※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

306 / 1140
メンバーの募集

カルゴ「魔理沙ぁ〜」

 

図書館から繋いだスキマの先は、魔法の森にある魔理沙の家だ。まずは移動手段を考案してくれている魔理沙に伝えるべきだと思う。

すると、タイミング良く扉が開いて、箒を持った魔理沙が扉から出てきた。

 

魔理沙「おぉ、どうした?今ちょうど、紅魔館に行こうとしてた所だったんだ」

 

カルゴ「魔界に行く方法がわかったから、それを伝えに来たよ。それと、一緒に行くかどうかも」

 

魔理沙「奇遇だな。私もだ」

 

カルゴ「えっ?」

 

魔理沙「思い出したんだよ、昨日の夜に。私さ、白蓮から『いつでも魔界に連れて行ってあげる』って言われてたんだ!」

 

カルゴ「マジか!でも…白蓮か〜…俺は少し苦手だなぁ、あの人…」

 

魔理沙「そうなのか?なんでだ?」

 

カルゴ「だってさ…『あなたは煩悩が多すぎる』って、何時間も説教されて座禅させられて…」

 

早苗と子作りする少し前だから4年半くらい前の話だったような気がする。あの頃からだ、向こうのメンバーとも少しずつ交流が生まれたのは。

それから、水場に行けば水蜜が絡んでくるようになってきたり…。まぁ、楽しいから良いが。

思えば、10年も向こうに行かなかったのは、一体どうしてだったのだろうか。

…で、煩悩が多すぎると説教されたすぐあとに、早苗と子作りしたのだから、俺の煩悩の多さには自分でも驚く。

 

魔理沙「たはははっ、あったなぁ、そんな事も!閻魔並みの説教だ、なんて言ってたもんな!」

 

カルゴ「ああ…思い出しただけでも寒気がする」

 

魔理沙「よっぽどなんだな。…それでどうする、白蓮に頼むか?」

 

カルゴ「うーん…多分こっちの方が楽な方法だと思うんだ。まずはどんな方法か聞いてくれよ」

 

魔理沙「おう!どんな方法なんだ?」

 

カルゴ「博麗神社の裏山にある洞窟に入る」

 

それだけを聞くと、まだ続きがあると思っているだろう魔理沙は、黙って俺の言葉を待とうとするので、玄関には蝉の声以外の静寂が生まれる。

しばらく見つめ合ったあと、待ちきれなくなった魔理沙は口を開く。

 

魔理沙「…で?」

 

カルゴ「『で?』じゃなくて…それだけだ」

 

魔理沙「はぁぁ!?ホントかよ!?」

 

カルゴ「博麗神社の納屋。あそこにさ、先々代の巫女が記した魔界関連の異変の記述があってさ。それに書いてあったんだよ」

 

魔理沙「納屋の…?あー、それってもしかして、全く読めない変な本か?表紙しか読めないヤツ」

 

カルゴ「そうだよ。なんでわかったん?」

 

魔理沙「ず〜っと前にこっそり、戸棚に閉まってあった古ぼけた本を読もうとしてさ。読めなくて悪戦苦闘してたら霊夢に見つかって、没収されたあげく、納屋に仕舞い込まれたんだよ。私だって読めない本は要らないからな、それっきり放っておいてある」

 

カルゴ「なるほどな〜」

 

霊夢が「どこに置いたっけ」と言ってた理由は、本の置き場を変えたからなのだと納得がいった。

 

カルゴ「で、どうする。行くか?」

 

魔理沙「あったりまえだぜ!!力試しに丁度いいだろう!マスパの嵐をお見舞してやるさ!」

 

魔理沙も、戦いになるかもしれないということは承知しているらしい。これなら安心だろう。

 

カルゴ「そりゃ頼もしい。この日がいいな、とか日時の希望があったらいつでも言ってくれよな。俺はこれからみんなのところ回るから、その時は紅魔館の大図書館に行ってくれ」

 

魔理沙「了解だぜ!今の所はいつでもいいから、ミニ八卦炉の手入れしておくぜ!」

 

カルゴ「おう」

 

屋内に戻った魔理沙を見送り、次は博麗神社へとスキマを繋いだ。そこでは、いつもの様に霊夢達そっくり3人組が、ダルそうに横たわっていた。

 

カルゴ「どーしたどーした、ダルそうだな?」

 

霊麗「あっ、お父さんおかえりっ!」

 

ぴょこっと飛び起きた霊麗は俺の腰に抱きつく。霊夢と霊愛の2人は、そんな俺達の様子を「暑いのによくくっ付けるわね〜…」とでも言いたげなジト目でこちらを見る。

 

霊夢「どーしたの?もう私が恋しくなった〜?」

 

娘2人(何言ってるんだろお母さん…)

 

カルゴ「それもあるけど…」

 

娘2人(あるんかい!)

