※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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咲夜さん?永琳?妖夢?衣玖さん?又はその他?

Q.会話文で気を付けてることは?
A.(エスカルゴは特に、)出来るだけ日常的な口調になるよう心掛けてます。

Q.みんなの年齢は?
A.原作での(おおよその)年齢+10ですな。皆して具体的な年齢がわからないので。妖夢で例を出すと、確か妖夢は「60歳未満」という設定があったと思いますが、今現在は「70歳未満」という事になります。


従者はつらいよ

夏至も過ぎて、ほんの少しずつ昼が縮まってきた夏本番のある日。特にやる事の無い俺は、人里に遊びに来ていた。今日は博麗神社に行く日…なのだが、霊夢は魔理沙の所へ遊びに行っているし、霊愛は穹の所へ遊びに行っているので、俺1人で退屈なのだ。

 

この前見たような、並んでる店じゃなくて…人が多くなくて美味しい店…隠れた名店とか無いか?そういうのがあってもいいと思うんだがなぁ…。

 

カルゴ「くるくる〜時計の針〜……ん?」

 

昔からよく歌っていた歌を口ずさみながら里を歩いていると、八百屋前で、凄い量の荷物を抱えた1人の少女を見つけた。白色の髪のボブカット、黒いリボンを付けていて、白いシャツに青緑色のベスト。傍らには白玉のようなものがフヨフヨと浮いている。会計を済ませて、店を出た所らしいが、フラフラしている。大量の荷物のせいで足元がおぼつかないらしい。

 

カルゴ「みょんみょん、どーしたー?」

 

みょん「みょんっ!?」

 

軽い調子で背後から話しかけると、ビクリと肩を震わせる妖夢。危うく荷物を落としそうになったが、なんとか持ち直した。

 

妖夢「ビックリした〜、エスカルゴじゃない…」

 

カルゴ「おう。そんな驚いたか?」

 

妖夢「だって、急に話しかけられたんだもの…。コレ落としそうになっちゃったじゃない」

 

ガサリと荷物が揺れる。中には野菜やら肉やら、様々な食材がある。八百屋だけではなく、ほかの店にも立ち寄ったようだ。

ちなみに、ここ数年で俺たちの親交も深まって、互いにタメ口で話す程度にはなっていた。

 

カルゴ「ははっ、悪い悪い。それにしても、凄い買い物だな。幽々子さん、また何か言ったん?」

 

妖夢「『旬の野菜を食べたいから買ってきて』って。いつも旬の野菜を使ってるんだけど、もっと食べたいみたい」

 

そう言って苦笑する妖夢。

これにはさすがの俺も苦笑しか無い。

 

食いしん坊な幽々子さんらしいなぁ…。

 

妖夢「でも、丁度良かったわ」

 

カルゴ「何が?」

 

妖夢「エスカルゴの事呼ぼうって、紅魔館に行くところだったの」

 

なら丁度よかったな。俺は今日紅魔館じゃないのだよ、妖夢よ。後でそれも言っとくか。

 

カルゴ「なんで?」

 

妖夢「幽々子様がね、『急にエスカルゴ君の料理が食べたくなったわ〜』ってね…。『買ってくるついでに連れてきて〜』とか…」

 

カルゴ「えぇ〜…なんで俺なんだ…?妖夢の方が美味いでしょ」

 

妖夢「それは無いと思うけど…お願いっ、ついてきてくれる?」

 

荷物を持っていて頭を下げられない妖夢の代わりに、半霊がペコペコと頭(?)を下げている。白玉が動いているのは、何処と無く笑いを誘われる。

 

カルゴ「いいけど、夕方には帰るよ?」

 

妖夢「わかった、ついてきて!」

 

カルゴ「うん」

 

妖夢曰く、「顕界と冥界を隔てる結界は、未だに直ってなくて、最近では生きている人間や妖怪があの世へ、死者がこの世へ当たり前のように行き来している」…とのことだ。前に異変を解決しに行った時のような、結界をこじ開けるというゴリ押しはしなくていいようだ。毎年ホワイトデーの時は紫さんにお願いしていたが、もうその必要は無いだろう。

 

つーか、顕界と冥界を隔てる結界に何かの異常があったなんて知らなかったぜ。いつの間にそんな事件あったんだろ?

