※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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Q.何故「エスカルゴ」の略称は「エスカ」じゃなくて「カルゴ」?

A.「エスカ」だと「リスカ」っぽくてヤダ。


最強アイテム、ゲットだぜ!

??「コラー!待てー!」

 

??「私のお団子返せー!!」

 

???「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」

 

俺は、2人の女に追いかけられていた。

故意じゃない、過失なんだ。ずっと棚の上にほっぽってあったから、ついつい食っちゃったんだ。

けどそれを話した所で、アイツらが許してくれるわけがない。さっさと逃げなければ………。

どこか、身を隠せる場所に…!

 

???「おっ、森発見!」

 

逃げおおせるために、胞子が立ち込める、何とも健康状態が悪くなりそうな森に、なんの躊躇いも無く入っていった────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「おーっす、にとりー!」

 

注文品の受け取り日の今日、俺はにとりの仕事場へそれを受け取りに来ていた。仕事場に入ると、ゴーグルを着けて何かを制作中のにとりがいた。

 

にとり「やぁやぁ、来たね!相変わらず、時間にぴったりだねぇ!」

 

カルゴ「へへっ、まーな!…つーか、またそんな格好して…。恥ずかしくないのか…?」

 

にとりは、黒いスク水のような下着のような、よく分からない格好をしている。つまるところ、肌の露出がとんでもなく多いわけだ。

 

にとり「だってさー、今日もすごく暑いじゃん?エスカルゴだって汗かいてるじゃん」

 

カルゴ「ま、まぁな…気持ちはわかるが…。俺、男だぞ?男が見てるのにそんな格好って…その…あんま良くない?ってゆーのかな…なんつーか、もう少しその〜…羞恥心?を持ってほしいなーと思うんだよな、うん…」

 

にとりの首にかけられているヒモ付きの鍵が、胸に挟まるような形で、彼女の隠れ巨乳を強調している。普段はあまり分からないが、脱ぐと結構…あるのだ。

 

にとり「ははーん…。もしかして、私の身体見て興奮したな?」

 

と、ニンマリする。

 

カルゴ「するかッ!!!」

 

にとり「ちぇー、残念だなー。興奮したら笑ってやろうと思ってたのに。そっか、エスカルゴって貧乳好きだっけ」

 

カルゴ「どこから来たんだその設定」

 

にとり「あれっ、違うの?1番の彼女だっていうフランちゃんが貧乳だから、てっきりそうなのかと思ってたけど。というか妖怪の山ではそういう設定になってるよ?エスカルゴのキャラは」

 

カルゴ「えー……」

 

とんだデマ情報だなぁ…。

 

カルゴ「というか、なんでみんな俺の好みとかに興味あるんだよ。意味わからないぞ恥ずかしい」

 

にとり「決まってるじゃん、みんなエスカルゴを狙ってるからだよ」

 

カルゴ「はぁ!?」

 

俺を狙う…って、どゆこと!?

 

にとり「何年か前の紅魔館再建の時や、私に会いに玄武の沢に来た時とかにさ、ほかの河童たち、エスカルゴの事見たじゃん?」

 

カルゴ「あ、あぁ…」

 

7、8年前だったかな…?

 

にとり「それで、『あの人カッコイイ』ってさ、エスカルゴに惚れた子、何人もいるんだよ〜?」

 

カルゴ「えぇ…」

 

にとり「あと、何年か前に白狼天狗とぶつかった時も、あれからエスカルゴに目をつけた白狼天狗の女子、結構居るんだからね?よっ、モテ男♪」

 

カルゴ「マジか…」

 

全く知らない相手から惚れられるってのはなんて言うか…なんとも言えない気持ちになるな。

つーか天狗って、同種族の者としか恋仲になるの禁止だったよな?文の時は…そりゃーもう、クソみたいに大変だった。

 

にとり「感謝してよねー?私が河童の仲間に口聞いて、エスカルゴに思いを伝えようとしてる子を止めてるんだから」

 

カルゴ「そうなのか…ありがとう」

 

うわー…。俺の知らねー所で、色々めんどくせー事になってんだな…やっぱにとりには感謝だぜ。

 