 

霊夢「けど?なんなの?」

 

カルゴ「魔界へ行くの…霊夢は行くだろ?霊愛と霊麗はどうかなって。よく考えてみたら、2人はそこそこ実力あるから、連れて行ってもいいかなって思うんだ。ある程度、人数は絞らせてもらうけどね」

 

霊夢「うーん…そうねぇ…。どうする?」

 

霊愛「魔界ねぇ…。暇潰しには良いかも?避暑になればいいけど」

 

霊麗「あはっ、お姉ちゃんそればっかだね!でも確かに、暇潰しには良いかもね!行きたい!」

 

カルゴ「それじゃ、候補には入れておくよ。また連絡する」

 

霊夢「ここに来たのに、私に何もせずにどこかへ行くなんて許さないわよ〜?」

 

スキマを開こうとすると、霊夢がズリズリと縁側まで這ってきた。どこまでもダラけている。

 

カルゴ「何もって…。話しに来ただけだぜ?」

 

霊愛「ホントお父さん鈍感だよね。察せない?」

 

カルゴ「知るかっ!…んじゃあ……」

 

抱きつく霊麗を離して、縁側の霊夢のところまで歩み寄り、そっと唇を重ねる。

汗のせいでちょっぴり湿っている。

 

カルゴ「これでいいだろ?」

 

娘見てる目の前でキスするなど、あまり無いことなのでかなり恥ずかしい。

 

霊夢「ふん…最初からそうしなさいよ…ばぁか」

 

カルゴ「ふん、どーせ俺は鈍感ですよーだ。それじゃ、また連絡するぞ」

 

霊夢「ええ」

 

スキマを開き、それに飛び込む。次の目的地は、永遠亭だ。今日は普段通りに診療所をやってる日なので、サッと済ませるのがいいだろう。

 

 

霊愛「仲良し…だねぇ…」

 

霊麗「そうだねぇ…。ずっとこんな感じなの?」

 

霊愛「私が物心ついた時にはもうこんな感じ」

 

霊麗「あはは…。そういえばお姉ちゃん、この前里でさ……」

 

 

日時について、霊夢に尋ねていなかった。

診療所の扉に手を掛けた時その事に気付いたが、引き返そうとは思わなかった。霊夢の事だから、いつでもいいと言うに決まっている。

そう納得した俺は、診療所に入る。

 

鈴仙「こんにち…あ、エスカルゴ!どうしたの?また何かあった?」

 

カルゴ「ちょっと話があって。…少しだけ、時間もらってもいいかな?」

 

見る限り、部屋の中には患者が居ないので、話はすぐに始められそうである。

 

鈴仙「いいよー、どうしたの?」

 

カルゴ「今度、魔界に遊びに行くんだけど、もし良ければ鈴仙と巫月もどうかなって。でも、少し危ないみたいだから、人数は絞らせてもらうが。とりあえず希望だけ聞いておきたくて」

 

鈴仙「危険なのかぁ…。巫月が行くんだったら、私も行くわ。巫月は今トイレに……あっ、来た。巫月ー!エスカルゴ来てるよー!」

 

巫月「ホント!?」

 

鈴仙が奥の方に呼び掛けると、すぐに娘の元気な声が返ってきた。そして、ビュオオッという風と共に現れ、先程のフランよろしく、俺に突進してきた。

 

カルゴ「ぐほぉっ…」

 

突進はやめてくれと心の中でお願いする。

さっきもそうだが、肋骨が軋むのだ。俺に会えて嬉しいという気持ちが強いからこそ、そういった行動に出るのはわかっている。

それこそ、文字通り痛いほど(・・・・)にわかる。

しかし限度は…弁えてほしい。

注意したいのは山々だが────。

 

巫月「エスカルゴ〜♪むふふ〜♪」

 

