※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

26 / 1140
若干のキャラ崩壊注意。
それが誰なのかは伏せときます。


四者デート?

準備が整った。

まぁ俺らは着替えただけだが。

 

一緒に着替えたのかって?

…咲夜さんに止められた。まぁ良いけどさ…。

 

 

意外にも、準備に時間がかかってたのは咲夜さんだ。

傘の他に何を持ってきたんだろう?

 

 

「早く行きましょっ!!」

 

フランは凄くテンション上がってる。

玄関でピョンピョン飛び跳ねている。

 

「あんまりはしゃぐと転ぶわよ」

 

「まだ外出てないも〜ん!大丈夫大丈…キャッ」

 

ツルッ ゴォン!

 

「いったぁ〜い!頭打ったぁ!」

 

言ってるそばからコケた。

床はツルツル滑るからな、仕方ない…。

 

屋内だからって油断は禁物だな。

 

「ほら見なさい」

 

「大丈夫か?」

 

「あはは…大丈夫だよ…」

 

「それでは参りましょうか」

 

特大の日傘を広げた咲夜さん。

ホントにデカい…。直径2メートルくらいだ。

 

「しゅっぱーつ!」

 

 

 

 

 

かなり歩いたな。

ここは、山…というか森の中だな。

日差しが強いので森の中といえど日傘は必須だ。

 

「それにしてもこれ…随分と大きいわね」

 

「以前エスカルゴさんと妹様がデートなさった時は1人用の日傘でして。少し大きめのを調達しました」

 

「良いんじゃない?」

 

「そ、そんな、デートだなんて/////」

 

「違うんですか?」

 

い、いや…まぁそうだけどさっ!!

 

「え、えと…お散歩ですお散歩っ!!」

 

「そうよ〜、だってデートらしいこと出来なかったし、絡まれたりしたしね〜」

 

グサッ…

 

「ま、また誰かに絡まれたら今度は俺がブチのめすから大丈夫大丈夫」

 

絡まれる…か。懐かしい…。高専の制服着てるだけで底辺校の不良共に絡まれてさ…。まぁ頭突きして痛がってる時に逃げたけど。ハァ…あんなのは二度とゴメンだ。幻想郷にはそんな不良居ねぇよな?

 

「物騒ねぇ…」

 

「そう言うけど…この前はお前の妹がチルノのこと吹っ飛ばしたんだぞ?」

 

「あれはチルノが悪いのっ!」

 

「ま、まぁな…いきなり頭狙ってきたしな」

 

「でも今日はあいつ居ないもーん♪…あれ?」

 

「ん?どした?」

 

「あそこの木陰に誰かいる」

 

フランが指をさす。

 

「…ん?」

 

ふむ、確かに誰かいるな。

赤いハンカチ?リボン?のようなものがチラッと見える。ルーミアかな?

 

「ねぇねぇ!そこにいるのだぁれ?」

 

フランが躊躇無く尋ねる。

 

ピョンッ

 

木陰から飛び出してきた。

 

「見つかったのかー♪」

 

やはりルーミアだ。

 

「あー!ルーミアだ!やっほー!」

 

傘から飛び出しルーミアの元へ駆け寄るフラン。

 

「妹様っ!」「こら、フラン!」「おい!」

 

慌てて追いかける俺たち3人。

すぐ追いつき傘の中に入れる。

 

「全く…急に飛び出さないでよっ!」

 

「ゴメンゴメン♪」

 

「こんな所で何してるのー?」

 

「みんなでお散歩さ。ルーミアこそ何してるの?」

 

「んー、なんとなくボーッとしてたー」

 

「そーなのかー」

 

「うん。私もお散歩混ざっていーい?」

 

「えっ?」

 

「ダメかな?」

 

「いいよいいよー!ねっ、お姉様っ♪」

 

「…そうね。(邪魔さえしなければ)ボソッ」

 

「何か言ったのかー?」

 

「いえ、なんでもないわ」

 

「じゃ、行こー。…あれ?どこ向かってるの?」

 

「どこも〜?ブラブラしてるだけ〜」

 

「そーなのかー。何か食べたりは?」

 

「考えてなかったな〜」

 

