夜。俺以外は何の成果も得られなかった親達は、予定通りに博麗神社へと戻ってきていた。
しょんぼりしていた皆に、俺は成果を話した。
犯人は山の鴉天狗であり、俺が見つけた時には、子供達が既にボコボコにしていた事。その犯人は俺がトドメを刺したこと。
早苗「でも…そこに居なかったんですね…」
カルゴ「うん…1歩遅れたって感じでさ…」
霊夢「腹に穴が空いてたぁ?…なんで?」
カルゴ「知らん。あのやられ方、巫月かな」
鈴仙「そんなに攻撃力高まってるの?」
カルゴ「多分。他の皆はそこまででも無いから。そんで、もう喋れないくらい死にかけだったからグシャッと潰してきた」
妖夢「妖舞、斬らなかったのかな」
カルゴ「斬られた跡は見受けられなかったかな。脇腹にナイフは刺さってたから、処分したがな」
咲夜「なんで脇腹なんでしょう…首にでも刺せば即終わるというのに」
カルゴ「敢えて苦しませたと考えるのが自然かと思いますね。牢は切り飛ばされてたから、最初に妖舞が突っ込んだ感じかな」
妖夢「へー…。いつもみたいに、巫月ちゃんじゃ無かったのか。ま、妖舞は特に樹里愛ちゃんの事可愛がってたみたいだし、それが原因かな?」
カルゴ「多分。…あ、もう時間だ」
俺たちがそんな話をしていると、とうとう時計が8時を示した。同時に、トランシーバーから穹の声が聞こえてきた。
無線「皆さんこんばんは、夜の解放区放送の時間がやって参りました!今日は2点程、お知らせがあります!まず1点目、樹里愛についてです!」
樹里愛についてと聞き、早苗が顔を上げる。
無線「鴉天狗の宿舎内の地下牢最深部にて、両手両足を縛られ、口に布を噛まされていた樹里愛を発見しました!犯人は皆で半殺しにし、樹里愛を解放区に連れてきました!」
早苗「ちょ、余計に心配なんだけど…」
咲夜「しっ!」
早苗「むぐっ」
無線「2点目のお知らせです!明日の朝の解放区放送にて、この解放区の場所を発表しますよ!!連れ戻したい、心配だから様子を見たい、などと思う方はぜひ来て下さい!では、今日は樹里愛に締めてもらいましょうっ!」
無線「えーっと…また明日ね!バイバイ!」
元気そうな樹里愛の声が聞こえた後、解放区放送はプツンと途切れるように終わってしまった。
何はともあれ、無事が確認できて良かった。
カルゴ「ふぅ…良かった、樹里愛も無事か」
早苗「良かったぁぁ〜……。まだ心配だけど…」
大きく息をつき、ホッと胸を撫で下ろす早苗。
俺は元々、子供達なら大丈夫だと思っていたが、希望が確信に変わったので、俺も安心した。
恐らく俺が地下牢に到着する直前、茜のスキマで抜け出したのではと思う。穴は1つだけであり、1本道だからだ。
霊夢「へー…明日の朝、場所教えちゃうんだ」
咲夜「ふーん…なら待ちましょうか。じゃ、私はもう失礼するわ。メイド長が、あまり長く留守にするものでは無いからね」
早苗「私も、今夜は失礼します!また明日!!」
妖夢「いけない、お皿の片付けしなきゃ!じゃ、また明日ね!」
鈴仙「また今度、埋め合わせはしてもらうわよ♪じゃあ、またね」
親達はバラバラとそれぞれの家に戻り、神社には俺と霊夢だけが残った。無事とわかった安堵からなのか、何か喋りたい気分になってきた。
カルゴ「よし、少し遅くなったけど飯にすっか?それとも風呂?それとも…俺か?」
霊夢「下手な誘い文句ね。まずご飯食べましょ。そんで風呂入って寝ましょ」
カルゴ「あ、はい」
霊夢「妙に上機嫌ね。無事なのわかったから?」
カルゴ「まぁね。無事なのわかったら、誰だって嬉しくなるさ。ましてや、親なんだから」
霊夢「それもそうね」
夕飯を軽く済ませ、次は風呂に入る。
…霊夢と、2人で。
カルゴ「っ……」
隣の霊夢は、捜索した疲れからか、既にウトウトしており、カクンカクン揺れている。しまいには俺に寄り掛かって眠り始めた。
霊夢「スー……スー……」
カルゴ「お、おーい…マジで寝てるのか?」
頬をムニムニと強く触るが反応は無い。どうやら本当に眠ってしまったようだ。そして、ある考えがフッと俺の頭をよぎる。
ゴクリと生唾を飲み込んだ俺は、準備を始めた。
カルゴ「ふぅ、こんなモンかね?」
この雷の能力は本当に便利である。たとえ両手が塞がっていても、足をかざすだけで物体の操作がある程度は可能だし、片足になれない時は空中に浮かべばいいだけだからだ。
身体をよく拭いた霊夢をベッドに下ろして、俺はそんな霊夢を見下ろして、これからヤろうとしている事を頭の中で反駁する。
カルゴ「睡姦、かぁ…。ヤッたことない…よな。やっぱ初めては霊夢がイイ…うーん、どうしよ…娘達が帰ってきてからにしようかな…それとも、居ない今のうちにヤるべきかな…?」
裸の霊夢を見下ろしながら、暫く自問自答する。ようやく結論を出した俺は、悪戦苦闘しながらも霊夢に寝巻きを着せて、普通に眠る事にした。
霊愛「あれ、ヤらないの?」
霊麗「おっかしーなー…私達が居ないんなら遠慮なくヤリそうだと思ったのにね」
その頃の解放区では、そろそろ両親がヤってる頃だろうと思っていた博麗姉妹が、茜に頼んで神社を覗き見していた。しかし父親は、眠る母に服を着せ、普通に眠り始めたのだ。
プライベートな事なので、他の皆とは別な所へと3人だけ移動しての事だ。
霊愛「なんで私達居る時にはヤって、居ない時に限ってヤらないのかなぁ…」
霊麗「何でだろ?」
そんなプライベートゾーンに、遠慮をしない文はこっそり入ってきていた。見るだけ見たら、退散しようと思っていたのだが、姉妹の疑問に答えてやろうと口を開くことにした。
文「それはですね…」
霊愛「わっ、いつの間に…」
文「無事だとはわかっていても、やはり皆が心配なので、ヤる気になれないんですよ。いつもなら大きく怒張してるはずのアレも、今はしょんぼりしてましたしね」
霊愛「無事だってわかってんのに心配?何で?」
文「やはり…ずっとそばに居ないと、心配になるものなのですよ、親というのは。強い子達だから大丈夫だ…生きていけるから大丈夫だ…とかでは無いんです。あなた方もいずれ、大きくなったらわかると思いますよ」
霊愛「ふーん…」
霊麗「そーゆーもの…なのかなぁ…」
文「ですから、気が済んだらちゃんと自分たちの家に帰りましょうね。あまり心配させるものではありませんから」
霊愛「そっか…わかったよ。…ところでさ」
文「はい?」
霊愛「なんでプライベートゾーンに来てるの?」
霊麗「処す?処す?」
文「あやややや…!ここは逃げるが勝ちです!」
ドゴォンと轟音を立てて、星空へ飛び立った文。姉妹はそんな文を見上げるが、後を追おうとは、しなかった。
霊愛「…じゃ、
霊麗「だねっ!」
皆の元へと戻った姉妹は、茜が紅魔館から盗んできた夕飯をペロリと平らげ、次の日に備え、皆で眠りについた。
解放区生活は、きっと