙「(何だかんだ言って仲良いよなぁ…)」
数分後、準備が整った俺達は神社を出、宴会客達の前に立つ。既に多くの人妖が集まっていた。
巫月「えすかるご〜!」
巫月は手を振ってこっちに来ようとし、
鈴仙「こらこら、まだ行かないの」
鈴仙はそれを笑顔で止める。
そんな娘達の様子を見、皆の前であるのにも関わらずニヤけてしまう。
あぁ、眼福…♡
ヒビキ「兄貴〜、10分遅れdモゴッ」
ヒビキは遅れを指摘し、椛に口を塞がれる。
萃香「おー、やっと来たか〜!」
勇儀「遅いぞー!」
鬼達は既にほろ酔い状態だ。
フラン「エスカルゴ〜!来たよ〜!」
レミィ「大人しくしなさい。挨拶がまだだわ」
フラン「いちいち言わなくてもわかってるわ」
ブンブン手を振り回すフランとそれを宥めるレミリア。
うー、色々来てるなー…。
魔理沙「ほれ、ビシッとキメろ!」
二ヒヒ、と笑いながら俺の肩を叩く。
カルゴ「また俺なのか!?」
魔理沙「お前以外誰がいる?」
カルゴ「霊夢」
霊夢「お断り」
魔理沙「よしやれ!」
仕方ないなぁ…。
霊夢居なきゃこれは解決出来なかったってのに。
カルゴ「今回もまた、何とか幻想郷の危機を救うことが出来ました。カンパーイ!」
一同「カンパーーーーイ!!!」
開始の合図を出したらあとはいつも通り、色々な場所を転々として喋って食べて遊ぶだけだ。
準備と片付けが大変だが、それさえ目を瞑れば、とても楽しいイベントに間違い無い。
カルゴ「どこに行こうかな〜…」
巫月「えすかるご〜!どぉーん!」
後ろから巫月が体当たりしてくる。
カルゴ「ははっ、どうした〜?ん〜?」
だらしなくニヤけたまま娘を抱き上げる。
巫月「あのねあのね、きのうのてすとね、こくごで100てんとったんだよ!すごいでしょ!」
カルゴ「やるなぁ〜!自慢の娘だ!」
巫月「うふふふ〜♪ねーね、かたぐるまして!」
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!
可愛すぎかよ俺の娘はぁぁぁぁ!!!
カルゴ「自分で乗るか?父さん乗せるか!?」
巫月「自分で乗るっ!」
笑顔で宣言し、俺の肩の上へ飛び乗る巫月。
太ももで俺の頭を挟み、更には両手で頭を掴んで安定させる。
ぬあああああ柔らけぇぇぇ!温かいいいいい!!
??「……」㌧㌧
1人で娘の感触に興奮していると、何者かに背中を叩かれる。
カルゴ「んぉ?」
振り返ると、そこに居たのは水筒のようなものを持った霊夢が居た。
巫月「こんばんは!」
俺の頭の上から挨拶する巫月。
可愛い。可愛いとしか言えない。
霊夢「こんばんは。相変わらず元気ね」
巫月「えへへ♪」
カルゴ「どしたん?料理はさっき運んだろ?」
霊夢「これ…持ってきたのよ。はい…/////」
持っていた水筒を差し出す霊夢。
カルゴ「サンキュ。中身は…なんだ?」
霊夢「……察しろ!ばぁか!」
水筒を押し付けて早足に離れて行ってしまった。
巫月「どんまい♪」
カルゴ「何がドンマイだよ…」
巫月「なかみ、なぁに?」
娘に聞かれて水筒を開ける。
中には液体が入っている。
手で仰いで匂いを嗅いでみると、どこか懐かしいような匂いがする。手で仰ぐのは理系の基本だ。
カルゴ「これは…!」
霊夢の口嚼酒!
間違い無い、あの時の口噛み酒だ!
巫月「ねーねー、なにそれなにそれ?」
カルゴ「父さん専用の飲み物だ」
巫月「わたしものみたい〜!」
カルゴ「ノンノン♪いくら巫月でも、それはダメだな♪」
巫月「ぶーぶー…」
カルゴ「さて、どこ行こう?俺はまだだけどさ、巫月も夕飯食べてないだろ?」
巫月「そうだねー…。れーせんのとこいこ!」
カルゴ「おっけ♪」
俺が肩車している様子は中々見慣れない様子らしく、移動するだけで注目を集める事になってしまった。色々な人妖に見られると、娘が可愛すぎて誘拐等されないか心配になるが、俺が色々指導しているので、逆に犯人を返り討ちに出来ることだろう。
カルゴ「来たぜ〜」
鈴仙「やっほ♪」
永琳「あらあら…巫月ちゃんったら、エスカルゴにベタベタね♪」
巫月「えへへ♪」
鈴仙「はい、あなたの大好きな唐揚げ」
箸で唐揚げを差し出してくる鈴仙。
これはアレだよな?「あーん」だよな!?
