※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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2人きりの鬼ごっこ

「───きーてー。起ーきーてーってばー!」

 

誰だ…。耳元で大声出すな…。

 

「…起きたぞ…」

 

「やっと起きた!」

 

「ルー…ミアか…。どした…?ふあぁぁ…」

 

「どうしたじゃなくて!寝過ぎちゃったよ!」

 

「え?」

 

「夕方だよっ!」

 

「え〜…朝から寝てもう夕方?」

 

「そう!早く遊ぼ!」

 

「待て待て。鈴仙起こさな…」

 

…あれ?居ないんだけど。

 

「鈴仙は?」

 

「あの兎?食べちゃったよ?」

 

「おい!?」

 

「あはっ冗談冗談♪トイレ行くってさ」

 

「そ、そか…」

 

じ、冗談で良かった…本気でビビったわ…。

 

「うん」

 

「じゃ、鈴仙来たら外行くか」

 

「ん〜…それだけじゃつまんないな〜…」

 

「え?」

 

「こうするのはどう?…ゴニョゴニョ………」

 

「ふむ……やってみっか」

 

「うんっ♪」

 

 

 

「ふぅ…。そろそろ帰らなきゃお師匠様に怒られちゃう…。でももう少し寝たいな…ふわぁ…」

 

カチャッ…パタン

 

「あれ?…ルーミアちゃん、また寝ちゃったの?」

 

「……………」

 

「エスカルゴは…?」

 

「……………」

 

「2人共寝てるの?」

 

『……………』

 

「ならもう少し…」

 

ギシッ

 

「え?」

 

『バーーーーン!!』

 

バサァッ

 

「キャッ!な、何!?」

 

『へっへっへー!ドッキリ大成功〜!!』

 

「もうっ!びっくりさせないでよっ!」

 

「ドッキリだもん!な?」

 

「うんっ!」

 

「全く…」

 

「ビックリしたっ!?」

 

「ええ…」

 

「やったぁ!」

 

「へへっ…。……ところで鈴仙…急で悪いんだが…」

 

「?」

 

「そろそろ帰らなきゃ…永琳先生に怒られないか?」

 

「そうなのよねー…」

 

「一緒に行くか?」

 

もとよりそのつもりだったのだが…。

 

「うんっ、お願い!」

 

「私も一緒に行くー!」

 

「えっ?ルーミアちゃんも?」

 

「うんっ!そしたら、すぐエスカルゴと遊べるもん!」

 

「遊んでもらうの?良いわね!」

 

と言いながらジロッと俺を見る。

やましいことは無いのだが少しビビる…。

 

「でしょでしょー!」

 

「…じゃあ3人で行くか!」

 

「うん!」

 

「そうね」

 

 

 

 

 

竹林の上空を飛んで、もう永遠亭は目の前である。

太陽はほぼ沈みかけてるので日傘は不要だった。

 

「もう着くね…」

 

「3人で色々お喋りしてたからな…。楽しい時間は早く過ぎ去るものさ」

 

「うん…」

 

「ほら、着いたぞ」

 

「………はぁ………」

 

ため息つくな!

 

スタッ

 

「じゃ…また、月曜日ね」

 

「おう」

 

ガララッ

 

「!!」

 

「ウドンゲ、今まで何やってたの!?」

 

わお…急に出てきた…。

 

「お師匠様…。すいません、寝てしまいました…」

 

「全くあなたはほんっと……あら?」

 

永琳が俺とルーミアの存在に気付く。

 

「あなたたち…どうしたの?」

 

「鈴仙を送りに来ました」

 

「エスカルゴと遊ぶついでにー!」

 

「あらそうなの。ありがとうね」

 

「いえ」「えっへへ〜!」

 

「さぁ、中に入りなさい」

 

「…はい」

 

「じゃあな、また」

 

「うん」

 

ガララッ

 

少し寂しそうな顔して中に入る鈴仙。

そんな顔すんなよ、俺まで寂しくなる…。

 

「ねーねーエスカルゴー!」

 

「ん?」

 

「なにやる?」

 

うーん………。

 

「なに…しようかなぁ…」

 

「じゃあさ、鬼ごっこしよーよー!」

 

「お、鬼ごっこ?」

 

「うん!」

 

こっちにも鬼ごっこあるのか…。

 

「いいぜ。って、このまま永遠亭の前でやるのか?」

 

「ううん、紅魔館の前でやろ。ここ竹ばっかだし」

 

「お、おう…」

 

確かにそうだな。それに、こんな所でやったらてゐの落とし穴に引っかかりそうだしな。

 

 

こうして俺とルーミアは急ぎ紅魔館へ戻った。

だが、戻った頃には既に真っ暗になっていた。

 

 

「真っ暗だな〜…」

 

時計が無いからわからないが、さっき太陽が完全に沈んだところを見ると…午後5時くらいだろうか?

