※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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次でこの異変は完結し、宴会は無しでリクエストいく予定です。早くあの人を書きたい。



行く手を阻む者は…

火口まで、残り1キロも無い。もう少しで、強い妖気の出どころである火口に辿り着く。十中八九お父さんはまだ火口に居る。なんで暑いのが苦手なのに火山の中に居るのかは…多分、私に対する手加減を表してるのかな、と思う。

舐められてる…けど、ここで勝たなきゃこの黒い霧は止みそうにない。お父さんはいつもそうだ。多分今回も、口で言っても聞かない。力で万事の決着をつけたがるから。

 

???「おーい霊愛ー!」

 

暗闇の中で白黒の何かが私を呼びながら飛行している。この声は、間違いなく魔理沙だ。

 

霊愛「魔理沙!」

 

良かった、これで人手が増えた…。お父さんは、狭い空間での戦闘が苦手。火口の中と言えば結構狭いはず。とすれば私と魔理沙にも勝機はある。

 

魔理沙「あれ、霊夢はどこだ?」

 

霊愛「お母さんは永遠亭と紅魔館」

 

魔理沙「ほう…どうやら今回の黒幕は、この私が倒せそうだな!」

 

霊愛「待ってよ。1人で行くより2人で行く方が安全且つ効率的じゃない?」

 

魔理沙「それはそうだ。だが黒幕は火山の中だ。そんな危険な場所に、お前を連れていくわけにはいかん。さぁ、あとは私に任せて、霊愛は神社で朝飯でも食ってろ」

 

霊愛「火山の暑さくらい、どうってことないし。私だってお父さんとお母さんの子供だよ?」

 

魔理沙「だがお前は半妖だ。人間と妖怪の両方の強さもあるが両方の弱さもある。分かるだろ?」

 

魔女となった魔理沙だからこそ、人間の弱点も、妖怪の弱点も理解している。その上での忠告だ。でも私は、そんな言葉には耳を貸さない。

 

霊愛「へん、そんなこと知ったこっちゃないね。私は私の仕事をするだけだよ。ちゃっちゃとこの異変終わらせてからご飯食べるんだから」

 

魔理沙「はぁ…。お前もエスカルゴみたいに口で言って聞くタイプじゃなかったな。来いよ霊愛。私に勝てればこの先へ行ってもいい。その時は、異変解決はお前に任せる」

 

霊愛「良いの?ここ数年私に勝ててないじゃん」

 

魔理沙「手加減ってもんをしてやってるだけだ。だが今回はそんな事する必要無いな。転送魔法も強化できたし…実戦練習に丁度いい!」

 

霊愛「悪いけど、手加減する時間が無いからね!割と本気でいくよ!」

 

魔理沙「一向に構わん!」

 

強化したという転送魔法に不安を抱きつつ、私と魔理沙はそれぞれ弾幕を発射し始める。魔理沙の転送魔法はかなり厄介だ。時を止める訳でもなく一瞬で移動する。でもこの魔法には弱点がある。魔法陣の上に転送される人が乗らなきゃいけない上に、紫色の強い光が出てくる。だから、眩しい光が出てきたら、そこから離れればいい。

 

魔理沙「魔符『スターダストレヴァリエ』!!」

 

霊愛「霊符『夢想封印 散』!!」

 

普通の弾幕ではなく、互いにスペルから発動。

魔理沙は心配してくれているみたいだけど、それ以上に異変を解決したいっていう欲望が丸見え。別にそう思うのは良いと思うし、考える事は人の自由だけど、そのために、私に帰れって言うのは少し違う気がする。

 

魔理沙(霊愛の戦法からして、次は『集』で私に攻撃を浴びせるんだろうな。だったら、その瞬間転送魔法で背後に回り込んで…マスパだな!)

 

よし、ある程度弾幕はバラ撒いた。次は集めて、魔理沙に集中攻撃してやる。

 

霊愛「霊符『夢想封印 集』!!」

 

追加で弾幕を発射しながら、魔理沙に集中攻撃を浴びせようとするが、当の魔理沙はフッと笑う。そして、懐に手を入れて1枚の紙を取り出した。

 

魔理沙「よしっ、発動ッ!!」

 

霊愛「何持って……キャッ!?」

 

紙には、魔法陣が書かれていた。それから発動を宣言すると、転送魔法の時の、紫色の光が出た。光が収まって前を見ると、そこに、魔理沙の姿は無かった。

 

魔理沙「私はこっちだぜ霊愛!魔砲『ファイナルマスタースパーク』!!」

 

霊愛「────ッ!?」

 

魔理沙はいつの間にか、背後に回り込んでいた。

振り返った時にはもう、目の前に太いレーザーが私の前に迫っていた。太すぎて回避ができない。

 

霊愛「霊符『四重結界』!!!」

 

お父さんに教えてもらった、残りの霊力を犠牲にする代わりに守りを固めるスペルを発動させた。私はお父さんより霊力が多いから、お父さんよりかは長持ちする。その間に、対策を考えなくちゃいけない。

 

魔理沙「うおおおおぉっ!!そんな結界、すぐにブチ破ってやるぜえええええっ!!」

 

霊愛「くっ…!!」

 

また威力上げたし……!今までは、ホントに手を抜いてたんだね…正直見くびってた…。やばい、温存したいけどあんまり温存してたら破られる…まずい、どうしよう…!