よーし、食ってやんよ!
ふはははは、久しぶりの「あーん」いただきぃ!
カルゴ「あー………」
巫月「あむっ」
ウドカル「!?」
巫月「おいし〜♪」
なんと、ゴチャゴチャ考えていた隙に、娘に横取りされてしまった。
カルゴ「コラ、俺の唐揚げ!!」
巫月「おいしかったよ♪ ちるのちゃんのところにいってきま〜す!」
ニコニコしながらパタパタと羽ばたいて行ってしまった。
カルゴ「ぐぬぬ…!」
ヒビキなら容赦なくぶん殴るのに…!
鈴仙「こら巫月、エスカルゴに謝りなs」
カルゴ「いや、いいよ。巫月だって俺以外からは横取りしないだろうしさ」
巫月を追い掛けようとする鈴仙を止め、許す姿勢を見せる。どうして許すのかというと、娘を溺愛しているからに他ならない。
鈴仙「あなたがそう言うなら…。でも最近、少し甘やかし過ぎじゃない?どこから覚えてきたのかわからないけど、悪戯するようになったし…」
カルゴ「それはマズいな。悪戯好きな妖精と居るからかな…。ま、仕方ない。軽いものなら大目に見ようじゃないか」
鈴仙「そうねぇ…。悪戯って言っても、落とし穴とかだしね。仕事の邪魔はしないし、そこら辺は弁えてるのかしらね」
落とし穴?…てゐか。
カルゴ「多分な。…あぁ〜…巫月、そろそろ2歳なのか。いや、まだ2歳?成長早いなぁ」
鈴仙「そうね…。私とあなたが出会ってからだと3年経つわね」
カルゴ「……3年……」
3年でここまで変わるのか…。
てことは、外の世界では12年か。
カルゴ「なんか、そんな実感湧かねぇな。鈴仙もあの頃から全く変わってねぇしよ」
頬を撫でながら笑いかける。
鈴仙「そりゃあ、3年だもの。そこまで大きくは変わらないわ」
カルゴ「それもそう…か。なぁ鈴仙。ちょっと、耳貸してくれない?」
鈴仙「なぁに?」
肩を抱き寄せ、耳元で小声で話しかける。
カルゴ「この際だしさ、───────」
それを聞いた鈴仙は、泣いて喜んでいた。
宴会の場で泣かせてしまった事に、ほんの少しは焦ったものの、嬉し泣きだったので良しとした。
永琳には怪しまれたが、誤魔化せたはずだ。
鈴仙「でも、本当にいいの…?苦しくない?」
カルゴ「気にすんなって。大丈夫だろそんなの。鈴仙の方が大事だしな」
鈴仙「でも私はエスカルゴの方が大事よ…」
サラッとめっちゃ嬉しい事言ってくれるじゃんか鈴仙よ…。
カルゴ「俺の事は気にすんな、不死身だぞ?」
鈴仙「そう…ね…」
…誰よりも常識人な鈴仙が頷くんなら、きっと、他の皆も…大丈夫だろう。
カルゴ「さぁさ、宴会だし、もっと楽しもう!」
鈴仙「そうね!」
ウドカル「乾杯♪」
宴会開始から3時間。
俺は、地に伏せていた。
幽香さんとの勝負に、また負けたのだ。
前回は背骨を砕かれて。…今回は、金的されて。
幽香さんの金的はマジでやばい。死ねるレベル。
カルゴ「あ゙あ゙あ゙〜!!ゔあ゙あ゙あ゙あ゙!!」
はしたないことは分かっているが、完全に潰されてしまっているので、みんなが見てる前にも関わらず股間を抑えてのたうち回っている。
ヒビキ「見てるだけで痛くなってきた…」
将輝「俺もっす…」
男の特性というべきか…男というのは、見ているだけで痛く感じたりする事がある。
感受性豊かな人ほどそうらしい。
白狼天狗の2人は俺の悶絶する様子を見、股間を抑えながら苦い顔をする。
椛「ちょっ、どこ抑えてるのよヒビキ!」
楓「将輝っ!恥ずかしいからやめて!」
ヒビキ「だって、ブチュンって言ったんだぞ!?痛そうだぜ……ううっ…」
将輝「エスカルゴさん、ご愁傷様です…」
幽香「男って脆いのねぇ」
悶絶する俺を見下ろし、無表情な幽香さん。
カルゴ「治りおっせぇぇぇ…!」
否、遅く感じるだけである。
カルゴ「ら…雷武器…『雷刀』!」
濁った声でスペルを詠唱し、ナイフを心臓にあてがう。死んで全てをリセットするのだ。
霊夢「いちいち死ぬ必要ある?」
カルゴ「この苦しみは男にしかわかんねぇ!」