 

 

 

妖夢「んしょ……んっ……」

 

カルゴ「…重そうだな。持つよ」

 

妖夢「ううん、大丈夫!これも修行だから…!」

 

カルゴ「そっか。なら無理には止めないけど…」

 

妖夢「…?」

 

カルゴ「卵、落ちるぞ?大丈夫?」

 

抱えている荷物の一番上に、卵がある。

その上に何かを置いては卵が潰れてしまうので、一番上に置いたのだろう。だが、その下に大量の荷物があるので、グラグラと不安定である。いつ倒れてもおかしくない状態だ。

 

妖夢「た、卵だけ持ってぇ!><」

 

流石に不安なのか、立ち止まってお願いする。

そんな様子にフッと笑みを零し、卵数十個が入っている袋を持つ。幻想郷には卵パックなどという便利アイテムは無いので、似たような物を作って売ったら、大儲け出来るのだろうか…?

 

カルゴ「かなり買ったな。食費やばいだろ」

 

妖夢「それはもう…。というか、年々食べる量が増してるような気がする…」

 

カルゴ「ありゃまぁ…」

 

 

 

そんなたわいない会話をしているうちに、結界の綻び…顕界と冥界の境目に辿り着いた。案外身近にあったことに驚きを隠せない。

 

妖夢「ここよ。綻びが出来るのはあんまり良い事じゃないけど、往来が楽になって助かってるの。私なんかは特に、買い物や宴会でこっちに来るしね。紫様に頼ってばかりも居られないでしょ?」

 

カルゴ「なるほど…すげぇなぁ…」

 

穴の向こうには、いつか冥界で見た、大量の幽霊がフヨフヨと漂っている。触れたら凍傷になりそうな、物凄く冷たいヤツらだ。

 

そうだ、迷わないように準備しとかんと…。

 

妖夢「何してるのー?行くよー?」

 

カルゴ「今行くよ」

 

妖夢はいつの間にか穴の中を進んでいた。それを見て慌てて妖夢を追いかける。地底と地上を繋ぐ穴が短くなったような感じだ。向こうは、穴の中を進む毎に暑くなるが、こっちは逆に寒くなっていく様だ。

冥界は寒気がするし、その影響だろう。

その穴はすぐ抜け出せて、それと同時に冥界の景色が目に入ってきた。こちらも普通に夏模様だ。

 

あんまり長居はしたくない様な場所だが…避暑地にはもってこいなのかも…?夏でも比較的涼しいとはな。

 

妖夢「こっちはまだ涼しいなー…そっちは暑くて大変だね…。後でアイスでも食べる?」

 

カルゴ「ご馳走になるぜ…」

 

妖夢「でもそれは、3時のおやつね?もう少しでお昼なんだし」

 

カルゴ「そうだった…」

 

俺は吸血鬼になってから夏バテとかしなくなったけど、妖夢は大丈夫なのかな?

 

カルゴ「妖夢って夏バテとか大丈夫なの?」

 

妖夢「なぁに?心配してくれるの?」

 

ニマーッと口角を釣り上げながら俺を見る妖夢。

 

カルゴ「そりゃあな、健康第一だし?心配くらいするだろ」

 

妖夢「…ホント、エスカルゴは優しいね…。私、幽々子様にもそんな事言われた事ないのに…」

 

カルゴ「こんくらい普通だっての。幽々子さんは多分…妖夢なら大丈夫だって思ってるから、わざわざ言わないだけじゃないか?」

 

妖夢「そうなのかなぁ…」

 

カルゴ「そうだぜ」

 

つーかこの程度で優しいなんて言われたら…炎火なんてどーなるよ?慈愛の神様ってレベルだぞ?はっ、まさか……!だからあいつの周りには女が沢山いるのか…!?(おまいう)

 

妖夢「でも私の周りには、私を心配してくれる人なんて居なくて…。エスカルゴが初めてかもよ?というか初めてだね」

 

カルゴ「そー…なのかー…。とりあえず、大丈夫そうで良かったよ」

 

妖夢「うん…」

 

そーいや、前に読んだ本で「女の子は優しくされるとクラっとくる」って文を読んだことあるな。

そうなるのは、普段優しくされない女子だけだと思うんだよなぁ。だってさ、そんな事言ったら、炎火は俺以上のハーレムを作ってるはずだもん。

炎火の性格からして、それは無さそうだけどね。

俺なんか、ただ煩悩に忠実な吸血鬼ボーイだぜ?