と、頬擦りしながら顔をほころばす。こんなにも甘えられてしまっては、注意できるものも、注意できなくなってしまう。

 

カルゴ「よしよし…。それで、少し話いいかな?ちょっと急ぎなんだけどさ」

 

巫月「お話?なぁに?」

 

鈴仙「魔界っていう所におでかけするんだけど、巫月もどうかなって。どうする?」

 

巫月「…?よくわかんないけど行く!」

 

カルゴ「てことは、鈴仙も…」

 

鈴仙「そうね、行くわ」

 

カルゴ「オッケー、了解だ。とりあえず、人数は絞らせてもらうが…その時は、また次の機会に、こっそり行こうな」

 

巫月「うん!」

 

カルゴ「それじゃ次は白玉楼かな。また連絡するよ、2人とも」

 

鈴仙「わかったわ」

 

巫月「はーいっ!」

 

2人の見送りのもと再度スキマを開く。スキマの向こうからは、少しばかり冷たい空気がスゥッと流れ込んできた。

この時間は、妖夢も妖舞も修行しているはずだ。

幽々子さんは…行かないだろうから、その2人にだけ話をして、主の幽々子さんへは、その2人に話をしてもらおう。

門を通さず庭に直接スキマを繋げたので、2人の姿はすぐに視界に入った。

やはり修行中らしいが、剣ではなくて弾幕の方の修行をしていた。1人では無く、2人でだ。

 

カルゴ「おいっす、妖夢、妖舞」

 

妖夢「エスカルゴっ!」

 

妖舞「父上!」

 

弾幕を撃ち合っていた2人は、俺の姿を見ると、すぐに発射をやめて走り寄ってきた。

 

妖夢「どうしたの?今日は白玉楼の日じゃないと思うけど…」

 

カルゴ「まぁそうなんだけど。少し時間いい?」

 

妖夢「うん、大丈夫。ね?」

 

妖舞「うん!」

 

カルゴ「…今度、魔界にお出かけするんだけど、もし良ければ妖夢と妖舞もどうかって。もちろん人数は絞らせてもらうから、必ず行けるってわけじゃない。それに危険だ。…もし行けなかったら別な機会にって思ってる。どうかな?行きたいか行きたくないかだけ聞きたい」

 

妖夢「えーと…つまり、行きたい人を募って人数絞って、今回はその人たちだけで行って…。また別な機会に、今回は行けなかった人ってことね。…どーしよっかなー…。妖舞が行くなら行く」

 

妖舞「面白そー!俺行きたい!」

 

妖夢「…じゃ、私も行く。候補に入れておいて」

 

カルゴ「わかった。日時の希望は?」

 

妖夢「んー…幽々子様に聞かないと。あっ、それって紫様も誘うの?」

 

カルゴ「紫さんは誘ったって来ないだろうが…。まぁ、誘う予定だぜ。茜も居るしな。なんで?」

 

妖夢「幽々子様、何かあると紫様の所にお出かけするから…私たちがお出かけして紫様も留守なら幽々子様が1人になっちゃう…」

 

カルゴ「うーん…わかった、紫さんは誘わないでおこう。その前に幽々子さんの都合を聞かなきゃなんだけど」

 

妖夢「ちょっと聞いてくるね!」

 

カルゴ「俺も行く」

 

 

 

〜青年少女説明中〜

 

 

 

幽々子「魔界に…ねぇ。良いんじゃないかしら?退屈しなそうで。承知したわ、いつでもいいから行ってらっしゃいな」

 

幽々子さんの答えは、意外にも快諾だった。

それに、俺と妖夢は少なからず安堵する。

 

妖夢「ありがとうございm…」

 

幽々子「ただし!」

 

親子「ッ!?」

 

いつも穏やかな幽々子さんが、突然に大きな声を出したことで、俺たち親子3人は少しばかり正座のままで飛び上がる。

 

カルゴ「な、なんでしょう…」

 

幽々子「…2人の事、ちゃんと守ってね」

 

なるほど、俺を念押ししたかったのか。言われるまでもないその内容に、思わず口角を上げる。

 

カルゴ「もちろんですよ。嫁と子を守れなくて、旦那がつとまりますか」

 

幽々子「ふふっ……そうね」

 

扇子を口元に当て、優しく微笑む。

妖夢は頬をピンク色に染め、妖舞は「自分の身は自分で守れるぜ」とでも言いたげに口をへの字にしている。

 

