※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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解放区

早朝────無縁塚

 

穹「さて…。今日こそ何か落ちてて下さいよ〜?毎朝毎朝、暗いうちから早起きするのはもの凄く大変なんですから…」

 

ある日の早朝、私はまたも無縁塚にて落とし物を探しに来ていた。巨人の足跡は残っていますが、平和な無縁塚をやっと取り戻しつつありました。

 

穹「…おや?」

 

しばらく探し続けた私は、一冊の小さい本を発見しました。結構分厚くて、雑誌ではない本です。中身を見るに、どうやらそれは小説らしいです。

 

穹「ほう……これは面白そうです…!」

 

 

 

超がつくほど速読の私は、20数分でその本を読み終わり、キュッと口角を釣りあげた。

 

私たちもこれをやってみたいものです……!

善は急げ、思い立ったが吉日などと言いますし、まずは霊愛姉上の所にでも行きますか。今はまだ早朝なので、また後で♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「霊夢ぅ〜……むにゃむにゃ…」

 

霊夢「ん…う……暑っ……………はっ!ちょっ、何で抱きついて寝てんの!?」

 

暑さにやられて目を覚ますとそこには、私に抱きついて眠っている旦那がいた。胸に顔を埋めて、両手を腰とそれより下に伸ばし、幸せそうな顔をして眠っている。

 

カルゴ「むふふ〜……大しゅきぃ〜……」

 

霊夢「えっ……誰に言ってんの?ちょっと、一体誰の夢見てんのよあんた!?」

 

ペチペチと旦那の頬を叩くが、むしろ口元を釣りあげて、喜んでいるような表情を見せる。夢の中とはいえ、私と寝てるのに他の女のことを考えるなんて許せない。

だけど、起こしてでも誰なのか聞き出してやる…なんて思ったその時、追加の寝言を呟いた。

 

カルゴ「…ふへへ……俺…のぉ……霊夢ぅ…♪」

 

霊夢「……」

 

…しょうがないわね、今日の朝ご飯は私が作ってあげるわ。起きないってことは、昨日の特訓で、疲れてるんだろうしね。

それにしても…夢の中でも私の事、か。

ホントに、救いようのない馬鹿ね…コイツは♪

 

カルゴ「柔らか…♪」

 

霊夢「ッ!?」

 

腰より下にまわされている手が、ムニュッと尻を揉みしだく。そして本人は涎を垂らさんばかりの蕩けた顔をしている。

 

霊夢「寝てる時にまでコイツ……どんだけよこの変態は…!!」

 

カルゴ「霊夢ぅ♡」

 

霊夢「…あ、朝勃ちしてる…ですって…!?」

 

より強く抱きつかれ、硬くなったアレが触れた。

このあと滅茶苦茶セックスボコボコにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「イテテテ…。何も殴って起こさなくてもイイじゃないか…」

 

殴って起こされた俺は、腫れる頬をさすりながら食卓につく。朝食は霊夢が作ってくれた。

 

霊夢「うっさい、バカッ!なんで暑い時に限って抱きついてくんのよ、気温を考えなさい!」

 

と、しゃもじを振り回しながら怒鳴る。

抱きついてたのか、と今更ながらに知った俺は、少しばかり顔が熱くなる。どうせ抱きついたなら胸を触ったり尻を触ったりしたかった。寝ていたから仕方ない事ではあるのだが。

 

カルゴ「抱きついちゃダメ?」

 

魚の骨を除きながらで、若干の上目遣いで問う。我ながら、過去にショタになったという経験が、未だに生きていると思う。

 

霊夢「起きてる時にして!目を開けた瞬間に体が動かないと、金縛りかと思って驚くでしょ!」

 

カルゴ「それもそうか…。でも俺、基本的に寝相悪いからなぁ…。布団離すのか?」

 

霊夢「え…それはちょっと…いや、別にあんたが言うならそれでいいんだけど?(全然よくない)」

 

カルゴ「離したくない。一緒に寝たい」

 

霊夢「じゃあ寝相に気をつけてよね。次は歯とかへし折るわよ?」

 

カルゴ「はーい…」

 

霊愛「朝からイチャつかないでよ見苦しいなぁ。2人の世界に入らないでくれる?」

 

同じくご飯をつつきながら、毒舌の霊愛が文句を垂れる。妹の霊麗は霊愛の隣で苦笑いだ。

 

霊夢「2人の世界になんて入ってないし!」

 

カルゴ「こういう夫婦間のやり取りは、怠ってはいけないんだぞ?マンネリ化すると、喧嘩とかの原因になったりするしな」

 

