カルゴ「それじゃ、行ってくる」
霊夢「また明日ね。早く…帰ってきてよ…?」
永遠亭へ向けて出発する俺を見送りにきてくれた霊夢は、心配そうに指を絡ませる。
カルゴ「分かってるよ、霊夢」
霊夢「…とか何とか言ってさ…またあの兎とも、いっぱいヤってくるんでしょ?」
カルゴ「う…お、襲われたら…かな?」
俺から襲うつもりは無い。…多分。性行為ばかりではなく、普通にイチャつきたい。最も、永遠亭では仕事の手伝いを多く行うのだが。
霊夢「…印つけとくわ。首出しなさい」
カルゴ「印?」
霊夢「いいから」
カルゴ「あ、あぁ…」
言われた通り、膝を曲げて首を差し出す。すると霊夢は、俺の首に口を付けて、牙を立てずに吸い始めた。
カルゴ「ちょっ…ちょっと痛い…」
霊夢の頬をムニムニと触りながらで講義すると、ようやく口を離してくれた。
霊夢「ふん、キスマークつけてやったわ♪」
カルゴ「え…」
確か、首につける意味は……“執着”だったかな?
一緒に居たい、離れたくない、すごく好きだ…。そんな意味があったような気がする。
出かける直前にそんな事…照れるじゃないか…。
ていうか、すぐ治っちゃうと思うんだけど…。
カルゴ「別に跡残さなくても…。霊夢が俺の事を好いてくれてるのはわかってるぜ♪」
霊夢「いつでも私の事思い出せるように、よ♪」
カルゴ「忘れたりするもんかよ。俺の心は霊夢のもの、霊夢の心は俺のもの…だぜ?」
霊夢「ならいいけど…。んっ♪」
カルゴ「ふふっ…」
賽銭箱の前で、霊夢から“行ってきますのキス”とキスマークをもらい、永遠亭へと飛び立つ。
今朝はしっかり自分で起き、朝飯を作り、霊夢と霊愛を起こして、朝ご飯を食べるといった、特筆すべきところは無い、いつも通りの流れだった。
前回訪れた時…即ち、霊夢の危機の時は娘に会わなかったので、今回があの戦いのあと初めての、巫月との対面になる。
しかしその前に、診療所に行かねば────…。
永琳「次の方どうぞ〜」
カルゴ「はーい。それじゃ、また後で」
鈴仙「うん!」
永琳に呼ばれて、ナース服を纏う鈴仙に軽く手を振り、診療室に入る。相変わらず、ツーンとした消毒液の匂いがする。世界が違えど、病院っぽい匂いはどこでも共通なのだろうか。
永琳「おはようエスカルゴ」
カルゴ「おはようございます、永琳先生」
永琳「霊夢は元気?」
カルゴ「ええ、それはもう。かなり元気ですよ。吸血鬼の身体にも慣れてくれたみたいですしね」
永琳「そう…それなら良かったわ」
安心したように小さく頷き、鈴仙から受け取ったカルテに目を通す。夢が現実に起こったような…なんて書いても、普通なら笑ってスルーされると思うが、今の永琳はスルーしないと思う。
永琳「リアル過ぎる既視感…ねぇ」
カルゴ「リアル過ぎて気持ち悪いんですよ。俺、昔からデジャブは
永琳「────ッ!!」
永琳の表情が変わった。何かに気がついた様に、ハッと目を見開いている。言おうか言わないかで迷っているのか、クルクルとペンを回している。やがて、重々しく口を開いた。
永琳「驚かないで聞いてくれるかしら?」
カルゴ「え?あー…はい。大丈夫です」
多分ね、と心の中で付け足す。
絶対に驚くなと言われても、とんでもないことを言われたら驚くに決まっている。
永琳「あなたが感じたソレ…。恐らくは、能力の作用による予知ね。夢を見た、と自覚していないだけで、多分その日に夢を見たのよ。出発から、門番を起こす手前までの夢を」
カルゴ「えーと…つまり?」
永琳「予知夢ね」
カルゴ「えぇ…。なぜ予知夢だと思うんですか?てか、俺はそんな能力持っていませんよ?普段は《雷を操る程度の能力》、暴走時は《ありとあらゆるものを破壊する程度の能力》に目覚めるってだけで」
永琳「それは…その……。はぁ…ふぅ…」
そのワケを話す覚悟を決めたのか、少し大きめに息を吸う永琳。なにかまずい事でもやらかしたと見える。
永琳「実は…。あなたを吸血鬼にする時に使った薬に、4姉妹の他にも、レミリアちゃんとフランちゃんたちの細胞も使わせてもらったの。だからその影響じゃないかって思うのよ」
カルゴ「ええええ…」
