※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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旅行したい…してみたくない?

真夏のある日、俺とレミリアとフランは、地下の図書館に、避暑に訪れていた。俺は心理学の本を読み、レミリアは何かよく分からない本を読み、フランは小悪魔から借りたイケナイ本を、隠しもせずに堂々と読んでいる。

そんな中、レミリアは唐突に本を閉じ、溜め息をついた。

 

レミィ「はぁ〜…」

 

カルゴ「どーしたよレミリア。溜め息つくと幸せ逃げるぞ」

 

レミィ「貴方が逃げなければ幸せも逃げないわ」

 

カルゴ「さいですか…。で、どーした?」

 

レミィ「こういう本読んでるとね、顕界、冥界、仙界、天界、地底、魔界、地獄……って、色々な世界があるのがわかるじゃない?」

 

そう言って、表紙を見せてくる。「世界」というタイトルから察するに、様々な世界について色々書かれているのだろう。

 

カルゴ「そうだね。その内いくつかは行ったことあるな」

 

というか、そんな本読んでたのか。

まぁた変な事考えてるんじゃ無いだろうな?

 

レミィ「そう、いくつかは行ったことがあるの。どうせなら、全部行きたくない?」

 

出ました、レミリアお嬢様の気まぐれ。

何年ぶりだろうな。俺だって興味はあるけど…。

 

カルゴ「行くって……どうやって?」

 

すると、その方法を考えていなかったのか、目をぱっちりと見開き、瞬きするレミリア。

 

レミィ「そこは…えーっと…パチェの転送魔法に頼っちゃったり…?」

 

が、そこで、タイミング良くパチュリーが登場。傍らには小悪魔がいる。大図書館は静かなので、小さな話し声でも彼女に声が届いたのだろう。

 

パチェ「ふざけないで。別世界への転送なんて、どれほど魔力を使うと思っているの?」

 

レミィ「私とパチェの魔力を合わせたくらい?」

 

パチェ「全っ然違う。試した事があるからわかるけどね、紅魔館全員分と魔理沙とアリスの魔力を足しても到底足りない程の、莫大な量を使うの。エスカルゴの魔力だって、私たち魔法使いの足元にも及ばないわけだし」

 

カルゴ「うぐ…」

 

レミィ「そんなぁ…」

 

パチェ「ちなみに、それで片道だから」

 

レミィ「そうなの!?」

 

驚いた。幻想郷に住まう、ほとんどの魔法使いの魔力を以てしても、到底足りないなんて。という事は、白蓮を呼んでもあまり効果は無さそうだ。しかもそれで片道だと言うから恐ろしい。

 

パチェ「私の転送魔法は基本片道よ。帰ってくるのには、向こうでまた転送魔法を構築しなきゃ。地底ほどのご近所さんなら足りるでしょうけど、魔法を構築してる暇があったら飛んだ方がずっと早いわ。これまでもそうしてきたようにね」

 

レミィ「何とかして消費魔力を抑えられたり…」

 

パチェ「無理ね。この魔法、紅魔館が崩れた時のために開発したばかりだし。そもそも、本を運ぶための魔法だから誰かを転送したことは無いの。普通に考えて危険よ」

 

レミィ「じゃ…危険が無かったとしたら?」

 

パチェ「仮に危険が無かったとしても、運ぶ物の質量に応じて魔力を消費するからね、あなた達を運ぶとなったら…それはもう、ヤバイ量の魔力が必須となるでしょう」

 

レミィ「うぅぅ…良い案だと思ったんだけど…」

 

パチェ「ワープっていう案自体は良いと思うわ。現実的では無いってだけで。でも、私の魔法では無理ね。アリスの魔法ともまた種類が違うし…。っていうか、私の魔法は主に属性魔法なんだけど?」

 

レミィ「魔理沙なら…特に属性とか無いわよね?頼んでみようかしら」

 

パチェ「魔理沙は…あえて属性をつけるなら、光になるかしらね。本質は水だけど。私より魔力は少ないとはいえ、私と違って万能型だし…消費魔力を抑えた魔法の開発も出来そうね。頼んでみれば?」

 

待て待て待て待て…。

魔理沙の魔力は、人間の頃より5倍は増えたって本人から聞いてるんだぞ?

