※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

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ハロウィンパーティ 〜あげる側の苦労〜

10月31日。今日は、紅魔館でハロウィンパーティである。いつもの身内のみならず、チルノや萃香など、比較的親しいメンバーも呼んでいる。

もちろん、慧音や妹紅、さとり達もだ。

本当は神社で開催の予定だったのだが、霊夢達が全力で拒否したので仕方なく紅魔館開催にした。まぁ、西洋風なのでこっちがぴったりだと思う。

異変解決後の宴会よりかは少ないものの、普段の宴会に比べたら人数がずっと多いので、誰が来て誰が来ていないなどの把握はしていない。

俺が確認した限りでは、彼女達、子供達、嫁達やその友人、姉妹は大体来ている。あと、ロリスと母さん、夢子も確認済みだ。

(ロリスとは魔界のアリスの愛称で、ロリアリスの略だ。心の中で密かにそう呼んでいる。)

もし、今日も「二次会」をするとしたら、想像を絶する天国(地獄)が待っていることだろう。

 

レミィ「みんな、意外と仮装衣装持ってるのね。まさか毎年作ってるの?」

 

壇上から、みんなの仮装を物珍しそうに眺める。

ハロウィンパーティも毎年恒例だが、確かに皆、年ごとに違う衣装を纏っている気がする。

 

カルゴ「確か、咲夜さんが大量に作って参加者に選んでもらったって弦月姫から聞いたぞ」

 

レミィ「え゙っ…これ全部咲夜のなの!?」

 

カルゴ「らしいぜ。最近妙に時間が止まるなぁと思ってたら、仮装衣装を作ってたんだぜ」

 

「妙に時間が止まるなぁ」…呑気すぎだろ俺…。

 

レミィ「あなたはその間何してるの?暇でしょ?話し相手は咲夜か弦月姫ちゃんしかいないし…」

 

カルゴ「手伝うか昼寝するな。ただ時が止まったっていうなら料理の可能性もあるから、スキマで何してるのか覗いたりするんだ」

 

レミィ「…なんかすごい…」

 

カルゴ「そうかな?ま、もう始まってるんだし、俺達もあの中に混ざって楽しもうぜ」

 

レミィ「そうね。レイチェルも楽しそうね」

 

パーティをしている真上で、姉兄と弾幕ごっこで遊んでいる娘を見て目を細めるレミリア。いつも思うのだが、レイチェルはすっかり弾幕ごっこにハマってしまったと思う。

 

カルゴ「そうだな。さーてと、そろそろお菓子を準備しましょうかねぇ…」

 

レミィ「そうね!Trick or Treat!」

 

満面の笑みで手を差し出してくるレミリア。その手だけでも一体何を望んでるのかよくわかるが、流暢な発音のおまけ付きだ。

 

カルゴ「早速か。…何がお望みかな?」

 

レミィ「ペロペロキャンディ!」

 

子供かよ!!

 

カルゴ「OK。…………はいよ」

 

チャチャッと詠唱した俺は、3本のペロペロキャンディを手渡す。創造魔法の精度はこの日の為に上げてきた。小物ならば、本物と同様の質だ。

当然、味付けも完璧である。

 

レミィ「あらイチゴ味。美味しいわ♪」

 

カルゴ「それは良かった。よし、料理たーb…」

 

だがしかし、そんな俺達の様子を見た他の皆が、お菓子欲しさに、一斉に群がってきた。レミリアは咄嗟に逃げて行ったが、前しか見ていなかった俺は、あっけなく大勢の子供達に囲まれた。

 

霊麗「お父さん!お菓子お菓子!」

 

巫月「霊麗はあとで!お姉ちゃんに譲りなさい!エスカルゴ、お菓子頂戴!何でもいいから!」

 

フラン「みんなどいてっ!私が先に貰うのっ!」

 

妖舞「父上ー!俺にも俺にも!」

 

樹里愛「パパ!お兄ちゃんより先に私!」

 

チルノ「あたいも!アイスがいい!」

 

大妖精「あわわ…並ぼうよチルノちゃん〜…」

 

美鈴「あ、私も!」

 

咲夜「大人は後で!」

 

美鈴「あだだっ!?」

 

みすち「私もキャンディをお1つ♪」

 

神綺「カルちゃーん!お母さんもー!」

 

夢子「神綺様……」

 

弦月姫「お父様ー!私もー!」

 

響子「やっほーーー!私も食べる食べるー!」

 

リグル「う、耳が…」

 

魔理沙「今の魔法か!?もう1回見せてくれ!」

 

アリス「エスカルゴが魔法…?」

 

萃香「お酒お酒!お酒出してー!」

 

霊愛「魔力尽き(バテ)る前に貰っとかなきゃ」

 

妹紅「おー!すごいな!もっかい見せてくれ!」

 

慧音「こら!いい歳して並ぼうと思わんのか!」

 

文「『1人の男に群がる女性軍団』……うーむ、イマイチしっくり来ないですねぇ」

 

穹「うわぁ…地獄絵図ですね、これは…」

 

こいし「お兄ちゃーん!私の事忘れないでー!」

 

お空「私も居るよー!?飴玉食べたい飴玉ー!」

 

さとり「こらこら、割り込まないの…」

 

霊夢「…?お菓子より先に、料理の方食べないと太るわよー?」

 

