カルゴ「…さて、と。そろそろ行きますかね」
現在は10:40。
プラプラと宛もなく過ごしていた俺だが、約束の時間までもう少しなので、早速スキマを開いて、地霊殿の門前へ直行する。
いつも通り、誰もいない寂しい風景だ。
さとり妖怪の家だからとこうも近くに誰も居ないものなのだろうか?
俺が到着するのと同時に、玄関が開いた。そこに居たのは、地霊殿の家主の、さとりである。
まさか鉢合わせするとは思っていなかった。
さとり「あ」
カルゴ「よぉ、さとり。招待ありがとな!」
さとり「こちらこそ。来て下さりありがとうございます。相変わらず早いですね」
カルゴ「そうか?さとりこそどうしたんだ、まだ時間じゃないが」
さとり「…えっ、と…散歩ですよ、散歩。あまり引きこもっていても、体に良くないですからね。(10分前に来ると思ってたんだけど、この人行動するの早すぎね…。私の予想を超えるなんて…)」
その言葉、そっくりそのままパチュリーに言ってやりたいなぁ…。髪と本が傷むからとか言うけどそんなん気にしてたら何にもならんしね。
カルゴ「俺も行っていいか?まだ時間あるしさ」
さとり「っ…は、はい…。散歩と言っても近くを歩くだけですけどね。行きましょうか」
カルゴ「おう」
門を出たさとりの、少し斜め後ろを歩く。真横に並ぶと、そういう関係だと思われてしまうかもしれないからだ。もしそう思われたら俺としては嬉しいがさとりにとっては迷惑だろう。
俺がハーレムを作ってるのは、地底でもどこでも知らない人は居ないほど有名らしいから、もしもそこにさとりが入ったなんて事になれば、周囲が彼女を見る目が変わってしまう。
それはあまり望ましくないと思う。
さとり「……」
カルゴ「……」
さとりは、俺の知り合いの中では比較的無口の類なので、たまには俺から話題を振るのもアリかもしれない。
カルゴ「なぁ。手紙に書いてあったけど、なんで水着が必要なんだ?」
さとり「数ある温泉を改良し、庭に温水プールを作ったんです。なので、そうめんを食べたあとはみんなで入りませんか?」
庭に温水プールだと!?
てか…
さとりの発言に、いちいち驚いてしまう俺。だが本当に驚く。みんなとは、一体誰の事だろうか?流しそうめんに参加する者だろうか?
だとしたら、さとり、こいし、お空の水着を見る事が出来るという事になるが。
カルゴ「温水プールとかヤベェな…。入りたい…けど、他の奴が許してくれるかな?俺、男だし」
さとり「今更そんな心配は要らないですよ。寧ろ来て欲しいって思ってますから」
カルゴ「そーなのかねぇ…よく分からないな…」
さとり「…あなたのような人は、地底には少ないですからね。みんな、多少なりとも憧れを抱いているのではないでしょうか」
カルゴ「俺に?…照れるなぁ」
パルスィとヤマメとキスメは絶対無さそうだが。
この3人は、会えば大抵戦闘になる。ヤマメは、少しだがトラウマがある。だが大した事は無い。
キスメは…桶から顔を覗かせて、チラ見してくる程度だからなんとも言えない。
さとり「何よりも、私に対して嫌悪感を示さないのが凄いと思いますよ」
カルゴ「前から言ってるけど、さとりに嫌悪感を示すのはやましい事がある奴だけ。俺にはそれが無いけどな。それ以前に、可愛い妹みてぇなもんだしな、どーぞ読んでくれって感じだ。ははっ」
いつも娘やフランを撫でるような流れでさとりの頭にも手を伸ばしかけるが、まずいと思ったので咄嗟に手を引っ込める。癖とは恐ろしいものだ。
さとり「妹…ですか。でも、一応は私の方が歳上なんですからね?」
カルゴ「勿論わかってるって。ただ、俺と比べてロリっぽ…幼く見えるからさ♪」
さとり「そういえばあなたはロリコンでしたね。幼子ですらも性的対象に見てしまうんですから、恐ろしいものです。いつか私の事も食べるつもりなんですか?」
カルゴ「…食べないよ」
食べたらどんな反応してくれるんだろ?
