かなり長いので時間のある時にお読み下さい。
…ん……ふぅ、なんとか起きれたか…。
ズキッ…
…うぐっ…頭が…。
…起きれたけど頭が痛いな。
あんまり休めなかったってことかな。
外は薄暗い。
…?えーと…?なんで早起きしたんだっけ?
って、レミリア!?
なんでレミリアが俺の左側に居るの!?
あ………そ、そうか…昨日の夜…。
少し間があったがなんとか思い出せたぞ。
さて、部屋に連れてくか。
「よっ…と」
レミリアを起こさないように、ゆっくり抱っこする。
カチャッ…キィィィ…
扉の開閉にも細心の注意を払う。
フランを起こしてしまうかもしれないからだ。
よし、急ごう。
レミリアの部屋に着いた。確か…ここだったよな。
ガチャッ…ギィィ…
チッ、音が大きいな…。
最低限の隙間だけを開けて、それに体をねじ込む。
そして彼女をベッドに下ろし、毛布をかける。
早く戻るか…。フランが起きるかもしれない。
部屋に着いた。
中に入る。
カチャッ…キィィィ…
よし、まだ寝てる。じゃあ俺も…。
もうひと眠りしたいからな。
「ZZZ……」
「おはようございます、朝食の準備が整いました」
…もうか。あまり眠れなかったような気がする。
「ふぁぁ…はーい」
「あら、最近早起きですね」
「咲夜さんのおかげで生活リズムが整ってるので」
「嬉しいお言葉です。では、お待ちしております」
「はーい」
よし、フラン起こすか。
…またキスか?よし、そうしよう。
「フラーン…起きろー……」
ちゅっ
うん、柔らかい!!!
「んっ……」
「っ…起きた?」
「うん!おはよ、エスカルゴ♪」
「おはよっ!咲夜さん来たよ、行こう」
「うんっ!」
ガチャッ…ギィィィィ…
『おはようっ!』
ん?なんか机が変わってね?
気のせい…かなぁ?まぁいいけどさ。
「おはよう。早速だけど、エスカルゴ。あなた、ちょっと来なさい」
なん…だと…?
って、別な部屋に移動するんか…?
「えっ…わかった…」
「エスカルゴ〜どこ行くのー?ご飯まだだよー?」
フランが聞いてくる。
「ちょっとレミリアに呼ばれた、すぐ戻る」
「わかったー」
「すんなり来てくれてありがとう。急に呼び出したりして悪かったわね」
「別に…そんくらいなんでもない。ところで、用件はなに?」
「これまた急で悪いのだけど…食後、小規模ではあるけど儀式を行うわ。貴方も参加しなさい。…いいえ、あなたが主役だから参加してくれなきゃ困るわ」
先に言ってよぉ〜!
というか急なことでよくわからん。
聞きたいことは沢山あるけど…。
「俺が主役…?何の儀式?」
「それはまだ言えないわ。その時の楽しみに取っておいてくれるかしら?」
まぁ…いっか…。
「……わかった」
「ありがとう。じゃ、戻りましょ、パチェたちも来てる頃でしょうし」
え?パチェ「たち」?小悪魔か?美鈴か?
「ああ、戻ろう」
「あー、エスカルゴ来た来たー」
「おまたせ」
「ホントだよー。じゃ、食べよー」
「だね」
『いただきまーす!』
ありゃ?今朝はなんか料理少ないかな?
うーん…儀式?なんだそれは?
急にってところはもうどうでもいい。
そもそも俺が幻想入りしたこと自体急だったんだから。
ホントわからねぇ…予想もつかねぇ…。
なーんてことを考えてるうちに食べ終わった。
『ごちそうさまでした!』
「さぁ、咲夜!式の準備よ!」
「はい、お嬢様」
そう答えるなり早足で厨房に戻る咲夜さん。
なんだ???何かあるのか?
「…良かったわね、エスカルゴ」
後ろから声をかけられ、咄嗟に振り返る。
「あっ、パチュリー様。昨日はありがとうございました。お陰様で、新しい力を得られました」
「別に礼なんていらないわ。なにかして欲しいなら遠慮なく言ってね」
ニコッと笑うパチュリー。
あれ、こんなだったっけ?気難しい人かと…。
「…失礼、します!」
ドォンッ!
うお、デッカいケーキだな!!
こんなのよく1人で運べたな…さすが咲夜さん。
「さぁ、準備は整ったわね。ではこれより、受け入れの儀式を行うわ」
いつの間に設置したのか、祭壇がある。
「わーい!」
フランははしゃいでるが皆はシーンとしてる。
一体なんだ?受け入れ?何を?
「さぁ、エスカルゴ、こちらへ」
ふぁっ!?
あ、俺が主役とか言ってたな…。なんだ?
「はい」
レミリアの方へ歩く。
緊張で体が上手く動かない。
「来たわね。…私に跪きなさい」
…え?
「どゆこと?」と言いたいが、場の雰囲気を壊したくはない。
跪く…どういうポーズだっけ?
あ、こうか。
「…あなたは、正式に私たちの家族となり、スカーレット家の一員となる。受け入れるわよね?」
……え?俺が??スカーレット家に??
婿養子的な感じ…なのかな?
「受け入れるのなら…誓いの口付けを」
そう言って右手を差し出す。
その時俺は頭の中で色々考えていた。
えっと…俺がスカーレット家にってどういう事?
養子みたいな感じなんだよな?
