※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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思いっ切り遊びたいというレミリアに共感し、異変に加担する事にしたエスカルゴ。

異変を起こす前日です。


紅霧異変・前日

はぁ〜…俺らが異変起こすのか…。

やっぱ怖いし不安だなぁ…。

 

「ほらエスカルゴ!もう休憩は終わり!時間は待ってくれないの、早くしなさい!」

 

「お、おう…。フラン、なんか張り切ってるな…」

 

 

 

明日に備え、朝から特訓漬けである。

 

「さぁ、今度は何したい!?」

 

さっきまで剣術を…フランのレーヴァテインとやり合ってた。つまり武器を使用しての攻撃の練習してた訳だから…次は…。

 

「弾幕放ってくれ。避けたり、防御の練習がしたい」

 

「わかったわ!」

 

攻撃じゃなく、防御や避けるだけってのはいつぶりだろう…?

 

「えいっ!」

 

フランが弾幕を放つ。

 

ババババ…

 

─────来た。

 

だがこの位なら…今の俺ならそこまで動かなくても避けられる。壁や鎧を使うまでもない。

 

「この位なら余裕なんでしょっ!?」

 

フランが弾幕を放ちながら言う。

 

「ああ、まだ余裕だ!」

 

避けながら返す。

 

「じゃ、もっといくね!!」

 

「っしゃ来やがれ!!」

 

何をするつもりなのかはすぐにわかった。

 

「禁忌『フォーオブアカインド』!!」

 

4人になった。つまり弾幕の密度も4倍だ。

 

『いっくよー!しっかり避けてよね!!』

 

「来い!!」

 

バババババババババババ……

 

チュンッ

 

「…チッ」

 

やはり4倍は凄い。1人だった時は楽に避けられたのに、密度が増えたからか、掠るようになってきた。

 

「雷速『クイック』!」

 

とりあえず素早さ上げ…。

 

ドスッ

 

「ぐえっ」

 

右脇腹に被弾。

 

「…ナン…で?」

 

そーか…素早さ上げて早く動けるようになったかわりに制動距離が大きくなって…細かい調整が効かなくなったんだ…。

すぐに分かったけど…

 

「いってぇ…!」

 

なんで…?今まで大丈夫だったのに…。

いや…今までは壁や鎧で防御してから隙を見て突っ込んでたから食らってても気付けなかったんだ…。

 

『もっと行くよー!禁弾『スターボウブレイク』!』

 

「!?」

 

何それ初めてなんだけど!?

 

『あっははははは!!』

 

「うおお!?」

 

色とりどりで、速さもバラバラな弾幕が飛んでくる。

綺麗だが…なんって避けにくさだ…!

 

「仕方ねぇ!雷壁『雷纏反撃壁』!!」

 

バリバリバリバリィィ…

 

ドォォン…ドドォォ…ドドドドドドド!!!

 

不規則にも程があるだろう!!

 

「クッ…ソが…!」

 

ヤバい…攻撃力高すぎて…も、もたね…

 

バリィィン!

 

「んなっ…!」

 

ドドドドドドド…

 

「グハッ…」

 

壁が破られ全身に被弾する。くっそ痛てぇ…!

 

弾幕が止んだ。

 

『どうしたの!?もう終わり!?』

 

「………」

 

スッ…

 

黙って両手を挙げて降参しかける。

 

「そんなんじゃ霊夢には勝てないわよ!!」

 

…やっぱか…チクショウ…。

 

「攻撃してもいいのよ!?いえ、攻撃してっ!!今度は私が避けるから!」

 

…ほう。

 

「…良いんだな?」

 

「ええ!」

 

「…じゃあやってやるッ!!」

 

「来なさい!今度は私たちが避ける番よ!」

 

「っしゃあ!!雷符『Midnight……」

 

『ちょっと待って!!!』

 

「!?」

 

な、なんだ?

 

「何だ急に!!」

 

「お姉様のこと忘れてた!!」

 

「あ……」

 

「………………」

 

レミリアは部屋の端っこで黙ってうずくまっていた。

 

「…すまんレミリア!一緒にやろう!!」

 

「…もういいわよ」

 

「え?」

 

「もういいって言ってるのよ!…2人だけでやり合ってればいいじゃない!…ふぇぇぇぇん…」

 

やべ、泣かせちまった…!

 

「ごめんなさいお姉様!3人でやりましょ!ね!」

 

……フランが4人だから実質6人になるんだが突っ込まないでおこう。

 

「もういいもん!ふーんだ!」

 

子供かよ!!…えーと…なんて言えば…。…そうだ!