それよりも多いって…パチュリー怖っ!

この人がもし健康体だったら、俺ともいい勝負が出来たんじゃないか…?だって、いつも戦ってる時に発作を起こすんだもの…。この15年、一度もまともに戦ったことが無いんだよ。素直に永琳に頼めばいいのにな…。

 

レミィ「そうね。エスカルゴ、ちょっと魔理沙にお願いしてきてよ」

 

カルゴ「だが断る」

 

レミィ「ナニッ!!」

 

カルゴ「お願いするのなら自分の口で言え。俺も行ってやるが」

 

レミィ「ぐぅ…正論…」

 

パチェ「そう言うあなただって、分身をパシリに使ったりしてるじゃない」

 

カルゴ「う…」

 

フラン「あはははっ、エスカルゴったらパチェに正論ぶつけられてる!」

 

フランが手を叩いて笑い出すので、段々と恥ずかしくなってくる。パチュリーの言う通りだ。

 

カルゴ「あぁもう、しょうがないなぁぁ!行ってやるよ、俺が!」

 

フラン「私も行きたいけど暑いからパス〜」

 

レミィ「私は読書を継続するわ」

 

カルゴ「ケッ」

 

その場にスキマを開き、魔法の森の魔理沙の家の前へと繋げる。熱い空気とうるさい蝉の声と自然の匂いが一気に流れ込んでくる。

 

レミィ「ちょっ、うるさっ!?」

 

フラン「何言ってんのか聞こえないー!」

 

パチェ「むきゅー…」バタン

 

小悪魔「パチュリー様ぁぁ!」

 

なんなんだ、この異常なうるささは…。そうか、そういや今年は、ジュウシチネンゼミの年だって霖之助が言ってたな…。

 

カルゴ「行くかー…」

 

流れる汗を拭い、魔法の森へ入った。家に来たは良いが、果たして魔理沙はいるのだろうか。

霊夢によれば魔理沙の家に冷房があるそうだし、いてもおかしくは無さそうだ。

 

カルゴ「おーい魔理沙やーい。居るかー?居たら反応してくれー、おーい」

 

扉を叩きながら声を上げる。

この辺は特に、魔理沙の大好きなキノコの胞子がヤバいので、出来るだけ長居はしたくないのだ。マスクはたった今装着したが、あまり、長持ちはしないだろう。

 

魔理沙「んぉ?お前が来るなんて珍しいな」

 

という魔理沙の声を聞き、俺は思わず肩をビクリと震わせる。玄関の扉は閉まったまま。

一体どこから声が─────。

 

魔理沙「横だよ横、どこ見てんだ」

 

カルゴ「よ、横かよ〜…」

 

横を見ると、窓から顔を出す魔理沙が居た。

全く、空から来る方がまだわかりやすくていい。

 

魔理沙「外は暑いだろ、入れよ」

 

カルゴ「おう、お邪魔するぜ」

 

鍵はかかっていないらしい。誰も来ないからって不用心すぎる。そのお陰で中に入れるのだが。

 

カルゴ「うわ…おいおい、片付けしろよ…」

 

家の中は相変わらず汚い。足の踏み場はあるが。

紙やら本やら、香霖堂から持ってきたと思われるガラクタなどがポイポイぶんながっている。

 

魔理沙「女子の家に入った第一声がそれかよ?」

 

カルゴ「悪い悪い…。えーと…涼しいな」

 

魔理沙「へへっ、凄い涼しいだろ!クーラーってホント凄いよな!こんなのを開発する外の人間も凄いし!」

 

