※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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エスカルゴは元人間なので、いつもより少しばかり人間っぽさを出してみました。


出来心

「…んっ…ふわああぁぁぁ………はふぅ…」

 

横になりながら特大のあくびをした。

…起きたか。

まぶたが重いなぁ…。寝よ寝よ…。

 

「……………」

 

寝ようにも寝られんな…。たっぷり寝たからか。

しゃーなしやな。

 

パチパチ…

 

体を横たえたまま、まばたきする。

垂れたうさ耳が視界に入る。

枕元には…正座したまま眠っている鈴仙がいる。

あれからずっと居てくれたのか?

…よく倒れないな…。

 

えっと…まだ頭がボーッとしてるな。

とりあえず状況を整理しよう。

 

 

腹痛を起こし、この永遠亭に運ばれ、手術を受けた。

そして目覚めて、食べ合わせのせいでガンになったことを告げられるものの、同時に完治したことも告げられた。

そして検査を受け、その検査疲れもあるのか、検査が終わるなり俺は寝た。

 

 

そして今に至る…と。

ふむ…。

あれ?レミリアとフランが来るって言ってなかった?

…どうしたんだ?ちぇっ…まぁいいか…。

 

「…スゥ……スゥ……」

 

鈴仙は、まだ正座したまま、頭も垂れて寝ている。

そんな格好で寝たら絶対首痛くなるぞ。

 

布団は一つしかないから…ここは、俺が布団から出て鈴仙を寝かすか。

 

 

 

「よっ……ん?」

 

起き上がろうとして1つの事に気付いた。

 

鈴仙はミニスカだ。そして、正座だ。

 

となれば…見えるかもしれない。

 

「………」

 

ダメだ、色々良くしてくれたのにそんなこと…。

ああでも…でも…!

 

ウズウズ……

 

衝動を抑えられない…。…寝てるなら…。

って、こんなこと、普通の吸血鬼は考えないだろうな…。こう考えるのは俺が元人間故…かもな。

 

よし、やるか。

 

ドキドキドキ……

 

心を決め、枕から頭を少し上げ、太ももの間を覗く。

 

……暗くてよく見えんな…。でも、そりゃそーだな、スカートの奥なんか暗くて肌色と黒しか…………ん?

 

暗いところを凝視してて闇に目が慣れたからなのか、別な色が見える。

 

もしや…あれが?だとしたら色は…

 

「………白?」

 

思わず口に出してしまっていた。

 

「…何見てるんです?」

 

ビクゥッ!!!

 

ちょっと怒ったような声で言う鈴仙。

いや、ような、では無く怒ってるな。

 

それにしても驚いた…。え?バレた?ヤバイ…!

 

恐る恐る鈴仙の顔を見ると…。

恥ずかしさと怒りからか、顔が真っ赤になっている。

 

「あっ、えっとこれは…」

 

焦って身体を起こす。

 

「助平っ!!」

 

バチィィィン!!

 

「あたっ」

 

左頬をビンタされた。

結構痛い。

 

「す、すいません…」

 

「全く…油断も隙もないんですから!!」

 

「ごめんなさい…」

 

「ま、まぁ…枕元で寝てた私にも非はありますし…。お師匠様には黙っててあげます」

 

いや…普通に俺が悪いんだが…。

黙っててくれると言うなら…いい…のかな?

 

「ありがとうございます…」

 

「なんで覗いたんですか?」

 

「…い、色が…何色か知りたかったから…」

 

「はあ…」

 

大きなため息をつく鈴仙。

 

「ほんっっっと助平ですねあなたは!」

 

大きめな声で罵る鈴仙。

やばい、この声量では多分室外にも聞こえる…!

 

「す、すいません!!」

 

「もう見ないで下さいねっ!」

 

「はい…」

 

「そぉんなに助平助平連呼して、一体なぁんの話してるウサ〜??」

 

妙にイラつく口調で室外から話しかけてくる人物が。

てゐか。めんどくさいことになったかも…!

 

バーン!

