※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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今回は一波乱ありです。


俺と特訓と怒りと

よし、着いたぞ。

 

1人でこんな広い部屋に居るのは寂しい…な。

 

ま、早く済ませよう。

 

「分身…やってみっか…」

 

分身はあの時失敗したからな…。(※番外編参照)

動かずとも、せめて等身大にはしたいかな…。

 

「ハァッ……!」

 

力を入れ、もう一人の自分を生み出そうと試みる。

 

バリバリバリバリ……

 

少しずつ人の形にしていく。

小人…いや、赤ん坊サイズにはなった。

ここからだ。

 

「んぐぐぐ……」

 

バリバリ…バリ………シュゥゥ……

 

「…チッ」

 

また失敗か。武器は出来るのにな。

 

 

 

じゃ…次。力を引き出すやつだ。

 

強くなった自分…。ポーズ…。

うー、厨二くさい…。

 

「紅眼『吸血鬼の本質』!!!」

 

シ───────ン………

 

…誰もいないから良いものの…誰かが居たら…うう、恥ずかしいこと極まりない。

 

 

 

……余計なことは考えるな。

一つのことに集中しろ。

 

……………………。

 

「紅眼『吸血鬼の本質』!!」

 

ブゥゥゥゥー…ン……

 

……なんか力が出てくるような感覚だ。

こうも簡単に…上手くいくものなのか?

いや、ちょっと試してみよう。

 

「雷武器…『雷刀』」

 

バヂィッ!バヂバヂバヂバヂバヂッッ!!

 

なんか、凄く電気を帯びてるぞ?

俺の雷刀こんなんじゃなかったよな?

じゃあ、引き出すのは成功と捉えて良いんだな。

 

明日、お散歩の前にパチュリーと小悪魔にお礼言いに行こう。起きてればいいな。

 

シュンッ……

 

あれ、感覚が元に…。

余計な事考えたからかな?

 

 

 

よし、次だ。

 

別な武器を考えてみよう。

 

なんとなく床に座り坐禅を組む。

 

 

 

…………………。

 

刀……銃……弓……。

 

俺はこれで十分だ、と思ってた。

けど、実戦だと全然ダメだった。

 

例えばvsフラン。

フォーオブアカインドで分身してからの一斉弾幕攻撃はかなり脅威だ。雷壁『雷纏反撃壁』での防御で手一杯。体力はガリガリ削られてしまうから、目くらましして1体ずつ倒していったが…あのスペルも多用は出来ない。

 

それに、vs魔理沙。

デタラメに発射された弾幕で、雷は相殺された。

あのときは上と下がガラ空きだったからなんとか倒せたものの…アリスと対策を練ってくると豪語してたんだ、もう通じないだろうな。

 

 

──────────────────────

その頃。

 

「ふぇ…ぶぇっくしょい!…なんだァ、風邪か?」

 

「お腹出して寝てるからよ、全く……」

 

「な、なんでアリスがそれ知ってんだよ!?」

 

「さぁ?なんででしょう?うふふ♪」

 

「きっもちわりー…」

 

「なっ……」

 

──────────────────────

 

 

弾幕放っても相殺されちゃ意味無いんだよ。

 

そう…弾幕を相殺…では無く、こちらが一方的に向こうの弾幕を撃ち破りながら突き進む…くらいの攻撃力が欲しい。

そうすればフラン×4の高密度な弾幕にも恐れることなんて無いんだ。

 

刀?銃?弓?

どれにもそんな攻撃力は無い。

せいぜい、あの鎧だろう。感電させるあれだ。

だがあれも、鬼ごっこのように逃げられちゃ意味無い。

 

 

 

せっかくさ、色々な武器生み出せるんだから、この力無駄には出来ないだろう。

思い出すんだ…人間の頃見てきた中で、攻撃力が高そうな武器を。

 

俺でも扱えそうな……。

いや、そんな事考えてるから刀とかそれくらいの武器しか思い付かないのかもしれないな。

 

頭を柔らかくしろ…。

そうだ、柔軟に考えろ。

そうしなきゃ前に進めない。

 

…ミサイル?

