詳しくは後書きで。
巫月「アリスちゃん強いね!でもなんか、殺気が生ぬるいけど大丈夫?」
アリス「私は、あなたを殺すつもりは無いわ!!ただ、あなたを無力化するのっ!」
ピョコピョコとトリッキーな動きを見せる巫月。それにアリスは翻弄され、弾は的に当たらない。
巫月は電力を抑えて、妖力弾では無く、電力弾を発射している。電力弾を放てるのは、幻想郷でも少数しか居ない。
巫月「私を無力化だって!あははっ、そんなの、アリスちゃんには出来っこないよ!」
アリス「やってやるんだから!えぇぇいっ!」
そばに2体の人形を出現させ、同時に弾幕を発射し始めたアリス。ロリっ子アリスも、人形は使うらしい。数は2体だけとはいえ、人形も合わせて3人同時の攻撃は、そこそこ高密度だ。
巫月「密度増えた…。雷壁『雷纏反撃壁』!!」
弾幕を避けきれないかも、と判断した巫月は、俺が教えた反撃の壁を作り出す。それはしっかりとアリスの弾幕を受け止め、反撃していた。
アリス「ふふふっ…あなたこそ、こんな反撃技で私を倒せるとでも思ってるの?少し痺れるけど、痛くも痒くも無いわ!」
そう言ってアリスはさらに攻撃力を上げ、巫月の壁に、ピキピキとヒビを入れ始める。
巫月「攻撃力だけなら私より上…?だとしても、総合力で勝ってやるんだから!雷武器『雷針』!喰らええぇぇっ!」
針を作った巫月は、多数の針をプラスとマイナスの要領で勢いよく飛ばして、アリスの脚や腕、本などにブスブスと突き刺す。
巫月「いっくよー…!幻雷『
薄ピンク色の稲妻を、アリス目掛けて放ったかと思うと、その稲妻は、アリスに突き刺した針へと真っ直ぐに向かう。そして、針と稲妻が触れた瞬間、軽い爆発が連続して起こった。
アリス「きゃああっ!」
爆発によって起こった火炎が、アリスとアリスの本、人形たちを包み込む。
カルゴ「おいおいおいおい…!」
燃え広がるアリス達を服で消化しようとするが、巫月が俺の腕を掴んで制止する。
カルゴ「ちょっ、アリスが燃えて…」
巫月「爆発はするけど、火はマ・ボ・ロ・シ♪」
カルゴ「え…」
確かに、よく見ればわかる事だが、炎は上がっているが焦げたり煙が上がっている訳では無い。
巫月「まっ、雷と爆風は本物だけどね」
カルゴ「………」
呆気に取られた俺は、娘とアリスから離れ一同の元に戻る。しかし、呆気に取られていたのは俺だけでは無く、その戦いを見ている全員であった。
霊夢「ほ、本当に燃えてないの…?」
カルゴ「焦げてないし…燃えてないと考えるのが自然だと思う。…近付いても熱を感じなかった」
魔理沙「どう見ても本物だぜ、ありゃあ……」
霊愛「…リアル過ぎだよ、この幻覚…」
鈴仙は確か、波長をイジって幻覚を見せるやり方だったはず。だが巫月はそういった行程を踏まずに、直接幻覚を見せてくる。しかも、自分の目を相手に見せなくても幻覚を見せられるほどに成長したらしい。巫月が見せようと思ったらしっかり見えるようだ。リアル過ぎて怖い。
アリス「幻だとわかってれば、こんな炎…くっ…立てない………?」
四肢に雷を撃ち込まれてしまったアリスは、座り込んだまま、立ち上がれないらしい。懸命に力を入れようとしているようだが、プルプルと震えるだけであった。
巫月「あなたはもう立てないし、戦えない。この戦いは私の勝ちで良いわね?」
アリス「っ…くぅぅっ……!」
悔しそうに唇を噛み締めるアリス。
幻覚を見せるのをやめたらしく、炎は見えない。
すると巫月は、アリスの前に膝をつく。
巫月「あのね?私たち、悪い事するために魔界に来たワケじゃないんだよ?」
