手抜き?いや、出したい子が多すぎまして…。
俺の身の回りは賑やかで楽しい
レミィ「あぁ、やっぱり紅い月は興奮するわね!さぁみんな、乾杯よ!」
一同「カンパーーーーイ!!!」
カルゴ「……」
今夜は満月。
しかも紅くて大きいという特別な満月のために、今夜は紅魔館に俺の家族みんなを集めて宴会だ。
主のレミリアが(子供っぽい)乾杯の音頭を取りみんなでグラスやコップをぶつけ合う。
俺は相も変わらず酒が苦手なので、嫁の口嚼酒をお猪口に注いでチビチビと飲む。
バタバタと追いかけっこをする子供を眺め、色々喋っている嫁や彼女らを遠くから眺める。
毎日が騒がしくゆっくり出来ないのだから、たまにはこうして静かに過ごすのもアリだと思う。
俺が幻想入りして、早くも15年と半分が経った。
人生のおよそ半分を、幻想郷で過ごしている。
最後に母と会ってから、幻想郷時間で5年…外の時間では20年の時が流れていた。
幻想入りした時には16歳だった俺も…もう31歳。
見た目は高校生のままだが、心は少しだけ老けてしまったと思う。良く言えば、大人になった。
だが、いつまでも心だけは若々しく在りたいとは思っている俺にとっては、あまり好ましくない。
酒を飲んで、1人になると、ついつい昔のことを色々と思い返してしまう。後悔しているワケでは無いというのに、一体何をやっているのか…。
全く、変な癖がついてしまったものだ。
???「パパ、どうしたの?」
白と青の小さい巫女服に身を包んだ幼女が、酒を飲んでいる俺のそばに来て顔を覗き込む。
髪型はポニーテール、髪色は緑。普通は、ポニーテールにするには髪ゴムを使うが、この幼女は、蛇の髪飾りを使っている。
カルゴ「…いや、何でもないよ。遊んできな」
???「うーん…あとで弾幕ごっこしよーね!」
カルゴ「わかったよ、樹里愛」
この子供は、東風谷
名前の通りで、俺と早苗の間に生まれた子供だ。
キラキラネームなのは…うん、早苗のせいだ。
俺自身がキラキラネームだから、何とか避けようと思ったのだが…可愛らしいので良しとした。
つくづく思うが、やはり俺は甘い…。
吸血鬼と神の混血だが、ほぼ吸血鬼だ。見た目は早苗に似ていて、俺らしさは牙のみだ。寂しい。
神になるほどの信仰は得られていないので、神の見た目をした吸血鬼…と言った感じだ。
シンプルに言ってしまえば、ロリ早苗だ。
現人神にすら、成れていない。
俺の事はパパと呼び、早苗のことはママと呼ぶ。
人里への布教には、早苗と樹里愛は一緒に行っている。もちろんこれは、安全のためだ。
樹里愛を見送ると、入れ違う様に、翼を生やして紅白の脇出し巫女服に身を包んだ1人の幼女が、俺の目の前に舞い降りた。
??「お父さん、お酒飲んで大丈夫なのー?また酔っ払って、血とか吸いまくるんじゃない?」
カルゴ「霊夢が作った酒だ、多分酔わないよ」
??「お母さんが?…ふーん…」
カルゴ「霊麗も遊んできな。せっかくの満月だ、遊ばなきゃ損だぜ?」
霊麗「霊愛お姉ちゃんと巫月お姉ちゃん以外は、遊んでてもあんまり手応え無いしぃー…」
カルゴ「そんな事言うなって…(汗)」
この幼女は、博麗
俺と吸血鬼化した霊夢との子供だ。
(霊夢と霊愛と違い)麗しい乙女に育つようにと願って、その文字をつけた。…まぁ、そう育っていないとは思うが…。
吸血鬼と吸血鬼の子供なので、弦月姫と同じく、純粋な吸血鬼である。弱点も豊富なので、一部の弱点は永琳に何とかしてもらった。即ち、日光と流水だ。
まったり過ごす時は、霊夢と霊愛と霊麗が3人で横になっている姿がよく見られる。
今のような夏は特にだ。
妖怪退治の依頼があれば、親子3人、俺がいれば4人で出動し、手分けして捜索し、殲滅する。
霊夢と魔理沙だけだった時代よりも、作業効率は大幅にアップした。
カルゴ「今度みんな集合する時までには、みんな鍛えとくから期待しとけ」
霊麗「わかった、期待しないで待ってる」
嫁にそっくりな娘を見送ると、これまた入れ違う様に、1人の金髪ロングの幼女が、
?「じゃーんっ!驚いた!?驚いたでしょ!!」
