※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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黒霧異変の全容

カルゴ「…やぁ、霊愛。待ってたよ」

 

霊愛「お父さん…と…ルーミア…?」

 

るみゃ「うふふっ…朝からお疲れ様、霊愛♪」

 

なぜルーミアが封印を解いているのか。そして、なぜルーミアがお父さんと居るのか。お父さんの目が黒いが、闇の力を使っているからなのか?

疑問は増えるばかりだ。その中でも確定なのが、目が黒い理由。闇の力を表に出したから…でほぼ間違いない。

もしかすると、お父さんの霧に混ざっていたあの妖気はルーミアのものなのだろうか。それならばある程度納得がいくが。

 

カルゴ「…どうした、何か考え事か?」

 

霊愛「別に…」

 

闇の力を使ってるお父さんは、どうも苦手だ。

平常時は、やけに口調が落ち着いてる。だけど、少しでも感情が傾けば、豹変して荒々しくなる。

どちらかというと、落ち着いている時の方が少し苦手かもしれない。何故って…全然あのお父さんらしくないから、調子狂う感じがする。

落ち着いてる時は、表情の変化も乏しい。普段のお父さんが表情豊かだから、嫌な意味でギャップがある。闇の力が苦手な理由の1つがこれだ。

 

霊愛「お父さん、ルーミア…この霧、迷惑だから出すのやめてよ。朝から暗くて、迷惑してるよ。せっかく里で人気なのに…信用とか失くすよ?」

 

カルゴ「里の人には俺が主犯なのはバレないよ。俺が主犯だとわかっているのは、俺が闇を操れることを知ってる者だけだからね」

 

霊愛「そう、言っても聞かないんだ?だったら、力づくで言う事聞かせるからね」

 

言っても聞かないのは私も同じかな。ついさっき魔理沙に言われたし。ということは、この性格はお父さん譲りってことなのかな。

 

カルゴ「良いよ。ルーミアと2人で相手しよう」

 

るみゃ「かなり急ごしらえだけど、複合スペルでガンガン攻めましょうね、エスカルゴ♪」

 

カルゴ「そうだな、ルーミア」

 

複合スペルまで作ってるの?この2人…。確かにこの2人は、昔からやけに仲良いけどね。まさかそれほど仲が良いとは思わなかった。

ルーミアと闇堕ちしたお父さんの複合スペル…。

間違いなく闇の弾幕だね。

 

カルゴ「スペルカードは1人4枚。同じスペルも1枚とカウントし、複合スペルは俺とルーミアの2人分を使う。…被弾していいのは、5回まで。どうだ霊愛、悪くないと思うが」

 

霊愛「別に良いよ、それで。珍しいじゃん、事前に設定するとか」

 

カルゴ「お前には人数差のハンデがあるからな。これくらいしないとちゃんと楽しめないし…被弾していいとなると、俺は特攻かけるよ。ハッキリ言うが、俺が特攻かければ霊愛に勝ち目は無い」

 

霊愛「っ……」

 

確かに、お父さんは頑丈だし、あの鎧も中々壊れないから、被弾の回数を決めないと、被弾覚悟の特攻をかけられるだろう。

もしそうなれば、絶対に私に勝ち目は無い。

 

カルゴ「さぁ、ルールも決めた事だし、そろそろ始めよう。早く朝食も食べたいだろう。俺もまだ食べてないし」

 

るみゃ「私はもう食べたけどね」

 

カルゴ「…それ、さっき食った俺の腕の事だろ」

 

るみゃ「正解♪」

 

カルゴ「ったく…。……はぁっ!」

 

1つ軽く溜め息をついたお父さんは、1泊置いて弾幕を発射し始めた。やはり予想通り、真っ黒な闇の弾幕だった。それを見たルーミアも、同じく弾幕を発射する。ルーミアは、お父さんと違って黒一色ではなく、他の色も混ざっているので結構綺麗だ。

ルーミアと2人分なのでそこそこの密度がある。

私も弾幕を発射するけど、2人の方に届く前に、大体は掻き消されてしまう。それがわかっているから、2人は避けようとすらしない。

スペルで一気に攻撃して様子見するしかない。

なら、力の加減がしやすく、尚且つ密度がある、あのスペルがいいかもしれない。

 