「この森を抜けた先に人里があります。そこでなにか探してみませんか?」

 

「名案じゃない!流石咲夜♪」

 

「ありがとうございます」

 

ふむ…人里か。そういえば、幻想郷に来てからそこそこ経つけど咲夜さんと魔理沙以外の人間には会ったことないな。

 

 

 

「ここですね」

 

『わぁー…!』

 

おお…なんか江戸時代に迷い込んだ感じがする。

時代劇で見たことあるような風景だ。

お店が多いな。というか店ばかりだな。

でも全く人がいないな。

それぞれのお店の前にある旗には「お団子」「みたらし団子」「せんべい」「濡れせんべい」「芋けんぴ」などと書いてある。

意外と種類あるんだな。

似たような店がいくつかあるのはスルーしよう。

 

「結構あるな。何食べようか?」

 

「私お団子〜!」

 

「私も」

 

「私もお団子ー!」

 

ふむ、フラン、レミリア、ルーミアはお団子か。

 

「俺もお団…あ、咲夜さんは何が良いですか?」

 

「私は結構ですよ」

 

「でも、折角ここまで来たんですから…何か食べませんか?」

 

「ではお言葉に甘えて…。私もお団子で。フフッ」

 

「はははっ、皆おんなじだ!」

 

「そうだね!あはははっ!」

 

「じゃ、行くかっ!」

 

『うんっ!』

 

 

 

店の前に来た。向かいには濡れせんべい屋がある。

お団子屋と同じく濡れせんべい屋にも長ベンチがある。

ホントに長いな、7人は座れそうだ。

公園にあるようなやつとは全然違う。

 

店の人が居ないからとりあえず声掛けてみるか。

 

「すいませーん!」

 

「はいよー!なんだい、注文かーい?」

 

野太い声が奥から聞こえてきた。姿は見えない。

 

「そうでーす!」

 

「はいよー!で、注文は?」

 

「お団子5本下さーい!」

 

「ほい、5本なー!ちぃっと外の椅子で待っててくれやー!」

 

「はーい!」

 

声から察するに、この店の店主は元気なおじさんってとこか。

 

 

 

「へいお待ちっ!彼女らと仲良く食べるんだぜっ!」

 

おお、来た来た。早いな。

おじさんは、タオルを首にかけたら似合ってそうなおじさんだ。祭りには何かしらの屋台を出してそうだ。

 

やけに大きい皿だな。

5本だけなのにそんなに大きな皿使う必要あるかな?

というか、寿司屋みたいな掛け声だな。

などと思いつつ運ばれてきた皿を見ると…。

5本頼んだのに10本乗っている。えっ?

 

「おじさん!本数多いよ!?」

 

「おまけだおまけ!金は5本分でいいぜぃっ!」

 

わお…これは驚いた。ここは素直に甘えるか。

 

『ありがとう!!』

 

皆でお礼を言う。

 

「イイってことよ!」

 

お金を払い、またベンチに腰掛け皆で食べる。

 

1串につき5個も刺さってる。

俺のイメージだと1串につき3個なのだが。

ま、そこは「流石は幻想郷」という事にしとくか。

 

「ねぇねぇエスカルゴ!このお団子おいしーね!」

 

「そうだな!」

 

うん、これは美味しい!

遠くまで来た甲斐があったというものだ。

また来ようかな…。

 

「咲夜の作る料理と同じくらい美味しいわ」

 

「美味しいのだ〜!」

 

「これは…!ぜひ今度試しに作ってみたい…!」

 

レミリアもルーミアも気に入ったようだ。

咲夜さんはなにやら感銘を受けたようで、作ってみたいと言っている。咲夜さんならすぐ作れそうだな。

 

 

 

「あ〜ん、もう無くなっちゃった〜…。ね、私もう1本食べたいっ!」

 

同感だ。

 

「クセになるわね」「もう1本〜」「味の研究に…」

 

咲夜さんまでも!あれまぁ…。

よし、注文するか。

 

「おじさーん!5本追加お願いしまーす!」

 

「悪ぃな兄ちゃん、あいにくだが2本分しか材料が残ってねぇんだ…。代金は要らねぇからそれで勘弁してくんねぇか?」

 