カルゴ「その技術をすぐコピーできる河童の方が遥かに凄いと思うな、外から来た者としては」

 

魔理沙「ま、どっちも凄いのさ!待ってな、茶を出してやる!」

 

カルゴ「あ、お構いなく……行っちゃったし…」

 

パタパタとキッチンへと駆けて行った魔理沙を、苦笑いしながら見送る。

床に落ちている一枚の紙を拾い上げ、まじまじと眺める。何を書いてあるのか全く読めない。数学とはまた違う、謎の式や文字がズラズラと書き並べられていて、紙が黒くなっている。

 

魔理沙「おっと、それはまだ未完成の魔法だぜ。あんまジロジロ見るなよ?…と言いたいが、多分お前にゃ読めないか」

 

紅茶とクッキーを持ってきた魔理沙は、お盆ごと無造作に机に置く。その机の上にも、本や紙などがあるわけだが。

 

カルゴ「全く読めん。一体何の魔法なんだ?」

 

魔理沙「そりゃあ、完成してからのお楽しみさ。スペルカードとはまた違う、便利な魔法を考案中なんだぜ」

 

カルゴ「凄いな。頑張ってな」

 

魔理沙「もっちろんだぜ!ところで今日は何しに来たんだ?滅多な事じゃここに来ないだろ?」

 

カルゴ「今日はちょっと、レミリアからの伝言を持ってきたぜ。伝言っつーか、お願いかな」

 

紅茶に口をつけ、話を始める。いつもの事ながら話が脱線しやすくて困る。まぁ、それだけ話題があるということに他ならないのだが。

 

魔理沙「お願い?…あのレミリアが…私にか?」

 

カルゴ「属性魔法のパチュリーじゃ無理だから、無属性?の魔理沙なら出来るんじゃないかって」

 

魔理沙「…まぁ確かに、私はああいう属性魔法は使わないな。パチュリーの代わりというのが少し気に食わんが…レミリアのそばに居るのがアイツだから仕方ないか。どんなお願いだ?」

 

カルゴ「転送魔法の開発。幻想郷から別な世界へ行けるほどの、強力な魔法を作って欲しいんだ」

 

魔理沙「別世界…別世界!?なんだってそんな…まさか外に行くつもりか?……でも、紫が黙っていないと思うぞ?」

 

カルゴ「いや、多分違うな。外から来たからって里帰りするようなタマじゃねぇよ、レミリアは。多分、地獄や魔界の事を言ってるんだと思う」

 

魔理沙「オイオイ…死ぬぞ?」

 

カルゴ「噂に聞いた事があるだけだが、魔界は、地底以上にヤバい妖怪がウジャウジャ居るらしいじゃないか。地底でもかなり大変だったのに…。娘居るのに鬼に囲まれた時は肝を冷やしたぜ…」

 

魔理沙「わかっててそんな所に行くってのか?」

 

カルゴ「まだ確定じゃないけどね。とにかくだ、別世界への転送が可能な魔法の開発を依頼したいんだ。…お願い出来るか?」

 

魔理沙「別に構わんが…お前、知ってるか?転送する質量に応じて魔力を消費するんだぞ?もし、転送が可能になったとしても、一度にたくさんは無理だ。回復待ちたいから、少しずつになるぞ」

 

カルゴ「うん、それは承知してるよ」

 

質量に応じて魔力を消費するっていうのは、属性魔法の使い手もそうでない奴も同じなんだな。

魔法も、便利なようで便利では無いらしい。

 

魔理沙「よし、なら実験だ。手伝ってくれ!」

 

カルゴ「実験?まだ魔法開発してないだろ?」

 

魔理沙「お前がさっき見てた開発中の魔法式さ。あれ、転送魔法の式なんだ」

 

カルゴ「わお、なんという偶然」

 

魔理沙「お前や紫、茜みたいに、一瞬で移動してみたいなって思ってな。つい先々週、その開発を始めたんだ。ほとんど完成してるが…またそれを試してないから、未完成なんだ。不確かなのに、完成なんて言えないもんな」

