そりゃ腹も減るわな。
外の世界での深夜=幻想郷では夕飯頃(夕方)
もう少し大きくズラしても良かった希ガス。
戦争を止めに外の世界に来て、2日目。
睡眠、朝食も共に取った俺たち兄弟は再び二手に別れ、それぞれの任務を再開した。
ヒビキは黄の御札で中国に戻って、俺はそのまま北朝鮮で移動式発射台やミサイルの破壊を継続。ワンパターンだが、非常に重い任務だ。
ミサイルの破壊は、最初に行ったようにとにかく溶かしている。その際に、近くにいた人も数人、溶けてしまった。
カルゴ「はぁ〜…もう無いんじゃね…?」
荒野、山間部。思い付くところ、見当たる箇所、全て探して破壊し尽くした。もう無いと思う。
いや、そう思いたい。
現在時刻…体内時計だが、朝8時頃だろうか。
諏訪子《おはよー♪そっちは朝かな?》
カルゴ《おはようございます。朝ですね》
相変わらず可愛い声だなぁ…。
諏訪子《そっかー、だから話しかけても反応無かったのねー。ずいぶんズレてるんだねぇ。自然の中に誘致されてるのは破壊し尽くしたの?》
カルゴ《し尽くしましたね。もう北朝鮮を三周位してるんじゃないですかね》
諏訪子《でも、あれって都市部にもあるじゃん?そっちも破壊しといた方がイイと思うよ?》
カルゴ《あー…》
軍事パレードとかやる時に使ってたな。テレビで嫌という程見てきたよ。でもそうなると、軍隊と衝突する事になるんじゃないか?これまでは小隊ばっかりだったけどさ。
諏訪子《その可能性もあるよね。でさ、これまで何個くらい破壊してきたっけ?》
カルゴ《えと…ミサイル10数本、発射台10数個、要塞3個くらいですかね》
多分…それくらいだったと思う。要塞行くたびに朝鮮語聞いたけど、何一つわからなかった。意思の疎通も出来なかったしな。俺がどれほど力加減しても、すぐ気絶しちまう。普通の人間の脆さが良くわかった1日だった。
諏訪子《普通の戦車は?》
カルゴ《普通のは10台も壊してないです。要塞にあった5、6台くらいかな…》
諏訪子《残りはきっと都市部にあると思う。で、警備はさらに厳重になってる》
カルゴ《何故です?》
諏訪子《何個も要塞とかミサイルとか潰されて、放っておくと思う?》
カルゴ《なるほど》
言われてみれば確かに。
何処よりもブラックなこの国なら、夜中でも兵士を総動員して守りを固めていそうだな。
諏訪子《つ・い・で・に…♪》
カルゴ《?》
諏訪子《エスカルゴの力を地上のヤツらに見せつけてさ、地上を恐怖のどん底に陥れても良いかもね!》
何言ってんだこの神様………。
諏訪子《ん?そのまんまの意味だよ?》
ケロッとした様子の諏訪子様。
カルゴ《恐怖のどん底に陥れるのは、北朝鮮だけで十分ですよ。無闇矢鱈に人間を殺しても、何も得しませんしね》
諏訪子《まーねー…。でも、人々の恐怖心を煽るのも、神にとって結構重要な事でさー。私はもう幻想郷に来ちゃって、そっちでは災害とか起こせないからさ、代わりにやってもらおーかなって…思ったんだけど…ダメかな…?》
カルゴ《ダメですよそりゃあ…。それより、災害とか起こせるんですか?》
諏訪子《こー見えても神だからね!えっへん☆》
カルゴ《わーお…流石です…》
諏訪子《ま、とにかく頑張ってね!帰ってきたらまたイチャイチャしよーね!》
カルゴ《は、はい…///》
可愛すぎんだろこの神様よ…!
んじゃあ、都市部に行きますかね!
