※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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とうとう原作を始められます。
嗚呼…やっとこの時が…。



子供VS大人

無線「皆さん、おはようございます!朝の解放区放送の時間です!!」

 

子供達が消えてから3日目。この朝の解放区放送にて、解放区の場所を教えると言っていたので、俺たちは固唾を飲んで耳を傾ける。

聞き終わったらすぐに行けるように、突撃準備も完璧に整っている。突撃準備というよりも、説得するためのセリフを考えていたのだ。

 

無線「…まぁ、開始直後に言ってもつまらないと思うんで、この放送の最後に言うことにします!『お楽しみは最後の最後まで取っておくものだ』ですよね、父上♪」

 

カルゴ「そうだけど意味が違う…」

 

霊夢「わざとでしょ」

 

カルゴ「それもそうか」

 

無線「まず、お知らせをする事が3点あります!1点目!朝食は白玉楼から頂きました!」

 

穹が喋る背後で、妖舞が「ウェェェェイ!!」と言っているのが、こちらまで聞こえてきた。男子ならではのノリに、思わず頬が緩んでしまう。

 

妖夢「やっぱり…はあぁぁ…」

 

心当たりがあったらしい妖夢は、大きなため息をついた。食費が更に飛びそうで、可哀想である。白玉楼に回すお金を、少しだけ増やした方がいいだろうか。もっと稼がねば。

 

無線「では2点目です!父上の事ですし、場所を告げたらスキマでこちらへ来るつもりでしょう!しかし残念!茜が強力な結界を張りましたので、スキマを使えば別な土地に繋がってしまうという仕掛けにしました!」

 

カルゴ「ダニィ!?」

 

霊夢「ちょっと…何子供に読まれてんのよ…」

 

無線「では3点目!これも茜に活躍してもらったのですが、飛んでこちらに来ようとしても決して辿り着けないようにしました!」

 

一同「は?」

 

無線「原理としては、いくら進んでも幻想郷から出られない、八雲紫様の施したあの仕掛けと何ら変わりません!流石は紫様の娘ですね!」

 

霊夢「じゃあどうやってそっち行くのよ!?」

 

咲夜「来させるつもりが無いのね?」

 

無線「…が、それだと父上達にこちらへ来てもらえないので、父上のスキマを使って、別な土地に行って下さい!そこにある迷路へと入ってもらいますと、抜け出した先には、私達の解放区があるという仕掛けになっております!」

 

カルゴ「なるほど」

 

そこまで本家の真似したのか…。いや、本家のは抜けさせる気が無かったが。飛んだら近付けず、スキマを使えば迷路の入口に繋がるってわけだ。ならその迷路を抜ければ…大丈夫なのか?本家と比べたらマシな迷路だろうな。迷路を作る時間はほとんどなかったはずだから。

 

無線「道中は、河童達の仕掛けや河童達の妨害があると思いますが、めげずに頑張って下さいね!もちろん私達の施した仕掛けもありますよ!!」

 

前言撤回。本家より酷くなっていそうだ。

酷いやつだろうなと考えているのか、皆の顔は、一様に苦虫を噛み潰したような顔だった。

「うわぁ…ヤバそう…」と、顔に書いてある。

 

無線「私達の解放区!それは、玄武の沢です!!ここなら滝がシャワー替わりになりますしね!!さぁ、放送が終わり次第、スキマで迷路に来て下さいね!!待ってまーす!!」

 

またもプツンと終わった解放区放送。

俺らのやることは、ただ1つである。

 

 

 

にとり「やぁやぁ、早速来たね、エスカルゴ!」

 

カルゴ「あぁ…にとりが1枚噛んでたのか。河童とは聞いてたがにとりだとは…」

 

にとり「ほら、エスカルゴと関わり強い河童って私くらいなもんじゃん?子供達がみんなでお願いしに来たから、ついつい手伝ってあげたくなったんだよね〜。無料なんだけど、これは兵k…実験も兼ねてるから私達にもメリットあるし!」

 

カルゴ「今兵器って言おうとしたか?」

 

にとり「ううん、何でもない!じゃあ、2人1組になって入ってね!6人だから3組出来るね!」

 

霊夢「んじゃ…グーチョキパーで決めましょ」

 

いっせーの…せ、でそれぞれ手を出し、同じ形の者同士がペアになる。俺と鈴仙がグーで、霊夢と咲夜さんがパー、妖夢と早苗がチョキである。

 

鈴仙「やったぁ、エスカルゴと一緒♪」

 

霊咲「チッ」

 

カルゴ「ッ!?」

 

咲夜さんも舌打ちしたか!?