「わかりました。では2本お願いします。でも代金はきちんと払わせて下さい」

 

「すまねぇな」

 

「いえいえ」

 

うむ、仕方ないな。

 

「えーと、5個×2本÷5人だから1人2個だな」

 

「材料が無いなら仕方ないわね…」

 

「そうね…」

 

レミリアもフランもしゅんとしてしまった。

羽がしょんぼり垂れ下がっている。

 

…ここは我慢して俺の2つを2人に分けるか。

 

「俺の2人にあげるよ、それで今回は我慢してくれ」

 

『良いのっ!?』

 

「ああ、良いよ」

 

『ありがとうっ!』

 

「そのかわり、後でほっぺ触らせてくれよな」

 

『うんっ!!』

 

2人とも機嫌が直ったようだ。

寧ろ機嫌が良くなったみたいだ。

羽が小刻みにパタパタしてる。

 

「へいお待ち!そうそう、食べ終わったら皿はそこに置いててくれ!」

 

「はーい、ありがとうございます!」

 

パクッ

 

『美味し〜♪』

 

「わはー♪」

 

「再現…出来るかしら…」

 

フランもレミリアもルーミアもあっという間に食べ終わった。

咲夜さんはブツブツ言ってる。

もしこの味を再現出来たとしたら凄いな。

 

 

 

「ごちそーさまでしたー!お皿置いときまーす!」

 

「あいよー!ありがとなー!」

 

「はーい!」

 

無言で去るのもどうかと思ったので一応声かける。

最初と同じく店の奥から声が返ってきた。

 

「じゃ、ぼちぼち行きます……ん?」

 

濡れせんべい屋のベンチから2人の男がこっちに歩いてきた。俺のことを睨みながらだ。「ガン飛ばす」ってやつか。男は2人とも中肉中背…俺と同じくらいか。

 

そして、俺の前に立ち止まり、話しかけてきた。

 

「おう兄ちゃんよ、昼間っから幼女連れ回して何やってんだ?」

 

ピクッ…

 

「幼女…?」

 

幼女と言われたからか、不機嫌そうな声でレミリアが聞き返す。

 

「あ?どー見ても幼女だろうがよ」

 

「あんたらね…!」

 

言い返そうとするレミリアを手で制止する。

 

「ちょっ、ちょっとぉ!」

 

「良いから」

 

「…ったく…」

 

「あ?それで女守ったつもりかよ?」

 

その通りだが…なんかムカつくな。

 

「は?んなことどーでもいいだろ。てかお前ら、この人が誰だかわかんねぇの?」

 

ちょっとキレ気味に言い返す。

 

「知らねーよ、お前バカじゃねーの?」

 

「へぇ…?」

 

そーか、知らねぇなら俺がコイツら潰しても紅魔館の評判が下がることは無いな?

紅魔館のイメージダウン…これだけは避けたい。

たとえ人が来なくても、だ。

 

「なにが『へぇ…』だ。なぁマサくん、コイツ生意気だからシメちまおうぜ!」

 

「あぁそうだなカズ」

 

Oh la la…幻想郷にも「シメる」って言葉あるんだ。

 

こんなヤツら、相手にしてらんねーや。

せっかくの散歩が台無しだ。

 

「人間風情が…この俺に勝てるとでも…?」

 

ちょっとキレてる。

 

「ヒョロヒョロしてる奴が何言ってんだよ!」

 

「…チッ」

 

ん?後ろから舌打ち?

俺の後ろには咲夜さんしか居ないはずなんだが…。

 

チラッと後ろを見ると…うわっ、咲夜さんがすげえ形相でアイツらを睨んでる。今にもナイフ投げそうだ。

 

「おい!何とか言えよ!」

 

豚が…ピーピーうるせぇな。

 

「うるせぇ…よっ!」

 

カズと呼ばれた方の男の金玉を蹴った。

 

ブチッ

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」

 

あっ、もしかして睾丸潰れた?まーいーや。

 

「か、カズぅ!!て、テメェェェェ!!」

 

ガシッ

 

同じ事やり返せば良いだけなのに、なんで胸ぐら掴むんだ?バカなの?ま、蹴られても避けられるけどね。

絡む元気はあるのに手を出す勇気はないのかな?