 

「暗いとワクワクするね!」

 

え、えぇぇ…??

 

「そうかな…?」

 

「そうだよ!」

 

ふ、ふむ…まぁいいか…。

 

「よっし、ジャンケンするぞ」

 

「私鬼やる!」

 

「お…おう…」

 

「だって…追いかけるの…タノシイ…!」

 

「!?」

 

な、なんか今…ルーミアの幼い顔が狂気じみた笑顔に歪んだように見えた…。

ま、まぁ気のせいだろ。気のせい気のせい…。

 

「じゃ、じゃあ…逃げるぞー…」

 

「スペル使ってもいいよ〜」

 

「えっ」

 

スッカリ元の調子だ。

というか、スペルOKってどゆことや。

 

「ただの鬼ごっこじゃつまんないもん!」

 

つまんないって…まぁ刺激が欲しいのはわかるが。

 

「わかった…。飛ぶのはアリか?」

 

「もちろん!」

 

「りょーかい…じゃ、逃げるぞー」

 

「逃げて逃げてー!少ししたら行くよー!」

 

「はいはい」

 

俺のスペルって攻撃や防御のしか無いし…感電するのばっかだから使う機会ねぇぞ。ルーミア一人相手にクイック使うほど大人気ないプレーは出来ない。

うん、やめておこう。

 

もっとも…フランやレミリア、他にも何人も居て…っていうなら話は別だ。咲夜さん居たら即終わりだろうがな。

 

そんなこと考えてる間も、俺はルーミアから十分距離をとる。足は地面に着いてる。

 

「…19〜、20!!行っくよー!」

 

20まで数えてたのね…。

 

「居た!わぁーい!」

 

「ふふっ…」

 

両手を広げてパタパタと走って追いかけてくるその様子は、ホントに純粋無垢な子供のようだ。

昔のことを思い出し思わず笑ってしまった。

 

「捕まえ…あっ!」

 

捕まる寸前でステップバックする。

 

「逃げたー!よーし!…えいっ!」

 

ボンッ

 

「え?」

 

ルーミアは掛け声とともに闇を広げ、距離を取ったハズの俺のことも闇の中に引きずり込む。

 

「おいおいおい、こんなに広げられたのか!?」

 

この前見せてもらった時は自分自身を隠す程度だったのに…なんだ?

 

「この前はわざと小さくしてただけだよ〜♪」

 

「ちっ…見えねぇ!」

 

ルーミアの闇に視界を奪われた。

何も見えないからか、言い知れぬ恐怖に襲われる。

 

俺が目くらまししたとき、アイツらもこんな感じだったのかな…?

 

「えいっ!」

 

ポンッ!

 

「ひゃっ!」

 

「捕まえた♪」

 

「つか…捕まっちゃったか…あはは…」

 

あー、ビックリしたぁー…。

急に背中叩かれたから変な声出ちまった…。

 

「ふっふ〜ん、中々やるでしょ!」

 

フッ…

 

闇が消えた。

途端に、湖やら山などが見えるようになった。

 

「あ、ああ…そうだな…」

 

おっかねぇ…。

 

「はい!次はエスカルゴが鬼だよっ!」

 

「オッケー。じゃ、20数えるから逃げてな」

 

「うんっ!」

 

 

 

「19〜、20!数え終わっ……えぇ?」

 

昔からのクセで目を瞑って数えていたので、目を開けた俺は困惑した。また闇が広がっていたのだ。何も見えない。

 

「おいおい、またかよ…」

 

そう呟く。

 

「まただよ〜♪」

 

どこからかルーミアの声が聞こえた。

 

「うーん…………」

 

暫く考え込む。

そして、ある事を思い出した。

以前、ルーミアを俺の闇の中に入れたことがあったが、その時は俺の闇の中に小さな闇があったから、ルーミアがソコに居ると認知できたのだ。

ということは、俺がルーミアよりも大きな闇を出して、ルーミアの闇から脱出して…闇の中にある闇の中心へ向かえばいい。

 

うー…頭がこんがらがってきた…。

大体、闇の中に闇があるというのもおかしな話だ。

 

とりあえず、俺が大きな闇を出して、見えない部分があったらその中心へ向かえばいい。それだけだ。

 

「捕まえてやるぞ!」

 

「どーやって〜?」

 

「これだ!雷符『Midnight☆Thunder』!」

 

…闇が広がったのかわからないが、多分広がっただろう。まだ俺はルーミアの闇の中に居るからわからない。脱出しよう。

 

少しの間、未だルーミアの闇の中をさまよっていた。

その時だ。

 

バリバリバリバリィィ…

 

「あばばば…」

 

ルーミアの声が聞こえた。雷に打たれたようだ。

 

「……すまん」

 

雷のこと…すっかり忘れてた。

 

「あれ?」

 

待てよ?確か、ルーミアには何故か俺の雷効かなかったよな?てことは声がした方へ向かえば…。

 

「ちょっと痛かったよぉー!」

 

「すまん!」

 

反射的に謝る。

ルーミアの声…右斜め後ろ辺りか。

というか、やはり効いてないんだな。

 

「痛いだけだったか?」

 

「うん!ちょっとだけね!」

 

「じゃ、もう1回やるから我慢してくれ!」

 

「え゙っ」

 

「次で捕まえてやる!」

 

「…いいよ!やってみなよ!」

 

挑発だな…?よし、受けて立つぜ!