なんで?フランと結婚したら婿養子として入ることになるのだろうが…なんで今なんだ?なんにせよ、理由を教えて欲しい。というか手に口付けって…あれか。
「…断るつもり?誇り高きスカーレット家よ?」
俺にしか聞こえないくらいの小声で囁く。
ゴチャゴチャ考えんのはやめだ。……よし。
「…いいや?…喜んでお受けする」
俺も小声で返す。
手を取り口付けをする。
「フッ…。これで、晴れてあなたもスカーレット家の一員ね。これからはエスカルゴ・スカーレットと名乗りなさい」
「…はい」
「さぁ、堅苦しい儀式はこれでおしまい!ここからはパーティの始まりよ!」
『いえーい!!』
えぇぇぇぇぇぇぇ…なんだこの展開…。
「ほんの少しだけお客も呼んでるわ」
「えっ?」
「確か…7人くらいだったかしらね?」
思ったよりいるな。3人くらいかと。
「まだ居ないね。誰?」
「さぁ咲夜、お客様をお通しして。エスカルゴに紹介するわ」
「はい、わかりました」
「まず1人目」
「どうもエスカルゴさんっ!文々。新聞記者の、射命丸文です!お久しぶりですねっ!本日はおめでとうございます、後でインタビューさせて下さいっ!!」
「あ、ああ…わかりました…」
また長くなるのかなぁ…?
「次」
「やぁ、君がエスカルゴか!あたしは河城にとり!君が暴れたあと、この館の修繕を任された者だっ!」
「あっ…そう言えば河童に直してもらったって…」
「うんっ!それがあたし!」
「ありがとうございました!」
礼を言い頭を下げる。
「大丈夫大丈夫!あたしにとっては仕事だから!あと、気軽に話しかけて!堅い言葉遣いはナシね!」
「はい!」
「次」
あ…
「お、お前はあの時の吸血鬼!パーティに呼ぶなんて一体どういうつもりだっ!?」
「チルノちゃん!?美鈴さんの説明聞いてなかったの!?」
「聞いてたけど忘れたっ!!」
「あはは…は…」
…チルノに大妖精…。
チルノは相変わらずだな。
「次」
「呼ばれたのか〜♪」
ルーミア!?
「私はルーミアだよ〜、よろしくね〜」
手を出してきた。握手かな?
「ああ、よろし…」
俺も手を出したその時……。
ガブッ!!
「イデデッ!!」
腕噛まれた!!
カパッ
ふぇぇ…すぐ離してくれて良かったぁ…。
「甘噛みだよ〜?」
「あ…ホントだ、血は出てないや」
すげー痛かったけど。
てゆーか牙の痕!!腕に穴が!
「ビビりなのか〜?」
「ビ、ビビりじゃないよ!」
「そーなのかー」
そーなのかーキター!
「そーなのだー」
ノッてみる。
「面白〜い♪」
「ははははっ」
「次」
「ミスティア・ローレライで〜す、よろしく♪」
「よろしく!」
「屋台で焼き鳥売ってるからもしよければ〜♪」
「おお、見つけたら買うね!」
「何処にいるかわからないけどね〜♪」
「あはは…」
「次」
「私はリグル・ナイトバグ!よろしく!先に言っとくけど、ゴキブリじゃなくて蛍だからねっ!!」
「ああ、わかってる、よろしく」
確か昔ネットでそんなのを見たような。というか、こうしてわざわざ言ってくるってことは幻想郷内でもゴキブリ扱いされたことがあるってことなのかな?
「チルノ、大妖精、ルーミア、ミスティア、リグルはね、門の近くで遊んでたところを美鈴に誘ってもらったのよ。フランから聞いたけど、チルノと大妖精には会ったことあるらしいじゃない?」
「そうだね」
「にとりはまぁ…館の修繕を任せたからかしらね。新聞記者は、美鈴から聞き出したみたいだけど」
レミリアが今の7人を誘った経緯を説明する。
なるほど、そういうことか。
「お客様はこのくら…」
「私たちを忘れてるぜっ!!」
ビュオオッ
「うわっ!」
ドアから風と共に魔理沙が…いや、後ろにはまたアリスがいる。猛スピードで突っ込んできた。
「よっと」
スタッ
「魔理沙ぁ…」
「なんだアリス、ちゃんと玄関から入ったろ」
「飛ばしすぎよ…危ないじゃない…」
「ちゃんと見てたから大丈夫だぜ」
「全く…」
「あら魔理沙、どうしたの?」
「ようレミリア。この前館の上を通りかかったらな、門番があいつらにパーティの話をしてるところだったもんでな。盗み聞きしたぜ」
「…なるほど?まぁいいけどね…」
「いいのかよっ!全く、レミリアってそういうところ適当だよな〜」
「適当じゃなくて寛容なのよ」
「へいへい。エスカルゴ、久しぶりだなっ!」
「だな」
そんな久しぶりでもないが…まぁいいや。
「お前がスカーレット家の一員になるなんて驚きだぜ!あと、まだ対策は完成してないから今日は勝負無しだぜ、いいな?」
「わかった」
そもそも今日は散歩の予定だったし…。
「全く…ごめんなさいね、魔理沙がこんなんで…」
アリスがヤレヤレといった感じで謝る。
「いやいや。楽しいから大丈夫だよ」
「そう言ってくれると助かるわ。飛び入り参加だけど、楽しませてもらうわね」
「ああ」
「…お客様はこんな所かしら」
「…そうか…」
「どうしたの?」
「いや…挨拶だけなのにちょっと疲れちまって」
腕噛まれたり…。
「最初はそうよ、仕方ないわ。徐々に慣れていきましょ」
「そうだね」
「じゃ、私たちもパーティを楽しみましょ」
「そうだね。じゃ、フランのとこ行ってくる」
「ごゆっくり」
えっと…フラン、フラン……。
あ、いた。美鈴と一緒にケーキ食べてる。
というか美鈴が屋内に居るし。違和感が…。
「フラン、おまたせ」
「おっそーい!」
「ごめん、お客様が意外と多くて」
「挨拶大変そうだったわねー」
「初めて会う人が多くて…」
「そっかそっかー。お疲れ様♪ちゅっ」
「んむっ…ちょっ、みんな居るのに/////」
「大丈夫よん、私たちが恋人同士なのは幻想郷中に知れ渡ってるもの、今更よ」
そ、そういう問題か…?
