※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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地の文のばらつきがヤバスギィ!



『絶対的な力』の考察

母さんに新しい能力を付与された次の日。俺は、朝からパチュリーと魔法の特訓に勤しんでいた。といっても、俺が魔法を使い、パチュリーはそれを見ているだけなのだが、たまに力の使い方や、無駄の無い使い方を教えてくれる。魔導書より、誰かの口を介した方が遥かにわかりやすい。

もちろん、パチュリーの近くには小悪魔がいる。

 

カルゴ「もう一丁!獄雷『Deadly Thunder』!」

 

床に剣を刺すワケには行かないので、床に出した魔法陣から、赤黒い雷を召喚する。パチュリーの魔力吸収結界にその雷を撃ち込み、雷を呼び出す特訓は一段落する。

剣を刺すのは屋外の戦闘の時で、屋内では、床に魔法陣を出す方が手っ取り早く召喚出来る。

簡単な魔法なので、魔法陣は単純で良いらしい。複雑にすれば攻撃力は更に上がるらしいが、今のままでも別に構わない。元々このスペルはかなり殺傷力が高い。(弾幕ごっこ向きじゃない。)

 

カルゴ「やっぱ魔法陣から出す方がかっこいい?うーむ…これからはそうしようかな」

 

パチェ「戦闘中にそんな余裕があればいいわね。魔法に不慣れな内は、今までみたいに剣を刺した方が手っ取り早いと思うわ。…まぁあなたのことだし、私には何の関係も無いけどね」

 

カルゴ「ふむ」

 

小悪魔「私は、地面から噴出するのもカッコイイと思いますよ〜。大技みたいな感じがして!」

 

カルゴ「でも、あとで地面を埋めるのがなぁ…。穴を開けっぱなしに出来ないしさ」

 

小悪魔「あ〜…」

 

はっきり言って地面を踏み固めるのは面倒臭い。

ボコォッと突き破って噴出してくるから、上から圧力掛けて固めないと、穴が開きっぱになる。

 

カルゴ「マジで超能力があったら何でもかんでも思い通りにできるのになー。でも、反動が怖くてあんまり力使えなさそうだな…」

 

パチェ「大きい力ほど、返ってくる反動は大きいものだからね」

 

カルゴ「暴走後の疲労と、闇落ち時のネガティブ思考。ダメだとわかっていてもそうしちまう…。勝手にそうなるから面倒なんですよね、これ」

 

パチェ「あなたの本来の能力は雷の力。だから、そっちには大した反動は無い。でもそのおかしな2つの力は反動が大きいのよね」

 

カルゴ「狂気の方は別におかしくもないような。だって元々俺の中にあるものだし…」

 

パチェ「操れる事自体がおかしいのよ。それに、

『元々俺の中にあるもの』なんて言ったら闇の力もそうでしょうよ」

 

カルゴ「あっそっかぁ…」

 

パチェ「…そうか。あなたの魔力が少ない理由、多分わかったわ」

 

カルゴ「えっ、何ですか?」

 

パチェ「紅魔館の吸血鬼には無くて、霊夢と霊麗とあなたにはあるもの。多分それがあるからよ」

 

カルゴ「…?霊力?」

 

パチェ「そうよ。きっと、霊力がある代わりに、魔力が少ないんだわ。でもあなた、霊力の量すら霊夢より少ないんだっけ?随分と中途半端ね…」

 

カルゴ「うっ…。でもその説が正しいなら…」

 

パチェ「霊夢たちの魔力も少ないと思うわ」

 

カルゴ「うわー…俺って中途半端だー…」

 

強さでも適わず、力量でも適わないことに嫌気が差した俺は、ボリボリと頭を掻き毟ってその場にうずくまる。霊夢に勝てる要素が、1つも無い。せめて、1つくらいは何か勝てる要素があっても良いと思うのだが。

だが、そうやってしばらくうずくまっていると、意外なことに、パチュリーが俺に対して励ましの言葉をかけてくれた。

 

パチェ「いつもみたいに、前向きに考えなさい。両方あるけど両方とも少ないってことは?」

 

カルゴ「………伸び代がある?」

 

パチェ「そう。できるかはあなた次第だけどね。せいぜいそんくらい前向きで居なさい」

 

カルゴ「あざっす!…いつかあの霊夢にも1人で勝ちたいなぁ…。夢想天生使われたら詰むけど」

 

パチェ「どんな技だっけ?」

 

カルゴ「あらゆる事象から浮いて、半透明な透明人間みたいになる技です。攻撃は当たらないけど向こうは勝手に発射してくるとかいう、ホントのチート技ですよあれ」

 