さとり「その間はなんでしょう。…どんな反応?さぁ、そういった事は経験が無いのでわからないですね。慣れないと思うので、あなたを喜ばせる事は出来なさそうですが…」
カルゴ「大丈夫だよ、喜ばせるとかそんな事は。あんまり変な事言うなよな、俺までそういう事を考えちまうよ…。俺の欲深さは知ってるだろ?」
さとり「ええ、わかっています。なので、水着を見せてすぐ発情されないか、試してみたんです。これなら大丈夫そうですね」
カルゴ「大丈夫…なのかな?」
さとり「もし発情されたら処理が大変でしょう?彼女さんが地霊殿にも居れば…話は別ですがね。1人でやるのも虚しそうですし」
カルゴ「うむ…虚しいな。せいぜい、発情しないように気を付けるさ」
さとり「それでももし発情したらどうします?」
カルゴ「心を落ち着けるか1人で…しか無いよ。いや、そんな性事情なんてどうでも良いんだよ。流しそうめんは、いったい何処でやるんだ?」
また本筋を忘れていた俺は咄嗟に話を戻す。話を続けると、どうも脱線しがちである。話題が無いよりも、ずっと良い事ではあるのだが。
さとり「ここです」
俺「へ?」
散歩と言って歩いてきた所は地霊殿の庭だった。
屋敷をグルリと周り、門の反対に位置する、この広い庭まで歩いてきたらしかった。
そこには、竹製と思われる、長い流しそうめんの流し台があり、お空とお燐が試しに何かを流していた。水だけではなさそうだ。
カルゴ「おーい、お空ー!お燐ー!来たぜー!」
庭の入口から声を掛けると、まずお空が反応し、持ってた物を放り、手を広げて走ってくる。
お空「おにーさーーーん!!」
ああ、また抱きつかれるパターンだな…。
俺は避けないぜ。その代わり、お燐…お空を引き剥がすの手伝ってくれよな。
予想通り、減速せずにそのままの勢いでタックルされた俺は、足を踏ん張ってお空を受け止める。
ギュッと抱きついたお空は、俺の胸にグリグリと頬擦りし、うっとりした顔になる。
カルゴ「相変わらずだなぁ、お空は」
ポンポン、と頭を撫でてやると、嬉しそうに顔を綻ばせ、さらに強く抱きついてくる。
カルゴ「なんかいつもより甘えてこないか?」
お空「だってぇ…さとり様が甘えさせてくれないんだもん…」
カルゴ「あれま。そうなの?」
抱きつかれたままで隣のさとりに視線を移す。
さとり「お空に抱きつかれると苦しいんですよ!柔らかいところがちょうど顔の辺りなんですっ!身長が欲しいですよホントに!」
誤解を解こうと、少し焦るさとり。普段はあまり見せてくれない焦った表情は、見ているととても癒される。…さとりには失礼かもしれないが。
そして、そのもっともな理由で、俺は深く納得がいった。俺はそこそこの身長があるので、お空の胸で顔が塞がる事は無い。だが低身長なさとりは胸で顔が塞がるのだ。
何だか羨ましい光景ではある。
お空は巨乳だし…それは仕方ない。
カルゴ「さ、準備手伝うから離れて」
これ以上抱きつかれてるとヤバい。巨乳美少女に頬擦りされてみろ、興奮するに決まってるだろ。
この無邪気な性格は、変わらないでほしい。
お空「準備ならもう終わってるも〜ん♪」
カルゴ「…暑いからちょっと離れて…」
お空「私は暑くないもん」
俺「俺が暑いのっ!」
すると、うるうると瞳を潤ませ、俺を見上げる。
何かマズイことを言ってしまっただろうか?
お空「お兄さんは私の事嫌い…?私は好きだよ、お兄さんのコト……」
カルゴ「あっ…いやっ、その…」
突然の告白(?)に不意を突かれた俺は慌てる。
そして、ドクンと心臓が強く脈を打つ。
単にお空が可愛かったというのもあるが、何よりうるうるの瞳での上目遣いは反則だ。
そういう質問めっちゃ苦手なんだよおおおお!!
好きと言えば離れないだろうし、嫌いと言えば、泣かせてしまう。無理、どちらも耐えられない。
さとり、ニヤけてないで助け舟頼むよ…どうせ、今も俺の心読んでるんだろ…?
俺「…俺もお空のコト好きだよ。じゃなきゃ10年以上も面倒見たりしないよ。けど暑いから…な?ほら、汗がついちゃうから…」
お空「じゃあまた洗いっこしよ?」
カルゴ「ッ!!」
さとり「また…?」
お空の爆弾発言に、さとりはピクリと反応する。
今まで隠していたが、お空との稽古の後は、共に地霊殿のお風呂に入っていたのだ。勿論、これはお空からの誘いであり、断ったら泣き出したのでついつい言うことを聞いてしまったのだ。無垢な女子を泣かすなんて事、もう二度としたくない。それはもう、心が痛む痛む。
泣かれたのは初めて共に入った時の事なのだが、それからは誘われたらノるようにしている。なぜだって聞かれればそりゃ、「また泣かれるかも」という恐怖が先にたつからである。
楽しいから、決して悪くは無いのだが…。
さとり「なるほどぉ〜。つまりエスカルゴさんとお空は、いつの間にかデキてたんですね〜」
と、黒い笑みを浮かべるさとり。何か嫌な予感がする…が、どうせ俺の予感なんて外れるだろう。
お空「うにゅ?デキるって何がですか?」
