Q.美琴の超電磁砲出ましたね!アクセラレータのあの能力も出しますか!?
A.(出すわけ)ないです。
と書きましたが…結局出ましたね…(汗)
カルゴ「なぁ文〜」
文「はい?」
とある秋の日の、文の仕事場での日常。ある事に悩んでいた俺は、新聞を書き終えてお茶を飲んで寛いでいる文に、脱力する様な声で話しかける。
カルゴ「プロポーズ…ってさ。どんなシチュで、なんて言うんだっけ?」
文「はい!?」
カルゴ「どうすればいいのかわからなくなった。どうしようかな…」
ボケッと外を眺めて溜め息をつく。空には、白い雲がいくつか浮かんでいるだけで、とても綺麗な秋晴れである。穹は外で天狗友達と遊んでいる。
文「ど、どうしたんですか急に…。もしや新たに誰かを娶るおつもりで?」
カルゴ「…そんな所。でも…肝心なプロポーズの方法を忘れちゃってさ」
文「誰に言うのかにもよりますよ?」
カルゴ「そっか…。そうだよなぁ…」
そりゃあ、言う相手が違うとはいえワンパターンではつまらない。よく考えてから言わねば。
文「誰に言うつもりなんです?」
カルゴ「それは言わない。前みたいに式には呼ぶつもりだけど、今は言えないな」
文「むぅ…。仕方ないですね。とりあえず、色々思い返してみてはいかがですか?霊夢さん、私、妖夢さん、咲夜さんに言った時の事を」
カルゴ「…そうだな」
俺が文にプロポーズして、結婚したのは…今からおよそ3年前の話だ。妖舞、霊麗、茜、樹里愛の下の4兄妹が今よりも幼かった頃─────。
カルゴ「さて…次の取材に行きますかねぇ」
文「ですねー。あっ、まずは鈴奈庵に私の新聞を置きに行かなければ。すっかり忘れてました」
カルゴ「なら先にそっち行くか」
文「ですね!」
ある日、俺と文は里に来ていた。文は天狗としてではなく、人間…社会派ルポライターとしてだ。
文々。新聞は、鈴奈庵に置いてあるらしいので、そこに定期的に行くとか。鈴奈庵…やけにヤバイ妖怪が集まる様な気がするが気のせいだろうか。
小鈴には、正体をバラしたらしいが。
もちろん俺は「ヤバイ妖怪」の中に入ってない。俺ほど純粋な男子、男性は居ないだろう。
文「こんにちはー、小鈴さーん!」
小鈴「文さーん!また新聞を置きに来て下さったんですね!エスカルゴさんもいらっしゃーい!」
カルゴ「文の付き添いだぜぇ〜い。用が済んだらすぐに帰るよ。それまで立ち読みしてるがな」
小鈴「借りてって下さいよ〜。あ、新聞はそこにお願いします!」
文「ふむふむ、そこそこの売れ行きですね!では私達はこれで!そろそろ夕飯の準備をせねば!」
小鈴「そうですね!」
2人のそんな会話は、読書中である俺の耳には、全く入ってこない。…が、そんな俺の耳を、文は容赦なく引っ張り、耳元で叫ぶ。
文「帰りますよー!!」
カルゴ「ひゃあっ!…あ、もう用は済んだのか。よし、帰るか」
文「何読んでたんです?」
カルゴ「あわわ、何でもない何でもない!」
慌てて本を本棚に戻し、鈴奈庵を出る。空を見上げると、烏が集団でカァカァと鳴きながら飛んでいるのが目に入った。
夕方の空は赤みが濃いオレンジ色に染っている。人の通りはまだあるので、文はまだ人間のふりをするしかない。歩いて里の外まで行くしかない。
文「んー…夕飯、里で食べていきませんか?一旦仕事場に戻って、穹も連れて!」
カルゴ「おぉ、いいね。親子3人で外食か」
文「そうです!」
カルゴ「穹も喜ぶだろうな。よし、スキマ使お」
スキマで仕事場へ戻った俺たちは、穹にこの旨を伝え、ルポライターの格好に着替えさせ、3人でもう一度里へ向かう。夕飯はそばがいいらしい。
店員「いらっしゃいませー!3名様ですね!ご注文がお決まりになりましたら…」
カルゴ「漬け蕎麦2つ」
文「ザル蕎麦1つで!」
穹「私も漬け蕎麦1つ!」
店員「かしこまりました!漬けそばが3つ、ザル蕎麦が1つですね!」
数分後、それぞれが注文した蕎麦が届き、一緒に手を合わせて食べ始める。この店の漬けそばは、タレが濃口で美味しい。ちょうど俺の好みだ。
穹「美味し〜ですね〜!これで里の料理の記事が書けそうではありませんか?」
文「ですね、色々と取材すれば書けそうですね。ぜひ広まって頂きたいものです、この美味しさ。ところで、なぜ2つ注文したのです?」
カルゴ「…食わなきゃやってられないさ。所謂、ヤケ食いってやつだ」
文「何かあったんです?」
カルゴ「考え事が捗らなくて少しイラついてた」
文「相談でしたら乗りますよ?」
カルゴ「それじゃ、後で頼むわ。話したら少しは楽になるかもしんねーし」
穹「私も乗りますよ、父上の相談!」
カルゴ「
穹「そうですか…残念です…」
文(子供にはまだ早い?…ふむふむ…!)