「そ、そうか…」
「さ、お料理食べましょ♪」
「おう」
ケーキ以外にも料理増えてる…いつの間に?
挨拶してるうちに運ばれてきたってことか。
その時。
バァァァァァァァン!!!!
「な、なんだっ!?」
机が爆発した!?
「レミリアー!私のこと忘れるなー!」
えっ…机ん中から1人!?てかあれって…。
…幼女…角…。…伊吹萃香!?
「あっ…ごめんなさいね、すっかり忘れてたわ」
「ったく…。あんたがエスカルゴか!背高いな!」
「そう…ですか?」
「私は伊吹萃香!酒が大好きな鬼だ!まァ詳しいことは後でなっ!」
「はっ、はい…」
もし…酒勧められたらどうなるんだ俺…断れる?
いやいやいやいや。うー、なんか嫌な予感する…。
俺、酒に弱いんだよ。コンビニで買った、アルコールがほんの少しだけ入ってる甘酒程度で酔ったことあるんだよ…。
「エスカルゴ、ごめんね、萃香のこと忘れてた」
「あ、ああ…大丈夫だよ」
レミリアでも忘れることあるんだな…。
「じゃ…乾杯♪」
レミリアから血のジュース渡された。
「乾杯!」
カツンッ
血のジュースうめぇ…!
でも、洗うの大変そうだな…。
「じゃ、フランのとこ戻るね」
「ええ、行ってきなさい」
「ありがとう」
フランのとこに戻る。
あ…そういえば、今日の式、パーティについて知ってたのって誰だ?
レミリアはもちろんのこと、咲夜さんもだよな。料理の準備とかあったようだし。あと、お客を入れるから門番の美鈴も知ってたのか。
「フランはこのパーティある事知ってたのか?」
「うん、知ってた!多分エスカルゴ以外みんな知ってるよ!」
「あっ…そーなのかー…」
「そーだよー!あっ、お散歩どうする?行く?」
「行きたい!」
「いつにしようか?」
うーん…いつがいいかな?
「明後日とかはどうかな?」
「明日は?」
「明日は今日の疲れを癒す日…ってのはどう?」
「いいと思う!じゃあそうしよ!」
「よし!」
「おぉ〜いエスカルゴぉ〜、一緒にコレ飲まないか〜?」
ゲッ、萃香…もう酔ってるし…。
「いっ…いや俺は…お酒は…」
酒臭い…。
「お酒は、なんだ〜?私の酒が飲めないって言うんじゃ無いよなぁ?」
来たよこのノリ…人間と変わらねぇ…よくテレビで見るソレじゃねぇか…。課長とか部長とかが部下に飲ませるときによく言うやつだ…。
「いや、そういう訳では…」
「じゃあ飲め〜♪」
ここで飲むのがありがちだな。でも…
「俺お酒飲んだ事無いんで、最初からそのお酒は…。もっとお酒に慣れてから、またお願いします」
今の俺で考えられる限り丁寧に断る。
「そっかぁ〜。なら仕方な…」
「?」
途中で言葉途切れたぞ?
「そうだ、いい事考えたぞ〜。おーい咲夜ぁ〜!」
咲夜さんを呼ぶ萃香。なんだ?何するつもりだ?
「はい、なんでしょう」
「来たな〜。エスカルゴに普通の酒…いや、ここにある酒の中で一番弱いやつ頼む〜、一緒に酒飲んでみたいんだ〜」
「…承知しました」
ゲゲッ…そう来たか…!
これもう飲むしかないじゃんかよ…。
「お持ちしました」
「サ〜ンキュ〜。ほらエスカルゴ、これ飲め!」
……………………………………(思考停止)
ハッ!絶望感のあまり思考が停止してた…。
えっと?酒の入った盃が差し出されてる。
…チッ、腹を決めるしか無いか…。
「…いただきます…」
「おうっ!ドンドンいけー!」
ゴクッ…
「プハァ…」
「美味いだろっ?」
「…多分…」
「よぉ〜し、ジャンジャン飲めー!」
……これが美味いのか不味いのかなんてわかんねぇ…けど…。頭がボーッとして…フワフワして…。思考がまとまらない…これがガチの酔う感覚…?
