※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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新婚夫婦

カルゴ「……っ…ふわぁ……」

 

博麗神社で迎える朝。

今日もまた、しっかり自分で起きれた。

障子越しに入ってくる日光は、柔らかい光を放ちつつ、徐々に俺の目と頭を覚ましてくれる。

いつも通りの気持ちいい朝だ…と思っていたが、今日に限っては、いつも通りではなかった。

 

カルゴ「霊夢…?」

 

自分の隣に、共に寝たはずの霊夢の姿が無い。

おかしいな、と俺は訝しむ。

何故なら、霊夢はいつも俺が起こすからだ。俺がどれほど眠りこけていようと、霊夢が俺より早く起きる事はほとんど無い。

それほど俺の生活リズムは整っているのだ。正確には、俺の体内時計が。

もしや、霊愛が霊夢を起こしたのか、と思って娘を見るが、霊愛はまだ気持ち良さそうに…いや、日光に当たって、若干寝苦しそうに寝ていた。

ダラダラと汗をかいているわけでは無いが、頬がしっとりと湿っている。障子越しとはいえ、日光に当たっているのだ。そりゃ暑いだろうな。

自分はどうなんだ、と己の身体に触れるが、俺の身体も汗で湿っていた。後ほど、風呂に入ろう。

その考えに至った時、霊夢が風呂にいるのでは、という可能性を思いついた。

なるほど、それなら納得だ。

なら、霊夢を来るまでに朝食でも作っておこう。

 

 

 

カルゴ「あんれまぁ…こりゃ驚いた」

 

台所で、俺は朝から声を出して驚いた。

そこには、作りかけの朝ご飯があったのだ。

なんと霊夢は、寝るのが遅かったのにも関わらず早起きし、朝食を作っていたらしい。

普段ボーッとしている霊夢だが…なにか、心境の変化があったのだろうか。

 

これは…続き作ってていいのか?

それとも霊夢が来るまで待つのがいいのか?

しかし…火が付けっぱなしだぞ。危ないなぁ…。

 

霊夢「おはよ。もう起きたの?早起きね」

 

カルゴ「っ…!?」

 

どうしたものかなと悩んでいると、本人が台所に戻ってきた。やはり、風呂に入っていたようで、いつもの巫女服を着ているが、石鹸のいい匂いが漂ってくる。

 

カルゴ「おはよ。霊夢こそ、随分と早起きだな。どうした?」

 

そう尋ねると、ドキッとしたように身体を震わせる。更に、みるみるうちに顔が赤くなっていく。

 

霊夢「…たっ…たまには…私が朝ご飯を作ってあげようかなって思って…その…うぅ…///」

 

なんと言えばいいのか…。

今の霊夢の様子を一言で表すなら、凄く可愛い。

俺の語彙力だと、そうとしか言えない。

 

カルゴ「なるほど。でも、どうして急に?」

 

朝ご飯を作ろうと急に思い立った訳を尋ねると、より一層顔を赤くした。それこそ、熱があるのではないかと疑いたくなるほど。

 

霊夢「ほら…今日って新婚1日目だし…///」

 

カルゴ「まだ式挙げてないだろう…」

 

苦笑混じりに頬をポリポリ掻く。

 

霊夢「式挙げてなくても、指輪とあの言葉だけで結婚は成立するのっ!式なんて、他の人に見せるためのものじゃない」

 

カルゴ「あー…言われてみれば確かに。そうかもしれない…かな?」

 

霊夢「だから、私たちはもう新婚の夫婦なのっ!わかった?」

 

カルゴ「わかったよ、霊夢♪」

 

霊夢「んもう…素直に頷いていればいいのに…。頭硬いと嫌われちゃうわよ、あ・な・た♪」

 

カルゴ「てへへ…」

 

厳密に言うと、結婚式とは「神様や参列者の前で2人が結婚を誓う儀式」の事だ。

指輪交換や誓いのキスなど、2人がお互いに夫婦として生きていくことを誓う儀式が行われる。

一方、披露宴とは「結婚したことを知人にお披露目するためのパーティー」のこと。

結婚式と披露宴は、中身は全然違うのだ。

 