それから数時間後。
穹を寝かしつけた俺と文は、仕事場の近所にあるとある見晴らしの良い高台にやってきた。何だか咲夜さんとの深夜デートの様で、ドキドキする。
文「それで、相談とは?」
カルゴ「マジな話…していいか…?」
文「ええ、どうぞ。他言しませんから、信用して打ち明けて下さい」
カルゴ「うん。……あのさ、俺…近々、ある人にプロポーズしようと思ってるんだ。だけど…何て言えばいいのかわからなくて…」
キラキラと月明かりを反射する、守矢神社近くの池を見つめる。あまり言いたくなかったのだが…たまにはこういうのもいいだろう。綺麗な景色を見ていると、何故だかそんな風に思えてくる。
自然に身を任せるのも、良いかもしれない。
文「あややや…そっちの話でしたか…。てっきりエッチなお話なのかと…」
カルゴ「それは…悩む事でもない。思うがまま、素直にヤれば良いと思うし。もちろん合意で」
文「…では、そのようにすればいいのでは?」
カルゴ「え?」
文「プロポーズだって…いつも通り素直に言えば良いと思いますよ?素直さこそがあなたの一番の長所なのですから」
カルゴ「…そっ…か。長所を生かすのか…」
文「そうです!」
カルゴ「……」
なるほど、さすが年長者…言う事が違うなぁ。
緊張するんだよな、プロポーズって…。まだ1回しか言った事が無いから慣れてないんだよな…。
文(こうして私に打ち明けるということは、次は私ではありませんね…はぁ。妖夢さんか鈴仙さん辺りでしょうかね…。結婚が約束されているとはいえ…私は何番目の妻になれるのでしょうか…)
カルゴ「文」
文「はい?」
カルゴ「結婚して…俺の妻になってくれないか」
文「はひっ!?」
突然のプロポーズに、素っ頓狂な声を漏らす文。
あまりに突然なので、心の準備なんてものは全く出来ていなかったに違いない。
カルゴ「文に…2人目の妻になってほしいんだ」
文「あやややややややや……私に相談するというのは私と2人になるためのフェイクですか!?まさか私が次にプロポーズされるなんて……。しかもこんな、心の準備が全く出来ていないこの状況で!?あやや、完全に騙されてしまいました…裏をかかれましたよぉぉ…!」
カルゴ「…あの…返事は…?」
手で顔を覆い隠し、ボソボソと呟いている文に、返事を少し急かしてみる。このまま放っておくと朝まで延々と呟いていそうだからだ。
文「はいっ!喜んでお受け致します!!!」
カルゴ「よ…良かったぁ…」
文「これからもよろしくお願い致しますね、エスカルゴさん!…いえ、旦那様♪」
カルゴ「照れる…いつも通り名前でお願い…」
文「えへへ…私も、言ってから恥ずかしくなってしまいました…♪」
カルゴ「─────ふむ」
文「何かヒントは得られました?」
カルゴ「やっぱり俺、素直さが取り柄なのかな。
…また、文に救われたよ。ありがとうな」
文「いえいえ!そういえば、私へのプロポーズは急でしたねぇ…ふふふっ♪」
口元に手を当てて、昔を懐かしむように微笑む。
プロポーズされた際のことを、思い返しているのだろう。俺にとっては黒歴史に近いのだが…。
カルゴ「思い返してみりゃ、まともにプロポーズしたこと無いんじゃねーかな…。4人ともかなり急だったような気がするよ」
文「おやまぁ…」
カルゴ「霊夢…文…妖夢…咲夜さん…。誰の時も突然で…行き当たりばったりだった…。だって、ムードとかよく分からないんだもんよ…」
文「心の準備が出来ていない方が、驚きと喜びが大きいと思います。ある意味効果的かもですよ」
カルゴ「そんなもんかねぇ…。ま、言われた側の文が言うなら、そうなのかもな」
文「そうです!もっと自分に自信を持って!」
カルゴ「ありがとう。……また今度、親子3人で外食行くか」
文「…!はいっ!」
俺は、来たるべき時に備えて…イメトレしよう。ムード作りは無理でも、どんな言葉で言うかは、イメトレで補える。それしか無いだろう。
俺らしく素直に…ドストレートに、な。
今までのプロポーズだって、行き当たりばったりとは言っても思い付きで言ったわけじゃない。
俺の場合は、タイミングがアレなだけだ。
次こそは、完璧なプロポーズをキメよう。