その後しばらくは、萃香に注がれるがまま飲んでた。
そして…完全に酔っ払った。
「アッハハハハハ!!酒うめー!咲夜さ〜ん、もう1本お願ぁ〜い!!」
「もうその辺で止めておいた方が…」
「だぁいじょーぶだいじょーぶ!ねっ?」
「おう!私らはまだまだ飲むぞー!」
『アハハハハハハ!!』
「…わかりました」
「あぁ〜…あぁ?これ2本目ぇ?これ2本目だったのぉ?俺全部飲んじゃったよぉ…アハッ…アハハハハッ!!」
「いい飲みっぷりじゃないかエスカルゴ〜」
「お酒って中々美味いじゃ〜んアハハハハッ」
「分かってきたなエスカルゴ〜!」
『いぇぇ〜い!アッハハハハハハハハ!!』
「…ねぇレミィ?そこで何かを飲んでるエスカルゴに似た生物は一体何?」
「…酔っ払ったエスカルゴよ、パチェ」
「酒癖悪すぎね…」
「ホントよ…」
「なんか今のエスカルゴさん怖いですぅ…」
「小悪魔も一緒に飲んできたら?」
「あの中に入るなんて無理ですぅ〜…」
「エスカルゴさん、お水です、どうぞ」
「あ〜…しゃくやしゃ〜ん…ありがとぉ…」
ゴクッ…
「プハァ…。これじゃあ足りないなぁ…」
「もう一杯お持ちしますか?」
「ううん…」
「…?」
「俺飲みたいのはぁ…」
ガバッ
「キャッ!」
ドサッ
「な、なんですかいきなり!」
「しゃくやしゃんの血が飲みたいな〜っておもってぇ〜。ちょっとだけ飲ませて〜?」
「い、いけません!」
「少しだけだから〜…ね?」
「ダメで…」
ガブッ
「はうっ…」
ヂュゥゥゥゥ…
「うぅ……酒癖…悪すぎ…ですよぉ…んぅっ…」
「ぷはぁぁ……しゃくやしゃんの血…おいし♪」
「はぁ…はぁ…」
「次は誰の血飲もぉかなぁ〜?」
「ちょっとエスカルゴ!いい加減にしなさい!」
「あぁ〜…レミリアぁ〜…」
「あぁ〜じゃないわよ!何してるの!?」
「しゃくやしゃんの血が飲みたかったの〜」
「水渡されたんだからそっちにしなさいよ!」
「水は飲み終わったよぉ〜。血が飲みたいの〜」
「……じゃあ私の飲ませてあげるから…他の人には手出さないで?」
「…いいのぉ?アハハァ…」
「飲むなら早くしなさい」
「わかったぁ…飲むぅ…アハハハッ」
「ちょっ、レミィ!?」
「なに?」
「なに?じゃないわよ!自分で何言ったのかわかってないの!?」
「飲ませてあげるって言っただけよ?」
「今のエスカルゴに血飲ませたら…もっと飲ませろって暴れるかもしれないのよ!?」
「あっ…どうし…」
ドサッ
ガブリッ
「あんっ…」
チュゥゥゥ…
「はふふ〜、おいひいおぉ…(美味しいよぉ)」
「んっ…はぁっ、なに…これぇっ…んぁぁっ…」
「吸血鬼に首から血を吸われると気持ちよくなるって昔本で読んだことあるわ。多分それね」
「パチェっ…助け、て…」
「無理ね。私貧血になりやすいから、私まで襲われて血を吸われるなんて溜まったもんじゃないわ」
「そん、なっ…」
…?あれ?俺何してんの…?
俺がレミリアを押し倒して…血を吸ってる?
「ぷはぁっ…え?これ…どういうこと?」
「えっ…エスカルゴ…?はぁ…はぁ…」
「あっ…レミリア、これどういうこと?」
「あなた…酔いすぎ…」
「え?」
「あなたは、伊吹萃香に誘われるがまま酒を飲んで酔っ払い、終いには咲夜とレミィの血を飲んだ…って感じね」
「あっ…パチュリー様…。え、俺、咲夜さんのも飲んだんですか?」
「そうよ、覚えてないの?」
「はい…」
咲夜さん?どこだ?
キョロキョロ…
あっ、咲夜さんだ。
顔を赤らめて目がトロンとしてる。
この前吸血した時もそんな顔してた…。
「あ、あの、ごめんなさい!!」
「だ…大丈夫です…酔っ払ってたんですしね…。でも、次は気を付けて下さいね?」
「は、はい!」
「たはー、飲ませ過ぎちゃったか〜。ごめんなエスカルゴ〜。もう一杯だけ飲むか?」
『アンタはもうエスカルゴに勧めるな!』
「うわーん、みんなして言うことないだろー」
段々頭が冴えてきた。
なんで酔いが覚めたのかもなんとなくわかった。
「それにしても、酔いから覚めるのが早いわね」
「パチュリー様。多分ですが、なんで酔いが早く覚めたのかなんとなくわかりました」
「あら、何かしら?」
「咲夜さんとレミリアの血を飲んだことで、結果的に俺の血が増え、血中アルコール濃度が薄くなったから酔いが覚めた…んだと思います」
「ああ…確かにそうかもしれないわね」
その後もパーティは続いた。
「酔っ払いなのかー?」
「いや、もう大丈夫だよ」
「そーなのかー」
「そーなのだー」
「やいやい、ルーミアに近付くな吸血鬼!」
「チルノちゃん!危ないよ!」
なんで絡んでくるかなぁ…?まぁいいけどさ。
「お?チルノ、お前の血吸ってもいいのか?」
「なんでそうなる!!あっ、わかった!お前バカだな!そうだろ!だからさいきょーで天才であるあたいの血吸いたいんだろ!」
「違うわ!」
「さっきのエスカルゴさん、見てる方が怖くなるくらいすっごく笑ってましたよ〜♪」
「えっ、そうなの?」
甘酒の時と変わってねー…。
「ええ♪それはもううるさかったですね〜♪」
「すまん…」
「酔ったら笑う方なんですね〜♪」
「そ、そうみたい…」
「おいエスカルゴ〜。酔ったお前すげー面白かったぜ?誰彼構わず血を吸うんだもんなぁ。私吸われなくて良かったぜ」
「おっ、魔理沙。見られちまったか…」
「あったりまえだぜ!…ったくよ…こりゃ軽々しくお前に酒飲ませられないな」
「あぁ…それでお願い」
「私も吸われちゃうのかと焦ったわ〜♪」
「近くにいたらアリスのことも吸ってたかもね」