カルゴ『おいヒビキ!聞こえてるかぁ?』
ヒビキ『なんだ?戦闘中なんだが』
戦闘中でも答えるあたり余裕あるんだな。
カルゴ『俺ァ、北朝鮮の都市部で軍隊を屠ってくるぜ!何かあったら自力で来い!ははっ☆』
ヒビキ『おっけー。とは言っても、まだこっちが片付いてないけどな。んじゃ!』
カルゴ『おう!』
通信を切り、俺は都市部目指して飛び立った。
咲夜Side
図書館内の魔法陣…既に完成していて、私たちの準備も整っている。だけどまだ出発していない。それというのも、出発しようとしたら魔力が足りていなくて、魔法が不発に終わったからだ。
パチュリー様、アリス、魔理沙の全力を込めてもまだ足りていなくて、彼女らの魔力の回復を待っている。とは言っても、パチュリー様はグロッキー状態で、アリスは帰ってしまったから、魔理沙しか居ない。
待つのが嫌いなお嬢様、妹様は段々ソワソワとし始めて、図書館内をウロウロしている。
レミィ「ねぇ、魔理沙?」
魔理沙「…なんだ?」
レミィ「回復、まだなの?」
この質問も、多分もう10回以上している。
繰り返されるこの質問に、魔理沙は若干眉を動かしながらも、溜め息混じりに答える。
魔理沙「そう急かしても、魔力は増えないぜ…。外に行くのも楽じゃないなぁ。パチュリーはまだ目覚めないのか?」
小悪魔「まだ寝込んでおられます…」
魔理沙の問いに、小悪魔は肩を竦めて答える。
レミィ「パチェはもういいのよ。これまでにないほど頑張ってくれたからね」
魔理沙「私も頑張ったんだが…」
レミィ「…魔力の欠乏が発覚して大体2時間…。もしこれの動力が魔力と妖力だったら、私も力を注いだんだけれどね…」
フラン「早くエスカルゴのとこ行きたいよー…。魔理沙ー、頑張ってぇ〜…」
魔理沙「こればっかりは頑張りようがないぜ…」
チリンチリーン…チリンチリーン…
弱々しいベルの音が図書館に響いた。
これは、パチュリー様が私か小悪魔を呼ぶ時に使用なさっているベル。今回の場合は────。
小悪魔「パチュリー様っ!」
自分が呼ばれたと確信している小悪魔は、パタパタと小走りに向かっていった。
魔理沙「はぁ〜…。もう少しで出発出来るんだがなぁ…もどかしいぜ…」
ギリッと下唇を噛み締める魔理沙。
お嬢様は、何か考え込んでいる様子で、両の拳を固く握りしめている。
レミィ「(いくら幻想郷を救うためとはいえ、私のエスカルゴを勝手に借りてくとか巫山戯ないで!絶対に、紫なんかの思い通りになんてさせないんだから…!こっちが大人しくしているからって、少し勝手しすぎじゃないかしらね?あんまり私をナメてると、痛い目見るわよ…八雲紫…!)」
小悪魔「魔理沙さ〜ん!」
何やら、凄く明るい表情で小悪魔が駆けてきた。腕には、分厚い魔導書が一冊抱えられている。
魔理沙「なんだ?」
小悪魔「パチュリー様から、これを魔理沙さんにと!」
魔理沙「サンキュ。…重っ!へー、パチュリーが書いたのかこの魔導書」
小悪魔から魔導書を受け取った魔理沙は、その重さで本を取り落としそうになる。それから表紙を確認し、著者がパチュリー様であると知った。
小悪魔「その本の810ページの魔法を使え、との事です!」
魔理沙「810?えーと…810…810…」
小悪魔からパチュリー様の伝言を聞き、そのページを探し始める。中には、文字や魔法陣が綿密に書き込まれていて、パッと見でも頭がクラクラしそうだ。
レミィ「ちょっと待ってよ、今は魔力の回復待ちなのになんで今使うのよ?」
魔理沙「待てレミリア!これは…すげぇぜ!流石パチュリーだ!」
レミィ「何の魔法なの?」
魔理沙「魔力を回復させるための魔法だ!僅かな魔力から、膨大な量の魔力を生み出すんだと!」
レミィ「へぇ…流石はパチェね!魔理沙、今すぐやってちょうだい!」
魔理沙「言われなくても…!」
その項目だけをひたすら読み込み、魔法を発動させる。モヤモヤした紫色の光が魔理沙を包む。