俺がそれを生み出すとしたらそれはエネルギー弾となるな。だが、エネルギー弾とはいえ、ミサイルは少し規模が大きいな。この前、レミリアのグングニルは壁に穴開けてたしな…ダメかもしれん。

 

もっと柔軟に…。

アニメで見たやつとか…色々あるだろ。

攻撃力がバカやばそうなやつ…うーん……。

 

ゴーレム?分身すら出来ないのに何考えてる。

結界?囲む前に逃げられるな。

クナイ?それ咲夜さんと変わらねぇな。

爪?接近戦か、それなら小刀で十分事足りてる。

拳?これも同じだ。

 

違う違う違う、今考えるべきなのは遠くから攻撃出来る方法、だ。余所見するな。

 

…うーん…大砲……ロケットランチャー…。

 

ん?ロケラン?

 

ふむ…ロケラン…。

 

作ってみるか。

 

俺のイメージだと………。

 

バリバリ…バリバリ…

 

…出来た。

 

これを肩に乗せて…ドカーンだ。

 

肩に乗せて構える。

狙うのは…前の壁だ。

そこそこ距離もあるし大丈夫だろう。

 

カチャッ

 

よし…。穴、開くなよ…?

 

「…ファイヤー!!!」

 

…雷なのに火?

掛け声は「サンダー」にしようかな?

 

ドシュゥゥゥン…

 

ピカッ

 

ドォォォォーン!!

 

ズドドドドォォォォォン!!ビリビリビリ…

 

うおあっ!落雷!?

床がビリビリ振動してやがる!

着弾して光ったと思ったら軽い爆発に落雷だと!?

 

うわぁ…我ながら、中々の武器生み出せたかも!?

 

ガチャッ

 

「こんな夜遅くに何やってるのかしら?」

 

「うわぁっ!」

 

レミリアか…。脅かすなよ…。

 

「うるっさいわね、眠れやしないわ」

 

「ごめん…なさい…」

 

「あなた、フランのこと早く寝かせといて何やってるの?」

 

「えと…言わなきゃダメ?」

 

「言いなさい?」

 

「…強くなる為の…特訓…(ボソッ)」

 

「なに?はっきり言いなさい、聞こえないわ」

 

「強くなる為の特訓!」

 

「特訓?バカバカしい」

 

なんだと?

 

「なに?」

 

「この前、『本気じゃない』私に勝ったからって調子に乗ってるんじゃないの?もっと強くなれるんじゃないか、とか思ってない?」

 

…急になんだよ?

 

「強くなれるんじゃないか、とは思ってる。でも調子になんて乗ってない」

 

「フンッ、思い上がりも甚だしいわね」

 

「…なんだと?」

 

「あなた如きが…本気になった私やフラン、咲夜やパチェに勝てると思ってるの?あなたはこの紅魔館では最弱よ」

 

「…やってみなきゃわかんねーだろ」

 

「それが思い上がりだっていうのよ」

 

「……………」

 

「あなたのレベルはそこ止まりよ。あなたは大人しくフランの遊びの相手でもしてなさい。いいわね?」

 

「………………………」

 

「わかったら返事なさい?」

 

…チッ…。なんかムカつく。というか傷付くわ。

……これからの生活が憂鬱になった。

こんな物言いする奴となんて住んでられるか。

拾ってもらった恩はある…が…こればっかりは…。

 

「……………ああわかったよ、少し休んだら少ない荷物持って大人しくここ出てくよ」

 

「ちょっ、エスカルゴ!?」

 

「朝になったらフランに『散歩行けなくてごめん』って謝っといて。じゃ、俺はもう休む。……今までありがとう、世話になったな」

 

「ちょっと!!待ちなさいっっ!!!!」

 

誰が待つかよバーカ。

 

「うるさい」

 

バタァンッ

 

 

 

部屋へ向かって歩きながら考える。

 

チッ…何なんだアイツ??

 

寝てるとこ邪魔されたから不機嫌なのか?

だとしたら俺が悪いのは間違いないのだが…それにしても言い方ってモンがあるだろ。

いや、これは逆ギレか。

 

 

 

ピタッ

 

…待てよ?