「怖い怖い♪」
「いや、違うぜエスカルゴ。怖いのはアリスだ。お前に吸われたがってたぜ?」
「は?」
「ちょっ、魔理沙!?何言ってるのよ!?」
「『私もぉ〜』とか言ってクネクネしてたじゃんか。怖いというより気持ち悪かったぜ」
「えぇ…(引)」
「違うってば〜!」
「エスカルゴ〜、凄く飲んでたね〜!」
「あっにとりさん」
「にとりでいいよっ」
「はーい」
「あそこまで酷く酔う奴は初めて見たよ!」
「耳が痛い…」
「あややっ、エスカルゴさん発見ですっ!取材いいですか?」
「今ですか?なら、フラン連れてきていいですか?」
「もちろんどうぞ〜!あ、あとレミリアさんも連れてきていただけませんか!?」
「はーい、ちょっと待ってて下さい」
「はいっ!」
あややの血も飲みてー…。
「フラン、取材受けるか?」
「エスカルゴ受けるなら!」
「よし。じゃ、あとレミ…」
「呼んだかしら?」
「うあっ」
後ろにいたんかよ…。
「ああ、居た居た。文さんの取材受ける?レミリアも来て欲しいって言ってたからさ」
「喜んで」
へぇ…こういうことには無関心かと思ってた。
「連れてきました。まぁ座りましょう」
俺を真ん中にして右側にフラン、左側にレミリアが座る。
「あやっ、早いですね!私も失礼します」
「エスカルゴの頼みだも〜ん!ね♪」
「ふふっありがとう」
「たまにはね」
ツンと澄ましてるレミリア。
「では少しだけ質問させて下さい」
少し…ねぇ…。絶対長引くと思うんだけど。
「あ、そうだ。まだパーティ終わってないし、食べてない料理があるので、あんまり長引いたら罰ゲームするってのはどうです?」
「あはっ、面白そう♪」
「名案ね」
2人は賛成してくれた。
「あややっ、なんか怖そうですねぇ…。いいでしょう!何をします?」
おお、文もOKか。なら……
「その時に俺が決めます」
ニコッ
「うう…嫌な予感がしますねぇ…。まぁいいです!では時間はどれくらいにします?」
「20分で」
時計を指さす。
現在、14:50。つまり15:10までに終わればいい。
「20分もあれば十分ですっ!では始めましょう!」
「はい」
「ではまずレミリアさんに質問です」
「何かしら?」
「なぜレミリアさんはエスカルゴさんをスカーレット家に引き入れたんですか?」
あ、それ俺が気になってたやつ。
「そうねぇ…。まず、この紅魔館で暮らす吸血鬼だからっていうのがあるわ。それに、エスカルゴはかなりの実力者だし、誇り高きスカーレット家に相応しいと思ったのよ」
なるほど…。光栄だ。
「ふむふむ…。エスカルゴさんはレミリアさんが認めるほどの実力者…と」
相変わらずメモるの速いなぁ…。
「では次に、エスカルゴさんに質問です」
あ、俺か。
「はい」
「先程、血を吸ってましたよね?人間の血と吸血鬼の血…どちらが美味しいんです?どちらも美味しいんですか?」
難しい質問するなぁ…。
けど、どちらもっていう選択肢があるならそれだ。
「どちらも美味しいです」
「なるほど…。私の血も飲んでみます?」
「えっ、良いんですか?」
「冗談ですよ♪」
「冗談か…」
「あはは、すいませんすいません。って、『良いんですか』ってことは私の血を飲んでみたいと思ってたんですか?」
ギクッ…
「…そうですね」
「あやや、ほんとにそう思ってたとは…」
「あはは…」
「では次の質問です。エスカルゴさん、酒癖悪いですね。お酒に弱いんですか?」
「そうですね。でも、自分でもここまで弱いとは思ってませんでした…」
「酔っ払って2人の血を吸ってる姿、しっかり写真撮りましたからね〜」
「え?」
「メイドと幼女の悶え喘ぐ姿…イイですねぇ!」
…ナニイッテンノ?
「え、なんでそんな写真を?」
「そんなの決まってるじゃないですか、新聞に載せる為ですよ?」
やばい、あんなの載せられたら…!
「…カメラを寄越しなさい」
れ、レミリア?
「はい?」
「カメラを寄越しなさい…と言ったのよ。このグングニルで貫かれたくなければ…ね」
わっ、いつの間にかグングニルを出してる。
「わわっ、わかりましたわかりました!失礼しましたぁ!!」
「全く…」
バキャッ!パラパラ…
うお、握り潰した…。
「私のカメラぁ〜…」
「文〜、予備のカメラならあるよ〜」
「あやっ、にとりさん、ありがとうございます!」
「ほ〜い」
「そのカメラには何も入ってないでしょうね?」
「もちろん。新品だからね〜」
「ならいいわ」
レミリアおっかねぇ…。
「で、では質問に戻ります。フランさん、あなたへの質問です」
「……………」
フラン?
「…フランさん?」
「……!寝てないわ、目を瞑ってただけよ!」
なるほど寝てたのか。
「わ、わかりました…。では質問です」
「はーい」
「ぶっちゃけあなた方はどこまで進んでるんです?」
なっ…!なんてこと聞くんだ…!?
というかスゲェゲス顔なんだけど!!!
こんなん答えるわけ…
「ちゅ〜までだよ〜♪ね♪」
ああああああああ!?
普通に答えたぁぁぁぁぁぁぁ!?
というか質問の意味理解出来たのかぁぁぁぁ!!
「あ、ああ…そうだね…」
「あやややや〜、かなり進んでますねぇ」
「………………」
レミリアは驚きのあまり固まってる。
そりゃそうか…。
「エスカルゴのことだ〜い好きだも〜ん♪」
やっぱフラン可愛いぜ!!
「あんたたち…はぁ…」
「なぁに?お姉様」
「なんでもないわ」
「ふーん…」
「ちなみに、キスしてるところの写真を撮らせていただいても…よろしいでしょうか?」
はぁぁぁ!?何言ってんのこの文屋はぁぁ!?