魔理沙「……ふぅ。準備万端だぜ、レミリア!」
レミィ「そう…!行きましょう!」
フラン「やったー♪」
魔理沙「よーし、魔法陣ごと移動するから、ちゃんと乗れよな!」
魔理沙は魔法陣の中央に。
お嬢様と妹様は、その両脇に立つ。
魔理沙「咲夜は行かないのか?」
咲夜「人数制限とか無いの?」
魔理沙「魔法陣に入れるなら何人でもOKだ!」
咲夜「なら私も…。失礼します」
軽く一礼して、私も魔法陣の上に乗る。
細い紫色の線で書かれている魔法陣は、幾重もの正円の縁どりの中には、魔法を使わない者にはわからない文字がびっしりと書き込まれている。
魔理沙「発動させるぜ、離れるなよ!」
レミィ「ええ!」
フラン「はーい♪」
小悪魔「いってらっしゃいです!」
魔理沙が追加の魔力を注ぎ込み始めると、魔法陣が妖しく光を放ち始めた。魔法陣を書いてある色と同じ、紫色の光だ。
4人「────ッ!!」
眩しくなって、堪らず私たちは目を瞑る。
まぶたを突き抜けるほどの眩しい光が数秒続き、次に目を開けた時には、見た事もないほど大きな建物が並んでいる場所にワープしていた。
エスカルゴSide
都市部とうちゃーく。つっても、まだ上空だが。自然の中のは全部ぶっ壊したから、あとは都市部だけだ。楽だね、ラクラク。
早速、ゴツい要塞のような建物を発見した俺は、堂々と正面から突破する。それは、中にいる人間を殺さないように、内側から壊すためだ。
兵士「
兵士「
兵士「
カルゴ「?」
それだけを叫ぶと、蜘蛛の子を散らすように散らばる武装した兵士達。地獄の鬼でも見たような、怯えきった顔をしている。逃げる際に、銃などの所持していた武器を投げ捨てていった。
カルゴ「なんやあいつら…」
固く閉じられた入口の見た目は、銀行の金庫の様に見える。裏口に回るのも面倒臭いので、やはり正面から突っ込もうと思う。
カルゴ「いくぜ…!」
拳圧で入口を破壊しようと拳を握りしめ、構えたその時。目の前の地面から、とても眩しい紫色の光が溢れてきた。
カルゴ「う、うわ、なんだ!?」
瞼では隠しきれない眩しさなので、構えを解いて両目を覆う。それでも若干、光が見えてくる。
収まんねー…何なんだよ急に…。
???「エスカルゴ〜!」
カルゴ「!?」
光が収まらないうちに、大好きな人の声、暖かい感触を胴体に感じ、昔から馴染みのある言語を聞き、目を開ける。
胴体に感じた暖かい感触は、声の主が抱きついていたからだった。その後ろに、3人の女性がいる。
カルゴ「ふ…フラン…?なんでこんな所に…」
フラン「会いたくなっちゃったの!えへへっ♪」
可愛すぎだ…さすが俺の嫁!異論は認めない!
結婚してないだろって?するからいいんだよ!
カルゴ「レミリア、咲夜さん…魔理沙も…。今、殴り込みしようとしてたんだけど…」
苦笑混じりに頭をポリポリ掻く。
その間もフランは、俺の腹に顔を埋めている。
暖かい呼気を浴びて、鼓動が次第に速まっていくのを感じる。
レミィ「藍から聞いてるわ。戦争を止める為に、紫にコキ使われてるそうじゃない」
カルゴ「その言い方はどうかと思うけど…違う…とも言えないかな…」
あの人の事だから、どこかで盗み聞きしている可能性を考慮し、やんわり誤魔化す。
フラン「私たちもそれ手伝ってあげる!それで、早く帰りましょ!」
レミィ「…そういう事。手伝わせて頂戴」
魔理沙「どうすればいいのか教えてくれ!」
咲夜「微力ながら私もお手伝いさせて頂きます」
カルゴ「みんな…」
ここで、紫の御札を使って無理矢理にでも幻想郷に帰らせるか、手伝ってもらうか…どちらが皆は納得する?外の世界に来るんだ、それなりに犠牲も払った事だろう…。より早い帰還のためにも、手伝ってもらうのが得策、か…。
カルゴ「わかった、みんな手伝ってくれ。ただしその前に、重要な話があるからよく聞いてくれ」
4人「?」