霊愛「さっきは喧嘩してなかった?殴ったとか。歯を折るとも言ってたね」

 

カルゴ「? あれが喧嘩と思ってるのか?」

 

霊夢「あんなのは喧嘩のうちに入らないでしょ。ねぇ?」

 

カルゴ「うん」

 

霊愛「……」

 

ああ言えばこう言う…とでも言いたげな鋭い目で俺と霊夢を睨む。あまりに鋭い目で、背筋が少しブルッと震えてしまった。

そんな少し気まずい空気で朝食を終えた俺たち。

霊夢たち3人はダラダラタイムに入るが、一方の俺は特訓タイムに入る。先日の弦月姫との買い物の時に小傘に注文した剣が完成したというので、昨日から特訓を始めていたのだ。

新しい剣も片手剣で、漆黒の刀身である。

見た目なら妖魔雷霊剣と同じだが、感じられる力だけはまるで別物である。こちらは、闇と電気の力を封じ込めてある。今回もまた力を込めた時はぶっ倒れた。

剣の名は、暗黒斬月剣(あんこくざんげつけん)。

我ながらカッコイイ名前だと思う。

 

カルゴ「『冥道斬月波(めいどうざんげつは)』ッ!!」

 

超高密度に圧縮した雷と闇の力の混合エネルギー弾を、近くの木に向かって放つ。普通の妖力弾と大して変わらない速さで進む弾だが、木に触れた瞬間に巨大なスキマを開いて、その木をスキマの中へと吸い込んでしまう。

この技は、犬夜叉の「冥道残月波」をモチーフにしている。本家は、冥道と呼ばれる冥界への道を開いて敵を飲み込む技であるが、俺の方は、

“残”を“斬”の字に変えて、スキマで対象を呑み込むというものである。

スキマの出口は、俺の意思によって変わるので、本家ほど危険な技ではない。

今の木は、魔法の森の中に飛ばされたはずだ。

 

カルゴ「そぉれ、もう一丁!!」

 

漆黒の大玉が木に触れ、またも消し飛ぶ。今回は迷いの竹林に放置した。この技があれば、スキマの弱点を補う事が出来る。

先日の天狗との戦いで霊夢が漏らしたあの言葉。

「浮かべば」である。これならば浮いても意味は無く、避けようと動けばスキマに呑まれる。

戦う上で、かなり便利になったのだ。

 

 

 

カルゴ「ふぅ〜…休憩しましょ、休憩〜…」

 

重い剣を振り回す特訓なので腕の疲労がすごい。

9月上旬だというのに、今日もまた暑い。俺の顔には、玉のような汗がいくつも浮かんでいた。

縁側に座った時、ある違和感を覚えた俺は、中の霊夢に向かって声をかける。

 

カルゴ「霊夢ー、霊愛と霊麗は?」

 

霊夢「穹ちゃんが遊びに誘って、子供たちだけで遊びに行ったわよ〜」

 

姿が見えない2人だが、穹と一緒だと知って俺は一安心する。次女の霊愛もいる事だし、安全面は完璧だろう。

 

カルゴ「ほーん、了解。戻る時間とか言った?」

 

霊夢「いや、聞いてないけど…。いつも通り夕方には帰ってくると思うわよ?」

 

カルゴ「…だといいんだが」

 

霊夢「もう赤ん坊じゃないんだから。大丈夫よ」

 

カルゴ「まーな…」

 

 

 

夕方になった。今日は永遠亭なので鈴仙と巫月の待つ永遠亭へ向かおうとした。だが、霊愛と霊麗がまだ帰ってこない。

 

カルゴ「じゃあ…そろそろ行くぞ?」

 

霊夢「うん、また明日ね」

 

カルゴ「あいつら遅いな…大丈夫かな?」

 

霊夢「大丈夫だって。早く行きなさい、あの2人もあんたを待ってるわよ」

 

カルゴ「…うん」

 

霊夢「その代わり明日の夕方は早く来てよね」

 

カルゴ「わかってる」

 

スベスベ肌の頬に軽くキスをした俺は、暗くなりつつある竹林へとスキマを繋ぎ、飛び込んだ。

永遠亭は目と鼻の先にある。

 

 

 

 

同時刻─────????

