フランとの2度目の風呂を出た時、咲夜さんから夕飯のお知らせがあった。
どうやら、もうそんな時間らしい。
窓の外を見ると、確かに真っ暗である。
レミィ「今度は早かったのね」
食堂に行くと、既にレミリアが待ち構えていた。
カルゴ「丁度風呂を出た所だったから。な♪」
フラン「うん♪」
レミィ「そ。冷めないうちに食べちゃいましょ。(結局、告白はどうなったのかしら…)」
咲夜「〜♪」
咲夜さんは、誰が見てもわかるほど、ニコニコとしていた。普段の彼女ではほぼ有り得ない事だ。
レミィ「(…成功したようね、良かった…。あんなニコニコしている咲夜を見るの、何年ぶりかしらね…。なんか妬けちゃうわ…)」
咲夜「今晩は、マカロニグラタンにエスカルゴさんの野菜炒め、コンソメスープです♪ 付け合わせにオムレツもどうぞ♪」
え?俺の野菜炒め?
俺、今日は作って無いz…あぁ、ごま油使って、俺風に味付けしたってことね。
メニューは飛び抜けて凄いという訳では無いが、盛り付けの仕方で豪華に見せている。
実際その味は、外の世界では食べれない代物だ。
なんか、凄く上機嫌だな。
見てるこっちまでルンルン気分になってくるぜ。
一同「いただきまーす!」
咲夜「(いけない、ケチャップ忘れてた!)」
次の瞬間、俺達のオムレツの上には、ケチャップで絵が描かれていた。時を止めて描いたらしい。
フランのオムレツには、いつも通りスペードが。
レミリアのには、こちらもいつも通り六芒星が。
そして、俺のには────。
カルゴ「う、うおぉ…!」
レミィ「まぁ…!」
フラン「!?」
俺達は、思わず目を見開いた。
俺のオムレツには、ハートマークの中に、L O V Eと書かれていたからだ。
ストレートスギィ!嬉しいけどさ!!
カルゴ「…ありがとうございます♪」
咲夜「いえ……///」
そっと視線を逸らす咲夜さんは、頬をちょっぴり赤く染めている。
フラン「…さ、咲夜も……エスカルゴの事、好きだったの…?」
フランは、俺と咲夜さんの顔を交互に見て、少し慌てているような様子を見せる。
咲夜「失礼ながら…先程、想いを伝えました♪」
フラン「えぇ…6人目…?エスカルゴ、ほんとにモテモテねぇ…はぁ…」
呆れたようにため息をつくフラン。
カルゴ「にゃはは…嬉しいな…♪」
今気付いたけど、咲夜さんもフランやレミリアと同じく紅魔館住まいだから、別なとこに移動して会いに行くってことが無いんだよな。
フラン「なんか妬けちゃうわね……」
カルゴ「こらこら。さっきあれだけヤッたろ?」
フラン「そうだけどね〜…」
野菜炒めは食べたし…次は…オムレツ食べよ。
グラタンはまだまだ熱いしね。
カルゴ「……っ」ゴクリ
食べんの勿体無さすぎだろこれ…!
咲夜「どうかしましたか?」
カルゴ「食べるの勿体無いなって思って…」
咲夜「いつでも描いてあげますから、ぜひお食べ下さい♪」
カルゴ「…はーい♪」
とはいえ、勿体無いよぉ…!
咲夜「(あれ?そう言えば────…)」
─────────回想───────────
パチェ「咲夜」
咲夜「はい、何でしょう」
パチェ「見て、これ。外のメイドって、こんな事やってるそうよ?」
咲夜「ご…ご奉仕…!?な、何ですかこれは!」
パチェ「エスカルゴにしてあげたら?ふふふっ」
咲夜「な、何故エスカルゴさんに…」
パチェ「他に男居ないでしょ、身近には」
咲夜「そ、そうですけど…」
パチェ「まぁ、アイツはレミィとフランの彼なんだから、無理でしょうけどね」
咲夜「っ……そう、ですね…」
パチェ「じゃ、これはどうかしら?」
咲夜「…これは…!」
──────────────────────
咲夜「(そうよ、あれだわ!)」
うぅ…スプーンを差し込むのが億劫だ…!
咲夜「え、エスカルゴ…さん…///」
手をつけるのを躊躇っていると、咲夜さんが話し掛けてきた。いつの間にか隣に立っていた様だ。
恐らく、また時を止めたのだろう。
カルゴ「はい?」
咲夜「………も……」
も?