 

カルゴ「そうだな」

 

魔理沙「どこに飛ばされたい?」

 

カルゴ「怖い言い方だな…。じゃ、永遠亭かな」

 

魔理沙「よし、永遠亭だな!」

 

そして、床にゴリゴリとチョークで魔法陣を書き始めた。それを書き終え、俺に魔法陣の上に乗るよう合図する。言われた通り魔法陣の上に乗る。それと同時に、ブツブツと詠唱を始めた。

言葉は聞こえるのになんて言っているのかが全く理解できない。魔法使いとはすごい。

 

魔理沙「発動っ!!」

 

カルゴ「────ッ!?」

 

発動の掛け声と同時に、魔法陣が白く発光して、俺の視界を奪う。気付いた時には、やかましい蝉の声は聞こえてこなくて、涼しい部屋に居たにも関わらず、俺の周囲は暑い。

屋外に出たと考えていい。そして、蝉の声が聞こえないという事は、人里や魔法の森、妖怪の山のどれでもないらしい。

恐る恐る目を開けた俺は、目の前に広がる竹林に目を奪われた。この景色は間違いなく永遠亭そばの迷いの竹林だ。とすると永遠亭は────。

 

カルゴ「うわっ…」

 

振り返ると、ちょうど目の前に永遠亭があった。

転送魔法、完成だ。

それを確認し、魔理沙のそばにスキマを繋いだ。

 

魔理沙「どうだった!?」

 

カルゴ「成功だよ、魔理沙。ちゃんと永遠亭前に移動出来ていた」

 

魔理沙「よっしゃあああああっ!!」

 

拳を突き上げ、ピョンピョンジャンプして喜ぶ。

魔法の完成は、やはり嬉しいものなのだろう。

 

魔理沙「なぁ、地底にも試してみていいか!?」

 

カルゴ「おう、良いぜ」

 

魔理沙「よっっっし!!待ってろ、新しい魔法陣今すぐ書くから!」

 

すぐにしゃがみ込み、ゴリゴリと書き始めた。

 

カルゴ「さっきのは…あれ、消えてる」

 

魔理沙「残してたって使えないからな、使ったら消えるようにしたんだ。床に書くのにいつまでも残ってたら邪魔だろ?」

 

カルゴ「それもそうだな」

 

魔理沙「いくぜ、実験第二弾!」

 

 

 

それからも幾度となく実験の手伝いをし、天界、冥界の白玉楼、地底の地霊殿や、妖怪の山の文の仕事場、博麗神社にも、ワープは出来た。

そして、このワープについてわかった事が3つ。

消費魔力は、運ぶ質量ではなく距離で変わる。

魔力を込めた魔理沙特製のカプセルを摂取する事で回復可能らしい。永琳の霊力回復剤と同じだ。

最後に、魔理沙が行ったことのない場所には転送不可能だという事が分かった。

試しに魔界へ行こうとしたがそれが叶わなかったので、その結論に至った。

魔界へは別な方法で行くしかなくなったが、その別な方法を共に探るという事で話がまとまった。

 

 

 

カルゴ「ってワケで、今のところは魔界や地獄は行けない。だけど、魔理沙はちゃんと転送魔法を完成させていたよ」

 

紅魔館に帰った俺は、魔理沙宅を尋ねて得られた答えを、魔理沙の話、実験の結果、自身の考察を交えて、順序立てて話し終えた。

 

フラン「あはっ、さすが魔理沙ねっ!」

 

レミィ「驚いたわね…。これで魔力が多ければ、パチェを越える魔法使いになれたでしょうね」

 

パチェ「仮にそうなるとしても今から数百年後の話よ。でもその頃には、私も喘息を克服してる…

はず。だから私が魔理沙に負けることは無いわ」

 