 

「もう1回だッ!『Midnight☆Thunder』!」

 

…うーん、やはり闇の中だと広がってるのかわからんな…。ま、成功してるはずだ。

 

まだか…まだか…。短い間なのに長く感じる。

 

バリバリバリバリィィ…

 

よし、来る!

 

「あばばばばば……」

 

よし、聞こえた!

 

その方向へ真っ直ぐ向かう。

 

 

 

「ここら辺だと思うんだが……んぉ?」

 

右手になにか触れた。

 

「あ〜…捕まっちゃった〜…」

 

フッ…

 

闇が晴れた。

 

「おっ…」

 

どうやら俺は、ルーミアの背中に触れていたようだ。

 

「もう!痛かったじゃない!」

 

そう言ってほっぺを膨らます。

 

「ごめんごめん。…本当に痛かっただけなのか?」

 

「そうだよ?」

 

「変だな…あれ食らったら痺れるはずなんだが…」

 

「ふーん…そーなんだ…。…エスカルゴのあれって、闇の攻撃でしょ?だから私に効かないんじゃない?」

 

「へ、へぇ…。まぁ、それなら納得かな…」

 

ふむ…あれは「闇の雷」だからか…。

てことはほかの攻撃なら効くのかな?

いや、試すなんてことはやめておこう。

 

「じゃ、そろそろ帰るね〜」

 

「と、唐突だなや…」

 

「あはは、まーねー。ありがとね!!」

 

「おう、またな」

 

「うんっ!」

 

こうして、ルーミアはまたスキップで帰って行った。

残った俺は、館に戻る。

 

 

「ただい…」

 

「おかえりエスカルゴ。何してたの?」

 

ひぇ…レミリア…怖い…。

 

「…鈴仙のことを永遠亭に送ってって、ルーミアと鬼ごっこしてた」

 

「鬼ごっこ…?2人で…?」

 

「あ、ああ…」

 

「なんで混ぜてくれないのよっ!」

 

……そこ?

 

「寝てると思ったから…」

 

「いくら遅くに寝たからって夜まで寝てるわけないでしょ!?一声かけるとか何か出来たんじゃないの!?」

 

ひょえぇぇ…

 

「そっ…そうだな…すまない」

 

「ま、フランは寝てるけど」

 

「えっ」

 

「寝る子は育つと言うしね、寝かせておいてあげてるわ」

 

お、おう…そーなのかー…。

 

「おはよー…」

 

フランが起きてきたようだ。

 

「お、おはよう」「おはよう、フラン」

 

「…どしたの?」

 

「いや、なんでも」

 

「そう。ご飯食べて寝ましょ」

 

『ま、まだ眠いの?』

 

俺とレミリアは同時に尋ねる。

 

「よくわかんないけど…そうみたい」

 

「へ、へぇ…」

 

「おかえりなさいませ」

 

「あ、咲夜さん。ただいまです」

 

「お夕飯の支度は整ってます」

 

「じゃ、食べるかー」

 

『そうね』

 

 

 

 

 

夕飯を食べ終わり、今はもうベッドの中である。

 

「さ、寝ましょー」

 

「そうだなー…お腹一杯になったら眠くなってきた」

 

「あんたらねぇ…」

 

「お姉様は眠くないの?」

 

「そうじゃなくて!明日の予定決めましょうよ!」

 

「あし…た…か」

 

「またデートしましょ?」

 

「あら、良いわね。エスカルゴはそれでいい?」

 

「ああ、もちろん」

 

「明日は3人で行こっ♪」

 

「いや、咲夜さんも…まぁいいか…」

 

『うん!』

 

「じゃ…おやすみなさーい」

 

「ちょっと!1人で先に寝ないでよっ!」

 

「お姉様の言う通り〜。手繋ぐの忘れてるわ」

 

眠過ぎて忘れてたようだ。俺としたことが…。

 

「悪い悪い。ほい」

 

『ん』

 

ギュッ…

 

『おやすみなさーい!』

 

 

 

……いっつも、デートの度に何かしらのトラブルがあるんだよなぁ…。明日は何事も無きゃいいんだが…。




えー…次回から、1話1話が短くなると思います。
理由は次回!
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