アリス「でっ、でも…鬼さん達いっぱい殺したりしてたじゃないっ!」
巫月「さっきも言ったけど、こっちが殺されそうになったから、鬼を返り討ちにしただけなのよ?こっちからは襲ってないもの」
アリス「でもでもっ…なんで何もしてない人を、鬼さんが襲うの…?」
巫月「地上から来たから、美味しいとでも思ったんじゃないのかな。美味そうって言ってたし」
アリス「じゃあ…悪かったのは鬼さん…?」
巫月「そういう事。私たちは正当防衛だよ」
過剰防衛とも言えそうだがな…。
すると、アリスの目から疑惑の色が消えた。どうやら、巫月の説明で納得してくれたようだ。
アリス「そっか…ごめんね、急に襲ったりして」
巫月「大丈夫だよっ♪ 誰も怒ってないもん!ね、エスカルゴ!」
急に振り返り、話題を振る巫月。
また急に…と思うが、焦ること無く一言を返す。
カルゴ「そうだな」
アリス「良かったぁ…。あなたのお名前は?」
巫月「巫月・優曇華院・スカーレット!」
アリス「巫月ちゃんって言うのね!ねっ、私達、お友達になりましょ!」
巫月「いーよ!うふふっ♪」
アリス「えへへっ♪」
可愛らしく笑い合って、握手している2人。
子供は子供同士、仲良くしてもらいたいものだ。
魔界にはアリスのような(まともな姿の)子供は少ないようだから、アリスも友達が欲しかったのだろう。
無邪気に笑うアリスを見て、俺はそう思った。
巫月「立てる?」
アリス「うん、もう大丈夫だよ。…あの…ほかの皆さんも…さっきはごめんなさいっ!」
巫月に引っ張ってもらい立ち上がったアリスは、俺たち一行の前に立ち、ペコリと頭を下げる。
事情を知らずに襲ってしまったということを反省しているようだ。正直過ぎて、逆に困惑する。
霊夢「こ…こっちこそ悪かったわね。もう少し、手を抜けばよかったわ」
魔理沙「そうだな…あはは…」
レミィ(私は謝らないわよ)
フラン(私悪くないもん)
すると、アリスが1つの提案をする。
アリス「これから私のお家に来ない?ママに友達紹介したいのっ!魔界の奥の奥の、パンデモニウムって言う所に住んでるんだけど…」
巫月「わ〜っ!行きたい行きたい!ねーエスカルゴ、行ってもいーい!?」
カルゴ「んー…どうする?皆…」
霊夢「お菓子出るなら」
霊愛「同じく」
魔理沙「別に構わんぜ。行きたい所もないし」
フラン「魔理沙と同じー」
レミィ「無いというかわからないだけでしょ…。私も同じ意見よ」
咲夜「同じく」
文「後ほど案内して頂ければと思うのですが…」
穹「言われてしまった…」
カルゴ「…うん、いいよ」
巫月「やったぁ!アリスちゃん、案内して!」
アリス「うんっ!皆さんついてきて下さい!」
アリスが一番前に立ち、巫月が横に並んで、手を繋いで色々喋りながら歩いていく。
俺たちも俺たちで、色々話しながらそれについて行く。時々俺を振り返る事から考えて、俺の事を話しているのは、間違いない。ロクでもない事を言っていそうで、その度に嫌な汗が流れる。
しばらく歩くと、工事現場の様な道に出た。
驚いたことに、魔界の妖怪達は、土壌を押し固めるのに、ロードローラーを使っている…らしい。
今は使っておらず、別な道具を使い、土壌を押し固めているようだった。
まさかロードローラーがあるとは思わなかった。
アリス「あれ…あれれれ?」
作業員「おいおいアリスちゃんよぉ!ここは工事中だから近寄るなって今朝言ったろう!?全く、タダでさえ
アリス「わ、忘れてた!ごめんなさいっ!」