パチェ「あらゆる事象から…ね。でも、最低でも2つの力からは浮いてないはずよ」

 

カルゴ「ふぇ?」

 

パチェ「まず、地球の重力。それから浮いたら、多分どこまでも天高く上るんじゃない?」

 

カルゴ「ほへー……。あぁ、あくまでも浮くだけだから、昨晩パチュリー様が言ってた『絶対的な力』からは逃れられないってことか…」

 

パチェ「そういうこと。あと1つは地球の自転。

…あ、地球の公転も含まれるから最低で3つか」

 

カルゴ「???」

 

パチェ「考えても見なさいよ。自転から浮いたらその体はどうなるのよ?…慣性の法則に則って、自転の速度のままで彼方に吹き飛ばされるわよ?しかも、公転からも浮いたら…多分、宇宙空間に放り出されるわ」

 

カルゴ「『絶対的な力』ってすげぇ…」

 

パチェ「力とは違うけど、生物としての理からも逃れられないと思うわ。呼吸とか、ね」

 

カルゴ「呼吸?……あー、周りの酸素を燃やして窒息させるってことか…。まぁやらないけど…」

 

パチェ「あら、どうして?どんな手を使ってでも勝ちたいんじゃないの?」

 

カルゴ「苦しませるやり方は、負けるよりも嫌いなので。下手したら窒息死するかもしれないし。そんな手を使うなら負けた方がマシですよ」

 

パチェ「ふーん…」

 

カルゴ「…重力からは逃れられない。だったら、重力操作の魔法を覚えたら、ワンチャン夢想天生突破できる可能性が微レ存…?でもそんな魔力が俺には無い…くそー、八方塞がりかー…」

 

パチェ「また、意味のわからない言葉を発してるわね。何それ?吸血鬼語?」

 

カルゴ「? 何の事です?」

 

パチェ「ワンチャンとか微レ…なんとかっての」

 

カルゴ「外の世界の言葉ですよ。ワンチャンっていうのは『ワンチャンス』で、微レ存は『微粒子レベルで存在している』です。『限りなく可能性が低いもののゼロではない』的な意味合いです」

 

ワンチャンって、元々は麻雀用語らしいけどな。

最近の若者は別な意味で使ってるよね。

 

パチェ「宇宙人の言葉に聞こえるわ…。あなたがたまに漏らす訳分からない言葉は、外のなのね」

 

カルゴ「そんなに漏らしてます?」

 

パチェ「性的な意味じゃないけど、興奮してたりするとたまに言ってるわ」

 

カルゴ「へぇ…知らなかった…。まぁそれより、魔法の練習に戻りますかね」

 

パチェ「ちょっと待って、私を少し休ませて…。魔力吸収結界って普通のより疲れるのよ…」

 

カルゴ「わかりました」

 

読書に戻ろうとする俺だが、唐突に小悪魔が後ろから抱きついて、ルンルン口調で話し始めた。

 

小悪魔「パチュリー様もエスカルゴさんに魔力を注いでもらえばいかがですか〜?気持ちよくなれますし、一石二鳥ですよ♪」

 

パチェ「魔力はあるって言ってんでしょーが!今足りてないのは体力だから!というか、私は精液から魔力の吸収なんて出来ないから!」

 

小悪魔「あぁ〜…。激しく乱れるパチュリー様、見てみたかったんですけどね〜…」

 

パチェ「全く、なんでこんなに痴女なのかしら」

 

カルゴ「魔力を増幅させる方法とか無いのかな。とりあえずさ、なんか魔法覚えたい。こう……」

 

念力を使っているイメージで、机に戻ろうとしているパチュリーの背中に手のひらを向ける。

 

カルゴ「───こんな風に、ドシャッと」

 

パチェ「むきゅっ!?」

 

カルゴ「……え?」

 

小悪魔「へ?」

 

パチェ「!!?」

 

パチュリーに向けていた手を床に向けると、直立していたはずのパチュリーが、床に崩れ込んだ。

あまりに突然の事で、俺も小悪魔も、パチュリー本人もおかしな声を漏らす。

 

パチェ「むきゅきゅ……立てない!?ちょっと、私に何したの!?」

 

床に伏せたまま苦しそうな声を漏らす。俺自身、何がどうしてこうなったのか理解出来ていない。

 

カルゴ「え?いや、何も…」

 

パチェ「あ、立てた…。はぁ…」

 

手を向けるのを止めると、普通に立てたらしく、大きな溜め息をついて、机に戻った。

全く、意味がわからない。

 

カルゴ「────あれ?これってまさか……」

 

1つ心当たりを思い付いた俺は、とりあえずその人物に話を聞いてみることにした。




さーて、これは偶然?重力操作?それとも念力?
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