 

妖夢「じゅ、順番はどうする…?」

 

カルゴ「俺らが行く。あとは任せるよ」

 

妖夢「わかったわ」

 

鈴仙「行こ行こっ♪」

 

カルゴ「ああ」

 

迷路自体はそんなに大きくない。パッと見では、縦横10mずつの正方形程度の大きさだ。これならすぐに出られそうである。壁に手を付きながら、地道に歩けばいいだけのことである。

 

うどカル「は?」

 

迷路に入った俺達は思わず目を見開いた。迷路の中は、とんでもない広さの、箱庭のような空間が広がっていたのだ。

天井と壁が繋がっていないので、飛べるだろうがあからさますぎて怪しい。恐らく、飛んでも進めない仕掛けが施してあるに違いない。

 

カルゴ「しまった……弦月姫のこと忘れてた…!空間拡張しやがったんだアイツ!!!」

 

時間を止めなければ俺と咲夜さんに迷惑はかからない。嘘はついていない。…面倒だ。

 

鈴仙「うわぁぁ…すごい広さね…」

 

カルゴ「…とりあえずどっち行こうか?」

 

右、左、正面の3択である。俺としてはどれでも構わないと思っている。どうせどれでも正解だ。

 

鈴仙「真っ直ぐ行こ!」

 

カルゴ「オッケ」

 

腕を組み、真っ直ぐ進む事にした。右、左、左、右斜め…など、ちゃんと向こう側に近付くように歩いていく。特に仕掛けは無いらしく、ちょっとばかり拍子抜けである。

 

カルゴ「特に仕掛けは無いみたいだな。別ルートだから…なのか?」

 

鈴仙「そうかもしれないわね」カチッ

 

カルゴ「『カチッ』?」

 

怪音が聞こえた俺たちは足を止める。その直後、俺たちの頭上にパックリとスキマが開く。

 

ドザァァァァァァァ…

 

うどカル「ぎゃあああああああああああ!!?」

 

玄武の沢の滝と俺達頭上が繋がっているらしい。今ならば飛んで迷路から脱出できる…と思ったのだが、水圧のあまりそれがかなわない。

凡そ5秒ほどそれが続き、スキマが閉じた頃には俺達は全身びしょ濡れになっていた。

 

鈴仙「うぅ〜…濡れちゃった…」

 

カルゴ「風邪引かねー内に終わらせ……っ!?」

 

鈴仙「…? どしたの?」

 

カルゴ「あ、いや…何でも。早く行こう」

 

鈴仙「うん」

 

真っ直ぐ前だけを見ながら鈴仙の手を引いて歩き出す。服がスケスケで、ブラジャーが丸見えだ。なるほど、今日は黒らしい。うむ、よく見える。本人は気付いてないらしいが…。

しばらく進むと、行き止まりに来てしまった。

 

カルゴ「チッ。途中の道のりミスったか」

 

鈴仙「みたいだね…」

 

引き返そうとして振り返ると、空中に開いているスキマから、1枚の板が落ちて来た。ドスンッと大きな音を立てて俺たちを閉じ込める。

その板にはこう書かれている。

『地面を踏み抜け』

 

鈴仙「…え? 地面を踏み抜く? どういう事?」

 

カルゴ「どーゆーもこーゆーも…言われた通りにやるしかない…なッ!!」

 

鈴仙を抱き抱え、地面を強く踏み抜いた。

そこには落とし穴があり、地下通路に落ちた。

 

カルゴ「ご丁寧に電灯までありやがる。じゃあ、先に進もうか」

 

鈴仙「そうね」

 

再び手を取った俺たちは、薄暗いラビリンスへと進み始めた。子供達との生活を取り戻すために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穹「茜、首尾はどんな感じですかね?」

 

茜「お父さんと鈴仙はルート2に入って地下道に行ったよ。霊夢と咲夜はルート1、妖夢と早苗はルート3に。1番出口に近いのは霊夢だね。流石博麗の巫女だよね。次に近いのはお父さんたち。地下迷路抜けたらゴールだけど…長いからね〜。罠も多いし」

 

穹「…地下って確か河童が担当しましたよね?」

 

茜「うん。だから、結構ヤバいと思う。…まぁ、お父さんなら大丈夫だと思うけどね」

 

穹「うむむむ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴ「だんだん暗くなってきたな」

 

鈴仙「そうね…。あれ?ね、何あれ?」

 

カルゴ「お」

 

前方には赤外線センサーのようなものが見えた。

目に見えるので赤外線センサーでは無いが。

空中に走る赤い線…触ったら何かありそうだ。

 

カルゴ「くぐれるよな?」

 

鈴仙「もちろn…」

 

言い終える前に鈴仙の長い耳がセンサーに触れ、ビーッビーッと警告音が地下道に鳴り響く。

オレンジ色だった電灯は赤に変わり、点滅までもし始めた。どうにも落ち着かない。

そして、どこからか、にとりの声でアナウンスが入ってきた。

 

