お披露目パーティの二次会として開かれた、○○パーティ。しかし、それを終えようとした頃に、緊急事態が発生した。突然、部屋の扉が開かれ、息を切らせた咲夜さんが入室してきた。
咲夜「旦那様!大変です、お嬢様が!」
カルゴ「…?」
疲れからか、頭がぼんやりしていて、咲夜さんが何を言っているのかがちゃんと理解できない。
しかしそれは、ここにいる全員がそうらしい。
レミィ「お嬢様…?私はここに居るわよ〜…」
何かおかしな事があればすぐに動く霊夢でさえ、ベッドに身体を横たえたまま肩で息をしている。咲夜さんが何故こうも慌てているのか、考えようともしていないらしい。
…思考を放棄するほど、先程は乱れまくった。
咲夜「レイチェル様が突然、弾幕を発射し始めたのですが、制御が出来ておらず…現在、子供達が応戦中です!」
カルゴ「え…弾幕?」
レミィ「早すぎじゃない?」
鈴仙「巫月もこんな感じだったじゃない」
カルゴ「なるほど、巫月と同タイプか…!周りに触発されて急成長するタイプ…」
レミィ「へぇ、面白そうじゃない。エスカルゴ、すぐに戻るわよ。スキマ開いて!」
さっさと服を着て、ベッドから降りるレミリア。ちらりとフランを見るが、服を着るなどなにかをする様子は見られないので、一緒に来るつもりは無いらしい。最も、アレの後に戦いの場へ向かうなど、普通はしない事なのだが。
カルゴ「無理。アレの後は開けないから。歩きで行くぞ。……うわ腰痛てぇ」
流石に、7人を同時に相手するのはキツすぎる。
即ち、レミリア、フラン、霊夢、鈴仙、諏訪子、早苗、小悪魔の7人だ。精も根も尽き果てた。
そんな所に、この緊急事態だ。俺の肉体も、悲鳴どころか絶叫を上げている。だが、娘の急成長をこの目で見たいので、疲労でボロボロのこの体に鞭打ち、廊下を飛んで移動した。
レミィ「くっ…腰がガクガク…!仕方ないわね、咲夜、私をおぶりなさい!」
咲夜「は、はい!」
会場にいくと、確かに弾幕を撃ち合っている音が聞こえてきた。真剣にというより、楽しんでいるらしい。割と普通な笑い声が聞こえてきたので、大丈夫だと判断して、警戒を解いた。
カルゴ「これ、どういう状況なんだ?レイチェルまでも混ざってるが…。マジでどゆこと?」
部屋に入り、丁度近くにいた魔理沙に事の顛末を訊ねる。すると魔理沙は、残りの料理を口に運びながらこう答えた。
魔理沙「最初は咲夜と見てただけだったんだよ。でも、咲夜から降りたかと思うと、弾幕を発射し始めたんだ。レミリアみたいに翼と手を広げて」
カルゴ「唐突だな」
魔理沙「唐突だよ。でさ、制御が出来ないのか、本人も慌ててたよ。それから、咲夜がそれを見てお前を呼びに行き…その間に霊愛と霊麗の2人がレイチェルの暴走止めたんだぜ」
カルゴ「マジか」
魔理沙「溢れる妖力を制御出来なかったんだよ、きっと。事実、弾幕を発射してた時はすごい圧を感じたし。それから、巫月と霊愛が弾幕の発射の仕方を教えて、今に至るって感じだ」
カルゴ「ふむ…。俺が駆けつけるまでに、すげぇ濃い出来事があったんだな」
魔理沙「霊愛と霊麗のコンビネーション、ありゃすごいな。流石姉妹だよ。溢れる妖力だけを無理矢理封じこめて押し返すんだから」
カルゴ「溢れる妖力を…?うわー…それって暴走した俺やフランにも勝てるってことじゃね?」
魔理沙「ん〜…理屈ではそうなるだろうな。だが暴走したお前らに勝てるとは思えん。あいつらの強さはよくわかるが、それ以上にお前とフランの強さの方が上だろうからな」
カルゴ「…せいぜい、負けないように頑張るさ。まだまだ、父親が負けるわけにはいかねぇ」
魔理沙「黒霧異変の時に負けたくせにか?」
カルゴ「自信をつけさせなきゃいけねぇからな、わざと弱い力で戦ったんだぜ?」
魔理沙「それでも負けは負けだ。まっ、これから頑張っていきゃいいさ」
カルゴ「むぅ…」
まぁ確かに、負けは負けだな。だったらこれからずっと勝ち続ければいい。大人気ない?そりゃ、誰だって負けたくはないだろう。どうせやるなら勝ちたいものさ。
カルゴ「魔理沙、穹とは戦ったことあるか?」
魔理沙「何年か前に何度か。なんでだ?」
カルゴ「ここ数ヶ月で、能力を成長させたんだ。霊夢の夢想天生みたいな技もあるぞ。自動発射はしないけどな。戦ってみたらどうだ?」
魔理沙「…面白そうだが、今度にするよ。今日は
カルゴ「そりゃ残念だ。そんじゃ、そろそろ霊夢たちのとこに戻るわ、おやすみ」
魔理沙「そういや、霊夢たちはどこにいるんだ?急に人数減ったが」
カルゴ「別室で俺たちと大人の遊びを…ね。多分これから続きだろうなぁ。楽しまなくちゃ損だ。魔理沙は…やらないよな?」
魔理沙「嫌な予感がするから参加はやめておく」
カルゴ「賢明な判断だよ、魔理沙」
魔理沙(賢明じゃないとわかってる上で、敢えて行くのか?あ、レミリアもついてく…)
9人で大乱闘中の子供の声を背中で聞きながら、レミリアを引き連れて部屋を出る。恐らくだが、あの7人のうち、小悪魔やフラン、霊夢といった性欲が強い者は継続出来るだろう。早苗は、多分さっきのでギブアップだと思う。
鈴仙と諏訪子様は…やっぱり参加しそうだ。
レミィ「咲夜と妖夢は?」
カルゴ「また今度2人きりで。もう言ってある」
レミィ「あら…。それじゃ、私もそうするわね。みんなでヤるのもいいけど、1対1でしっかりと相手してほしいし。レイチェルについてるわ」
カルゴ「オッケ。ただし、今度は…」
レミィ「生理の一週間以上前に、でしょう?」
カルゴ「そゆこと。んじゃ、おやすみ」
レミィ「おやすみ」
やっぱ咲夜さんもTake awayすりゃ良かったか?