「いいよ〜!」
ええええええええええ!?
「え…ちょ、フラン…?」
「おおっ、じゃあヤっちゃって下さい!!」
カメラを構える文。
「いいよねっ?」
フランにこう言われると断れない俺。
ちなみにレミリアは…?
「………………」
フリーズしてる。
「ちゅ〜っ!」
「んっ……」
「おおっ!!いいですねぇ!!」パシャシャッ
「…えへへっ♪みんなに見られちゃうね♪」
「そ、そうだな…」
「ではでは、素晴らしい写真が撮れたところで、質問に戻りますが───。」
この後もしばらく取材を受けた。
どんな質問をどれくらいされたのか覚えてない。
というか頭がぼんやりするな。
「今日もありがとうございました!良い記事が書けそうですっ!!」
やっと終わり…か。かなり長かったな…。
フランもレミリアも俺に寄りかかって寝てるぞ。
「あっ…その、時間の方は…?」
「16:10……1時間オーバーですね」
「そんなぁ!取材に夢中になってしまいました!」
仕事に夢中になるのは良い事だと思うけど、時間は守って欲しい…かな…。
「料理は…って、無くなってるぅ!?」
「お客様も退屈になさっていましたので、パーティはお開きにさせていただきました。お嬢様も妹様も、エスカルゴさんもお戻りにならないので」
咲夜さんが答える。
うう…マジか…。
「…グゥゥ……グゥゥ……」
萃香は寝てる。
「あややややややや……」
「みんな帰ったね」
フラン起きてた。
「フランおはよ。萃香以外帰ったね」
「全く…折角のパーティが…主賓が不在のうちにお開きになるなんてね」
レミリアも起きた。
「ももも、申し訳ありませんでしたぁ!」
「別にいいわ。途中で取材をやめなかった私たちにも非はあるもの」
「そう言っていただけ…」
「でもね」
「はい?」
「罰ゲームは…受けてもらうわよ?」ニコォ
「あやややや〜……」
「何するの?」
「…何しようか?」
「昨日、あなたがやってた技で良いんじゃない?」
あっ…あれか。
「……よし」
「出来るだけ痛くないやつにして下さいね」
「…痛くはないけどジンジンするかも」
「!?」
「じゃあ…取材道具一式ここに置いて…壁に背中付けて手を広げて下さい、罰ゲームを執行します」
「痛くしないで下さい痛くしないで下さい」
「大丈夫ですって」
「うう……」
スタンバイ完了。
「雷武器…『雷砲』」
名前はたった今決めた。
バリバリ…バリバリ…
「あややややややや!?何ですかそれ!?」
「これを1発、文さんにぶっぱなします」
「あはっ、何それ凄そう♪」
「目の前で見ると凄いわね」
「へへ…まぁね」
「………」
観念したようだ。
「避けるの無しでお願いしまーす」
「…はい…」
「じゃ、いきまーす!」
『3!』
『2!!』
『1!!!』
「サンダー!!!」
ドシュゥゥゥゥゥ…
よし、着弾。
ピカッ
ドォォォォン!
「あややっ」
よし、次は落雷だ。
ドドドドォォォォォン!
「あやややややややややややややややややややややややややややややややややややや!!」
バリバリバリバリ…
「あいたた…」
「大丈夫ですか?」
「痺れが凄かったですねぇ…」
「結構手加減したんですよ?」
「ひぇぇ…レミリアさんも認める訳です…」
「いえ、まだまだです。…俺、スカーレットの名に恥じない男に成れるよう…精進します」
「頑張って下さい!エスカルゴさんならちゃんと成れると思いますよ!」
「頑張ります」
「フフッ…」
「どうしたの?お姉様」
「エスカルゴが、『スカーレットの名に恥じない』なんて言ってくれて…嬉しいのよ」
「そうね♪」
「エスカルゴをスカーレット家に入れて良かったでしょう?まぁ、今までとあまり変わらないけどね」
「きっと、これからもっと楽しくなるわ♪」
「フフッ、そうね」
みんなで文を見送る。
「あ、そういえば、萃香さんはどうされるんです?まだ寝てらっしゃいますよね?」
「萃香さんは先程帰られました」
文の問いに咲夜さんが答える。
「あやっ?いつの間に?」
「文が痺れてる間に〜!」
フランは元気だなぁ…。
「あやや…そうでしたか。って、外はもう真っ暗ですね…」
「道中お気をつけ下さい」
「もちろん、気をつけます!それではっ!」
「バイバーイ!」
こうして、長かったパーティが終わった。
と言っても挨拶と取材しか無かった様な気が…。
軽く夕飯を済ませる。
「はー、今日は楽しかった!」
「フランも楽しめたようね」
「最初の方だけだったけど、いっぱいお料理食べられたし!」
「お口に合いましたか?」
「うんっ!咲夜は何を作っても美味しいわ♪」
「ありがとうございます」
「さぁ、もう寝ましょう、眠くなっちゃったわ」
「お姉様も?私も眠くなっちゃった」
「じゃ、今日は3人で寝る?」
『え?』
俺とフランの声がハモる。
「エスカルゴがスカーレット家の一員となった記念よ。どう?悪くないと思うけど」
「いいわね!」
えっ
「じゃ、そうと決まったら寝ましょう」
「あ、あのぅ…」
ん?