 

穹「いやぁ〜、たまにはこういうのも面白くないですか?文字通り解放された感ありますよね!」

 

霊愛「そだね〜。何日ここに居る?」

 

霊麗「探しに来るまでとか?」

 

巫月「今日はエスカルゴ来る日なんだけどな〜…まーいっか、心配させちゃお♪」

 

弦月姫「後で強く怒られちゃいますが…たまには良いですかね♪」

 

妖舞「幽々子様…」

 

茜「あれ、お兄ちゃんって幽々子が好きなの?」

 

妖舞「ちっ、ちげーし!」

 

弦月姫「…それにしても、樹里愛はどこにいるんでしょうかね?」

 

穹「それがですね…。朝の散歩の途中に『神社でトイレしてから行く』と言っていたのですが……おかしいですね、場所は伝えたのですが…。早苗さんにでも、お出かけを止められたのですかね?でもちゃんと口止めしましたし…」

 

一同「…うーん…」

 

 

 

 

永遠亭についた俺は、鈴仙、てゐの2人から驚きの言葉を聞かされた。

 

カルゴ「え?巫月が戻ってこないだと?」

 

鈴仙「うん…寺子屋終わってから、ずっと帰ってこないの…。遊びに行く時とかはちゃんと言ってくれるのに…」

 

てゐ「おかしいウサ、あいつらしくないウサ」

 

カルゴ「うーむ……」

 

てゐだけの言葉なら100%信用はしなかった。

だが鈴仙も同じ事を言うので信じざるを得ない。

 

カルゴ「…わかった、探してくる。鈴仙はここで帰りを待っててくれ。てゐは探すのを手伝え」

 

てゐ「へゐへゐっ!」

 

とりあえず、里で慧音と妹紅にも声掛けをして…一緒に探してもらおうかな。ちょっと人手が足りないから、甘えさせてもらおう。

 

 

 

慧音「なにっ?巫月が帰らないだと?」

 

妹紅「!?」

 

2人は里の居酒屋に居た。

妹紅の妖気を辿って何とか辿り着いた次第だ。

 

カルゴ「そうなんだ。何か知ってたりする?」

 

慧音「いや。いつも通り、昼前かに帰ったぞ」

 

カルゴ「ふむ…」

 

妹紅「まさか誘拐か?」

 

カルゴ「まさか。…それは無いだろ…」

 

慧音「万が一ってことがある…と言いたい所だが確かにそれは無いだろう。背後に立つだけでも、気配を察せる子供だからな」

 

妹紅「…わかった、私らも探してみるよ」

 

慧音「うむ」

 

カルゴ「頼む」

 

短い会話を済ませた俺は居酒屋を出、何とかして捜索人数を増やしたいと考え、紅魔館へ向かう。

 

美鈴「えっ、巫月ちゃんが帰らない?…なにか、事件にでも巻き込まれてしまったのでは…」

 

カルゴ「例えそうでも、玉兎の特性で、鈴仙とは遠隔で会話が出来る。だからそれは無いんだ」

 

美鈴「ふむ…わかりました、お手伝いしますね。その代わり、分身さんお願いしますね?」

 

カルゴ「わかってる」

 

分身を作り美鈴と交換させようと思ったその時。

玄関が開き、咲夜さんが出てきた。眉間にシワを寄せて、機嫌が悪そうに腕を組んで、だ。

 

美鈴「起きてますよ!」

 

咲夜さんが来て第一声がそれかよ。

 

咲夜「いや、寝られちゃ困るから。あら旦那様、どうしたのですか?今日は永遠亭の日では?」

 

カルゴ「それが実は…巫月が帰ってこなくて…」

 

咲夜「えっ…巫月ちゃんもですか?」

 

カルゴ「も(・)?…まさか…」

 

咲夜「弦月姫も…どこかへ姿を消したきり、どこにも居ないのです…」

 

カルゴ「なっ……!?」

 

霊愛、霊麗、巫月に続いて弦月姫もだと…!?

何か嫌な予感がする、早苗にも聞かねーと!

 

カルゴ《早苗!樹里愛は!?》

 

幸い、返事はすぐに返ってきた。

しかし、その答えは残念なものであった。

 

早苗《居ないんです!朝ご飯を食べた後から!》

 

カルゴ《おいおいおいおい、もう夜だぞ!?》

 

早苗《ええ、ですから天魔様にお願いして、天狗達の手を借りて山中を捜索中です!!エスカルゴさんの娘ということで、快諾でした!!》

 

カルゴ《くっ…わかった!》

 

どーなってやがる、8人中5人が行方不明だと?