4人分ならまだしも、6人分の細胞を使っていたとは初めて知った。レミリアからもフランからもそんな話は聞いていなかった。例え口止めされていても、フランなら言いそうなものだが…。
ましてや、俺以外からの口止めなら。
永琳「あなたは、フランちゃんと同じ能力は元々その身に宿してるから、今の所は問題無いらしいけど…レミリアちゃんの能力は持ってないから、その影響が出たのかもしれないわ」
カルゴ「能力3個目ですか?うわ、マジでチートじみてきましたね。ま、吸血鬼ってだけでも十分チートですけども…」
永琳「呑気ねぇ…。でもこの話は、まだ可能性の域を出てないわ。たまたまリアル過ぎるデジャブだったのかもしれないしね。だから、経過観察としましょうか」
カルゴ「了解です」
永琳「このあとは…またウドンゲとアレ、ヤるのかしら?巫月ちゃんは居るけどね」
カルゴ「いや、ヤらないですよ。…多分」
永琳「もしヤるなら、防音の結界は忘れずにね。アレの音漏れほど恥ずかしいものは無いでしょ?というか、聞いてる方が恥ずかしいわよ。防音の対策をとらないなら、永遠亭内での性行為は一切禁止するからね」
カルゴ「了解です」
ヤるのも良いけど、やっぱり散歩が良いよな。
…なんてさ、夏に好んで外いく奴がいるかよ…。
海があるならすぐ出かけるんだけどな。プールも無いし…。次紫さんにお願いするのはビニールのプールかな。それをにとり達河童に渡して、量産してもらうってのも良いかもしれないな。
お金は…それなりにかかるだろうけどさ。
でも、まずは俺たちで使いたい…。けど、使ったものを渡すわけにはいかないしな…うーん、どうしたものかねぇ…。
永琳「じゃ、そっちから中入っていいから」
カルゴ「ありがとうございます」
永琳が手で示した通り、診療所の奥へと入る。
こっちは、俗に言う“
そういえば、てゐと遊ぶ約束をしていたな。あの事件のせいでお流れになってたが、ちゃんと思い出せたぜ。俺の記憶力も中々のもんだろ。
※たった数週間前の話なので覚えててアタリマエ
カルゴ「てゐー?てゐー、どこd…うわぁっ!」
突然、バキバキと大きな音を立てて床板が抜け、その中に落ちてしまう。腐ってたワケでは無い。これはきっと────。
てゐ「やぁ〜い、引っかかった引っかかった〜!ウササササ〜ッ!」
やはり、てゐのワナだ。上半身だけを出している俺を見下ろし、そばでピョンピョンと飛び跳ねて大笑いしている。なんとも憎たらしい笑顔だ。
カルゴ「お前なぁ…。この床板を直すの、誰だと思ってんだよ?」
てゐ「お前に決まってるウサ」
カルゴ「処刑確定」
てゐ「へへっ、逃げろぃっ!」
カルゴ「逃 が す か」
スキマを開きてゐをスキマに落とそうとするが、ジャンプで避けられてしまう。
てゐ「へっへ〜、ソレ使うのは読んでたウサ〜♪鬼さんこちら、手の鳴る方へ〜♪ ウサササッ!」
カルゴ「あっ、クソッ…」
なんかスゲーボロクソに負けた気分なんだが!?負けるわけにはいかねぇぞ!
カルゴ「オルァ!逃げ場はねぇぞ、てゐ!」
てゐ「ゲェッ!?」
自身の足元にスキマを開き、てゐの頭上にワープしてみせ、三角絞めをキメようとするが。
てゐ「…なーんて♪ 逃げ場が無いのなら、自分で作ればいいだけの話ウサ♪」
そう呟き、おもむろにジャンプした。次の瞬間、プチッという何かが潰れた音がした。そして俺の股間に、未だかつて味わったことの無いほどの、とんでもない激痛が走った。
カルゴ「────ッ!?」
てゐ「ウッシッシ……吸血鬼でも男だから、この弱点は有効みたいウサ♪ さらばウサ〜♪」
痛みに悶える俺は、トテテッと軽やかに走り去るてゐを、ただただ見送ることしか出来なかった。
カルゴ「〜〜〜〜〜〜…!!」
股間を押さえ、声にならない声を漏らしその場でのたうち回る。こんなダサい姿、巫月や鈴仙には絶対に見られたくはない。
早く回復しろと念じるが、精密な部分だからか、回復は中々進行しない。そして、痛みに悶絶していると、誰かが歩いてくる音が聞こえてきた。
曲がり角の向こうに、誰かがいる。
てゐが走り去った方なので、てゐが戻ってきたのだろうか。足音が軽い。この音は子供だ。
…子供?