 

「へっへっへー、因幡てゐ、再び参上っ!!」

 

ふすまを勢いよく開け、また名乗るてゐ。

 

「うるさい」

 

「いてっ」

 

鈴仙がてゐにチョップしてふすまを閉めながら注意する。

 

「何でここに居るのよあんたは…」

 

鈴仙が呆れ気味に尋ねる。

 

「なぁんか2人の話し声がしたからぁ〜、ちょっと見に来ただけウサ〜」

 

「じゃあ、なんで連呼したってわかるの?あまり話してないから最初あたりから居なきゃわからないはずよ?」

 

「…バレたウサ?」

 

「バレバレよっ!いつから居たの?答えなさい!」

 

「…最初からウサ〜」

 

そう言いながらニヤニヤしてるてゐ。

 

「…どこから見てた?」

 

言い方を変えて、見てたことを前提に聞いてみる。

 

「エスカルゴがスカートの中を覗く瞬間からウサ」

 

平然と即答する。

 

「ちっ…」

 

「ちょっ…てゐ!!」

 

「なに〜?」

 

「なにじゃないわよ!何普通に答えてるのよ!?」

 

「聞かれたことに答えただけウサ」

 

「〜〜〜!!」

 

また顔を赤らめる鈴仙。

…なんか…その…すまん。

 

「エスカルゴも物好きウサねぇ。こんな妖怪兎のパンツなんか見て何が良いのやら。理解不能ウサ〜」

 

やれやれ、と両手をあげて首を振るてゐ。

改めて言われると俺まで恥ずかしくなってきた…。

 

「妖怪…兎…?」

 

ワナワナと震えてる鈴仙。

 

『?』

 

「あんたが言うなー!」

 

ドォーン!

 

胸を押し、てゐを突き飛ばした鈴仙。

こりゃまた派手に…。

 

ゴンッ

 

「キュゥゥ…」

 

頭をぶつけて伸びたてゐ。

 

「全くこいつは…」

 

「…ごめんなさい」

 

もう一回謝る。

 

「…大丈夫です。でも次やったら…わかりますね?」

 

どこから出したのか、メスを持ってる鈴仙。

え、怖いんだけど。

 

コクッコクッ

 

頷くしか出来なかった。

 

「いい子ですね」

 

ニコッと笑い、メスを置き、頭を撫でてくれる。

優しい…。ついつい甘えたくなるな…。

ん?心臓刺されなければ死なないよな?まぁいいや。

 

 

ちょっ、困ります!

エスカルゴはこの奥でしょう!?通らせなさい!

ダメですって!お待ち下さい!

ええい、どけっ!!

キャッ!

私も通るよ〜

 

 

な、なんだ…?声が聞こえてきた。騒がしいな…。

 

「何かしら…玄関が騒がしいわね」

 

あぁ、あっちが玄関なのね。

 

ドタドタドタドタ…

 

廊下を走る音が聞こえる。

1人じゃない。複数いる。誰だ?

 

バーン!

 

勢いよくふすまを開けるその「誰か」。

そこにいたのは…

 

「ハァ……ハァ……」

 

息を切らせたレミリア。

 

「…ハァ…ハァ…」

 

と、同じく息を切らせたフランだ。

 

たかが2日なのに、酷く懐かしく思えた。

というか、俺は寝てただけなのだが。

毎日、ずっと一緒に居たのに急に…。

たとえ、少しの間でもそばに居ないとこんなに懐かしく思えるんだな…。

 

「エス…カルゴ…っ、ハァ、ハァ、ハァ…」

 

かなり急いだようだな、まだ息が整っていない。

 

「と、とりあえず落ち着いて…。えっと…」

 

何か飲むものは…と周りを見回し、鈴仙がいる方と反対の枕元に水の入ったペットボトルのようなものとコップが置いてあるのを見つけた。

それに水を注ぎ、まずレミリアに渡す。

 

「ほら、水飲んで」

 

「あり、がと…」

 

ゴクッゴクッ…

 

「プハァ…ッ」

 

一息に飲み干し、俺にコップを返す。

同じく水を注ぎ、今度はフランに渡す。

 

「ほい」

 

「ハァ、ハァ…」

 

ゴキュッゴキュッ…

 

「…ふぅ…」

 

フランもすぐ飲み干した。

2人共息は整った。

 

 

 

「……久しぶり」

 

少し変な間は出来てしまったが、出来るだけ満面の笑みで2人にそう言う。

 

「うっ…うっ…」

 

レミリアが泣いている。

フランは、なんとか我慢してるといった表情だ。

 

「よい…しょっ…と」

 

俺はよろよろと立ち上がり2人へ近づき、2人を抱き締める。

 

ギュッ…

 

「…ごめんな。心配かけたか?」

 

「…心配したわよこのバカ!」

 

ギュゥゥゥ………ミシミシッ

 

強く抱きつかれたものだから腰骨がミシミシいってやがる。まぁこれだけで死ぬ訳は無いだろうが…力がやばい。感動の再会のはずが、永遠のお別れになってしまう。

 