胸を張ってドヤるが、残念ながら俺は、あんまり驚いていない。微量とはいえ、アルコールも摂取していて、あまり考え事ができないので驚くフリすらもできなかった。
カルゴ「…うん、驚いた」
?「あーん、驚いてくれない〜!」
カルゴ「お母さんのせいで、見慣れちまった…。あははは…」
?「むぅ〜…!」
ぷくっと頬を膨らませる娘の頬を触っていると、この子のお母さんが、同じく空間の裂け目から、優雅に登場した。
紫「こら、茜?お父さんはね、今はゆっくり過ごしているのよ?邪魔は良くないわ、向こうで皆と遊んでらっしゃい」
茜「はぁ〜い」
この子は、八雲
妖怪の賢者、紫さんと俺との間に生まれた娘だ。
紫さんの跡継ぎになるべく、俺と紫さんで、英才教育を施している。管理や能力の使用法は紫さんが教え、戦闘や人付き合いは俺が教える。
名付け親は俺だ。
紫さん、藍さん、橙…この3人の名前から察するに、虹の色が関係しているのだと思う。そこで、虹の色と可愛らしさを合わせて、茜とした。“葵”という案もあったが、藍さんと被っている様な気もしたので、“青”では無く“赤”にしたのだ。
虹の色で、漢字一文字…。これが、八雲関係者の名前の法則だと思う。
紫「どうしたの?ボーッとしちゃって」
自分の子供をみんなの方へやっておきながら自分は話しかけてくるとは…相変わらずだ。
カルゴ「…子供…増えたなって思いましてね」
お猪口に口をつけながら、広い宴会場で楽しそうにしている子供らを眺める。
紫「大変?」
カルゴ「いや、全然。手伝いとかはしてますが、慣れればなんて事ないですよ」
紫「流石、8人も育ててきた男は違うわねぇ…」
茜を出産して間もない頃のある日、紫さんは俺にSOSを出した。どうすればいいのか分からない、と焦りに焦った様子で。
知識はあっても、初めての子育ては1人でやっていけない事を、身を以てわかってくれたと思う。
カルゴ「8人かー…男1人って、寂しいなぁ…」
紫「どうせあなたの事なんだし、まだまだ子供を産ませるつもりでしょ?」
カルゴ「ええ……彼女らが望めば?ですかね?」
紫「ふふっ…そうね。ほら、噂をすれば息子くん来たわよ」
足元にスキマを開き、その中に落ちる紫さん。
直後、その背後から白髪でボサボサ頭の少年が、一振りの刀を携えて走ってきた。
??「父上〜〜!!」
カルゴ「なんだ」
??「また姉上に負けたぁぁ〜!うわぁぁん!」
そう言って泣きついてきた。
全く、俺に似て泣き虫だ。
この子は魂魄
初めての男の子で、男の子だと知った時は泣きそうになるほど嬉しかったのを鮮明に覚えている。
半人半霊と吸血鬼の混血はどうなるのかと思ったのだが、案外普通だ。
吸血鬼の目、身体能力…半人半霊特有の半霊だ。翼が無いので日光などの弱点も一切無い。都合が良すぎて羨ましく思えてくる。
妖夢が剣術と常識など、俺がその他の技術を教え込んでいる。エロ知識?そんなモンは教えない。
カルゴ「姉上って…誰だ?」
妖舞「ぐすっ…弦月姫…姉上ぇ…。ナイフより、こっちの方がリーチあるのに……」
あっ…(察し)
時を止められて一気に間合いを詰められたんだねわかります。さっき、一瞬だけ時間が止まったと思ったら…。弦月姫と妖舞が戦ってたのね。
なんと言えばいいのか……。
困った時にはこの言葉で間違いないな。
カルゴ「修行不足だな」
妖舞「頑張ってるのに…グスッ…」
カルゴ「剣を始めてまだ3年のヒヨっ子が、何を言っているんだか。弦月姫はナイフを始めてから8年も経ってるんだぞ、お前はまだまだだ。更に強くなれるよう、精進するんだな」
妖舞「うぅ〜…」
カルゴ「樹里愛辺りに挑んでみたらどうだ?ほぼ実力が拮抗してると思うが」
妖舞「頑張る…」
鞘越しに刀を握り、涙を拭いて樹里愛へ向かう。
最初は誰だって負ける。負けてこそ、得られる物があるんだと思う。かと言っても、実力差があり過ぎては、意味が無い。
実力が同じくらいか、少し上という程度の相手と戦うと、いい勝負ができ、そこから得られる物がある。…俺は、そう信じている。
妖夢「妖舞、また負けちゃったみたい」