にとり「でも、中には大変な子も居るんだよー?自分のモノにならないなら尻子玉抜いて殺すって感じの子とか」

 

カルゴ「怖っ!!」

 

にとり「まっ、紅魔館のメイドに痛い目に遭わされて懲りたみたいだけどね」

 

カルゴ「ほっ…」

 

…え゙っ、紅魔館まで行ったのかよ。

いや、今はそれどころじゃない、早くしなきゃ。

 

カルゴ「そーだ、あれもらいに来たんだった」

 

にとり「あっ、すっかり忘れてた。えーと…エスカルゴのは…はいっ、これ!」

 

ゴソゴソと傍らのリュックから取り出したのは、真っ黒な布…もとい、薄いコートのような物だ。若干震える手を伸ばし、それを受け取る。

 

カルゴ「これが光学迷彩スーツ…」

 

にとり「それ纏ってボタンになってるスイッチを押せば、誰からも見えなくなるよ〜。あ、解除も同じ方法ね」

 

カルゴ「ふむ…。ちょっと着てみる」

 

にとり「うんうん!」

 

剣を下ろし、バサッとコートを纏う。

通気性がバツグンらしく、見た目ほど暑くない。

 

カルゴ「…あり?ボタンになってるスイッチって何処にあるんだ?見当たらないが…」

 

にとり「右ポケットの入口のとこだよ!」

 

カルゴ「右ポケ…あっ、これね」

 

何でここにつけたんだ。

 

黒に黒のボタンなので、あまり目立たない。

ボタンを押し込むと、カチッという感触が指に伝わってきた。

 

にとり「おー、消えたー!」

 

カルゴ「マジ?自分じゃわからないぞ」

 

にとり「鏡見て、ほら!」

 

何処から出したのか、鏡をこちらに向ける。

しかし残念なことに…。

 

カルゴ「ごめん、吸血鬼は鏡に映らないんだ」

 

にとり「ううん、これは私が作ったヤツ!吸血鬼でも幽霊でも映せる鏡だよ!」

 

カルゴ「マジか」

 

鏡を覗き込む。何も映っていない。見えるのは、俺の背後の景色だけだ。ペンチやレンチ、ハンマーなどの工具がズラリとならんでいる。

 

にとりってマジですげぇな。

外のテクノロジーなんてとうに越えてんじゃん。

 

にとり「全く見えないけど、今何処にいるの?」

 

カルゴ「さっきと同じくにとりの目の前」

 

それを聞くと、本当に目の前にいるのかを確かめるためか、鏡をその場に置き、恐る恐る手を伸ばしてきた。手を伸ばす意図を読んだ俺は、その手にタッチする。

パァンとイイ音が仕事場に響いた。

 

にとり「おぉー!ほんとに居る!」

 

カルゴ「こりゃ凄い。ありがとうな!」

 

光学迷彩を解除して、にとりに頭を下げる。

 

にとり「いえいえ〜!さ、お代金ちょーだい!」

 

カルゴ「ほいほい。…50枚あるはずだ」

 

財布から、ミニミニ金庫から引っ張り出してきた諭吉さんを50人動員する。思っていたより厚い。

 

にとり「わお、一括とはすごいなぁ!分割払いでいいって言ったのに」

 

受け取ったお札を数え終え、ポケットに無造作にねじ込んで、感嘆の声を漏らすにとり。落としてしまわないかが心配だ。

 

カルゴ「俺って意外と忘れっぽいからさ。一括の方がいいんだよ」

 

にとり「なるほどねー。(そんな感じしないけど。約束とかそういうのは絶対忘れないじゃん)」

 

カルゴ「それじゃ、そろそろ行くわ」

 

にとり「はーい、またいつでも来てねー!」

 

カルゴ「おうよ〜」

 

急がなきゃ…!

 

剣を光学迷彩スーツの上から佩(は)き、仕事場を出て飛び立つ。行き先は────。

 

 

 

 

 

 

 

にとりSide

 

にとり「あ…しまったなぁ…。ローターとバイブの用途を聞くの忘れてた…」

 

私は、半年くらい前に、エスカルゴから謎の製品の制作を依頼された。1つは、棒状で震える物。棒状なら何でもいい、みたいな事言ってたから、とりあえずきゅうり型にしておいた。もう1つは丸いものがコードでモーターと繋がっているっていう、何に使うのかよくわからない物。催眠術?