 

カルゴ「心配くらいならいくらでもしてやるよ。それこそ、お節介だって煙たがられるくらいな。あと、なんかあったら俺んとこ来いよ。愚痴でも何でも聞くぜ?」

 

美鈴からは業務上の愚痴を、早苗からは諏訪子様たちの愚痴を聞かされてるおかげで、かなり聞き上手になったと自負している。

 

妖夢「そうやってさ、誰にでも優しくするから、色んな女の人に好かれるのがまだわからないの?好かれたくないんなら、誰にでもフツーに接していれば良いじゃない」

 

カルゴ「俺にとってはこれが普通なんだが…」

 

妖夢「普通じゃないよ、そんなの…。もし私が…エスカルゴのこと好きになっちゃったらさ……。ちゃんと責任、取ってくれるの…?」

 

カルゴ「え……?」

 

今のは…告白…?

 

妖夢「……」

 

カルゴ「い、今のは…どういう…?」

 

妖夢「告白じゃないからね?変な勘違いしないでよね、この自意識過剰吸血鬼」

 

カルゴ「はうっ……今のはメンタルに効いた…」

 

妖夢「ふふっ、何それ」

 

カルゴ「ビックリしたぜ全く…」

 

そんな和気あいあいとした雰囲気のまましばらく歩いて、ようやく白玉楼に到着した。

近くには、枯れた桜の木…西行妖が佇んでいる。

 

妖夢「…お腹空いたね」

 

カルゴ「だな」

 

俺も妖夢も、既にお腹が鳴り始めていた。

買った物を台所に置き、幽々子さんが待っているという居間に、妖夢と共に向かう。

 

妖夢「ただ今戻りました」

 

カルゴ「お邪魔します」

 

居間に入ると、そこにはいつも通り優雅な雰囲気を漂わせた幽々子さんが居た。傍らには、首振りがされてない扇風機が稼働している。本体には、よく見慣れた河童マークがついている。結界の外から流れてきた扇風機を、河童の誰かが改良したのか、イチから作ったのだろう。

 

幽々子「いらっしゃい、エスカルゴ君。妖夢から聞いてるでしょうけど…急でごめんなさいね」

 

カルゴ「いえいえ!」

 

むしろ、すげー避暑地を教えて貰って感謝です。

 

幽々子「久しぶりにあなたの料理が食べたくなっちゃったのよ。作ってくれると嬉しいのだけど…お願い出来るかしら?」

 

カルゴ「もちろんです」

 

幽々子「ありがとう♪」

 

開いた扇子で口元を隠し、ニッコリ微笑む。

 

この優雅な感じが良いですな…。

おっとりしてる雰囲気にも、癒されまくりだぜ。

 

カルゴ「メニューに、何か希望はありますか?」

 

幽々子「ううん、特に無いわ。あぁでも、いつもの野菜炒めと野菜サラダ。これらは絶対に作ってほしいわ」

 

カルゴ「わかりました」

 

何人分作ればいいのかな…。たまにしか作らないから、イマイチ分量が掴めん。後で妖夢に聞こ。

 

妖夢「エスカルゴの分のお昼ご飯も…」

 

幽々子「もちろん良いわ、一緒に食べましょう」

 

カルみょん「ありがとうございます!」

 

カルゴ「…?」

 

なんで妖夢が礼を…?