カルゴ「逃げる奴は追わなくていい。こちらに向かってくる人間だけ、気絶させるなり殺すなり、それ相応の対応をすればいい。それと、向こうの攻撃は絶対に喰らうな。一撃で死ぬ可能性がある。特に魔理沙」
魔理沙「ゲッ…それは困るな…」
吸血鬼では無い魔理沙は、この中で一番死に易いので注意が必要である。頭や心臓に銃弾を喰らったら、即死だろう。
カルゴ「やる事を簡潔に説明する。俺らの目の前にあるような、こーゆーデカい建物。これをとにかく破壊し尽くすんだ。中から壊そうが外から壊そうが、もうそんなのはどうでもいい」
レミィ「わかったわ、壊しましょう。紅魔館より大きい建物なんて、生意気にも程があるし」
フラン「わかったわ!『きゅっとしてドカーン』すればいいのね!」
魔理沙「殺すのは夢見が悪いからな…弾幕で気絶させとくか」
咲夜「手っ取り早く殺しましょう」
カルゴ「人殺しは…あんま慣れないな…」
レミリア、フラン、咲夜さんの言葉を聞いた感想を、ボソッと独りごちる。やはり、人の命が軽いなんてことは無い。大量殺人犯なら、サクッと殺してもいいが。
レミィ「昔から何人も殺ってるから今更ね」
フラン「人間って壊れやすいんだもん」
咲夜「加工して妹様へ提供してましたし…特に、何とも思いませんね」
やっぱこの3人すげぇや…。
さすが、悪魔と悪魔に仕えるメイドだぜ。
カルゴ「それじゃあ、さっさと終わらせようか」
フラン「うん!」
フランを離し、再度拳を構える。
しかし、次の瞬間…。
フラン「…キュッ!」
ドゴォォォォン…
フランが建物の《目》を握り潰し、要塞をことも無げに破壊してしまった。
カルゴ「…ビューティフォー…」
重厚そうな要塞が、ウエハースのように脆く崩れる様を見て、思わずそんな声が漏れた。
兵士「
兵士「
兵士「
騒ぎを聞きつけ、どこからか兵士が湧いて出てきた。
カルゴ「…さ、ここは用済みだ。ほかに行くぞ。まだまだ、こんな建物がある」
レミィ「その前に、あの大きい建物を壊してきていいかしら?目障りなの」
カルゴ「ははっ…好きにしろ…」
軍とは関係無いだろうが、壊したいのなら壊させてやろうかな…止めても鬱憤が溜まるだけだろうし。
レミィ「そう。なら遠慮なく」
アスファルトの地を蹴り、建物に一発拳を叩きつける。ピシッとクモの巣状に広がったヒビを起点として、建物はガラガラと崩れ去った。
レミィ「ふぅ…。こんなものかしらね」
咲夜「さすがです、お嬢様」
レミィ「固そうに見えるけど全然よ。脆いわ」
カルゴ「ほ、ほう…」
俺のパンチも、本気を出せばあれくらいの威力になるんだよな。おっかねーな、吸血鬼って。
魔理沙「しまった、いつの間にか囲まれたぞ」
カルゴ「あ」
遠巻きに見ていただけかと思っていたが、いつの間にか囲まれていた。皆一貫して、足はカクカク震えているが、銃口はしっかりとこちらに向けている。
咲夜「ここは私が」
レミィ「お願いするわ」
次の瞬間には、兵士達の額にナイフが深々と突き立っていた。避ける間もなくナイフを喰らった兵士達はものも言わず倒れる。
魔理沙「ひえ〜…」
文字通りサックリ殺した…おっかね〜…。
兵士「
大きな盾を装備した兵士が数人出てきた。警察が持っていそうな盾で、素材はおそらくポリカーボネートだろう。
レミィ「へぇ…!今度は私がやるわ」
魔理沙「お、おう…」
レミィ「神槍『スピア・ザ・グングニル』」
真紅の槍を作り出したレミリアは、それを投擲。
盾ごと兵士達を貫き、その一撃で絶命させる。盾にはベットリと赤い血がついた。
カルゴ「混合武器『雷銃&雷槍』」
俺もレミリアに負けじと槍の雨を降らせる。
盾を粉砕し、肉体を貫く。
レミィ「はぁ…ホンットに脆いわね。空気も汚いし、さっさと終わらせて帰りましょう」
フラン「そうね。具合悪くなりそうだわ」
それを聞いた魔理沙は、思い出したようにポケット内をゴソゴソし始める。取り出したのは、対キノコ胞子用のマスクだ。
魔理沙「一応マスクつけとくか。…ところでエスカルゴ。お前つけてるマスクって確か…」