レミィ「そうよね。喘息さえ無ければ、パチェは最強の魔法使いだもの」

 

カルゴ「…まぁ、どっちが強いかは置いといて。なにか気付いた事とかありますか?」

 

パチェ「特に無いわ」

 

カルゴ「そ、そうすか…」

 

パチュリーなら、何か気付くかと思ったんだが…そうでも無いらしい。いや、自身の中で今の話を考え直しているのかもしれない。

 

パチェ「…でも、魔理沙の開発した転送魔法は、質量ではなくて距離で消費魔力が決まるのよね?魔理沙のと私のとでは、一体、どっちが便利なのかしら」

 

カルゴ「うーん…」

 

難しい質問だ。

近くて軽いなら、どっちとも言えない。

近くて重いなら魔理沙の方がお得。

遠くて軽いならパチュリーの方がお得。

遠くて重いなら、どっちとも言えない。

重さに関わるのがパチュリー、距離に関わるのが魔理沙。これではどっちとも答えようがない。

 

カルゴ「どっちもどっちでは無いですか?ケースバイケースで臨機応変に対応すれば、有効活用が可能でしょう」

 

パチェ「そうよね…。じゃ、方法は各々探すって事で良いわね」

 

カルゴ「おいっす」

 

フラン「はーい」

 

レミィ「…というか、どこに行こうとしてるのか分かってる?まだ目的地言ってないんだけど?」

 

パチェ「魔界でしょ」

 

フラン「魔界よね」

 

カルゴ「魔界だろ」

 

レミィ「ッ!?な、なんで……」

 

俺たちの答えは、恐ろしい程に一致していた。

理由はもちろん─────。

 

フラン「お姉様はビビりだもんね、地獄になんて行こうって言うわけないじゃない♪」

 

パチェ「そうね」

 

カルゴ「ほんとそれ」

 

レミィ「うぅぅ……!」

 

パチェ「…図星ね」

 

レミィ「あははっ、ビビりなお姉様面白〜い♪」

 

カルゴ「どっちも怖そうだけどな」

 

レミィ「うう……う………うー☆」

 

頭を抱え、椅子の上でうずくまってしまった。

カリスマなんて微塵も感じられない。

こんな状態では、“かりちゅま”だろう。

 

カルゴ「それじゃ、俺はそろそろ行くよ」

 

フラン「ぶー…もう行くのー…?」

 

カルゴ「うん。嫁と娘が待ってる」

 

パチェ「あぁ、今日は博麗神社の日だったっけ。知らないと思うけど、霊夢にも魔界に行く方法を聞いといてくれる?」

 

カルゴ「もちろんそのつもりですよ。ところで、もしも行けるとしたら、パチュリー様も俺たちと一緒に魔界に行きますか?」

 

パチェ「絶ッッッ対に嫌ッ!!」

 

カルゴ「あ、はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「って事があってよ。魔理沙、転送魔法を完成させてんだぜ。スゲーよな」

 

霊夢「魔理沙よ?当然じゃない」

 

子供らを寝かしつけたあと、いつも通りに夫婦の時間を過ごす時、今日の出来事を話した。別世界への訪問を計画している事、魔理沙の転送魔法の事などなど……。

すると意外な事に、霊夢には魔界に関する知識がある事が判明した。

 

霊夢「魔界ねぇ…。それだったら、先代だったかその前の巫女が、異変解決で魔界まで行ったって記録があったわよ」

 

カルゴ「ほー…ちょっと見せてくれるか?」

 

霊夢「どこに置いたっけ…納屋だったかしらね。ちょっと探すの手伝って」

 

カルゴ「おう」

 

俺の能力で納屋の中を照らして2人で納屋の中を探し、一冊の古い本を発見した。その本を神社の中に持ち帰って中を読むが、これまた俺には解読不能な文字で記述がされていた。

 

霊夢「あー…これ、博麗の巫女しか読めない文字なのかもしれないわ。私は読めるもの」

 