 

ちょっと立ち止まって考える。

 

レミリアの部屋って特訓の部屋からは遠いぞ。

なのに何故レミリアはあの轟音の直後に特訓部屋に来れたんだ?いくら吸血鬼でも物理的に無理な距離だし、俺がクイックを使っても無理な速さだ。

むしろ図書館の方が近いから、小悪魔やパチュリーが先に来るはずだ。……何故?

 

 

 

部屋に着いた。

 

荷物をまとめる…と言っても、昔使ってた眼鏡に服、咲夜さんお手製の服、ズボン等が数着…だけなんだがな。外は寒いから、多少不格好でも重ね着すれば寒さは凌げるだろう。まとめて置いておこう。

 

 

 

ベッドに入る。

 

こうしてフランと同じベッドで寝るのも最後か…。

 

初めてフランと寝たのは…暴走した日だったかな?

 

あれから何日経ったのか…覚えてないや。

 

文の長い取材も受けてさ。

 

散歩中にチルノに絡まれて…。

 

魔理沙と戦って…苦戦して。

 

咲夜さん手作りのカルボナーラや今日のマカロニグラタンとかをおかわりしてさ…。美味かったなぁ…。

 

フランにあーんしてもらったり…。

 

新しい武器も考えて…。

 

小悪魔やフランに手伝ってもらったり…。

 

長かったような短かったような…。

 

そんな日々だったなぁ…。

 

「…グスン…」

 

やべ、なんか泣けて…

 

ガチャッ…キィィィ…

 

誰か来た。涙が引っ込んじまったよ。誰だ?

 

スンスン…この匂い…レミリア?

 

今更何の用だ。

 

 

 

枕元に立って小声で話し掛けてくる。

 

「……エスカルゴ。まだ起きてるでしょう?」

 

…やはりレミリアか。

 

「………………」

 

寝たフリをする。

 

「…寝てるの?いいえ、あなたの事だから寝たフリでしょうね。…黙って聞いててね。返事しなくていいわ」

 

「…………………」

 

「さっきの事を謝りに来たの」

 

…なに?

 

「本当はあんなこと言うつもりは無かったの」

 

うっそだぁ!

 

「あなたは弱くないわ。本当に強いわ」

 

ボロクソ言っといて今更何言ってんの?

 

「この前私と戦って…勝った。あの時私は、出せる力を全て出し切ったつもりよ」

 

出せる力全てって…いやいや何言ってんの、ただの弾幕と蹴りと(外れたものの)グングニル1発だけじゃねぇか。

 

「あなたのあのスペル…闇のスペルで視界を完全に奪われ…あなたに攻撃され、起こされるまで私は何も出来なかった」

 

「……………」

 

「だからあなたは私より強いわ」

 

「……………」

 

「思い上がりとか言って…ごめんなさい…」

 

「……………」

 

「どんどん強くなってくあなたが羨ましかったの…。多分、私はもうこれ以上強くなれないから…」

 

…………段々と涙声になってきたな。

 

「強くなろうっていう意志があなたにはある。私にはそれが見えた。だから夕食後から後をつけてたの」

 

…なるほど?後をつけてたから轟音の直後に部屋に入って来れたって訳か。てことはあの視線もレミリアか。

 

「そうしたら急に大きな音がして…」

 

ロケランのことだな。

 

「何かあったのかと思って入ってみたらあなたはピンピンしてて…私はそれを見て安心したけど……言い方がおかしかったわ…」

 

返事しなくていいって言われても無理だ。

 

「………お前な、あんだけボロクソ言っといて…」

 

「とにかくあなたは私の大事な家族なのよ!だからお願い!!ここから出て行かないでよ!!!」

 

急に泣き叫び俺に抱きつくレミリア。

ちょっ、俺にどうしろと……。

というか家族って…?

 

「もうあんな酷い事言わないから!お願い!!」

 

あわわ、これ以上泣き叫ばれるとフランが起きるかも…。

 

「わかった…。出て行かない…、出て行かないから…もう泣かないでくれ…。な?」

 

左手でレミリアの背中を軽く叩きながら囁く。

 

「う、うぅ…ヒック…出て…かないで、ね…」

 

嗚咽を漏らしながら途切れ途切れに言う。

 

「わかったから…。でもさ、もう少し優しく言ってよ…?かなり傷付いたからさ…」

 

「わかっ…て、る…ごめ、んなさい…」

 

「泣くのはやめろって…」

 

「うん…っ」グスン

 

本気で心配させちゃったのか…?