ともかく、妖舞と穹、茜の行方も確かめねぇと。

 

スキマを繋ぎそれぞれの場所へ移動した俺は、それぞれの母親に子供の居所を訪ねるが、答えは一様に「知らない」だった。

文も穹も仕事場に居なかったので、穹については行方不明かもわからない。

紫さんは、「どこにいてもスキマで帰って来れるからねぇ…心配は要らないわ」と言っていた。

妖夢は、「おやつ前から妖舞が居ない!!」と、パニックに陥っていた。

そこで俺は、親達を博麗神社に集め、時系列順に事柄を整理することにした。

 

 

午前8時頃…樹里愛、朝の散歩から行方不明

午前10時頃…霊愛、霊麗が穹と出かけて行方不明

正午頃………巫月、寺子屋帰りに消えた

午後15時頃…妖舞、弦月姫、いつの間にか消えた

時刻不明……茜、いつの間にか消えた

所在不明……穹、どこにいるのか分からない

 

 

カルゴ「…どういう事だ…何で皆して消えた…」

 

霊夢「皆消えたとか…偶然じゃなさそうね」

 

鈴仙「巫月…反応してよ…っ!」

 

早苗「どうしよう…」

 

咲夜「勝手に消えるなんて、従者の風上にも置けない娘ね…!」

 

紫「茜は兎も角、他の皆もってのはおかしい…」

 

妖夢「どうしよう…どうしよう…妖舞が…っ!」

 

そして、もう夜なのに文が仕事場に居ないのは、やはりおかしい。穹が消えたので、探している…という事もありそうである。

みんなで頭を抱えていたその時。

壁掛けの古い時計が、午後8時を告げた。しかしそれと同時に、俺のポケットからはアナログ放送でお馴染みの砂嵐の音が聞こえてきた。

 

霊夢「あ、それ…」

 

カルゴ「トランシーバー…」

 

河童特製の無線通信機、トランシーバーである。

何かを受信している。

通信感度を上げると、娘の声が耳を貫いた。

 

無線「あー、あー、マイクテス、マイクテス…。父上〜、聞こえてますか〜?」

 

カルゴ「穹ッ!?」

 

一同「!?」

 

トランシーバーから聞こえてきたのは娘の声だ。しかも所在不明の、穹の声であった。

 

無線「あっ、周波数が合った。聞こえてますね?因みにそちらの声はこちらに届いておりません!少し改良しました!こちらからそちらへかける、一方通行の電話の状態にしています!」

 

カルゴ「はぁ!?」

 

無線「私の勘によりますと、皆の母上と父上が、博麗神社か紅魔館に集まっている頃ですね。私達姉妹は現在、幻想郷のとある場所に、みんなで、固まって行動をしていますのでご安心を!ですが樹里愛だけがここに居ません!それだけは、私達とは無関係ですので悪しからず!」

 

早苗「そんな!実際に居ないのよ!?」

 

無線「が、しかし!樹里愛の事は、私達が絶対に見つけ出し、そして!!この解放区に、樹里愛を連れてきますので、心配は無用です!!それでは今夜の解放区放送はここまで!明日の朝8時に、また放送します!では皆さん、バイバイ!!!」

 

と、放送は唐突に終わった。

 

カルゴ「解放区……」

 

霊夢「知ってるの?」

 

カルゴ「いや…ある本で読んだだけだが…」

 

紫「その本が幻想入りして…読んだ子供たちが、それを真似した?」

 

カルゴ「まさか!…でもありえそうだ…」

 

咲夜「では…一応、無事ではあるのですね?」

 

カルゴ「恐らく」

 

妖夢「何でよ妖舞…何で、何も言わないで居なくなるの…!?」

 

霊夢「無事ならいっかー…」

 

紫「ふむ…探してみるわ、また今度ね」

 

早苗「嘘でしょ、何で樹里愛だけ……!!」

 

カルゴ「…とりあえず、みんなを探そう。ただし朝の放送を聞くために、また8時にはここに集合してくれ。聞きたいやつだけで構わない」

 

一同「わかったわ(了解)」

 

 

 

 

 

穹「ふぅ〜、緊張しました〜…」

 

巫月「おつかれ!さ、夕飯食べよ!」

 

穹「ですね!」

 

茜「はい、冷蔵庫の中にあったサラダ!永遠亭の冷蔵庫にあったよ!」

 

霊愛「スキマ凄いなぁ…」

 

妖舞「さて…。食べたらどうする?」

 

霊麗「樹里愛を探す作戦を練って、寝る!それでいいんじゃない?」

 

弦月姫「…ですね。腹が減っては戦ができぬ…と言いますしね。まずはご飯にしましょう」

 

放送を終えた穹たちは、茜が各地から盗んできた夕食を食し、硬い地面の上で、眠りについた。

樹里愛の行方だけが、未だ不明─────…。




なんの本のパロディかわかった人いるかなー…?

〇〇のデレる姿が見たいという人がいれば、ぜひリクエスト下さいです〜。
出来れば彼女限定ですかね。
親しければ非彼女でもおkとしますです。
なお、このリクエストは常時受けつけてます。
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