カルゴ「いやいやいや!付き合ってないよ!?」
お空「えっ、そうなの?」
カルゴ「はぁ!?」
お空「私てっきり、お兄さんとお付き合いしてるのかなーって…だから面倒見てくれてるかと…。違うの…?」
キュッと俺の服の裾を掴み、目を潤ませる。
まさに禁じ手…どう言葉を返せばいいのか本当にわからない。こういう時に瞬時に判断できるほど俺の頭はデキていない。
カルゴ「だっ、だって…好きって友達としてじゃないのか…?」
お空「? 違うよ?」
カルゴ「なぬっ!?」
あっけらかんと答えるお空なのだが、ずっと友達としての好意だと思っていた俺からしてみれば、これは一大事である。つまりかれこれ10年以上はこんな勘違いをしていたのだ。お互いに。
さとり「まぁ…ちゃんとした告白も無しにいつも好き好き言ってたら友達の方だと思いますよね。心中お察しします」
カルゴ「お察しっつーか読んでるだろう…。てか俺にどうしろって…?」
お空の頭を撫でながらも色々思考を巡らす。だが特に妙案は思い浮かばなかった。本人すら困ったような顔をしている。
お空「…ねーさとり様、なんて言えばいいの?」
さとり「逆に聞くけどあなたは何がしたいの?」
お空「えっと…お兄さんとお付き合い?」
何故そこ疑問形なのだお空よ…。
さとり「なら、そう言えばいいだけよ。お空なら出来るでしょう?」
お空「うん…頑張るっ!」
本人の前でやる事かなぁ…。仕方ないけどさ。
お空「お兄さんっ…」
カルゴ「…はい」
俺に抱きついたまま、お空は熱い視線を向ける。まさか抱きついたままの告白とは…また初めてのパターンである。
お空「私っ、ずっと前からお兄さんのコトが好きだったの…。何をするのかよくわかんないけど…付き合って…欲しいなっ…♪」
カルゴ「お空……」
ちょっと抜けてるところはあるけど…純粋無垢で穢れを知らないっつーか…いい子なんだよなぁ。俺としては普通の関係で居たかったけど…これもまた一興、かな。
カルゴ「…わかったよ。じゃ、付き合うってのはどういう事するのか…教えてやるよ。時間かけてゆっくりと、な」
お空「うんっ♪」
14人目か…増えたなぁ。
さとり「お空、あなたがエスカルゴさんを好きだなんて今知ったんだけど?……前々から察しては居たけどね」
カルゴ「心読んだりは?」
さとり「お空は頭が空っp…あまり物事を考えて行動しない子なので…」
カルゴ「なるほど」
極限までオブラートに包んだなぁ〜……。
さとり「どこら辺が好きなの?」
お空「んー…優しいでしょ?強いでしょ?物知りさんでしょ?あとカッコイイし…優しいから!」
優しい2回言ったけど突っ込まないでおこう。
お空「でもね…1番嬉しかったのはね…。私って鳥頭だから、色々すぐ忘れたりするんだけど…。10年以上も侵入者扱いをしてたのに、怒らないで毎回教えてくれた事が嬉しかったの…♪」
さとり「なるほど。確かに普通の人なら怒ったりしそうなものだけどね。…どうしてそういう時に怒らないんですか?」
カルゴ「怒って教えるより優しく教えた方がイイってのが俺の教育論だ。怒ると、子供との関係も悪化しかねないからな。だからお空には、子供と同じ方針で…育成?教育?してきたんだよ。勿論たまには怒るけどな」
さとり「子供と同じように…?だからここまでに懐いたんですかね」
カルゴ「あー…」
お空「…?」
子供にこう教育してきた結果、子供達は俺に強く懐いている。だからお空も俺に懐いた?違うとは思うが…何故だろう、妙に納得が出来る理論だ。
更に俺は、お空の「優しいから」という言葉に、過去に妖夢と交わした会話を思い出す。
妖夢『そうやってさ、誰にでも優しくするから、色んな女の人に好かれるのがまだわからないの?好かれたくないんなら、誰にでもフツーに接していれば良いじゃない』
カルゴ『俺にとってはこれが普通なんだが…』
妖夢『普通じゃないよ、そんなの…。もし私が…エスカルゴのこと好きになっちゃったらさ……。ちゃんと責任、取ってくれるの…?』
…なるほどな。優しくし過ぎるのも問題、か…。
この会話からだいたい5年…やっとわかった様な気がするよ。さて…これからお空とどう過ごしていけば良いのかな。まったりしていこうかな。
さとり「…さて。そろそろ時間なので門まで戻りましょうか」
カルゴ「だな」
お空「私も行くっ!お兄さん帰るまでは、ずっと一緒に居るんだからっ!」
カルゴ「はいはい、おいで」
お燐「ははーん…付き合ってる割にはそっけないと思ってたら、まだ付き合ってなかったんだ…。あたいもてっきり、あの2人はもう付き合ってるもんだと思ってたよ…。おめでとう、お空!」
門前に到着した俺たちは、普段のあの面々を庭へ誘導し、楽しい流しそうめん会を始めた───。
やっとお空入れられた…!
お空入れるの、お空暴走編前からの目標だった!
俺的お空のイメージ
純粋無垢、鳥頭だが余程印象強いことは忘れない
巨乳、身長は160cmくらい
そして忘れてはいけないのは、可愛いという事