 

 

 

それからはもう大変だった。

俺と妖夢の2人だけで、小さい宴会並みの料理を黙々と作り続けた。妖夢から聞いたところ、普段は5〜10人分、宴会の時は遠慮せず10〜20人分程食べるのだとか。

遠慮しても5〜10人分食べるとは驚いた。

それを聞き、以前文が言っていた、「美食家でもあり大食家でもある」という言葉を思い出した。

 

カルみょん「お待たせしました…」

 

幽々子「きたきた♪」

 

急いで料理を終えた俺たちは、幽々子さんの待つ居間へ行き、料理を振舞った。

それから、俺と妖夢も昼ご飯を食べ始めた。

 

幽々子「ん〜、やっぱり美味しいわね〜♪」

 

俺の作ったサラダをムシャムシャと食べながら、頬を押さえて唸る幽々子さん。

 

ホント、幸せそうに食べるねぇ…。

 

カルゴ「あの…1つお聞きしたいことがあるのですが…」

 

幽々子「なぁに?」

 

カルゴ「なぜ、俺の料理を食べたいと…?料理の腕ならば、妖夢の方が上ですし…。まだそこまで上手に作れないのですが…」

 

妖夢「(いやいやいやいや……)」

 

幽々子「そうねぇ…。確かに料理の腕は、妖夢や悪魔のメイドの方が上だと思うわ」

 

うぐ…ハッキリ言われるとクるな…。

 

幽々子「でもね、料理でも何でも、不完全だからこその美しさ…美味しさってものがあるのよ」

 

カルゴ「不完全だからこそ…?」

 

幽々子「妖夢や悪魔のメイドの料理には、無駄が無い。でもエスカルゴ君の料理には無駄がある。とはいえ、無駄がなくて完璧イコール美味しい…というわけでも無いの。私は、その無駄を楽しみたくなったの。除いてばかりでは、折角の個性を失くしてしまうかもしれないからね」

 

やっべぇ、思考が追いつかない。

 

幽々子「“完全”よりも“不完全”が評価される事が多いのは、エスカルゴ君自身よくわかっているんじゃない?」

 

カルゴ「…?完全が評価されるのは極々当たり前では無いですか…?」

 

完全に勝るものは無いでしょ…。

だからこそ俺はその完全を目指すべく、料理でも格闘でも、苦手を克服しようとしてるんだから。

 

幽々子「じゃあ、絵画で例えましょう」

 

カルゴ「?」

 

幽々子「パブロ・ピカソの絵は、書物などで見た事あるでしょう?どう思った?」

 

妖夢「???」

 

書物…教科書か。

 

カルゴ「訳が分からない…と、思いました」

 

幽々子「でもそれが世間で評価されている。何故かしらね?どう見ても、北斎の凱風快晴の方が美しいのにね?」

 

カルゴ「…!」

 

幽々子「わかる?美しいばかりが全てではないの。無駄…と言ってはピカソに失礼だけれど、そちらの方が良いって事もあるのよ。人によるけどね」

 

カルゴ「なるほど!」

 

無駄や不完全を楽しむ…か。すげぇな、やっぱ。

そんな考え方もあるんだなぁ…。

 

妖夢「…私には、何が何だかさっぱり…」

 

幽々子「もう少し年を重ねれば、あなたにもわかる時が来るわ。きっと…ね」

 

妖夢「…私、これでもエスカルゴの倍は生きてるんですけどね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「はぁ〜…ようやくゆっくり出来るぜ…」

 

妖夢「そだね…」

 

ようやく昼ご飯に使った皿を洗い終えた俺達は、縁側でまったりと過ごしていた。ほんの少し暑い程度で、かなり過ごしやすい気候だ。禍々しささえ無ければ、ここに住み込みたいと思うくらいだ。

 

妖夢「お皿の片付け、手伝ってくれてありがと♪かなり楽しちゃった♪」

 

カルゴ「ホントは、皿洗うのも手伝いたかったんだけどな。悪いな、流水苦手で…」

 

咲夜さんと弦月姫みてーに、俺にも水除けの魔法かけてくれても良いじゃないかパチュリぃ〜。

俺も紅魔館でメイド仕事始めれば、水除けの魔法かけてくれんのかな?やらないけどさ。

 

妖夢「ううん、片付け手伝ってくれただけで十分だよ。おかげで、こうして楽出来たんだもん」

 

カルゴ「なら、いいんだけど…」

 

今ではたった2人だけが住む白玉楼。

屋敷は広く、庭も広く…とにかく全てが広い。

住んでいて寂しくならないのだろうか?