ヘルメットの様な硬そうな帽子を被り、作業着の様な分厚そうな服を着ている、工事中の妖怪に怒鳴られたアリスは、ペコペコと頭を下げている。
魔理沙「工事?どういう事だ?」
アリス「ごめんなさい。あのねあのね、機械的なトラブルで工事が遅れてるの。それでね、作業員さんがちゃんとお仕事が出来なくてね、この道はまだ通れないの…」
カルゴ「ロードローラー…か。なぁおじさァん、その作業ってよ、道を固めるだけか?」
手をメガホンのようにして、アリスと話していたオジサンに話しかける。作業がそれだけなのは、見ればわかるが、念の為に確認した。
作業員「ああ、それだけだ」
カルゴ「その作業さ、今すぐ終わらせられるけどどうする?手伝ってやってもいいぜー?」
霊夢「ちょ、エスカルゴ!?何言ってんの!?」
作業員「おぉ頼む!」
作業員が増えると思ったらしいおじさんは大きなハンマーの様な物を持ってくる。それで、地道に地面を叩いていたのかと思うと、途端にやる気が失せる。
カルゴ「いやいいよ、自己流でやるから。作業員のオジサンら、危ないから、ロードローラーごと少し離れてよ」
作業員「おいおい…あれを押すの大変だぞ?」
魔理沙(あんな重そうなの押せるのかよ)
カルゴ「えー、しゃーないなぁ。んじゃ、みんなまとめて……っと」
作業員ら10数人に電気を帯びさせ、ロードローラーごと作業現場から数十メートル離れさせる。
やはり、浮かばせたりする技術は、習得していてよかった。
霊夢「私たちも離れましょ」
アリス「でも、どうするつもりなのかな…」
霊愛「さっきのアレだね」
カルゴ「よっし、ちゃっちゃと終わらせっかな。雷武器『雷鎚』!!」
作業現場一帯を覆うような巨大な鎚を生み出し、それを高々と持ち上げ、勢いよく振り下ろす。
カルゴ「せいぃぃやああああぁぁぁぁっ!!」
ドゴオオオオォォォォォ……
もうもうと土埃が上がって、地に足を付けていた全員は振動で大きく飛び上がる。
霊夢「あのバカ、加減ってのを知らないの…?」
アリス「でもすごい…!ボコボコしてたのを一瞬で真っ平らにしちゃった…!」
巫月「だって私のエスカルゴだもん、すごいのは当たり前よ♪」
霊夢「私のよ」
巫月「わ・た・し・の!!」
フラン「私のでもあるわ!」
咲夜「わ、私のでも…」
魔理沙「まぁまぁまぁ!み・ん・な・の・だ!」
4人「納得いかない…」
アリスたちのそんな声を聞きながら、俺は武器を消し、作業員のオジサン達へ向き直る。
カルゴ「ふぃ〜…。なぁオジサン、こんな感じでイイかな?一応、現場は真っ平らにしたぜ?」
作業員達「スゲェぞ兄ちゃん!ありがとうよ!」
カルゴ「じゃ、俺たち通っていいかな?」
作業員「おうよ!あ、そっち行くんなら気を付けてな!なんか危ねぇ魔法使いが出るって噂だ!」
カルゴ「危ない魔法使い?オッケー、わかった!情報ありがとう!」
作業員「こっちこそな!おかげでなんとか定時に帰れそうだぜ!」
まさかの定時制なの!?
文化発達し過ぎじゃねぇかよここ!…やれやれ、いずれ外の世界と同じ道を歩みそうで怖いな…。
外の作業は、時間じゃなくて作業の進度で帰りの時間が決まるって聞いたことあるけど、魔界でもそれは変わらないんだなぁ…。
カルゴ「よし、行くか。アリス、案内頼むな」
アリス「はーい!」
こうして俺たち魔界旅行者一行は、アリスの案内の元、彼女の家・パンデモニウムに向けて、再び歩き出した。
彼は紅、妖、永、緋、地、風、花、文、儚、香、鈴の知識しか無いって設定で行きます。
その他のメンバーとは、幻想郷で暮らした15年半で交流が生まれたから知ってる、ということで。