 

「…傘無しで、昼の外で思いっ切り遊ぶんだろ?」

 

ピクッ…

 

反応アリ!

 

「咲夜さんやパチュリー様も含めてさ…皆で色々遊ぶんだろ?」

 

「……そうね。そうだったわね!私としたことが、すっかりその事を忘れていたわ!」

 

いつもの調子に戻った!単純で助かった!

 

「さぁ来なさい、エスカルゴ!私とフランで、あなたの弾幕を避け切ってみせるわ!!」

 

レミリアがフランの横に並びながら言い放つ。

 

「言ったな!?」

 

「ええ!!」

 

「じゃあ行くぞ!特訓再開だッ!!」

 

『来いっ!』

 

 

張り詰めた空気が場を支配する。

もちろん最初に動いたのは俺だ。

 

 

「避けられるかな?雷符『Midnight☆Thunder』!」

 

『!!』

 

ブワッ…

 

「フラン、行くわよ!」

 

『ええ!』

 

な、なんだ?

 

バチバチバチバチ…

 

闇の雷が襲いかかる。

 

『せぇぇ…のっ!えぇぇぇい!』

 

バババババババババババ……

 

「!!」

 

そーか、4人のフランとレミリアの計5人で…雷を相殺しようと…。…だが、俺もそこまで馬鹿ではない。

こう、何回も相殺されてるのを見てりゃあ、当然対策は考えるよな。

 

「これでも相殺しきれるか!?喰らいやがれ!!雷神『Thunder☆Fall』!」

 

この時のために考えておいたんだ。

落雷が、まるで滝のように連続で相手に襲いかかるからサンダーフォールと名付けた。またまた安直だが、覚えやすいから良いだろ。

 

ピシャーン!

ゴロゴロゴロゴロ……

 

雷鳴が轟く。

 

ドドドドドドドドドドドドドド……

 

連続攻撃の始まりだ。

 

「クッ…!」

 

『……っ!』

 

ポン!ポン!ポン!

 

分身が連続して消える。

 

『きゃああああっっ!!』

 

2人の悲鳴が重なる。

 

ふむ…攻撃力上げなくてもそこそこだな…。

 

シュウウウウ…

 

床から、壁から、フランとレミリアから。至る所から煙が出てきてる。

 

ヒュウウウ…

 

「おっと」

 

ドサッ

 

気絶して落ちてきた2人をキャッチ。

さ…連れてくか。

 

 

 

「よっこらせ…っと……。ふう…」

 

2人をベッドに寝かせ、一息つく。

 

「こんなんで…大丈夫かなァ…」

 

やはり考えるのは明日のこと。

ま…やれるだけのことをやる、それだけさ。

 

コンコンコン

 

「?はーい」

 

「やはりここにいらっしゃったんですね。入ってもよろしいでしょうか?」

 

咲夜さんか。なした?

 

「どうぞ」

 

「失礼します」

 

ガチャッ…

 

「どうしたんです?」

 

「その…どうして明日は休んでろと言われたのかどうしても気になってしまって…」

 

あー…その事か…。

 

「なるほど…」

 

「エスカルゴさんは何か知ってますか?」

 

「えっ…ええ、まぁ…」

 

「もしよろしければ教えていただけませんか?」

 

良いのかな…?

いやでも、納得させるには話すしかないんじゃ…。

きっとそうだな。

 

「わかりました…」

 

「ありがとうございます」

 

「…レミリアは、外で思いっ切り遊びたがってます。昼間の外で…傘無しで」

 

「えっ?でもそれじゃ…」

 

「ええ。俺たち吸血鬼は太陽の光が弱点ですからね、外では遊びたいのですが、傘無しでは無理です」

 

「ですよね…」

 

「そこで、太陽の光を遮断する方法を思いついたらしいんです」

 

「そんな事が出来るんですか?」

 

「はい。でもこれは、咲夜さんやパチュリー様…みんなで外で遊びたいがために始めた計画なんです」

 

「えっ…?」

 

「咲夜さんの為でもあるので、多少の無茶はしても咲夜さんの手は煩わせたくないのでしょう」

 

「お嬢様…」

 

寝ているレミリアを見て目を細める咲夜さん。

 

「なのでここは俺たちに任せて、咲夜さんはゆっくりお休み下さい。巫女の相手は俺がします」

 

「……………………わかり…ました…」

 

かなりの間があった。

メイドとして、主人の言いつけを守るか、それとも無茶をしようとする主人を止めようとしたのか…真意はわかりかねるが。

 

「では、今日のいつもより激しい特訓は明日を想定して?」

 

「ええ、そうです」

 

「そうですか…。では明日は休ませてもらいますね」

 

なんとか納得してくれた…かな?