霊愛「霊符『夢想封印 夢幻』!!」

 

因みに、お母さんのは『夢幻』じゃなく『夢限』だったはず。やっぱりオリジナルに頼ってばかりじゃなくて、少しは自分で改良とかしなきゃ。

『夢幻』は、消費霊力を抑える代わりに攻撃力を落として、密度を上げるスペル。当てれば勝ちのこの戦いにピッタリだと思う。

さっきの魔理沙戦みたいに、霊力を犠牲にすれば高密度なままで攻撃力上げられるけど。

 

カルゴ「ふむ…密度が濃いな。ルーミア」

 

るみゃ「はいはい、わかってるわよ♪」

 

ルミカル「闇符『ダークネスエンカウント』!」

 

霊愛「チッ…!」

 

私の弾幕を掻き消しながら、黒くて大きな弾幕が飛んできた。弾速は普通で、密度は…結構薄い。様子見のつもりなのかな。だとしたら1枚無駄にしたね。大玉且つ密度が薄いから、細かい調整は要らないし、大きく迂回して避けていれば今回はそれでいい。

私のスペルの時間が終わった頃にやってきたから相殺も出来ない…。わざわざ新たにスペルを発動させるほど、枚数に余裕が無い。

私も向こうの2人も、残り3枚。

 

るみゃ「ちょっとさぁ、薄すぎたんじゃないの?簡単に避けられてるんだけど?」

 

カルゴ「小手調べってやつだよ。最初からトバすほど、俺は無慈悲じゃないさ」

 

るみゃ「慈悲の心なんてあるのかしらねぇ?」

 

カルゴ「さぁ?無いんじゃないかな?」

 

るみゃ「ふふっ…ワケわかんないわね」

 

カルゴ「ワケわかんないな」

 

ったく、密度薄いとはいえ弾幕発射しながら喋るなんて、余裕見せ付けてくれるじゃん…!

 

霊愛「イチャイチャイチャイチャ目障りだなぁ!火山のマグマに焼かれて死ね!」

 

身体強化した私は、火山の内壁を蹴って、弾幕を大きく迂回して殴りかかる。もちろん、狙われた時のためにバリアを3枚、私の前に張ってる。

 

カルゴ「いいね、そうこなくっちゃ」

 

るみゃ「ねぇ、近くで狙われたら避けられないんだけど?ちゃあんと私を守ってくれるのかしら、黒翼のナイトさんは」

 

カルゴ「そこは白馬の王子様じゃねーのかよ…。ま、別にどうでもいいんだけど。雷鎧『サンダーアーマー』!!」

 

スペルの時間が終わったのか、それともスペルを切り替えたのか、次のスペルの詠唱をする。

そしてお父さんは、ルーミアの手を取って、鎧を発動させた。身体の一部が触れていれば、一緒に鎧を纏うことが可能だと前に言っていた。

 

霊愛「鎧ごと砕いてやるっ!」

 

カルゴ「フン、来い」

 

弾幕を発射せずに、突撃中の私だけを見つめて、手を広げる。このまま突っ込んだら感電する。

そこで私は、美鈴のように己の力を纏ってみる。

 

カルゴ「…!?白いモヤ…なんだあれは…」

 

硬度があるのかはわからない。だけど、ちゃんと纏うことは出来たらしい。霊力を色で表すなら、白になる。だから私の鎧モドキも白なんだろう。

 

霊愛「さぁ、なんだろう…ねッ!!」

 

カルゴ「ぐっ……」

 

とうとう、拳がお父さんの腹に当たる。だけど、少し呻いた程度で、鎧にはヒビが入らなかった。

 

カルゴ「…こんな至近距離でスペルを使ったら、一体どうなるんだろうね?」

 

霊愛「!!」

 

ルミカル「『Beyond The Darkness』!!」

 

霊愛「キャアアアッ!!」

 