何かを言いかけ、手をモジモジさせている。
その顔は、先程までより真っ赤に紅潮している。
咲夜「…も………萌え萌え…キュン♡」
手をハートの形にして、恥じらいながら、メイドカフェでやるような事をやってのけた咲夜さん。
カルゴ「───ッ!?」
ドクンッ
カルゴ「っ………」バタン
その瞬間、俺の心臓は停止して、生命活動を停止した身体は背もたれに全体重を預ける。
咲夜「………あれ?」
姉妹「?」
フラン「寝ちゃったの?」
レミィ「ま、まさか…」
と、その時、雷の蝙蝠が出現した。
フラン「きゃああああっ!」
レミィ「な、なんなの!?」
咲夜「!?」
カルゴ「はぁ…はぁ…」
心臓が…ギュッて締め付けられた…。
フラン「え…死んでたの!?」
咲夜「!?」
レミィ「えぇ!?」
あぁ…そうか。
カルゴ「ふふっ…仕方ないな☆」
3人「何が(ですか)!?!?」
カルゴ「ちょっと疲れが出たみたい。さ、食事に戻ろうぜ」
軽く笑い飛ばした後、何食わぬ顔で食事に戻る。
オムレツはやはり後回しにして、グラタンを先に食す。
姉妹「そ、そうね…」
咲夜「(感想貰えなかった…。いやそれより、疲れで死ぬってどんだけですか…)」
さて、あとで感想言いますかね。
今言ったら、フランがヤキモチ焼いたりしそう。
先程の死因…それは、萌死だ。
冗談とかではなく、マジで。
なぜ気が付いたかと言うと、フランが何かしらの可愛い仕草をした時も、さっきのように、心臓が締め付けられる感覚に陥る事が多々あるからだ。
咲夜さんの「萌え萌えキュン」が、とんでもなく可愛すぎた結果、心停止に陥ったのだ。
男1人を簡単に殺してしまう咲夜さんの美貌…。
実に恐ろしい。
カルゴ「ごちそうさまでした!」
人間の時から変わらず食器を運ぶようにしている俺は、まるで学食で行うように、食器を厨房に運んで行く。フランとレミリアは言うまでもなく、咲夜さんに運んでもらっている。
咲夜「いつもありがとうございます♪」
カルゴ「いえ。それではまた後で♪」
咲夜「はい♪」
いや待て。今感想言えんじゃねーか?
カルゴ「さっきの『萌え萌えキュン』のやつ…」
咲夜「───ッ!!」
カルゴ「物凄く、可愛かったですよ♪」
咲夜「あ…ぅ…ありがとう、ございます…///」
顔を赤くさせ、初々しい反応を見せる咲夜さん。
カルゴ「もし良ければ、また見せt」
言いかけた時、背後から幼女の声が飛んできた。
フラン「エスカルゴ〜!もう寝よ〜?」
何というタイミング…。
カルゴ「少し早くないか?」
フラン「今日はもう疲れちゃった」
そりゃそうだろう。いくら吸血鬼でも、あんだけヤッたんじゃ疲れる。ましてや、フランは今日が初めてなんだからな。
カルゴ「疲れんのはしゃーないな。よし寝るか」
フラン「うん♡」
チラッと咲夜さんを振り返って目配せする。
「また後で」の合図だ。
それを察した咲夜さんは、コクリと小さく頷く。
カサッ…
カルゴ「?」
厨房を出る時、ポケットに違和感を感じた。
手を入れると、指先が紙のような物に触れた。
何か物を入れた覚えも無く、不審に思ってそれを取り出す。それは、小さく折り畳まれたメモ用紙だった。
フラン「どうしたの?」
カルゴ「んーん、何でも」
軽く誤魔化して、その紙をポケットに戻す。
後で中を確認するためだ。
咲夜さんを振り返ると、彼女は既に洗い物作業を開始していて、表情は伺えなかった。
フラン「?」
数分後
フラン「( *˘ω˘)スヤァ…」
カルゴ「もう寝たか…。よっぽど疲れたんだな」
隣で寝ているフランの頬を撫で、既に寝ている事を確認し、ポケットから先ほどの紙を取り出す。
次に、アークの能力で枕元の燭台に火を灯して、メモの中身を黙読する。
そこには、丁寧な字でこう書かれていた。
『今夜0時、いつもの場所でお会いしませんか』
いつもの場所…か。
咲夜さんと2人で行く場所は、人里と時計台前と屋根の上しか無いから、この場合は人里を除いて考えるとして…。
時計台前か屋根の上で間違いないな。
となると、この2択で頻度の多い方が正解だ。
つまり屋根の上だ!
これまで何度も、咲夜さんと2人きりで話をした事があるが、今思えばそれも、俺の事が好きだったから「話がしたい」と言ってくれていたのだろう。
今は…まだ8時か。
そりゃそうか、夕飯食べた直後だもんな。
そういや、シーツとか敷いてあるが…もうやってくれたのか、さすが咲夜さんだ。
このまま一眠りして…いやダメだ、明日になる。
ぜってー起きれないっていう自信がある。
仮眠は俺が一番苦手なことだ…。でも、こうしてフランと寝てると俺も寝ちまうしなぁ……。
しばらく悩んだ末、約束の時間近くまで、上空で特訓することにした。
え、やば。最初の方、今よりも駄作臭パネェ。
(ついに黒歴史化したか!?)
すげぇ恥ずかしい文章…いつかリメイクするか。