幽々子「ならその日は、自炊しましょう♪」

 

幽々子さんのこの一言で俺達が凍り付いたのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢「あとはどこに行くの?」

 

少しばかり妖舞の修行を手伝っているうちに夕方となった。この用事は、何としても今日中に終わらせたいので、そろそろお暇する。

 

カルゴ「紫さんの屋敷、守矢神社、文の仕事場。この三ヶ所で終わりだ。もう少しで夕方だし、文たちも帰ってくる頃だろうしな」

 

妖夢「そっか。連絡お願いね」

 

カルゴ「もちろん。じゃ、また後で」

 

妖夢「うん♪」

 

妖夢に見送られ、白玉楼を出る。

次は守矢神社で、その次は文の仕事場へ。最後に紫さんの屋敷へと赴いた。

早苗と樹里愛は、「ぜひ行きたい」とのこと。

諏訪子様と神奈子様は当然、お留守番だ。

「エスカルゴとはどこにいてもお話できるもん」との事だ。しかしみんな分かっている。諏訪子様が魔界を恐れていることに。何とも可愛らしい。

そして、文と穹は「魔界の風景を…!」と言って目を輝かせていたので、今回は2人、リード付きの首輪をつけさせるべきだろう。

そして──────。

 

紫「そうねぇ…楽しそうだけど私は行かないわ。管理の仕事があるし、1人になっちゃう幽々子と一緒にお酒を飲むのも良いでしょう」

 

カルゴ「後者が本音では?」

 

紫「あら、バレた?ふふっ…。茜はどうするの?お父さんとお出かけしてみる?」

 

茜「したいっ!みんなとお出かけって、あんまりしたことないし!」

 

紫「…だそうよ。一応は、茜の事も候補に入れておいてあげて」

 

カルゴ「了解」

 

日時の希望なども、特に無いそうだ。

普段やる事とは言っても管理だけなので、希望が無いのも特に不自然ではないだろう。毎日同じ事をやっているのだから、希望もクソもない。

 

カルゴ「じゃ、そろそろ紅魔館に帰ってみんなに伝えときます。選出法について考えたいですし」

 

紫「そうね。それが良いで────」

 

突然目を見開き軽く舌打ちをする紫さん。それと同時に、茜もピクリと反応を見せる。

何か異常事態が起こったのだろうか。

そして、スキマを開くと、「霊夢!無闇に結界を緩めないでって何度も言ってるでしょ!?」と、凄まじい怒鳴り声をスキマの向こうに浴びせる。

 

茜「はぁ…また霊夢さん…」

 

あとで注意しとかないとダメかもしれないな。

 

カルゴ「緩みをちゃんと探知できたんだな」

 

茜「うん。少しでも緩んだらすぐわかるよ。その治し方はまだ教えて貰ってないけどね」

 

カルゴ「そっか。偉いぞ、茜♪」

 

茜「えへへ♪」

 

スキマ越しで、紫さんと霊夢が会話しているのを横目に、茜の頭を撫でて褒める。そして紫さんはスキマを閉じ、こちらに向き直る。

 

紫「はぁ…全くあの子は…。エスカルゴ、あなたに伝言よ」

 

カルゴ「えっ?」

 

紫「なんでも、貸本屋の娘がまた何かやらかしてその騒動の後始末をしなきゃいけないみたいよ。魔界にも行けるかどうかわからないみたい」

 

カルゴ「えっ!?…いや、日時は未定ですが…」

 

紫「あのお嬢様がそんなに待ってくれるかしら?霊夢、この事件が長引くと思っているみたいよ。だから、あのお嬢様は待ちきれなくなって、出発するって読んでるみたい。どうなるのかしらね」

 

カルゴ「チッ…小鈴のヤツ、今度は何をやらかしやがったってんだ。了解です紫さん、俺がそれを早く終わらせます。まだ夕方ですし、何としても今日中に終わらせます」

 

紫「頑張って。あと、日時が決定したら…」

 

カルゴ「連絡ですよね、わかっていますよ。それじゃ、また後日!」

 

紫「ええ」

 

紫さんにぺこりと頭を下げて、鈴奈庵へ向かっているであろう霊夢達の背後にスキマを開き、合流した。そして軽く事情を聞き、親子4人で騒動の解決へと乗り出した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。