パキンパキンパキンと3枚のバリアは破られて、私は後方に吹き飛ばされる。少しばかり、無策に突っ込みすぎたと今更ながらに後悔する。

被弾はまだしていない。

 

カルゴ「さぁ、闇を越えてみろ。そうしなければ俺たちには届かない」

 

よくよく見てみれば、前方だけじゃなく全方位に発射している。さっきみたいに迂回して攻撃するという戦法が使えない。

避けながら、どうしようかと思考を廻らす。

出た結論…。それは、強化した夢想封印で弾幕を突破して、それに続いて私自身が突撃して、至近距離でもう1発夢想封印を放つ、というものだ。

私の残り枚数は3枚、お父さんの残り枚数は1枚で、ルーミアは2枚。バリアや鎧等の非スペルのおかげで、枚数の節約が出来ていたみたい。

非スペルの分、威力や防御力は下がるんだけど。

 

霊愛「霊符『夢想封印 夢幻』!!」

 

カルゴ「強いスペルで弾幕と俺を同時にってか?霊愛、芸が無いぞ」

 

大玉の後ろに隠れてお父さんに接近する。弾幕と同じスピードで飛ぶのはかなり霊力を消費する。

 

カルゴ「あり?霊愛が消えた…」

 

相殺されない弾は避けるお父さんだから、私は、楽にお父さんの背後に回ることが出来た。そして私は、お父さんの鎧の弱点を知っている。

 

霊愛「────背中、とった!」

 

カルゴ「!?」

 

霊愛「本気のぉ……!霊符『夢想封印』!!!」

 

3mも無いほどの超至近距離で夢想封印を放つ。

お父さんの鎧の弱点……それは、「気の回らない部分の守りは薄くて脆い」ということ。

前方に気を付けているから、前方からの攻撃には強い。上から斬られると分かっているから、刀も防げるくらいに強化できる。

でも、そう来るとわかってなければ守れない。

 

カルゴ「ヤバイヤバイヤバイ…近すぎて…!」

 

るみゃ「ヒビが!もっと気合い入れて!」

 

カルゴ「無理だ修復が間に合わない!!」

 

霊愛「はあぁぁぁぁっ!!!」

 

威力を最大限に上げて、総攻撃を仕掛ける。鎧は砕け、お父さんもルーミアも全身に被弾する。

 

カルゴ「…とうとう霊愛にも負けちゃったか…」

 

最後に、そんな声を聞いたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霊愛「ん……あれ…?」

 

カルゴ「おう、起きたか」

 

気が付くと私は、火口そばの地面に寝かせられていた。黒い霧は消えていて、幻想郷は、雲ひとつ無い綺麗な青空を取り戻していた。

そして、そばにはお父さんとルーミアが居た。

 

霊愛「なんで私が寝てんの…?」

 

カルゴ「霊力を使い切って、ぶっ倒れたんだよ。マグマに真っ逆さまだったから驚いたぜ」

 

霊愛「誰があのステージを選んだのよ…」

 

カルゴ「はははっ、俺に決まってるだろう?」

 

親指を自分に向けてニッと笑うお父さん。

やっぱり表情豊かな方がお父さんらしいと思う。

 

霊愛「……全くさ…酷いお父さんだよね、朝から異変起こすとか…」

 

カルゴ「色んな奴と戦ったろ?楽しめたか?」

 

霊愛「まぁ…ね。面倒臭いとは思ったけど」

 

カルゴ「戦法とか色々考えたんじゃないか?」

 

霊愛「…覗いてた?」

 

カルゴ「もちろん」

 

霊愛「変態」

 

カルゴ「うっせ」

 

それから私は、この異変の主旨を聞き…まさか、今回戦った(チルノ以外)全員がグルだった事を聞かされ、思わずポカーンとしてしまった。

あちこちから出ていた妖力の正体は、ただ各地にスキマを開いてそこへ妖力を流していただけだという事だった。

誰かを倒したら妖気が消えたのは、少しずつ誘導するためだったらしい。私に、こういった経験を積ませるのが目的だったとしても、朝から幻想郷中を巻き込むのはやり過ぎだと思った私であった。




次回、リクエスト…です。エロかも??
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