音声「えー、ただいまより、貯水池で溜めた水を放水しまーす!放水しまーす!地下道に居る方は速やかに避難して下さーい!!繰り返しまーす!地下道に居る方は速やかに避難して下さーい!!」

 

音声が途切れると共に警告音がピタリと止む。

しかしその直後、ゴゴゴゴゴ…と嫌な音が奥から聞こえてきた。奥というのは、俺達が歩いてきた道の方である。

 

カルゴ「おいおい、嘘だろ!? マジで水か!?」

 

鈴仙「ごめんエスカルゴぉ!! 逃げなきゃ!!」

 

背後から迫る水の恐怖に流された俺たちは、手を離してとにかく走る。道なんてものは関係ない。行き止まりになろうがどこに行こうが走る。だが限界はすぐに来た。水の音は確かに、段々俺達に近付いてきていた。

ついには、ザバァッという波の音まで……。

 

鈴仙「ちょ、待って…速すぎっ…はぁ、はぁ…」

 

カルゴ「急げって鈴せ……ゲェッ!?」

 

遅れる鈴仙の背後に赤い光に照らされた水を発見してしまった俺は、鈴仙をどうしようかと素早く頭を回し、すぐに結論を出した。

 

カルゴ「鈴仙は俺のポケットに居ろ!こんなとこすぐに抜け出してやる!!」

 

鈴仙「えええ!?ど、どうやって入るのよ!?」

 

カルゴ「こうすんだ、よっ!!」

 

鈴仙「きゃあっ!?」

 

目の前にスキマを開いた俺は、申し訳ないと思いながらも、その中に鈴仙を突き飛ばす。スキマの先は俺のポケットの中である。

 

カルゴ「さぁ…こんな迷路なんてすぐにでも脱出してやるぜ!神速『スウィフト』!!」

 

脚力を超強化した俺は、壁に手を付きながらものすごいスピードで駆ける。壁伝いに行けば100%脱出出来るというわけである。

途中、壁に頭をぶつけたり転けたりしたものの、何とか光の射す出口を発見した。最後は白玉楼前のようなとんでもなく長い階段だったので、10段飛ばしで駆け上がった。

 

カルゴ「とぉうっ!!!」

 

穴から抜けると、眩しい光が俺の顔を照らす。

あまりの眩しさに目がくらむが、すぐに慣れた。

 

カルゴ「脱出したぜオルァァァァ!!」

 

右手を天に突き上げ、雄叫びをあげる。すると、そばに子供達が走り寄ってきた。

 

穹「おー!怒涛の追い上げからのトップゴール、おめでとうございます、父上!!」

 

巫月「あれ、鈴仙は?」

 

やんややんやと騒いでいるうちに、咲夜さんや、早苗たちも無事にゴールした。皆もびしょ濡れであり、または服が焦げている者もいる。

 

霊夢「爆発やら水鉄砲やら、散々だったわよ…!あとで説教よ、霊愛、霊麗!!」

 

咲夜「ナイフまで飛んできたわね…」

 

早苗「暴風に落とし穴にパンチングマシン…」

 

妖夢「ゴールの光だと思ったら入口に戻った時は絶望しかなかったね…」

 

こうして少しでも体験談を聞くと、水に追われた俺たちの方がマシに思えてきた。しかし、あれは俺の能力があってこそ逃げきれたものだと思う。あとは咲夜さんの能力でも無ければ…。

 

霊夢「あら、鈴仙は?」

 

カルゴ「ポケットの中」

 

一同「え?」

 

スキマを開き、鈴仙を呼び戻した。

ドサッとびしょ濡れの鈴仙が落ちてきて、下着を見てしまった俺は咄嗟に目を逸らす。

 

鈴仙「良かった…出られたのね」

 

カルゴ「めっちゃ急いだよ…」

 

霊夢「そっちの仕掛けは何だったの?」

 

カルゴ「狭い地下通路で、とんでもない量の水が流れてきて。少しでも遅れれば溺死だったから、仕方なく鈴仙をスキマでポケットに入れて走ってきたんだよ」

 

妖夢「うわっ…」

 

霊夢「なんか…お疲れ様。鈴仙、ポケットの中はどんな感じだったの?」

 

鈴仙「スキマが閉じた瞬間から、無重力みたいにフワフワし始めたわね。開いたら重力に従って…さっきみたいにドサッとね。中身は、充電器とかナイフとか団扇とか腰につけてた装置とかね」

 

霊夢「ふ〜ん…」

 

それから、子供達と久しぶりに会話をした。

結果、子供vs大人で戦い、子供が勝てばもう1日解放区で過ごし、大人が勝てば今日中にそれぞれの家へ戻るという話にまとまった。

人数も多く、力を成長させた子供達と、勝てると思っている大人達…油断は禁物である。




なので、少しの間更新をストップします。
3連休は原作やり込みます。多分。きっと。
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