 

掴まれ、グイッと引き寄せられたから頭を相手の顔に向け、そのままの勢いで頭突きする。

 

グシュッ

 

「お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙あああああああああ!!!痛っでぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

響き渡る叫び声。

 

…鼻の骨折れた?い、いや、まぁすぐに治るだろ。

というか、それだけアイツの引き寄せる力が強かったってことなんだからな。

俺は頭出しただけだからな。馬鹿なやつだ。

 

両手で鼻を抑え、尚も叫びまくってる男。

近所迷惑だな。これじゃ人が集まって「紅魔館の吸血鬼が人里の人間を傷つけた」などと話題になりかねない。

コイツらがスカーレット姉妹を知らずとも、人が集まれば1人くらいは知ってそうだからな。

ちなみに、カズの方は痛みのあまり気絶している。

 

「うるさい」

 

「うああああああああああああっっっ!!!」

 

ジタバタしながら叫びまくってる。

俺の言葉など耳に入ってないようだ。

駄々をこねる子供みたいだ。

 

「あはは、面白〜い!」

 

おいおいルーミア、これ見て面白いって…。

 

「ふんっ、いい気味ね」

 

レミリアは見下すような笑みを浮かべている。

 

「あははっ、痛そうだねー!」

 

痛そうじゃなくて凄く痛いんだぜ、フラン。

ま、カズの方が痛いがな。

 

さてと、人が集まる前に始末するか。

 

「雷武器『雷刀』」

 

雷刀を装備する。

決まってる、気絶させて黙らせる為だ。

 

「ヒィッ!?や、やめろぉ!!許してくれ!」

 

「…………」

 

「やっちゃえ〜!」

 

「やってしまいなさい」

 

「やるのだー♪」

 

「許してくれ許してくれ許してくれ許して…」

 

バチッ…ザシュッ

 

頭から真っ二つに斬った。

 

言葉途中で気絶したマサ。

人間にはどれくらい効くのか見ていたいが、人が集まるといけないので、移動するとしよう。

 

「さぁ、移動しよ…」

 

「おお!?兄ちゃん、こりゃあ一体なんだ!?」

 

叫び声につられたのだろうか、奥に引っ込んだハズの団子屋のおじさんが出てきた。

 

「なんか絡まれたので、股間蹴ったり顔に頭突きしたらこうなりました」

 

「兄ちゃんすげぇなぁ!!」

 

「いえ、そんな…」

 

「おい皆ァ!アイツらがとうとう成敗されたぜっ!」

 

「あっちょっ…」

 

おじさんが手をメガホンのようにして叫ぶ。

それと同時に色んな建物から人がわらわら出てきた。

勘弁してくれよ…。

 

「なんだいタツロウ、騒がしいね」

 

おばあさんが団子屋のおじさんに言う。

おじさん、タツロウって言うのか。

 

「そりゃあ騒がしくもなるさ!あのゴロツキ共が成敗されたんだぜぃ!?」

 

倒れてるカズとマサを指さしながら叫ぶおじさん。

 

「あれまぁ!!誰がやってくれたんだい!!」

 

「そこにいる兄ちゃんらさ!!」

 

「おやまぁ…!ありがとうございます、これで多分アイツらも懲りたことでしょう!」

 

「あの…どういう事ですか?」

 

状況がよくわからん。なんでこんなに喜んでるの?

 

「アイツらはたまにここへ来ては悪さを働くゴロツキで。無銭飲食をし、それを咎めると暴力を振ってくる…」

 

うわぁ…。

 

「ここまでコテンパンにされたら黙るでしょう!」

 

「そ、そうですか…?」

 

『ありがとうございます!』

 

えっと…つまり…?結果オーライってことか。

 

「わはー…♪」

 

?ルーミア?

ゲッ、なんか人混みの奥の方を見つめ、目を輝かせてヨダレ垂らしてる!

えっ、なんかヤバそうな感じなんだけど!?

 

「いえいえ。では俺らはこれで」

 

「おう、そうだ兄ちゃん、ちょっと待ってくれ!」

 

「…?」

 

なにか取りに戻った。

 

「せめてもの礼だ、持ってってくれ!」

 

壺を渡された。中身はなんだろう?