…ま、いっか。
────さて。
鉄は熱いうちに打てと言うし、英才教育なら巫月ちゃんのように幼いうちにやるべきよね。事実、巫月ちゃんは次期博麗の巫女である霊愛ちゃんと実力が拮抗しているし。
善は急げ、思い立ったが吉日。急がば回れ…とは言うけど、戦闘ならやっぱり前者ね。
レミィ「レイチェル、ちょっといらっしゃい」
レーテ「…?おねーしゃま、すこしぬけるね!」
巫月「うん、いってらっしゃ〜い」
私の声を聞いた娘は、姉たちに断りを入れて弾幕ごっこの大乱闘から抜け出してきた。いつの間にそんなコミュ力を身に付けたのだろう。やはり、「パニック起こすかもしれない」なんというのは杞憂だったらしい。
レーテ「なーに?」
レミィ「楽しかった?」
レーテ「たのしかった!もっとやりたい!」
レミィ「力の使い方を、ちょっとだけ教えるわ。よく聞きなさい」
レーテ「えー?もうおねえーしゃまからおしえてもらったー。もどっていーい?」
どうやら私が思っていた以上に弾幕ごっこにハマったようね…。やる気があれば伸びる。この子は天性のファイターかもね…!
レミィ「少しだけ聞いて。…見て。巫月お姉様は何を持ってるかしら?」
レイチェルの肩に優しく手を置いて、広々とした部屋で独走状態のウサ耳少女を示す。多分、まだこの子は全員の名前を覚えていないけど、名前を覚えさせる丁度いい機会かもしれない。
レーテ「うー…しゃくやのとにてる…ないふ?」
レミィ「あれはね、刀っていうのよ。小さいのはナイフで正解よ」
レーテ「ふーん…」
レミィ「あれ、使ってみたくない?」
レーテ「! つかってみたい!!」
予想通り、イイ感じに食いついてくれた。やはり子供はああいう物が好きらしい。
レミィ「力の集め方はもう教えてもらったわね?今度は自分の手にその力を集めて、『刀を作る』って考えなさい」
レーテ「て?おてて?」
レミィ「そう。右と左、どっちの手でもいいわ。チャレンジしてみましょう」
レーテ「うん!」
元気よく頷き、手を大きく開いたレイチェルは、
「んん〜…!」と呻きながら紅い妖力を集める。
私とエスカルゴの子供なだけあって、妖力も紅いらしい。他の色の出し方も、後々教えよう。
レーテ「むー…はりできた…」
レミィ「最初は皆そうよ。それを大きくすれば…
神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」
レーテ「おおー!おー!おかーしゃますごい!」
真紅に輝く槍を見せると、目を輝かせてジャンプするレイチェル。思ったより子供らしい反応だ。
レミィ「これは槍っていうのよ。簡単に言えば、鋭く尖ってる棒ね」
レーテ「それつくる!それがいい!」
レミィ「そう、なら作ってみなさい。力を集めて槍を作るの。私くらいになれば一瞬で作れるわ」
レーテ「やってみる!」
再び力を集め、凝縮し、槍を形作るレイチェル。今度は一発で上手くいった…のだが…。
レーテ「できた!できたよ、おかーしゃま!」
レミィ「でも、大きすぎるわね。もう少し自分に合ってる大きさにしましょうか」
レーテ「や!これでいいもん!」
レミィ「じゃあ、振ってみなさい?こんな風に」
お手本として、槍を何度か簡単に振ってみせる。
レイチェルはそんな私の様子をじっと見つめて、頭に入れているようだった。
レーテ「ふれるもん!みててね!」
「えいっ!」と振るのはいいが、重さのせいで、本人が槍に振り回され、呆気なくバランスを崩し転倒する。しかも、振り上げる際には後ろに槍をぶつけていた。やはり大きすぎるらしい。
レーテ「おっきーのがよかった…。どれくらいのおっきさならいーの?」
レミィ「自分の背の大きさくらいかしらねぇ…」
レーテ「つくってみる!」
要領を覚えたのか、すぐに槍を形成し、もう一度振ってみる。今度は先程のような残念な感じにはならなかった。エスカルゴの血を継いでいるだけあって、かなり物覚えがいいらしい。
レーテ「できたよ、おかーしゃま!」
レミィ「よくできました。今日はここら辺にしておきましょう、またみんなと遊んでらっしゃい」
レーテ「うん!!おねーしゃまー!」
空中に居る姉たちの元に、パタパタと羽ばたいて戻っていったレイチェル。呼んだ時からそこそこ時間が経っているのか、未だに弾幕ごっこをしているのは3、4人だった。
部屋はかなりボロボロだけど…またエスカルゴに頼んで河童を呼んでもらえばいいので、別にもう怒ったりはしない。お金もエスカルゴもちだし。
次回、最近来たリクエスト行きまっせ。
多分…アレかなぁ。上手く書ける自信は無いが、数をこなせば何事も上手くなるさ。
あと、いくてんも書かなきゃな♪