どちらも、震える強さは0を含めて5段階。

用途がわからないから試すことも出来なかったんだけど、「強さが変えられたらそれでいい」って言っていたような気がする。

「今度会ったら聞こう」と、半年以上はズルズル伸ばしている。コードの方…ローターは、何個もお願いされたから、予備も数個作ってある。

 

にとり「ほんと、何に使うんだろ、コレ…」

 

スイッチを入れ、ウィンウィンと震えるバイブをボーッと眺めてみる。特に用途は思いつかない。

そんな事をしていると、急に扉を叩く音が聞こえてきた。それと、女の声も聞こえてきた。

 

??「にとりー、居るー?」

 

誰だっけこの声…とりあえず入れようかな。

 

にとり「居るよー、入ってきていーよー」

 

武器を構えつつ、その訪ねてきた人物を仕事場に招き入れる。入ってきたのは、幻想郷では知らない者は居ない、博麗の巫女だった。

 

にとり「霊夢じゃん、どーしたの?」

 

ここしばらく会ってないから声忘れてた…。

最後に会ったのって、お花見の時の宴会かなぁ?

 

霊夢「エスカルゴ居ない?」

 

にとり「え…さっきまで居たけど、どうして?」

 

霊夢「あのバカね、私と霊愛のお団子を全部食べやがったのよ…!妖気がここで途切れてるから、この中に居ると思うんだけど…奥入っても良い?良いわよね?」

 

にとり「ちょちょちょ…」

 

急にガサ入れしてくる霊夢のことを止める。その背後…仕事場の入口には、幼い娘が顔を覗かせている。

 

霊夢「ここで途切れてるってことはここに居るんでしょ。匿ってないで出しなさい」

 

にとり「居ない居ない!さっき帰ったってば!」

 

腕をがっしり掴み、侵入を拒む。

この先には、河童仲間ですら知りえない、私だけの秘密の技術もある。霊夢を媒介に伝わっては、これまで隠していた意味が無い。

 

霊夢「じゃあなんでここに来たの?なんで妖気が途切れてるの?」

 

にとり「今日は、エスカルゴの注文品の受け渡し日だったんだ。だからそれを取りに来たんだよ。妖気が途切れてるのは、入口から飛び立ったからじゃないかな?」

 

霊夢「ふむ…なるほど、一理あるわね。ところでアイツは何を注文したの?」

 

にとり「それは言えないね!私達には、顧客情報守秘義務があるんでね!」

 

霊夢「何よそれ。とりあえず、あいつは今ここに居ないのね?」

 

にとり「うん、居ない。天地神明に誓っていい」

 

霊夢「紫並に胡散臭いわ…。ま、いいわ。霊愛、行くわよ。もう1回、魔法の森に戻ったかもしれない。探してみましょ」

 

霊愛「はーい」

 

そういえば、なんで光学迷彩スーツを…?

 

 

 

 

 

 

 

エスカルゴSide

 

カルゴ「霊夢達が来るまでに、どーにかして団子弁償せな…!それにしても、光学迷彩スーツ高ぇな…それだけ、河童の技術が詰まってるって事なんだろうが…。クソッ、残金0円だぜ…」

 

仕事場を出た俺は、魔法の森の中に居た。

ここなら霊夢達が追ってくることも無いと思う。

 

カルゴ「こんな早く出番が来るとはなぁ…」

 

俺が光学迷彩スーツを欲したのは、他でもない。

てゐとイタズラを計画したからだ。まさかこんなすぐに出番が来るとは思わなかったが…。

 

霊夢「くぉらエスカルゴー!!出てきなさーーーい!!!」

 

カルゴ「っやべぇっ!?」

 

声の聞こえてきた方を見ると、霊夢と霊愛の姿を発見した。何故か、胞子が効かないらしい。

それを見、弓に弾かれたように飛び出し、魔法の森近くにある建物に逃げ込んだ────。

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