戦いを見守っていたらしい妖夢は、その様子を、こと細かに話してくれた。それを聞く限りでは、ボロ負けというわけでは無かったらしい。
カルゴ「仕方ない。弦月姫の能力は反則級だし」
妖夢「そーだよねー…あはは…」
幽々子「妖夢〜、お料理無くなっちゃったわよ〜」
妖夢「ゆ、幽々子様!?あわわわわ……」
宴会場にある料理を食べ尽くした幽々子さんは、従者の妖夢に追加の料理をお願い。相変わらず、食いしん坊なお方だ。
カルゴ「はぁ〜…酒うめ…」
部屋中に飛び交う様々な弾幕を眺めながら、尚も酒を飲み続ける。やはり、たまにはこうしてゆったりとした時間を過ごすのもいい。森林浴以上に効果がある。良い癒しだ。
諏訪子「どしたのー?1人でボーッとして〜」
部屋の隅で座り込む俺の隣に、諏訪子様が座る。今から数年前に、諏訪子様に対する敬語を何とか克服した。今では、普通にタメ口で話せる。
心の中では“様”をつけているが、口に出す時は、“様”を省いている。
カルゴ「子供たち、凄く元気だなーって思って。全く、誰に似たのやら」
諏訪子「どう考えてもエスカルゴ似でしょ。皆も元気だけどさ、どっちかって言ったら、やっぱりエスカルゴにそっくりだよ、そういう所は」
カルゴ「そうかなぁ…。ま、そっかぁ…」
諏訪子「ねーね、次神社に来た時さ、またエッチしよぉ?」
カルゴ「いいよ、俺で良いなら」
諏訪子「エスカルゴしか居ないもん♪」
そう言って優しく微笑み、頬にそっとキス。
柔らかくて温かい唇が触れ、顔が少し熱くなる。
諏訪子様には中に出しまくっているが、諏訪子様の意思で妊娠しないのだそう。妊娠すると気軽にヤれなくなるからだとか。
その理由を聞いた時は、どんだけハマったんだとかなり驚いたものだ。それだけ多い回数ハメてるからだろうか。いや、関係ないだろう。
諏訪子「…じゃ、眠くなってきたから、神奈子と先に帰ってるね。また来てね!」
カルゴ「うん」
袖をバタバタと大きく動かしながら、諏訪子様と神奈子様は宴会場から出る。
それを見送った俺は、また1人になる。
眺めていよう、と思ったのだが────。
霊夢「何ボーッとしてんのよ。あんたもこっちに来なさいよ」
文「あややっ、今日はやけに静かだと思ったら、こんな隅っこに居たのですか!?」
妖夢「あれ、まだここで黄昏てたの?」
咲夜「何をなさっているのですか、
鈴仙「子供たち呼んでるよー?」
早苗「盛り上がってますかー!あははははっ!」
フラン「遊ぼ遊ぼ〜!」
レミィ「端に居るなんてあなたらしくないわよ」
紫「そろそろ宴会に参加したらどう?」
などと言いながら、みんなして集まってきた。
どうやら俺には、ゆっくりできる時間などは存在しないらしい。…この騒がしい生活こそが、俺の生活といえるだろうが。
巫月「さっき約束したでしょ、遊ぼ!」
霊愛「私ともやるって言ってたよ!」
穹「私は撮影だけです!」
弦月姫「私はお母様とお片付けを…」
妖舞「勝ったぞー!父上とも戦いたーい!」
霊麗「暇だから参加するー!」
茜「お父さんと戦うの久しぶり〜♪」
樹里愛「負けた鬱憤をパパで晴らしてやる!」
子供たちまでも部屋の隅に集まってきた。
凄まじい人口密度で、気温がグングンと上がる。
やはり俺にとって「ゆっくりできる時間」というのは、一番遠い存在なのだろう。
カルゴ「しゃーねーなぁ!よぉし、8人まとめてかかって来いやァ!!表出なッ!!」
子供達「やったぁ〜!」
酒を飲み干して大声と共に立ち上がると、子供達はすごい盛り上がりを見せてくれる。
カルゴ「満月の夜に、負ける気がしねぇぜ!!」
レミィ「あら奇遇ね。あいにく私は、満月の夜は無敵なんでねぇ」
フラン「ちょっと〜、私も居るわよー?」
カルゴ「10人まとめてでも相手してやんよ!!」
こうして俺は、大してまったりすることも無く、いつもの騒がしい日常へと戻って行った。
本当に束の間の休息であったが、束の間でも別に良いかな、と思う。周りに誰かが居てこそのこの俺、エスカルゴだ。
次回は本編では無く子供達のプロフィールを。