いつも、告白される側の視点なので。
とうとう、おやつも出し終わり、自分で設定した状況になりつつある。今思えば、なぜ時間を指定しなかったのか不思議でならないが、それ程緊張していた、という事なんだろう。
そして、今。
彼の来訪を、自室で待ち受けている。
あぁ、物凄い緊張が…!
全然落ち着かない……こんなに気持ちがザワザワするものなの…?
全く落ち着かない私は、部屋の中をグルグル歩いている。しかし、それでも全く落ち着かない。
必ず成功すると言われていても、緊張するものは緊張するのよ…。告白ってこんな感じなのね…。
早く言わなくちゃ緊張でおかしくなりそう…!
お願い、早く来て…。
そんな祈りが通じたのか、部屋の扉をノックする音が部屋に響いた。
この叩き方は…間違いない、エスカルゴさんだ。
咲夜「はい」
カルゴ「エスカルゴです、入ってもよろしいですか?」
咲夜「どうぞ、お入り下さい」
って、なんで私が開けないの!?
あぁぁ…やってしまった…!
カルゴ「失礼します。(相変わらずイイ匂い…)」
開けようとノブに手を掛けると同時にドアが開いた。そこには、何やら表情を強ばらせたエスカルゴさんが居た。
カルゴ「(咲夜さんからでも説教は説教だよなぁ…ニヤケないようにしないと。はぁ、緊張する…)」
早く言うのよ、私!
私が言わなければこの緊張は続くの!
シンプルに…そう、思いを伝えるだけ…。
ただそれだけ、なのに…言えない…。
思っている事を言うだけ。
言ってしまえば、告白とはそういうものだ。
しかし、本心をさらけ出すことへの羞恥、緊張、更には恐怖までもが襲い掛かってくる。
カルゴ「あの…お呼び出しとは…」
待ち兼ねたエスカルゴさんが口を開く。
咲夜「そっ、それは……その……」
カルゴ「(説教じゃないのか??)」
そうよ、エスカルゴさんは暇じゃない…。
妹様の相手をしなくてはならないのに、わざわざ私の為に、妹様を差し置いてまで時間を作って下さった…。ここで「やっぱり何でもありません」なんて言って逃げたらきっと、「時間の無駄だ」と怒るでしょう…。
覚悟を決め、想いを伝えることにした。
待たされている妹様の為に…待ちくたびれたエスカルゴさんの為に…そして何より、自分の為に。
もう、「伝えたいけど伝えられない」などというもどかしい思いはしたくない。それに、これ程のチャンスは、もう2度と無いだろう。
咲夜「エスカルゴさん……私…」
カルゴ「…?」
緊張のあまりに足が震え、暑くもないのに汗が出る。病気じゃないか、と疑いたくなるほど、心拍数が大幅に上昇する。唇すらも震える。
カルゴ「(どんだけ溜めるんだ……。怒鳴るのか?怒鳴っちゃうのか?)」
咲夜「……わたっ……私……あなたの事が…っ」
好き。どうしてもその2文字が言えない。
やはり、「もし断られたら?」という恐怖が先に立ってしまって、自分で気持ちをセーブしてしまっている。
カルゴ「(もしかして告白か!?うぉい!咲夜さんからか!?…流石に自意識過剰か…?)」
咲夜「す……うぅ……/////」
言えない…!
口が動かない…なんで?
酷く緊張してるからね、きっと…。
そんなに緊張したって事態は好転しないでしょ!
言うの!言うのよ私!
咲夜「……す……き……です…/////」
カルゴ「え…」
急に告白されたエスカルゴさんは、目をパッチリ見開いて驚いている。一方私の方は、その言葉を伝えた事で、いくらか緊張が解れた。
言っちゃった…ついに言っちゃった…!
3年越しのこの思い…とうとう…!
でも、まだよ!まだ終わってないわ!
咲夜「つ…つ、付き合って下さいっ!」
カルゴ「(何で咲夜さんが俺を…!?どう考えてもダメ男だろう!?)」
言い切った……!