なんとしても勝たなくちゃな…。

 

「…頑張ります」

 

「応援しております」

 

「…ありがとうございます」

 

「では…失礼しました」

 

そう言って部屋を出ていこうとする咲夜さん。

 

「ちょっと待って下さい」

 

引き止める。1つだけ用があったの忘れていた。

 

「なんでしょう?」

 

「俺ら…明日に備え早めに寝るので、お夕飯は少し早めにお願いできませんか?」

 

「わかりました。では」

 

「はい」

 

そう言って部屋をあとにする咲夜さん。

 

「んん…?誰かいるの…?」

 

レミリアが起きた。

 

「あ、起こしちゃったか?」

 

「エス、カルゴ…?」

 

「どうした?」

 

「あなたも夕飯まで寝ましょ?」

 

「ああ、そうするよ。おやすみ」

 

「ちょっと、寝るならここにしなさいよ」

 

レミリアが起き上がり布団を開ける。

 

「良いから、2人で使いなって。俺は椅子で十分」

 

「あなた居なきゃ安心して眠れないわよ…」

 

おっ…マジか。照れるぜ…。

 

「わかった」

 

椅子から立ち上がる。

 

「どこ入ればいい?」

 

「私の隣♪」

 

「…わかった、入るぞ」

 

レミリアがベッドの真ん中にズレて俺が端に入る。

 

「こうすれば…独り占め出来るわ♪ふふっ」

 

「ははは…」

 

俺の腕に抱きつくレミリア。

 

「おやすみなさ〜い…」

 

と、唐突だな…。

 

「うん、おやすみ」

 

さて…明日はどうしようかなぁ…。霊夢…うーん…やられたとしても殺られたくは無いな…。それは流石に大丈夫か……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコン

 

……ん?

 

「お夕飯の支度が整いました」

 

…もうそんな時間か…。

 

「はーい…今行きます」

 

「お待ちしております」

 

あれ…いつの間にか寝てたか…。

 

「フラ〜ン、レミリア〜、起きろー。夕飯の支度出来たってよ〜」

 

手を伸ばして肩を揺さぶりながら声をかける。

 

……2人共起きん。

 

「仕方ない…」

 

チュッ

 

「…ん…?」

 

こうするとすぐ起きるんだよなー…。

寝たフリなのかってくらい。

 

「おはようレミリア。夕飯の支度出来たってさ」

 

「ふあぁ……わかったぁ…」

 

「フランも起きろ〜……」

 

チュッ

 

「…ふふ…えへへっ、チューされちゃった♪」

 

!?

 

「お、おま…起きてたな?」

 

「うん♪」

 

「〜〜〜…/////」

 

相手が起きてる時に自分からキスするのは未だに慣れない。スッゲー照れるからだ。

 

「さ、行きましょ♪」

 

「お、おう…」

 

 

 

 

 

ふぅ…食べた食べた…。

今日の夕飯は…なんだっけ。ドリアってやつか。

かなり熱くて舌が焼けるかと思ったが、フランとレミリアからフーフーしてもらって食べた。

そのフーフーしてる様子がなんとも可愛らしかった。

 

「ふへへ…」

 

思わず笑いが漏れる。

 

「どうしたの?」

 

フランが覗き込みながら尋ねる。

 

「ん?…へへ、なんでも無い」

 

「何ニヤニヤしてんのよ…気色悪いわね…」

 

「ちょっ、レミリア…直球すぎ…」

 

「ホントのことでしょう?」

 

「うう……。あ、そうだ、明日のことなんだが」

 

話題変えると同時に、気になってた事聞いてみよう。

 

「何かしら?」

 

「門番にも作戦伝えとかないか?」

 

「なんで?」

 

「霊夢がちゃんと玄関から来るってんなら、一番先に門番に会う訳だし…。それに、作戦伝えとけば寝ないと思うんだよ」

 

「……それもそうね。じゃ、伝えておいて」

 

「わかった」

 

まぁ…流石に大丈夫だと思うがな…。

 

「他になにかあるかしら?」

 

「じゃ…もう1つ。…もしも霊夢にやられたら、外で遊ぶ計画はどうなるんだ?」

 

「あら?『もしもやられたら』…なんて、あなたらしくないわね」

 

「そ、そうか?」

 

「ええ。…やられたら、当然のことだけど外で遊ぶ計画は潰えるわね」

 

「だよな……」

 

「だから、そうならないように、止めに来た霊夢に認めさせるんでしょ♪」

 

フランが言う。その通りだな。

 

「ああ、そうだな」

 

「他には?」

 

「…俺は何も」

 

「私も〜!」

 

「そう。じゃ、頑張りましょうね」

 

『おー!』

 

「それじゃ、門番に伝えてくる」

 

「私も行く!」

 

「…やっぱり私も」

 

「じゃー3人で行くか」

 

その時だ。

 

「…レミィ、ちょっといい?」

 

パチュリーだ。

 

「あら?パチェどうしたの?」

 

「明日についてなんだけど…」

 

「ちょっと待ってて、門番に作戦伝えてくるから」

 

それだとなんか効率悪くね…?