 

「なんか…ごめんな」

 

「ううん…私が悪いの…素直に言わないから…っ」

 

うう…どうしようこの空気…。

 

「…あの…さ。もう夜遅いから寝ようぜ…?」

 

「うん…。出て行かないでね?」

 

「わかってるって」

 

レミリアの頭をナデナデする。

 

「あなた…いつもフランにこういう事してるわよね」

 

クスッと笑うレミリア。

泣き止んでくれて良かった良かった…。

 

「まぁね」

 

「何でそんなことしてるの?」

 

…なんで…ときたか。…なんでだろ?

恋人同士だから?可愛いから?

 

「恋人同士だから、可愛いから、とか色々あるよ」

 

「恋人同士だからって言うのはわかるけど…」

 

「けど?」

 

「可愛いからって何よそれ!私のことは可愛くないっていうの!?」

 

プンプン怒ってるレミリア。

俺の腹をポンポン叩いてくる。可愛いな…。

可愛いから、は蛇足だったか…。

というか、情緒不安定じゃね?深夜テンション?

 

「い、いやいや…そんな事ないよ、レミリアも可愛いよ」

 

「…ホントにそう思ってる?なら私にもしなさいよ」

 

トゲトゲしいところを除けば、なのだが。

 

「私にも……え?」

 

「なによ、何かおかしい事言ってる?」

 

いや、おかしい事言ってるよ…。

たまには構えってことか?

 

「わ…わかった。でも、俺はフランの彼氏だから、たまにしか出来ないし、やれない事はあるぞ」

 

「うー…でも、私が言ったら構いなさいよ」

 

仕方ないか…。構えって言うなら相手してやるさ。

 

「全く…。わかったよ」

 

「ありがと♪」

 

ニコッと微笑みかけるレミリア。

 

可愛いじゃんか…。

 

「あ、ああ…。も、もう寝ようぜ…?」

 

「そうね…。一緒に寝ましょ?」

 

は?

 

「え?いや、俺はフランと寝るから…」

 

「…じゃあ……そこに入れて」

 

ええ…。でもな…構うって言っちゃったからな…。

 

「わかった、ちょっと待って」

 

悪いなフラン、少しだけ横にズレてくれな…。

 

フランを少しだけ左側に移動させ、俺も少しズレる。

 

「ほい、ここでいいなら」

 

「狭いわね…」

 

「文句言うなら入れないぞ」

 

「…入れて?」

 

……どーしてこーなったんだっけ…?

 

「はいよ」

 

モゾモゾ…

 

俺の今の状況は?

えーと…姉妹に挟まれてる感じか。

右にフラン、左にレミリア…か。

まさに、両手に花…だな。

 

「あなたとフランはこんなに近くで寝てるのね」

 

「まぁね」

 

「ふふっ…。よく…眠れそう…」

 

「へへ、温かいからな」

 

「…………」

 

「…あれ?」

 

「…………」

 

もう寝ちゃったか…。

 

これフランが見たら…また喧嘩しそう…。

 

じゃあ、朝方になったらレミリアを部屋に連れてくか。起こさずに抱える事なら俺でも出来るハズ。

 

早起きしなきゃなぁ…。

 

「『リアルツンデレ』は意外とめんどいもんだぜ」って聞いたことあるな。人間だった頃に。確かにな。

つまりレミリアはツンデレ…?うっそでぇ…。

 

はぁ…

 

「おやすみー…」

 

 

 

レミリアとフランの寝顔をたっぷり堪能してから俺は眠りについた。




レミリアはトゲトゲしい。
自分に素直になれず、思っている事とは逆の事を口走ってしまう。
でもそれはツンデレの「ツン」の部分だから。
二人きりになると本音…「デレ」が顔を覗かせる。

一応こういうイメージで書いてます。


ツンデレ描写ムズくね…?
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