あとは返事を待つだけね…。
カルゴ「(咲夜さんから告られるなんて事、絶対に無いと思ってた…。もし次誰かが告ってくるなら美鈴だと思ってた。だって、咲夜さんよりも話す頻度は高めだし、気楽に話せると思ってるから。美鈴は恋愛とか意識して無さそうだけどね。
2人に聞きたいけど……保留にしてもいいのか?
咲夜さんくらい身近な人物なら、レミリア辺りは気付いてそうだし……今回ばかりは聞かなくても良い様な気がする。だって、咲夜さんだし。
でも…7人目ってのはどうなんだ…うーむ…流石にそろそろまずいんじゃないのか…)」
うぅ…考え込んでる…どうしよう…。
断られたりしたら…本当に…話せなくなる…。
しかし、そんな心配は杞憂に終わった。
カルゴ「…わかりました、咲夜さん。これからもよろしくお願いします♪」
爽やかな笑顔で、手をこちらに差し伸べてくる。
私は、その手を取って…。
咲夜「はいっ!ありがとうございます!」
うっすら涙を浮かべながら、笑顔で礼を言う。
やった、成功した!嬉しい…嬉し過ぎる…!
今すぐ抱きつきたい…けど、まだ早いわよね…。
もう少し、彼氏と彼女として仲を深めてからで…うぅ、これからが楽しみ…♪
カルゴ「まさか、咲夜さんが俺に好意を抱いてくれていたなんて…嬉しいです♪」
…今まで、隙を見てはアピールしてきたんだけど…本当に鈍感なのね…。弟さんの方がそこら辺は鋭い様ね…。
咲夜「私は、誰よりも早くエスカルゴさんの魅力に気付いていましたよ?」
カルゴ「え?」
咲夜「初めてお会いしたあの日から…少しずつ、本当に少しずつですけれど…段々、あなたに心惹かれていって…///」
カルゴ「(初めて会った日…?幻想入りした日か。3年前くらい……え゙っ、3年!?…もしかして、誰よりも奥手なのか…?)」
エスカルゴさんにとっては、6人目の彼女か…。
付き合い始めたのは誰よりも遅いけど…絶対に、私しか見せてくれないエスカルゴさんの表情を見るんだから!私にしか出来ないことだってあるんだし!
カルゴ「気付いてあげられなくてすいません…。俺、そういうの疎くて…」
咲夜「ふふっ、気にしないで下さい♪ お付き合いが許されただけで、私は幸せです♪」
カルゴ「咲夜さん…。(可愛いな…。幻想郷イチ…いや、全世界で一番のメイドに好かれるとか…俺は幸せ者だぜ…。絶対に幸せにしてみせます…皆一緒に…!)」
その時、またノック音が聞こえてきた。
フラン「エスカルゴー、早くヤろー?」
扉越しに妹様の声が聞こえてきた。
エスカルゴさんと遊ぶ為(?)に、わざわざ迎えに来たらしい。
カルゴ「わ、わかってるから、待ってろって(汗)」
フラン「先に部屋行ってるわよ?」
カルゴ「はいはい」
何をやるのかしら…。
もしかして、お風呂でのアレの続き?
咲夜「いってらっしゃいませ、エスカルゴさん」
カルゴ「え、でも…」
咲夜「私のことはまた後で良いですよ。以前のように…また、屋根で夜の景色を眺めましょう♪」
カルゴ「…すいません、わかりました。それではまた…今夜早速」
こ、今夜早速!?
そっか…お泊まりは今日だけだものね…。
咲夜「ありがとうございます♪」
早く仕事終わらせなきゃ!
カルゴ「失礼しました♪」
入口で深々と一礼して、部屋を出て行った。
咲夜「………はぁ〜…緊張したぁ〜……」
大きく息をつくと共にベッドに倒れ込む。
オッケーされた…良かった…!
お嬢様…本当にありがとうございました…。
安心して疲れが一気に出たのか、そのまま深い眠りに落ちてしまった。
ねぇ、咲夜さんがヒロイン入りするって事、どれ
位の人が予想できた?
スゲー意外だったかな?
となると、他の誰かがヒロイン入りするのは…?
えー、もうヒロイン入りなんて無いだろう…。
LAWSONのカルボ美味い(本日の昼飯)