……迷った……。
はぁ?何ここ?ホンットに竹ばっか。
帰りは妹紅が居たからすんなり帰れたけど…。
なんでも、レミリアたちが俺の事迎えに来る時には、たまたま竹林の手前で会った妹紅に道案内を頼んだとかなんとか。帰る時は待っててもらったんだと。
そして、運ぶ時は竹林で迷ってる時に会ったとか。
つまり、妹紅に会うのが遅かったら死んでた訳だから、妹紅も命の恩人って訳だ。
とにかく、1人ではここを抜け出せないかもしれない。
一旦抜けようと思ったのだが、その前に右やら左やら歩き回ったのが良くなかった。おかげで、完璧な迷子になってしまった。
「チクショウ…」
もうその言葉しか無いわ…どーすんのよこんな所で…。花火でも出して誰か呼ぶか?へへっ、そんなん出来るならやってるっつーの…。
……ん?花火?
そーかそーか…その手があったか…。
だが…竹林大丈夫か?
いや、一応開けたところに行こう。
…よし、この辺なら良いだろ。
ある程度空が広く見える所に移動した。
「よし…やるか。…『雷砲』!」
ギュゥゥゥン……
「…よし、サン……」
発射しようとして気付いた。
今はまだ明るいから気付かなくね?
「うーん………」
チッ…やるしかねぇか…。
「サンダァァァァ!!!」
ドシュゥゥゥ……
「んん〜…?」
爆発しねぇなぁ…なんだ?
あっ…そうか、何かに触れなきゃ爆発しないやん…。
と思ったら、高く飛びすぎた弾が落ちてきた。
シュルルル……カッ…ドォォォォォォン!!
1本の竹に触れて爆発を起こした。
「よしっ!」
昼間の雷は見えにくいだろうが、爆発が起きれば!
「うわー、凄い爆発ウサね〜…」
ビクッ!
ビックリしたぁ…。その声は…。
「因幡てゐ!参上!いえーい!」
「ははっ…」
それしか決めゼリフ無いのかと苦笑する。
「迷ってたんでしょ?助けてあげてもいいウサよ?」
「おお!本当か?!」
これぞまさに渡りに船って奴だろう。
「とりあえず付いてくるウサ」
「はいよ」
助かったのは助かったが…どこに連れてくつもりだ?
「おいてゐ。俺、行き先…言ってないぞ?どこに向かうのかわかってるのか?」
ピクッ…
あっ、反応した。
「チッ……永遠亭ウサよね?分かってるウサ〜」
「今舌打ちしたよな?」
「な、なんのことウサ?」
「まぁ…いいか、永遠亭へ案内してくれ、頼む」
「ガッテンウサ!」
しばらく歩いた。
この竹林はヤツのテリトリーだ…。
いつ何が来るかわからない、油断は決して出来な
ズボッ
「うぎゃっ」
「あっははは!引っかかった引っかかった〜!」
落とし穴…かよ…。
上からてゐの声が降ってくる。
「お前ぇ…!」
「やーいやーい!出て来れるもんなら出て来やがれ〜!あははははは!!」
そう言いながら逃げているのか、どんどん声が遠ざかっていく。
チッ…かなり深い。俺の身長の倍はある。
「次会ったら覚えとけよぉぉぉ!!」ヨォォォ…ォォ…
狭い穴の中で俺の声だけが虚しく響く。
「とりあえず出なきゃな…。飛んで探した方が良かったか…。馬鹿正直に歩かなきゃよかったぜ」
そう独りごちる。
そして、脱出方法を考え始める。
狭いから羽は広げられない。ならよじ登るか……。
「クッ…崩れる…」
土だから指を刺せても崩れちまう。
なら、穴を広げるしかないな。
「雷武器『雷砲』!サンダ……」
また撃つ前に気付いた。
このままぶっ放したら、穴を広げることは出来るだろうが俺に土が降り掛かってくるかもしれん。
そうなりゃ生き埋めだ。
えーと…それなら……。
「雷鎧『サンダーアーマー』!」
よし、これで防御は完璧だな。
「3…2…1…サンダァァァァ!!!」
ドォォォォォォ!!!
「うひゃぁぁ!」
ん?てゐの声だ。あんにゃろ、近くにいるな!?
クソ、多少俺の上に積もった!
「もう1発だ!サンダァァァ!!」
ドドォォォォォォ!!
「ぎょええええ!目がぁ、目がぁ〜あ゙あ゙あ゙~」
てゐのことだ、穴を覗こうとでもしたんだろう。
そうしたら勢いよく土を浴びたってとこか。
穴は浅くなったし広くなったし、この位ならジャンプでも出れるな。
「セイッ!」
ピョンッ
掛け声と同時に飛び出す。
「ふぅ…」
あ…クレーターのようになってしまったな。
まぁいい。てゐは…?