 

「中身は漬物だ、散歩しながらでも食べれるぜ!」

 

ウインクするおじさん。

 

「おお、ありがとうございます!」

 

「もう少しゆっくりして行かれては如何ですか?」

 

「すいません、まだ予定がありまして」

 

「そうですか…それは残念です。では、またお越し下さいね」

 

「ええ、近いうちに、また。それでは」

 

『ありがとうございました!!』

 

背を向け元来た道を戻ろうとしたが、声が聞こえたので振り返り一礼する。

 

ヨダレ垂らしてるルーミアを半ば引きずりながら歩き始めた。

 

 

 

そしてここは森の中だ。

 

「さっきからどうした?人出て来てから皆して黙ってたけど?」

 

「人…多いのは苦手なの」

 

「私もよ…。妖怪とかならまだしも…ね」

 

「あまり人に慣れていないせいでしょうか…ああいうのは苦手なんです」

 

「な、なるほど…」

 

へぇ…そっか…。いやまて。

 

「人多いのが苦手なのになんで人里に行こうと?」

 

「こ、こんな森の奥にある人里なので、人間は少ないと思ったんです。そうしたら意外に多くて…」

 

「なるほど、そういうことですか」

 

「はい…」

 

「ルーミアはどうしたんだ?ヨダレ垂らしてさ」

 

「美味しそうだった!」

 

「…なにが?」

 

「奥の方にいた女の人!」

 

…ひぇぇ…。ルーミアって肉食キャラだっけ?

まぁいいや。兎に角、早々に退散して正解だったな。

あのままでは食べちゃってたかもしれないから。

 

「は、早めに退散して良かったですね」

 

「そうですね…」

 

カァ、カァ…

 

カラスが鳴いている。

いつの間にかオレンジ色の空だ。

 

「どうしますか?」

 

「う〜ん…そろそろ帰りますか…?」

 

「もう少し遊びたい〜!!」

 

「そうね…もう少し遊びたいわ」

 

「…咲夜さん、どうしますか?」

 

「…たまには良いですよ」

 

『やったぁ!!』

 

「じゃあじゃあ、どこ行く!?」

 

「う〜ん…どこがいいかな…」

 

俺は、幻想郷内の地理は全くである。

だが、人が少なければいい。

まぁ、紅魔館周辺はなんとなく覚えてきたが。

 

「…ん?なんかいい匂いがする」

 

「そう?……あっ、ホントだ!」

 

何の匂いだっけ…どこか懐かしいような匂い…。

 

「焼き鳥…ですかね?」

 

咲夜さんが言う。…はっ!焼き鳥!

 

「なぁ、焼き鳥食べに行かないか?」

 

「いいわねっ!行きましょ!!」

 

「私はもう疲れたわ…帰りましょ…」

 

「え〜、お姉様もう疲れたの〜?私はまだまだピンピンしてるよ〜!」

 

「なっ…!私もまだ大丈夫よっ!」

 

「あはは、意味わかんな〜い!」

 

「キィ〜ッ!」

 

「ほらほら落ち着け2人共」

 

『う〜…』

 

「それにしても、この匂いはどこから来てるんだ?」

 

「こっちだよ〜」

 

「え?」

 

ルーミアが先頭に立ち案内を始める。凄いな。

 

「って、そっちは獣道じゃ…」

 

「そうだよー。でも、近道したいでしょ?」

 

「まぁ…ね」

 

「じゃ〜行こ〜」

 

 

 

「細い道だなぁ…」

 

「傘閉じますね」

 

「あっ、はい」

 

確かに日傘は不要だな。さすが獣道、暗い。

さっきまでのようなちゃんとした道とは違って、狭いしジメジメしてるような気がする。

 

「この先まっすぐ行けばミスティアいるよ〜」

 

「あれ?ルーミアは行かないのか?」

 

「そろそろ帰るー、今日はありがとうね!」

 

「じゃーねー、気をつけてね!」

 

「うん!」

 

こうしてルーミアは暗い森の中に姿を消した。

オレンジ色だった空はいつの間にか漆黒の闇に包まれている。もう夜か。

 