カルゴ「はぁ〜?なんだよそれ、ずっりぃ〜…。納屋の他の本は読めたのにな〜…」

 

どうやら、異変に関する本などは博麗の巫女しか解読が不能らしい。その文字を、鮮明に頭の中に浮かばせ、早苗にも読んでもらおうとしたのだが早苗にも読めなかったので、その結論に至った。

著者名だけは読めるのだが、内容はサッパリだ。

 

霊夢「へー…この巫女は4代目の巫女なのね」

 

カルゴ「霊夢は何代目なんだ?」

 

霊夢「確か…6代目って紫から聞いたわ。巫女の就任式の時に」

 

カルゴ「てことは先々代の記述ってわけか」

 

霊夢「そうなるわね。…この巫女、私と同じ名前なのね。偶然かしら」

 

カルゴ「博麗“靈夢”…旧字か、時代を感じるな」

 

表紙にその名前が書かれていたので、俺にもそれだけは認知出来た。

 

霊夢「そうねぇ…。あ、行き方書いてあるわよ」

 

カルゴ「どんな感じなんだ?」

 

霊夢「えーとね…《博麗神社の裏山の中に洞窟があり、その洞窟が魔界に通じている。しかしその洞窟には見張りがおり、突破は困難》だってさ。見張り…門番みたいなものかしらね」

 

カルゴ「だな。…てか、すぐ近くじゃねぇかよ。灯台もと暗しってか?まだ探してないが」

 

霊夢「ふーん…地底よりヤバい妖怪が居るらしいけど、それでも行くの?」

 

カルゴ「あぁ。危険度としては、地獄よりずっと低いだろ?それなら行くと思うぜ」

 

霊夢「なら私も行くわ。あなたを危険なところに1人で行かせるわけにはいかないから」

 

カルゴ「…背中は任せるぞ」

 

霊夢「あんたこそ。私の背中、任せるわよ」

 

カルゴ「おう」

 

それから数十分ほど、霊夢が訳した魔界の情報を頭に叩き込み、その対策を練り、その日を終えた。

次に紅魔館に行く時に、レミリア達にこの情報を伝える事にしよう。

…もしも魔界に行く時は、息子、娘たちは留守番させておくべきだろうな。

そう思いながら、霊夢と共に眠りについた。




旧作靈夢と原作霊夢が別人
博麗神社の納屋にある異変関連の書物は、博麗の巫女しか読む事が出来ない
靈夢が4代目、霊夢が6代目
というのは完全にオリ設定ですので悪しからず。

霊夢が6代目のワケ?
霊夢→れーむ→06→6って感じです。
日本人は語呂合わせが大好きですからね。

靈夢が4代目…これにも、一応理由はあります。
まず、世代が隣り合ってるのに同名というのは、個人的に違和感があります。
というかそれ以上に、霊夢が靈夢の存在を知ったのは今回が初めてという体で書いていますので。流石に先代の名前は知っていると思うんですよ。
引き継ぎの時に先代が生きていたとしたら、当然霊夢とも面識があるでしょう。たとえ死んでいたとしても、先代の事は紫さんから少しは話があると思うんです。

なので先々代くらいが妥当かな、と考えました。
時代が離れすぎていても、あまり良くないかなと思いますので。

魔界に通じる洞窟が博麗神社の裏山にあるというのは、魔界について調べてた時に、ニコニコにて発見した記述です。
もし間違っていたら俺ではなくその記事を記した人に言って下さい、よろしくお願いします…(汗)



彼が「博麗靈夢」の名前に反応しなかったのは、「彼がにわか」という設定を思い出して下されば納得がいくかと思います。
にわかの人は旧作の存在すら知らないでしょう。

さて、エスカルゴのにわか度がこれから明るみになりますねぇ…。旧作キャラの中で知ってる子はいるのでしょうか!?
(エスカルゴの知識量に、)乞うご期待ッ!!
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