「あら美鈴、なんであなたがここにいるのかしら?」
「いえ咲夜さん、サボりじゃなくて…」
「何の用か簡潔にお願い」
「エスカルゴさんにお客様が1名…」
「俺に?…わかりました」
『ちょっと、エスカルゴ!?』
ほんとこの姉妹は息ピッタリだなぁ…。
「すぐ戻るよ」
「早くしてよね!」「早くしなさいよね!」
「はいはい」
「はいは1回」
「はーい」
…さて。
「じゃ、美鈴さん、行きますか」
「えっ?なんで私もなんですか?」
「門番なんですから、戻らないとですよね?」
「エスカルゴさんまで咲夜さんみたいなこと〜…」
「さ、行きますよ、お客様を待たせてしまいます」
「はぁ〜い…」
「じゃ、引き続き門番おねがいします」
「はぁ〜い…」
「やっと来たのか〜」
「あれっ…ルーミア?」
「いえーい」
「どうしたの?」
「聞きたいことがあったんだ〜」
「聞きたいこと?」
「うん」
「いいよ、なに?」
「お兄さん……………」
溜めるなぁ…。なんでそんなに溜めるんだ?
「闇の力使うでしょ?」
「えっ?」
「私と同じ……闇の力を使えるでしょ?」
「…なんでそう思うの?」
「さっき噛み付いたでしょ?」
「噛み付いたね」
「その時に闇の力を感じたの」
何それ凄い…。
「そー…なのかー。俺は確かに闇の力使えるけど、あるスペルの時にしか使えないよ?」
「そーなのかー♪じゃ、勝負しようよ」
「え゙っ」
「私の闇とお兄さんの闇…どっちが凄いのか!」
「いいけど…。そのスペル…さ、俺が割と本気の時に使うんだが…いいのか?」
「いいよー、ガンガン来てよ〜」
いいのか??
「お兄さんが来ないならこっちから行くよー!」
なぬっ!?
「えいっ!」
小さい闇が広がる。
「……?」
ルーミアが闇に包まれた。
ルーミアの姿は見えなくなったが闇が見えるからどこにいるのかバレバレだ。
じゃ、次は俺だな!
「いくぞ!雷符『Midnight☆Thunder』!」
ブワッ……
闇が広がり、ルーミアの小さな闇諸共包み込む。
「これかー!見えないけどわかる!この力だ!」
「これでいいか!?」
「もう少し!」
「待て、早く解除しないと追撃が…」
「いいよー」
「……っ!」
雷まで制御出来ない。
バリバリバリバリ…
「ああああー痛い〜」
…え?
シュウウウウ……
「痛かったー、まだ少し痺れてるよ」バチバチッ
いや…ルーミアが帯電してるんだけど…。
「すまん、大丈夫か?」
「大丈夫だよ〜。お兄さんの凄かったー」
「そ、そうか…」
「ありがと、いいの見れたよ。じゃあね♪」
帰ろうとするルーミア。
「ちょっと待って」
引き止める。
「なに〜?」
「なんで俺の闇を見たがったんだ?」
「…同じ、闇の力を使う者同士…だからかな?」
「…?」
「私と…仲良くしてねっ♪」
おお…照れる…。
「おう、よろしくな」
「はい、握手♪」
まさかまた噛むってことは無いだろう…。
「ほい」
俺も手を出す。
ガブリッ
「イダダダダッッ」
「あははっ、ごめん、また噛んじゃった♪」
「イッテェなぁ…ちょっと強くないか?」
「大丈夫大丈夫、血は出てないでしょう?」
「あっ……ホントだ。力加減上手いな」
「まーね♪じゃ、また今度ね♪」
「じゃあな、気をつけてな」
「うんっ!」
元気よくスキップで帰っていった。
「エスカルゴおそーい!」
「ごめんごめん」
「誰だったのかしら?それと、用件は?」
「ルーミアだよ。なんか勝負しようって言われたから勝負してきた」
「ルーミアがなんであなたと勝負したがるの?」
「俺に噛み付いた時に、闇の力を感じたらしくて。それを確かめたかったみたい」
『へぇ〜…』
「じゃ、寝よっか」
『そうね』
「3人で寝るなんて初めてね〜♪」
『…………』
俺とレミリアは黙ってる。昨日の夜こっそりレミリアが入ってきたなんて…言えないよなぁ…。
「どうしたの?」
『いや、何でもない(わ)』
「あっはは、息ピッタリ〜♪」
『からかうな!』
「あはははははっ!」
『ったく…』
「どう寝る?」
「エスカルゴが真ん中〜!」
「それはそうね」
「私、いつもエスカルゴの右側だから左〜」
「わかったわ」
「よい…しょっと…」
「あったかい♪」
「そうね」
「…なんか疲れちまったな…」
「そうね…」
「そうなの?」
「ほら、酒飲んで暴れたろ?」
「あぁ…それね。酒癖悪いわね」
「耳が痛いぜ…」
「なぁ、レミリアが酒飲んだらどうなるんだ?」
「…………」
「あれ?レミリア寝た?」
「そうね…。私も寝そう…」
「あ…ホント?じゃあ俺も寝ようかな」
「寝るためにベッドに居るんでしょ…?」
「あ、そうだな」
「じゃ…おやすみのちゅ〜、して?」
「わかった」
ちゅっ
「ありがと…手繋いで寝ましょ…ね…」
「ああ」キュッ
「おやすみ…」
「おやすみ」
「…スゥ……スゥ……」
2人共寝たか。
「フランも…レミリアも可愛いなぁ…」
2人の寝顔を見てボソッと呟く。
「俺も…寝っかぁ……。おやすみ…」
「…ダメよ」
「…ん?レミリア?寝てなかったのか?」
「寝る訳無いでしょ…夜はこれからなのよ?」
「えぇ…俺、酒飲んだりしたから疲れたんだが…」
「少しだけ構いなさい」
「少しだけだぞ…。何するの?」
「今までフランにやってきたことを全て…今、ここで私にやりなさい」
「は?」
「何か文句でもあるのかしら?」
「いや…は?全て?」
「そう言ってるでしょう」
「中には恋人同士しかやっちゃいけないこともあるぜ、それは出来ないぞ?いいな?」
「ダメよ、それも全部」
「は?俺はフランの彼氏だ、それは出来ん」
「わたしが黙っていれば良いだけよ」
「あのなぁ…」
「…グングニルで貫かれたいのね?」
「うっ…」
それは困る。
「困るでしょう?」
「困る」
「じゃあ従いなさい」
「…わかった。…でも、声出すなよ」
「わかってるわ」
「…………」
ギュッ
右手だけでレミリアを抱き締める。
「へぇ…暖かいわね」
「…まぁな」
「他には?」
「互いの血を吸ったりしてる」
「そうなの?でも、さっきあなたに吸われたから…今度は私が吸う番ね」
「えっ…それってどういう…」
カプッ
「ふぅ…おいひい(美味しい)♪」
「くっ…」
我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ、我慢だ!