「…じゃ、行くか」

 

「そうね」

 

 

 

少し歩くと、オレンジ色の光が見えた。

優しい色だ。屋台も見えた。

 

「お、屋台が見えたぞ。あれかな?」

 

「多分ね」

 

暖簾をくぐる。そこに居たのはミスティアだ。

 

「いらっしゃ〜い。あ、エスカルゴさんだ!」

 

「やぁ。いい匂いがしたから来てみたよ」

 

「ありがとうございます〜。何にします?」

 

屋台の内側に品名が書かれた板が釘で打ち付けてある。

 

「じゃあ、私つくねのタレで!」

 

「ネギのやつ、ネギ増しで。私もタレ」

-{}@{}@{}-

 

「お姉様、ネギ好きなの?」

 

「まぁね」

 

意外だな〜…。

 

「咲夜さんは?」

 

「…ぼんじりで。塩でお願いします」

 

「じゃあ俺は〜……」

 

ん?秋刀魚なんてあるのか。

 

「秋刀魚のタレで!」

 

「は〜い」

 

目の前で焼かれている魚や肉を見るのはいつぶりだろうか。久しく見てないような気がする。

 

「お待ちどお!」

 

「美味しそ〜!」

 

「いい匂いね〜」

 

「…ゴクリ」

 

「おおー!」

 

『いただきまーす!』

 

パクッ

 

「ん〜っ!美味し〜♪」

 

「イけるわね」

 

「…私も…作ってみたい…」

 

!?咲夜さん、なんか今日凄いな。

てかキャラ崩壊してない?まぁいいか。

 

紅魔館で団子や焼き鳥が食べれる日もそう遠くないかもしれないな。なんとなくそう思う。

 

 

 

『ごちそうさまでしたー!』

 

「まいどー」

 

 

 

「はぁ〜、美味しかった〜」

 

「そうね〜…お腹一杯になったら眠くなってきちゃったわ…ふあぁ…」

 

「私も…」

 

歩きながらウトウトし始めた姉妹。

そして倒れかけた所を抱きとめる。

 

「お、おい!館までもうちょいだぞ?」

 

「もう無理ぃ…」

 

「うぅ〜…」

 

おんぶするか。

 

「咲夜さん、レミリアお願いします。俺フランおんぶしますので」

 

「わかりました。あっでも日傘が…」

 

「傘は俺に渡して下さい」

 

「すいません、お願いします」

 

傘をズボンに引っ掛けた。

かなり不格好だが…まぁいいだろう。

 

 

 

そうして歩くこと体感時間およそ20分。

なんとか館にたどり着いた。

 

「ふぅ…」

 

「お疲れ様でした」

 

「…咲夜さんこそ」

 

「ありがとうございます」

 

「…どうします?このまま寝かせますか?気持ちよさそうに寝てるのに起こすのはなんか…」

 

「そうですね。では、連れていきますか」

 

「はーい」

 

 

 

「よい…しょっと…」

 

「…ふう…」

 

2人をベッドに下ろした。

 

「咲夜さんはこれからどうするんですか?」

 

「いつも通り、明日の仕込みをしてから休みます」

 

「お疲れ様です。俺はもう寝ます」

 

「わかりました。おやすみなさいませ」

 

「おやすみなさい」

 

バタン

 

「…寝るか」

 

わざわざ2人の間に割り込むのもあれなので、椅子に座って寝ることにした。

たまにはこういうのも悪くないな。

 

 

 

疲れたからか、すぐ眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

だが、しばらくして目が覚めた。

 

「…腹減ったな…」

 

さっきは俺も腹一杯だと思ったんだがな…。

 

「あっ、そうだ」

 

さっき団子屋のおじさんから貰った漬物を食べよう。

 

パカッ

 

「…?暗くてよく見えないな…なんだこれ?」

 

ひとつを手に取って食べてみる。

 

パリッ…パリッパリッ

 

キュウリだ!塩味がなんとも言えない!

 

ついつい半分ほど食べてしまった。

美味しかったからな。

 

「…寝るか…」

 

 

 

また眠りについた。




頑張りましたっ!
今日中にもう1本投稿したいです!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。