「ちょっ、痛い、痛いから…力抑えて…」

 

「…バカッ」

 

もう一度そう言うと、ようやく力を弱めるレミリア。

 

「フランも…その、悪かった…な」

 

「…バカ!エスカルゴのバカバカバカ〜!!」

 

ドスッドスッ

 

「ゲフッ」

 

見た目は、両手でポカポカ殴ってるように見えるが、やられてる側としてはドスドスって感じだ。重いし痛い…。

 

「い、痛い痛い…強くやりすぎだよ…」

 

「バカバカバカ〜!!うえぇぇぇぇん!!」

 

とうとう泣いてしまった。泣きながら殴り続ける。

 

フラッ…

 

あ……

 

ドサッ

 

後ろに敷いてあった布団に倒れた。

もちろん頭もぶつけた。布団だから痛くはないが…。

 

『……………』

 

「…ちょっと、エスカルゴ?もう夜だからってここで寝るつもり?ちゃんと帰ってから、一緒に寝るわよ」

 

「そーそー♪」

 

気付かなかったが、もう夜なのか…。

 

「お取り込み中すいません。エスカルゴさんにはもう少し入院しててもらいます」

 

ふぁっ!?

 

…レミリアたちが入ってきたとこに、いつの間にか永琳が立っている。それより、もう少し入院って…?

 

「え…なんでですか?」

 

とりあえず聞いてみる。

 

「念の為です(キッパリ」

 

「…はぁ…」

 

「ちょっと待ってよ!!」

 

抗議するのはレミリアだ。

 

「もう治ってるなら…」

 

言葉が途切れるレミリア。じっと永琳を見てる。

永琳を見ると…

 

「………(ニコッ」

 

無言でニコッと笑っている。

医者の決定に逆らうな、と言いたげだ。

 

「……わかったわよ」

 

ええ、永琳怖い…。あのレミリアを頷かせた…。

 

「今日は…帰るわよ、フラン」

 

「えー!?もっとエスカルゴと居たいー!!」

 

「…良いから。また、来れば良いでしょう?」

 

「…うー…そうだけど…」

 

「……エスカルゴは、いつ退院出来るの?」

 

「明日には」

 

「…あ、明日?」

 

「ええ」

 

レミリアは少し驚いたようだ。いや、俺もだ。

ポカーンとしている。

 

「なんで今日はダメなの?」

 

「いくら再生力が高くても、目を覚ましたのは今日です。もう少し経過を見なければいけません」

 

「わかったわ。今日は帰るわ」

 

「ここに泊まればいいじゃな〜い!」

 

「あっ。………いや、ダメよ。咲夜が心配するわ」

 

「あ〜…そうだったね…」

 

「では、今日はお引き取り下さい」

 

「…チッ…」

 

レミリアが舌打ちした。

 

「…ん?」

 

永琳が反応する。

 

「…さ、行きましょ」

 

そう言って渋々部屋を出るレミリア。

羽はかなり垂れ下がってる。

 

「………うん。じゃあね、また明日!」

 

「…おう」

 

無理に笑顔を作って手を振り振り出て行くフラン。

笑顔を作っても、俺にはわかる。

フランも羽がかなり垂れ下がってるからだ。

 

 

 

シ─────ン……

 

2人が居なくなって静寂が訪れる。

 

「…ホントに明日退院出来るんですか?」

 

「ええ。なんで?」

 

「いえ、ただの確認です」

 

「そう。じゃ、ウドンゲ、そろそろ夕飯を」

 

そう言って永琳は元の部屋に戻る。

 

「はい」

 

夕飯?あぁ、鈴仙が料理するのか?

じゃあ俺は1人になるのか…。

 

「じゃ、夕飯持ってきますね〜」

 

ん?

 

そう言って部屋を出てく鈴仙。

持ってくるって…俺の夕飯をか?

 

タッタッタッ…

 

「持ってきました!」

 

「おお…!」

 

卵粥だ!懐かしいなぁ…。

 

「はい、あ〜ん」

 

「えっ!?」

 

「ほ〜ら、早く食べないとこぼれちゃいますよ?」

 

「はーい…」

 

パクッ

 

「あぢゅっ!」

 

熱い熱い熱い…

 

「あ、あれ?熱かったですか…?」

 

「は、はい…」

 

「じゃあちょっと冷ましますか」

 

「は、はい…」

 

どーやって?