 

魔理沙「…!色々ガラ空きだぜ!発動ッ!!」

 

霊愛「!!!」

 

再び懐から紙を取り出し、レーザーを放ったままどこかへ瞬間移動する。魔理沙がどこへ行ったか探す間もなく────。

 

魔理沙「ここだぜ霊愛!」

 

霊愛「上か───!」

 

真上からレーザーが降ってきて、私はそれに強く押され、地面に叩きつけられる。

 

霊愛「…イタタタ…背中からやられたし…。半妖じゃなきゃ死んでたよねアレ…」

 

クレーターの中で背中をさする私の前に、またも転送魔法で現れる魔理沙。私にレーザーを当てたのが嬉しいのか、満面の笑みを浮かべている。

そして、箒を私に向けてドヤる。

 

魔理沙「どうだ霊愛、参ったか!」

 

霊愛「別に……一発当たっただけだし…!たかがそれだけで参るわけないじゃん…。そんなヤワな覚悟で、私は異変解決に来てないよ、魔理沙…」

 

震える足を軽く叩き、クレーターの中で魔理沙と睨み合う。魔理沙はまたもや転送魔法を使おうとしているのか、懐に手を入れている。

 

霊愛「少し温存したかったんだけどな…しょうがない、終わらせる!境界『二重弾幕結界』!!」

 

魔理沙「囲んでも無駄なのがまだわからないか!そぉれもう一丁!」

 

また転送魔法を使って、弾幕結界から簡単に脱出してしまう魔理沙。でもこれは、私の予想通り。

 

霊愛「そうするのはわかってたよ、魔理沙!霊符『夢想封印 夢幻』!!」

 

魔理沙「無駄無……げっ!?紙が切れてる!?」

 

切れてる?しめた、もう転送魔法は使えない!!

この一撃で今度こそ決めなきゃ!!

 

霊愛「もらったぁぁぁぁっ!!!」

 

魔理沙「う…うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊愛「やっぱり私の勝ちだね、魔理沙!」

 

魔理沙を地面に叩き落とし、お祓い棒でつついて気絶から目覚めさせた私は、Vサインを送る。

服についたホコリを払い飛ばして、箒を杖にしてよいしょと声を出しながら立ち上がる。

 

魔理沙「まさか、紙が4枚しかなかったとはな…もっと用意するべきだったぜ」

 

霊愛「結局、転送魔法の強化って何をしたの?」

 

魔理沙「魔法陣に触れてるだけで発動できるって感じにな。ほら、戦闘中に紙を敷いて、その上に乗るなんて出来ないだろ?」

 

霊愛「あー、そういえばそうだね。あちこち動くからすごく厄介だったよ」

 

魔理沙「これならエスカルゴにも勝てるかな?」

 

霊愛「どーだろ。もし鎧使ってたら、それを壊すくらいの威力じゃなきゃダメだよね。仮に使って無かったとしたら…いけるんじゃない?」

 

魔理沙「よっし、今度挑んでみるぜ!あ、魔法を強化したことは…」

 

霊愛「わかってる、秘密にしておくよ。言っちゃつまらないもんね。対策されるし」

 

魔理沙「へへっ、サンキュな!何しろ、この改良だけでも1ヶ月かけてるからなぁ…。もし簡単に破られたら、魔理ちゃんショックだぜ…」

 

霊愛「魔法の改良って大変なんだね…」

 

魔理沙「悔しいが、パチュリーなら簡単に出来るだろうな。私はほら…魔法使いになってからまだ日が浅い。出来る事も出来ない状態に近いから、仕方ない部分もあるっちゃあるんだが……まぁ、日々努力、だな。お前も頑張れよな」

 

霊愛「うん。でもまずは、この異変を解決だね」

 

魔理沙「ああ。霊夢はまだ来そうにないからな、初手柄あげるチャンスだな!」

 

霊愛「…だね。じゃ、また今度ね!」

 

魔理沙「気を付けろよなー!」

 

魔理沙は魔法の森にある自宅の方へ飛んでいく。私は今度こそ、本当の本当に、火口へと向かう。邪魔は多かったけど、次こそ主犯の元へ行ける。お母さんは今朝、「あそこに留まる理由がない」って言ってた。確かにそう思う。だけど私の中の博麗の勘が、「そこに主犯がいる」と告げてる。

お父さんが居るのは、100%間違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊愛「…お父さん…だよね?」

 

常に噴煙を上げている妖怪の山。それに乗って、お父さんの妖気混じりの黒い霧は出てきている。でも、その中にお父さん以外の妖気が混じってる様な気がしてならない。

過去にも感じた事がある妖気…だけど、なぜだか上手く思い出せない。霧に包まれてるかのように薄ぼんやりとしている。

 

 

 

火山の中を、熱風に逆らうように降りていく。

下に行けば行くほど、気温が上がってきていて、暑いのが嫌いな私はしかめっ面をする。

しばらく進むと、眼下に黒い影が見えてきた。

熱気で揺らめいているせいなのか、1つにも2つにも、はたまた3つにも見えてしまう。

そして私は、その人影の前まで降りてきた。

とうとう、主犯と対面だ。

 

カルゴ「…やぁ、霊愛。待ってたよ」

 

霊愛「お父さん…と…ルーミア…?」

 

るみゃ「うふふっ…朝からお疲れ様、霊愛♪」

 

夏の地底以上の熱気が立ち上ってくる火山の中。そこには、目を漆黒に染めたお父さんと、封印を解いたルーミアが居た。

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