吐き捨てるようにそう言い、心臓を刺す。
尤も、妊娠の苦しみも女にしかわからないが。
カルゴ「ブフッ…」
少量の血を吐き出して絶命する。
数秒後、いつも通り雷の蝙蝠が出てきて復活。
文「あやややや!これが噂の『リザレクション』ですか!なるほど雷の蝙蝠ですか、エスカルゴさんらしいですね!」
撮った写真を見ながら、楽しそうな声を上げる。
また新聞に載せるのだろうか…。
それか、非公開にして保存しておくのだろう。
カルゴ「自分では見れないんだ…。復活の瞬間、どうなってるの?」
文「そうなんですか!こうなってましたよ!」
カメラを差し出してくる文。
2人でカメラを覗き込む。
カルゴ「どれどれ〜?…おぉ、思ったよりかっこいいかも」
文「かっこいいですよ!」
そこには、巨大な蝙蝠が写っていた。
俺の予想よりも大きい。
1m程かと思っていたが、復活の瞬間に隣に居た霊夢と比較すると、およそ2mはありそうだ。
カルゴ「大きいな」
文「そうですね!」
??「流石私のご主人様ねっ!」
あやカル「!?」
唐突に背後から会話に入られ、俺と文は固まる。
俺をご主人様と呼ぶのは…。
カルゴ「お前か…比那名居 天子…」
文「(この人は確か…ドMで面倒臭い天人…でしたっけ。絡まれる前に退散するが吉ですね!)」
文は瞬時に頭を回し、天子は面倒臭いと判断してその場を離れた。
天子「久しぶりっ!」
カルゴ「…久しぶり」
なぜお前がここに来てる…。
いや、来ちゃダメって訳じゃないけどさ。
天子「ご主人様、ちょっとこっち来てくれる?」
神社の裏を指さして手を引こうとする天子。
当然俺はそんな誘いには乗らない。
カルゴ「イ・ヤ・だ!!」
天子「少しだけでいいから…ね?」
これまでと違って手を合わせてお願いする。
そんな様子に、ほんの少しだけ可愛いと思ってしまった。
コイツ、黙ってりゃ可愛いんだよなぁ…。
性格に難のある美少女…か。
まぁいい。久しぶりだし、たまにはいいかもな。
チラチラと周囲を確認し、誰もこちらを注目しなくなったのを見計らって早足に神社裏へ移動。
カルゴ「何の用だ」
天子「んー…別段、何か用があるって訳じゃないんだけど…」
なら呼ぶなよ…!
天子「元に戻ってるなら教えてくれてもいいんじゃないの?…って思ったの」
カルゴ「元にって…何が?」
天子「ご主人様、子供になったことあったじゃない。私、あれから地上に来てないんだからね?教えてくれてもいいんじゃないかしら?」
懐かしいなオイ。
あれから2年か〜、時の流れは早いねぇ。
カルゴ「あのな、勝手にこっちに来てたクセに何言ってんだ?衣玖さんに突き出すぞ?」
天子「今日は来てないわ」
カルゴ「あ、そ」
天子「つれないわねぇ…。ご主人様らしいけど」
カルゴ「……」
相変わらずコイツの意図は読めん。
ビリビリして欲しいって訳でも無さそーだし…。
天子「強いて言うなら、2年ぶりにご主人様に会いに来たの!元に戻ってるとは思ってなかったけどね」
カルゴ「さいですか…」
シンプルな答えをどうもありがとう。
話は終わりだ帰り給え。
天子「子供居るなんてビックリしちゃったわ♪…ということは、私ともそういう事出来るのね♪」
カルゴ「何故そうなる!?」
天子「私はご主人様のペットだもの、そういう事も当然アリでしょう?」
カルゴ「ナシだろ!」
前言撤回。
意図が読めないんじゃなく、思考回路が意味不明なんだ。
カルゴ「とりあえず、もう会ったろ?宴会戻ろうぜ?」
天子「えー、折角だからビリビリしてよぉ〜♪」
上目遣いで体をくねらせる天子。
カルゴ「変わんないなぁお前…。少しだけな」
天子「やったぁ♪」
飛び跳ねて喜ぶ天子を強く抱き締め、一撃必殺レベルの電流を流し、初めて神社裏で気絶させた時のように、寄り掛からせて眠らせた。
俺は、何食わぬ顔して宴会に戻って行った。
東方紅魔郷新品入手予定。
我、発狂。狂気(狂喜)也。