 

「フーッ、フーッ…」

 

「!?」

 

フーフーして!?

うおおおお!フランにもされた事ないのに!

 

「…よし。はい、あーん」

 

「あー…」

 

パクン

 

ちゃんと冷めてるし、さっきは熱すぎて分からなかったけど程よい塩気!美味しい!!

 

「美味しい!」

 

「ありがとうございます♪」

 

にっこり笑って答える鈴仙。

 

 

 

その後もお粥を食べ続け、普通に完食した。

 

「ごちそうさまでした!」

 

「完食なさいましたね…」

 

「えへへ、美味しかったので、つい♪」

 

「ふふっ♪」

 

「それにしても、お料理が上手なんですね」

 

他の料理食べてないからわからんが、多分他のも美味いだろう。

 

「そうですか?…嬉しいです」

 

「鈴仙の料理を食べれる人が羨ましいです」

 

咲夜さんに負けず劣らずの料理…美味しかった。

 

「そんな、照れますよ…」

 

「…また食べたいです!」

 

本心である。

 

「……良いですよ♪」

 

えっ、マジでぇ!?

 

「ありがとうございます!楽しみにしてます!」

 

「では、その時までに料理の腕を上げときますね」

 

「おお…!」

 

「おやおや、お熱いねぇお2人さぁん?」

 

『えっ…?』

 

「へっへっへ…」

 

「て、てゐ!?あんたまだそこにいたの!?」

 

「まだってなにさ、まだって。あんたに突き飛ばされて今の今まで気絶してたってのにさぁ〜」

 

嘘…だよな?

 

「嘘でしょ?いっつもすぐ回復するあんたが、今の今まで気絶してるはずないでしょ」

 

鈴仙も嘘だと思っているようだ。

 

「……」

 

「はぁ…すぐバレる嘘を…」

 

「逃げろっ!」

 

ピョンッと跳ねて部屋を出てった。

 

「待ちなさ……………はぁ、全くあいつは…」

 

「あはは…」

 

「そろそろ寝る時間よ〜?」

 

隣の部屋から永琳の声が。隣に居たの?

 

「は、はーい!」

 

「え〜…」

 

もうそんな時間??

つーことは、1日の殆どは寝て過ごしたのか。

 

「そろそろ寝ましょうね〜」

 

「ええ…」

 

「明日には…退院出来ますからね」

 

少し声のトーンを落とした鈴仙。

 

「そうですね…」

 

レミリアやフランに会えないのは凄く寂しいが、鈴仙と離れるのもちょびっと寂しいな。

 

「おやすみなさーい……」

 

とりあえず布団に入る。

 

「私はここに居ますから、安心して下さいね」

 

「ありがとう…」

 

 

 

……眠れない……。やはり寝すぎたな…。

 

チラッ

 

ちらっと鈴仙を見る。目が合った。

 

「…眠れないんですか?」

 

「ええ…まぁ…。寝過ぎちゃったようで…」

 

「仕方ないですね…」

 

「?」

 

「はい、どうぞ」

 

ポンポン、と自分の膝を叩く。

 

「膝枕…?」

 

「嫌…ですか?」

 

そんな訳ない。

 

「いや、むしろお願いしたい…です」

 

「じゃあ、どうぞ」

 

「はーい…!」

 

鈴仙の膝にゆっくり頭を乗せる。

 

フニッ…

 

おおお…柔らけぇ…!

 

「どうですか?」

 

「凄く…柔らかい…です」

 

それに、温かい…。体温を直に感じる。

 

「ふふっ…眠れそうですか?」

 

「多分…」

 

「えー、多分ですか?」

 

「えへへ…昼間寝過ぎたので、そう簡単には…」

 

「そうですか…。なら……」

 

スッ…

 

掌を俺の頬に置く。

 

「…?」

 

「よしよし…ふふっ」

 

頬をナデナデする。

 

「…あれ…?」

 

なんか眠くなって…。

 

「おやすみなさい」

 

 

 

鈴仙のこの言葉が頭に響くと、自然と寝てしまった。




人間っぽさ出たかな…?うーん…イマイチだな。
鈴仙に膝枕されたい。

皆さんはもう人気投票しましたか?
自分は咲夜…じゃなくて昨夜やって来ました!
誰なのかは…言わなくてもわかるでしょうね♪
人物も音楽も、かなり悩みましたよ ええ…(›´ω`‹ )

悩み抜きましたよ…。
全ての投票に1時間半はかけました_(›´ω`‹ 」∠)_
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