 

カルゴ「広いねぇ…」

 

妖夢「ね…。掃除とか庭仕事とか大変だよ…」

 

カルゴ「庭仕事…あぁ、妖夢は庭師だったっけ」

 

妖夢「庭師兼剣術指南役だよ、私…」

 

そうだった、すっかり忘れてた。

妖夢=剣士ってイメージが強くてなぁ…。

 

カルゴ「そういや幽々子さんって、剣術の練習ってやってるの?」

 

妖夢「それが……………」

 

言葉を切り、ガックリと肩を落とす。それが何を表しているのかは、彼女の言葉を聞くまでも無かった。

 

カルゴ「おつかれさん…」

 

妖夢「でも、エスカルゴよりはまだマシだよ」

 

カルゴ「そーか?」

 

妖夢「4人も子供育て上げたんでしょ?彼女さんだって6人もいるし…。エスカルゴに比べたら、私の苦労なんて全然…」

 

今は9人なのだよ…妖夢…。

妖夢が言ってるのは、小悪魔と早苗と諏訪子様を除いた6人だよな。だけど、俺の方がまだ楽だと思うな。

 

カルゴ「俺なんてさ、母親たちのサポートしてただけだよ。そりゃ育児の手伝いもするけど、俺の子供達は基本的に、手がかからなかったからさ。人間の赤ちゃんよりずっとずっと楽だったよ」

 

妖夢「ふーん…」

 

カルゴ「だからさ、たった1人でここを切り盛りしてる妖夢の方が凄いと思うな」

 

妖夢「……///」

 

カルゴ「…どした?」

 

妖夢「え…と……」

 

妖夢が何か言いかけたその瞬間、壁にかけてある古びた時計が、3時を知らせてくれた。

 

妖夢「あ…もう3時だね。アイス持ってくるね、何味がいい?」

 

カルゴ「ソーダあればソーダで。無ければ何でもいいよ」

 

妖夢「わかった♪」

 

ホントは俺も行きてーけど…人サマんちの冷蔵庫覗く訳にゃいかねーしな…うん、しゃーない。

 

妖夢「お待たせ!はい、ソーダ!」

 

カルゴ「サンキュ」

 

妖夢からソーダ味のアイスを受け取り、ペリペリと包装を剥がして噛み付く。歯肉炎などでは無いが、ジーンと歯に染みる。

 

カルゴ「ちべてっ!」

 

妖夢「あははっ、噛み付くからそーなるんだよ!折角だし、ゆっくり味わって食べよ?ここなら、そっちみたいにすぐには溶けないんだしさ」

 

カルゴ「はは…そうだな…」

 

 

 

ジンワリと溶けてきて、滴る水色の雫を舐め取りながら、右隣に座る妖夢の横顔を見つめる。

耳にかかる髪を耳の後ろにやりながら、もう片方の手に持つアイスを赤い舌でペロリと舐める。

暑さのためか、目は若干ボーッと虚ろだ。

 

カルゴ「……」ゴクリ

 

妖夢「顔、赤くない?大丈夫?」

 

うわわ、見られてるのバレたか?

というかそれを言うならお主もだぞ、妖夢…。

 

カルゴ「そうか?暑いからじゃないか?」

 

妖夢「だよね…。縁側じゃちょっと暑いよね…。日陰、行こ…?一緒に…」

 

キュッと俺の右手を掴み、クイッと引っ張る。

 

カルゴ「お、おおお…おう!?」

 

な、なんだ…暑さで頭やられたか!?

 

涼しいとは言っても、それは顕界と比べて、だ。冥界の夏だって、もちろん暑い。太陽はおよそ、南南西の位置にあり、今俺たちが居るのは南側の縁側だ。直射日光を受けているのだから、暑くない訳が無い。

 

妖夢「ここなら涼しいよ」

 

カルゴ「おおー、確かに」

 

妖夢に手を引かれるまま、東側に移動する。

建物の影になっていて、いい具合の涼しさだ。

そんな涼しい場所に、また俺たちは腰を下ろす。

繋いでいる手には熱がこもって、互いに汗が吹き出してくる。それでも妖夢は、その手を離そうとしない。

 