 

「レミリア、俺とフランで伝えてくるから、そっちは明日の作戦練っててくれ」

 

「…はーい」

 

「…それでね、レミィ。霧を出す方法なんだけど…」

 

あ、やっぱ霧なのね。

 

「じゃ、行くか」

 

「うんっ!」

 

パチュリーの作戦は俺ら全員というよりレミリアだけに伝える感じだから、伝えてるうちに俺らで門番に伝えた方が良いだろう。

レミリアがこっち来るのを待ってたらそれこそ時間の無駄だ。

 

「…スゥー……スゥー……」

 

やれやれ…また寝てるし…。

とりあえず声かけよう。

 

「美鈴さん」

 

ビクッ!

 

「は、はい!寝てないですよ咲夜さん!!」

 

「い、いや、咲夜さんじゃなくてエスカルゴです」

 

「ああ、失礼しました!何か御用ですか?」

 

「ええ、ちょっとだけ。…明日、巫女が来るのでそれを止めてください」

 

超ザックリ伝える。

 

「ええええええ!?ななななんですか急に!?」

 

…うん、驚くのも無理は無いな。

 

「皆で外で遊ぶ為に、ある計画を立てました。他人にはちょっと迷惑のかかる方法なので、それを阻止しようと巫女が来るはずなんです」

 

「ふえぇ…わかりましたぁ…」

 

案外すぐに了承してくれた。

 

「ありがとうございます」

 

「ありがと、美鈴♪」

 

「いえ…」

 

巫女としか言ってないのにあの驚きよう…やはり霊夢は凄いのか…。

 

「じゃ、行きましょ♪」

 

「ああ」

 

「うううう…」

 

唸ってる美鈴を尻目に、館の中に入る。

 

「…じゃ、そういう事だから。レミィ、よろしくね」

 

「わかったわ。頑張りましょ」

 

「ええ」

 

丁度こちらも話が終わったようだ。

 

「あら、早かったのね」

 

「まぁな」

 

「じゃ、寝ましょうか」

 

「そうだな」「うんっ♪」

 

 

 

 

ベッドに入る。今度は俺が真ん中だ。

 

「はぁ〜…とうとう明日ね…」

 

「ああ」

 

「自分で言い出した事だけど…緊張するわ」

 

「えっ…大丈夫か?」

 

そう言う俺も緊張してる。

 

「でも、それよりも楽しみだって気持ちの方が上だからね、大丈夫よ」

 

「そか。フランは?」

 

「私も楽しみ〜。でも、緊張はしてないわ」

 

すっげ…。

 

「楽しめればいいわ」

 

なるほど、そういうことか。

 

「ダメよ、楽しむのは霊夢を倒してからよ」

 

「はぁ〜い!」

 

「じゃ、また明日…ね♪」

 

「おう」「うん♪」

 

「おやすみの…チュッ♪」

 

「うおっ」

 

唐突なキスには驚いた…。

 

「なぁに?嫌?」

 

「いや、驚いただけさ」

 

「ふふっそうなの」

 

「お姉様ずるい〜、私も〜!…チュッ!」

 

「んむっ…」

 

「ちょっ、フラン!口にはしてないでしょ、ほっぺにしなさいよ!」

 

「何処にしようが私の勝手でしょ〜」

 

「うう…もう1回!」

 

これの繰り返しじゃいつになっても眠れんぞ…。

 

「また明日!!続きはまた明日な!なっ?」

 

『だめよ!今がいいの!』

 

ええ…。

 

「じゃーお姉様、せーのでいきましょ!」

 

「…いいわよ。仕方ないわね…」

 

「せーのっ」

 

『チュッ』

 

あ〜…両方のほっぺに…同時に…幸せだ…♡

 

『おやすみっ!』




さて、とうとう次回は紅霧異変本番。
書くのも楽しみですが、初めての異変な訳で、どうまとめればいいのか…:(;゙゚'ω゚'):
生暖かく見守っていただけるとありがたいです。
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