「美味しかったわ」
「そう…か…」
「他には?」
「手を繋いで寝たり…かな」
「それは最後にやるとして…。あなたたち、ほっぺの触りっこしてたわよね?覚えてるわよ?」
あっ…見られてたの忘れてた。
「そうだったな…」
「さぁ、顔出して頂戴?」
「はいよ」
「…近いわね」
「…気のせいだ」
「気のせいじゃないわよ/////」
「いいから早くしてくんよ」
フニフニ…
「…あんまり柔らかくないわね」
フランと同じくレミリアも苦笑いしながら言う。
「そう言うレミリアのは凄い柔らかいな」
「フフッ、そうでしょう?フランとどっちが柔らかいかしら?」
「フランかな」
フランが寝ててもそこは正直に答える。
「なっ…!フランの方が私より柔らかいの!?」
「大声出すなって。フランの方が柔らかいよ」
「なんで…私が…」
「…さぁ、寝ようぜ」
「まだよ。まだやってないことあるでしょ」
「……サァナンノコトカナー?」
「白々しいわよ、全く…。さっき文屋に言ってたでしょ?キスまで進んでるって」
「…………」
「私にもしなさい」
「それは出来ないかな」
「なんでよ?」
「キスは恋人同士がやるものだよ。レミリアとは出来ない。ごめんな」
「……ゴチャゴチャうるっさいわねぇ…」
「うるさいったって…ダメなものはダメなんだ、そこはわかってくれ………んむっ!?」
チュッ…
ちょっと待ってよ…ダメって言ったじゃん…。
「ふぅっ…」
「ふぅじゃねぇよ、ダメだって言ったろ!」
小声で叱る。
「…あなたたちが羨ましかったのよ」
「はぁ?」
「いつも仲良くして…一緒に居て…特訓もご飯も散歩も寝る時もずぅ〜っと一緒で…」
「………」
「いい加減に気付きなさいよこの鈍感!」
「鈍感?俺がか?」
「もうっ!あなたの事が好きだって言ってるのよ!ここまで言わなくても察しなさいよバカッッ!!」
( ・◇・)ポカーン……
「な、なによ…なんか言ったらどうなの…?」
「…いや…まさかレミリアが俺の事…」
「だから、私とも付き合いなさいっ!」
「いや…俺にはフランが…」
「それもしかしてあなたがいた世界では常識?」
「そうだよ」
「ならここでは非常識ね…」
「…?」
「外の世界の常識は幻想郷での非常識。逆に、外の世界の非常識は幻想郷での常識よ。だからここでは認められるわ」
うあああ頭がぁぁぁ…。
「つまり、常識と非常識は逆なの…?」
「そうよ。だから、あなたがフランと私の2人と付き合うのはここでは常識って訳なの」
「…それでも…フランが許してくれないだろ」
「…フランが許せば良いのね?」
あっやべ(;・_・)
「いや、そういう訳じゃ…」
「言質取ったわよ。フランに認めさせるわね」
ああああああああ……!!
「それで?」
「ん?」
「『ん?』じゃないわよ。告白の返事を聞いてないわ、答えなさい」
「…スゥ……スゥ……」
寝たフリ。
「…………」
ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
繋いでる右手を握り潰そうとする勢いで握ってくる。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
「……痛い」
「寝たフリは止めて早く答えなさい」
これ断ったらガチで貫かれそう…。
まぁ、レミリアの事も嫌いじゃないし…寧ろ好きな方だし…良いっちゃ良いんだが…俺はフランの彼氏だ…どうしよう…。
「……………………起きてる」
「なら早く答えなさい」
…スゥ……ハァ……。深呼吸っと…。
「………………フランが良ければ……良いよ」
「やった♪大好きっ♪」
ガバッと抱きついてきた。
あるぇ〜?フランが2人?
キャラ…ガラッと変わってね?
「フランに聞いてくれよ?浮気はダメだからな」
「わかってるわよ♪うふふ♪」
「じゃ、寝るぞ」
「そうね、寝ましょ♪」
「…機嫌良いな」
「そ、そんなことないわ!」
「そうか?」
「そうよっ!バカっ!」
「バカって…俺バカじゃないし…」
「もうどっちでもいいわよっ!おやすみ!」
「あ…おやすみ…」
まさかレミリアにまで告白されるなんてな…。
嬉しいけど答えに困るな…。
出来れば泣かせたくない…でも、2人を同時に愛するなんてそんな器用なこと俺には出来ない…。多分。
あとは…神様…いや、フラン頼みだな…。
なんてゴチャゴチャ考えながら眠りに落ちた。
普段の2、3倍になったかな?
約8000字…つまり半分来たあたりでスマホが重くなりましたwww