「ゔ〜、痛いウサ痛いウサ痛いウサ〜…」
目を抑えて頭をフリフリしてる。
「おい、てゐ」
「ひゃっ!」
呼びかけると同時に両肩を掴む。
「な…何の用ウサ〜…?」
「とぼけるんじゃない。…案内、宜しくな」
「は〜い……。じゃ…行くウサ〜…」
「おっと。次落とし穴にやろうと思ったらお前を焼くぞ?」
一応脅しとく。
「は…は〜い……」
「着いたウサ」
「ああ、着いたな」
「私もたまには役に立つウサ♪」
「たまには…な」
「ちぇ〜…」
「ま、ありがとな」
そう言って頭をワシャワシャする。
「ちょっ、止めるウサ!」
「はは、すまんすまん。またな」
「はいな〜!ごゆっくり〜!」
「はいはい」
果てさて…どうしたものか…。
玄関の前でウロウロしてると…
ガララッ
「うおっ」
永琳…!
「来たわね。入りなさい」
「は…はい…」
「あのっ…」
「何かしら?」
「今日は…病院は?」
「休みよ。まぁ救急の患者が来ればそっち行くけど」
「なるほど…」
「あぁ、そうだ。お金は預かってるかしら?」
「あっ、はい、ここに」
「ありがとう。……あら、ちょっと多いわ」
「えっ…ああ、障子の修理代に…」
「あら、ありがとう。じゃあ遠慮無く」
「はい」
「ウドンゲ、待ってるわ。…泣かせないでね」
「…もちろん、そのつもりです」
「彼女達からは?」
「…もちろん、許可は得てます」
「なら安心ね」
「…はい」
「…ここよ、ここで待ってるわ」
ここか…。ドアノブに、丸っこい字で『れいせんのへや』って書かれた札がぶら下がってて可愛らしい。
「ありがとうございます…」
「じゃ、ごゆっくり」
「はい…」
どうせどこかで聞いてるんだろうな…。
「スー……ハー……」
深呼吸完了、よし、行くか。
コンコンコン
「はーい」
鈴仙の声だ。世話してくれてた時のような声色だ。
怒ってるような感じはしない。
「…来たよ。入れてくれるか?」
「はい♪」
カチャッ
「お待ちしてました!どうぞ♪」
「あ、ああ…」
鈴仙の部屋に入る。
フランやレミリアのそれとはまた違って、実に女の子らしい雰囲気だ。
「どうぞ、座って下さい」
「あ、はい…」
小さいテーブルを挟んで向かい合って座る。
『……………』
うう…こういう沈黙が…。緊張すんなぁ…。
早く言うべき事言わないと…緊張でやられる!
「あの…っ」
「はい?」
「あの…今日来たのは…その…昨日の返事…というか…うん。それで来たんだけど…」
「…はい」
「えっと……アレさ…」
「はい…」
「良い…よ。付き合おう」
「…え?」
「…鈴仙が…俺でいいって言うなら…。昨日は…ごめんな、よく考えないで断っちまって…」
「えっ……?」
「鈴仙がやっぱいいって言うならそれでいい」
「う…」
「…?」
「嬉しいですっ!」
ガバッ
「うおっ」
急に抱きついてきたから驚いた。
ガターン!
「ちょ、鈴仙、テーブルの上に…」
「えへへ♪そんなのどうでもいいんです!」
「どうでもいいって…」
「こうしてエスカルゴさんとお付き合い出来るってだけで嬉しいんです!」
そ、そっか…。なんでそこまで…?
「あ、ありがとう…」
「あのっ…この後、デートしませんかっ?」
「えっ…」
モロにデート言うた…。
「ダメ…ですか?」
抱きつきながら上目遣いで俺を見る。
上目遣いやめろぉ、可愛すぎるぅ…。
フランのそれと同じくらい可愛い。
「…いや…良い…よ」
「やった♪」
「でも、この後フランたちと遊ぶ約束してるから、そこまで遅くまでは出来ないよ。それでも良い?」
「…わかり…ました…」
ちょっとだけ機嫌が悪くなる鈴仙。(・ε・` )
「お師匠様!デート行ってきます!!」
「!?」
突然大きな声で言う鈴仙。
え、やっぱり近くにいるの?
「わかったわ。そうなるだろうと思って、あなたの部屋の前にお金置いといたから、好きに使いなさい。お釣りはあげるわ」
どこから声すんのかわかんねぇな。
というか、こうなること分かってたんかい!!
「はーい!ありがとうございます!」
「準備良いね…」
「だってお師匠様だもんっ♪」
だもんって…可愛いのぅ…。
「ふふっ、そうだね」
「じゃ、行ってきま~す!!」
「気を付けてね」
「は〜い!!」
全く、どこから返事してるのやら…。
ま、行くか。
「行こっ♪」
そう言って手を差し出す鈴仙。
「…ああ」
素直に手を取り、歩き出す。
行き先はもちろん決まってない。
立ち塞がったのは皆さんご存知、竹林とてゐです!
迷いたくないです穴に落ちたくないです(´;ω;`)
次回は………またあの○○が!
お楽しみに!