カルゴ「…どうした?何かあったか?」

 

妖夢「ううん…何でも。ただ…なんか、こうして受け止めてくれるのが嬉しいなぁって…」

 

カルゴ「そ、それくらい何でもねぇよ…。だって俺ら…友達…だろ?」

 

妖夢「…うん♪」

 

今の間は何ですかァァァ……。

 

妖夢「アイス食べたら…眠くなっちゃった…」

 

カルゴ「ありゃ…」

 

もしかして疲れたのかな?あんだけ荷物持って、皿も普段以上に洗ったらしいからな、疲れるのは仕方ないか…。

 

妖夢「寝てもいい…?」

 

カルゴ「もちろん。何なら部屋まで連れてくが」

 

妖夢「別にいい…」

 

デスヨネー…。

 

妖夢「今は、ここで寝かせて…?気持ちいい風が吹く、この縁側で…」

 

カルゴ「わかったよ。おやすみ、妖夢」

 

妖夢「うん…」

 

ニッコリと微笑み、俺の肩に寄りかかった妖夢。ふんわりとした妖夢の匂いと、暑さの為に流れた汗の匂いが鼻をくすぐる。

 

カルゴ「え…おい?寝るってこーゆーこと…?」

 

なんだかなぁ…。

 

その時、ミシミシと床が軋む音が聞こえてきた。バッと振り向くと、そこには扇子を広げた幽々子さんが居た。妖夢に寄りかかられている俺を見てクスクスと笑っている。

 

幽々子「あらあら、お似合いだこと♪」

 

カルゴ「おっ、お似合…い…」

 

幽々子「退けないの?重くない?」

 

カルゴ「いえ…。折角ですし、このまま大人しくしてますよ。疲れてるみたいだから…、たまには労ってやりたいと思います」

 

幽々子「そう。なら、その子のことをお願いね。私、ちょっと出かけてくるから」

 

カルゴ「え……は、はい、わかりました。お気を付けて!」

 

家に余所者が居るのに出かけるとは…流石だな。つーかこれ、一体どーしろっていうのさ…身動きが取れないぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約5時間後

 

幽々子「あらまぁ…2人して寝ちゃって…♪」

 

幽々子さんが帰ってきた頃には、俺も妖夢に寄りかかって眠っていたそう。

それを見た幽々子さんは、夕飯の時間だから、と起こすのかと思いきや、俺たちを放っておいて、紫さんの屋敷に出かけて夕飯を食べてきたとか。

俺たちが目を覚ましたのはそれから約4時間後…真夜中だった。

薄らぼんやりしている妖夢に早々に別れを告げ、顕界と冥界の境目から白玉楼までを結んでおいた黄色いロープを辿り、博麗神社へ夜中帰りした。

その後、とっくの昔に帰ってきていた霊夢と霊愛からシバキ倒されたのは、言うまでもない。




妖夢は、幼馴染的な感じで書けたら良いな…。
幽々子様らしい発言ムズいよぉ!(泣)



俺の記憶が正しければ、正確な年齢がわかってるのってこの2人だけだったような気が。
北白河ちゆり(16歳)、岡崎夢美(18歳)

495歳って言われてるフランだって、ZUN氏のTwitterでの発言から、紅魔郷当時は495歳以上500歳未満だと言われているくらいですし…。
※一応、一章は495歳〜498歳として書いてたので現在は505歳という事になる。レミィは510歳。

その他のキャラは一切が不明で、ZUN氏曰く「(人間キャラは)見た目通りの年齢」という話も聞いたことがありますが、咲夜さんに関しては10~20歳、本人は10代後半だと自称しているという記述があります。
(彼女の能力からして、信じていいものかどうか、という話が盛り上がってたり…)



彼と出会ったばかりの霊夢、魔理沙、早苗、咲夜さんは、16歳という設定にしましょうかね…。
仮にそうするなら、それぞれが人間を辞めたのは
魔理沙が19の年
霊夢が20の年
早苗も20の年
咲夜さんが21の年
となります。という事は、この4人の中では咲夜さんが1番大人っぽいですね…。見た目の老化は止まっても年齢は重ねるので、実年齢は一貫して26歳となります。
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