霊夢が言っている「他の人に見せるためのもの」は披露宴を指しているのだと思う。

参加してくれたゲストと料理を食べたり、お酒を飲んだりして、お祝いの宴を楽しむ。

ウェディングケーキへの入刀や、友人による余興など、場を盛り上げるための演出を取り入れる人も多いらしい。

つまり、「結婚式は儀式、披露宴はパーティー」ということだ。

だから、式だけは行いたいと思ったのだが…。

 

カルゴ「…式は無しか…」

 

残念に思った俺は、ガクリと肩を落とす。

結婚式に特別こだわっている訳では無いのだが、やはり式は行いたかったというのが本音だ。

 

霊夢「そんなに残念なの?…しょうがないわね、今ここで簡単な式を行いましょ。それならあなたも満足でしょ?」

 

カルゴ「ふぁっ!?そ、そんな急に!?」

 

すると霊夢は、俺の前に立ち、恥じらいながらも俺の手を取り、口を開く。

 

霊夢「わ…私に…永遠の愛を誓いますか?」

 

神父さんの代わりを新婦が務めるなんて、聞いた事がないぞオイ…さすが霊夢だなぁ…。

 

カルゴ「誓います」

 

霊夢「……ほら、あんたも言いなさいよ///」

 

カルゴ「!?」

 

何を?と聞きたいが、それだとこの空気を壊してしまいそうで怖い。それに、何となく察した。

 

カルゴ「俺に、永遠の愛を誓いますか?」

 

霊夢「誓うわ♪」

 

…で、この後は?

確か指輪交換してキスするんだよな。

神父の代わり?のセリフも全然違うが、この方が幻想郷らしいというか…堅苦しくなくていいや。

神父(牧師)のあのセリフ、凄く長いもん。

 

霊夢「…誓いのキスを…///」

 

そう言って、ゆっくり目を閉じる霊夢。最後は、キスで締めるつもりらしい。

ベールを上げる代わりに、顔にかかっている髪をそっとどかし、霊夢に優しく口付けする。

誓いのキスは3秒〜5秒がいいらしいが、そんなことはお構い無しに、10秒近く唇を重ねていた。

もう少ししていたかったのだが、娘が歩いてくる音が聞こえてきたので、慌てて口を離す。

 

霊愛「…?2人とも、何してるの?」

 

目を擦りながら、霊愛が台所に来た。

霊愛が起きたのに気付いた俺たちは、調理に取り掛かったので、朝からキスしていたのは、霊愛にバレていないはずだ。

 

カルゴ「おはよう」

 

霊夢「おはよう、霊愛。ご飯作ってるからそっち行って待ってなさい」

 

霊愛「はぁ〜い…」

 

再度欠伸を漏らしながら、居間へと向かった。

それを見送り、俺たちは安堵の溜め息をつく。

 

カルゴ「危なかったな…」

 

霊夢「バレても構わないけど…出来ればあんまり見られたくないものね」

 

カルゴ「ああ…」

 

霊夢「でもこれで、もう式とか騒がないでよね?簡単なやつとは言え、今やったんだから」

 

カルゴ「はぁ〜い…」

 

初めてのちゃんとした結婚式は…誰とやることになるんだろうなぁ…。でもま、強制するものでも無いし、これでもいいかな。

 

霊夢「皆の前でキスとか…恥ずかしいもん…///」

 

珍しく「もん」という語尾で呟く霊夢が可愛く、ついつい頬が緩んでしまった。

 

霊夢「何笑ってんのよ…ばぁか…///」

 

カルゴ「何でもないよ。さ、朝ご飯持って行こ。霊愛が待ってる」

 

霊夢「そうね」

 

結局2人で仕上げた朝食を、霊愛の待つ居間へと運び、親子3人揃ってご飯を食べ始めた。

いつもの事なのに、何故だか新鮮に感じた。




なんか、レイカルのイチャイチャをめっちゃ書きたい気分ですわ…。
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