巫月「わっ!エスカルゴ!?」
カルゴ「嘘ぉ…」
足音の主は、我が娘、巫月だった。
手には救急箱を持っている。中身の入れ替え作業でもしていたのだろうか。
よりによって娘に股間を抑えている姿を見られるとは…。エスカルゴ、末代までの恥だ…。
カルゴ「なん、で…ここに…?」
巫月「てゐから『誰か倒れてる』って聞いたんだけど…まさかエスカルゴだったなんて…!ねぇ、どこが痛いの?お股?…そうだ、永琳先生に…」
カルゴ「いや、いいよ…このままで……」
てゐ…ぶっ○す…。いや、殺すんじゃなくて……犯してやる…。冗談だが…。
巫月「痛いの?鈴仙に噛まれたの?」
脂汗を流す俺の横に座り、トンチンカンなことを言う巫月。なぜその発想に至ったのだろう。
カルゴ「なんでそうなるんだ…イテテ…」
巫月「だってソコ、いつも鈴仙がペロペロ舐めてるじゃない。だから、間違って噛まれちゃったのかなって」
カルゴ「!?」
見られてるのぉ…?
まずいですよこれは!父母の営みを見られてるだなんて…そんなアホな事があってもいいのか!?
否、良くないッ!!
なんで黙って見てるんだよ、もう!恥ずかしくて死にそうだよ俺!!これは家族会議ですねぇ…。
…あー、ようやく治りかけてきた。
カルゴ「巫月…また甘いの食べさせてやるから、その事は誰にも言うなよ…?」
巫月「わかった!でもお怪我は大丈夫…?」
カルゴ「大丈夫、治ったよ。さ、誰にも見つからないうちに、出掛けようか。マイレディ?」
巫月「うんっ!」
手を出すと、笑顔でその手を掴んでくれた。
てゐの処刑はまた後でいい。お楽しみは最後までとっておく。…鈴仙とよく相談しないといけない案件が出たが…それは、寝る時でいいだろう。
その晩
カルゴ「ふぅ〜…。おいてゐ、これに懲りたら、床板をいじって落とし穴にするイタズラは、もうやるんじゃねぇぞ。今日は片付けしてやったが、次からはもうやんねぇからな」
てゐ「は…はいウサぁ……」
黒焦げのてゐを縁側に放っておいたままで、俺は鈴仙と巫月の待つ寝室へと向かう。巫月が大きくなっても、3人で寝るのは変わらない。
ここが、他の妹達とは違うところだ。
3人で寝るのは、巫月と弦月姫の2人だけだ。
霊愛と穹はもう自分1人で寝ている。嬉しいやら寂しいやら…なんとも言えない気持ちだ。
カルゴ「鈴仙、起きてるか?」
巫月が眠った後、隣の鈴仙に声をかける。用件はもちろん、先程のアレについてである。
鈴仙「起きてるよ。どうしたの?…もしかして、アレヤるの?ふふっ♪」
…娘は、とことん母親似のようだ。
こういう事をサラッと言ってくれるとは。
正直、ここまでアレにハマってくれるとは思っていなかった。ハマってくれたのは、俺がそこそこ床上手だからなんだと思う。コッチの方面で俺を育ててくれた、小悪魔に感謝だ。
しかし、今回はそうではない。
カルゴ「いや、そうじゃなくて。いつものアレ、巫月が覗いてたらしくてさ……」
鈴仙「アレって…エッチのこと?」
カルゴ「うん…」
鈴仙「え゙っ……それホント…?」
カルゴ「俺の股間について『いつも鈴仙舐めてるじゃん』って言ってたから間違いなくバレてる。やばい…」
鈴仙「えええぇぇぇぇ……どうしよ…」
カルゴ「これからは、防音の結界だけじゃなくて襖を開けないようにちゃんと固定しなくちゃ…。外ではもうヤリたくないし…」
鈴仙「外ってハラハラするよね♪」
カルゴ「……。兎に角、これからは気を付けよう」
鈴仙「そうね。それで、どうする?今から少し…ヤッちゃう?」
パジャマの服を上げ、綺麗な肌を露出させる。
どうやら鈴仙は、今日も発情しているらしい…。万年発情期の、俺が言えたことではないが。
カルゴ「じゃ、別な部屋行くぞ。永琳先生からも姫様からも、巫月からもてゐ達からも離れた……誰も近くに居ない、静かな部屋にな」
鈴仙「そうね♪」
そして、少しと言わず、外が明るくなってくる頃までひたすらヤリまくった俺たちであった……。
次回。2章始めの時のように、時間が一気に飛ぶかもしれないです(適当)
その場合は、○年○ヶ月飛んだとかじゃなくて、ピッタリ○年飛んだとして、季節はそのまま夏に致しますのでご安心を(・ω・)ノ
まぁ、未定なんですけどね。