カルゴ「前に魔理沙から貰ったやつだ。助かってるぜ、マジで」
魔理沙「へへっ、そーか!まだ持っててくれたなんてなぁ…嬉しいぜ!」
カルゴ「一度手に入れたものは、絶対に手放したくない性分なんでね。人も、物も」
チラッと咲夜さんを見ると、はにかんだような笑顔を見せてくれた。一度手に入れた物は手離したくない…裏を返せば、一度付き合い始めたら、別れる気はサラサラ無い…とも取れる。
魔理沙「…その割に、上海達は…」
カルゴ「娘が泣いてねだるから、仕方なく巫月にあげた。いや、貸してあげたんだよ。いずれ、返してもらうさ」
魔理沙「は…ははっ…そーか…」
カルゴ「そんな事より。無駄話してねぇで、他行くぞ。また虫みたいに湧いてくるから。…って、もう囲まれちまってるよ…はぁ…」
魔理沙「…魔符『スターダストレヴァリエ』!」
バラバラと星型の弾幕を発射する魔理沙。それを喰らった兵士たちは後方に吹っ飛び、気絶した。
魔理沙「手応え無さすぎだな…やれやれ。手加減してるのにこれか。外の奴らは軟弱だなぁ」
カルゴ「うんにゃ、多分これが普通」
魔理沙「そ、そうか…」
それからおよそ3時間。
大きめな建物を見つけては破壊、見つかっては殺害を繰り返しているうちに、いつの間にか北朝鮮を征服していた。また、一本だけアメリカからのミサイルが飛んできたが、フランが遠隔破壊してしまった。
カルゴ「さて、そろそろ帰るか」
レミィ「やっと帰れるのね…長かったわ…」
フラン「眠い…」
カルゴ「まだ昼頃だぜ?」
魔理沙「幻想郷じゃあ、今頃夜中だ。出発する頃10時くらいだったし」
カルゴ「なるほど」
時差パネェな。あと、ヒビキにも連絡入れとこ。
遠隔通信機に話しかけようとしたその時。
逆に、向こうの声が聞こえてきた。
ヒビキ『おーっす。中国政府ぶっ潰したからさ、もう帰っていいか?』
カルゴ『おっ、ナイスタイミン。俺も今帰ろうとしてい所だ。こっちもいつの間にか、北朝鮮政府潰してたわ』
ヒビキ『おー、そっかそっか。中国広いからさ、政府潰した方が何倍もはえーもんなー』
カルゴ『だな。じゃ、幻想郷で会おうぜ』
ヒビキ『だなっ!』
レミィ「…今の、弟君の声よね?」
カルゴ「あぁ。来る前に紫さんから貰ったこれで会話したんだよ」
ポケットから陰陽玉を取り出し、4人に見せる。
それから、紫の御札を取り出す。
カルゴ「さぁ、幻想郷へ帰るぞ。帰ったら、皆でゆっくりしよう」
御札を持って、開けと念じる。すると、目の前に紫さんが使う様なスキマが出現した。
レミィ「これで帰れるの?」
カルゴ「あぁ。行くぞ」
率先してそのスキマに入ると…スキマを抜けた先は、紫さんの屋敷の、応接室の様な部屋だった。
紫「おかえりなさい、エスカルゴ」
カルゴ「ただ今帰りました。あの、レミリア達とは向こうで合流……」
紫「大体の状況は把握しているわ。…レミリア、勝手な行動は慎んでもらいたいんだけど。余分に人が死んだし…」
レミィ「誰かさんが勝手に彼を借りてくからね、私も勝手にやらせてもらったわ。文句ある?」
最後の一言はとびきり語気を強めて発した。紫さんに喧嘩を売るようなその態度に、思わず身震いする。
紫「文句しかないけど…今回は見逃してあげる。結果的に、向こうの戦意を折ることに成功しているし。でも、今後は勝手に外に行かないでもらいたいわ」
レミィ「さーてね、どうしましょうね」
紫「……………」
ニヤニヤしながら肩を竦めるレミリアを、紫さんはギロリと見下ろす。
レミィ「…わかったわ」
表情は崩さず、あくまでも余裕な態度を顕にしながら、とりあえずは紫さんを落ち着かせようと折れるレミリア。
紫「心配ねぇ…。ま、いいわ。藍、スキマ開いてあげて。送り届けてあげましょう」
藍「は、はい!」
こうして俺たちは紅魔館へ帰り、たった2日間の戦争を終え、疲れた身体を癒すために、フランとレミリアとベッドにインした。