幽々子「その通りね、霊夢。私達は、今のうちに頂いちゃいましょう。彼からお菓子を貰う前に」

 

妖夢「食べ過ぎにはご注意を…」

 

霊夢「幽々子(アンタ)はいつでもどこでも食べ過ぎよっ!あっこら紫!?私の唐揚げ!!!」

 

茜「私だよ〜ん♪」

 

霊夢「あっ、うん…って紫ィ!私の盗むなー!」

 

紫「ナイス陽動よ、茜」

 

茜「えへへっ♪」

 

霊夢「お〜ま〜え〜ら〜!!」

 

妖夢「待って霊夢落ち着いて!どうどうどう!」

 

カルゴ「あわわわわわわ……」

 

阿鼻叫喚の地獄絵図とは、まさにこの事だろう。俺の目と鼻の先では、騒音被害や流血騒ぎまでも起こってしまっている。それに加えて、より力が強いオスの吸血鬼である俺ですら、この流れには逆らう事が出来ず、壁に押し付けられてしまう。

 

カルゴ「ぐるじ…んぐぐ…」

 

瞬間移動魔法を習得しておけば良かったと、今更ながらに思う。パチュリーに聞いたりして調べたところでは、俺が使えるどんな魔法よりも消費が激しいため、習得を断念したのだ。

「スキマ使えるから、それは別にいいかな」と。

だが、こんな状況ではスキマすら開けない。

 

カルゴ「んぐぐっ……『封』!!」

 

一同「うわわっ!?」

 

俺を中心にして、半径5mの範囲だけの重力を、およそ5倍にした。当然だが、皆は倒れた。

 

お空「なに、これ…立てない…!」

 

さとり「なっ…重力を…!?」

 

文「あややややややっ!?飛ぶ鴉天狗も落とされちゃいますよぉ!?むむむっ……アイタァッ!」

 

霊愛「何これ、キッツ…」

 

フラン「うぐぐぐ…!」

 

美鈴「ハァァァァ!」

 

穹「うぐ〜っ…」

 

カルゴ「Oh......」

 

どうやら、吸血鬼の筋力を有している者だと5倍は耐えられるらしい。美鈴もギリ耐えているが、彼女の場合は筋肉のおかげだと思う。

そして、倒れている皆から距離を取って、能力を解除する。しかし皆は、先程のように群がろうとしなかった。流石に懲りたのだろう。1分程しか力を使っていなかったはずだが、魔力をそこそこ消費してしまった。この人数に能力をかけるのはまだ無理があったらしかった。そこで、僅かに残った魔力を利用して、満タンまで回復させた。

 

カルゴ「…よし、若い順からお菓子をあげよう。まずはレイチェル。おいで」

 

レーテ「えっと…とりっくおあとりーと!おかちくれなきゃ、いたずらしちゃうぞー!」

 

「おかち」…嗚呼、可愛いぞ我が娘よ…。

 

レイチェルの仮装は魔女だ。箒ではなく、先端に白い星がついてるステッキを持っている。

 

カルゴ「いたずらは怖いなぁ。何が欲しい?」

 

レーテ「おかーしゃまとおなじの!」

 

カルゴ「OK。ほい、イチゴ味」

 

レーテ「ありがと!おかーしゃまー!おそろいのおかちもらったー!」

 

ペロペロキャンディイチゴ味を受け取ったレイチェルは、遠くからその様子を見ていた母の元へと駆けて行った。

 

カルゴ「次は…樹里愛と妖舞と茜と霊麗!4人、まとめておいで」

 

呼ぶと、茜以外の3人は駆け寄ってきて、茜は、スキマでニュッと現れた。母親と同じ登場の仕方には、思わず苦笑いしてしまった。いつの日か、あんな胡散臭い雰囲気を纏うようになるのだろうか。

 

4人「トリックオアトリート!!美味しいお菓子くれなきゃイタズラしちゃう(ぶった斬る)ぞ!」

 

カルゴ「妖舞はお菓子抜きな」

 

妖舞「ええっ!?」

 

カルゴ「冗談。んじゃ、樹里愛にはマシュマロ、妖舞にはクッキー、茜には5円チョコ、霊麗には金平糖だ。他のお菓子が食べたいなら他の誰かと仲良く交換しろよな」

 

4人「はーい!」

 

ちなみに、樹里愛はミニスカポリス、妖舞は黒の剣士の仮装で、茜と霊麗は普段着である。仮装…というか、ただのコスプレなのだが…。

弦月姫曰く、「お母様は『香霖堂で入手した本を手本にした』と言っていました」…らしいので、外の世界のハロウィンかコスプレの本を入手したという事だろう。

幻想郷には、警察なんて居ないのだから。

 

樹里愛「お兄ちゃん、私クッキー食べたい!」

 

妖舞「それなら、マシュマロ貰うぜ!」

 

樹里愛「うん、いーよ!」

 

妖舞「柔らかい…。(幽々子様のおっぱいも…このマシュマロみてぇに柔らかいのかな…)」

 

マシュマロの質感には、本当に苦労した。初めて作った時なんて前歯にヒビが入った。━[三)(あずきバー)と、大して変わらない硬さだったのだ。

クッキーのしっとり感、金平糖、チョコの甘さ。これらもすごく苦労したが、マシュマロよりかはまだマシな方だ。

 

カルゴ「次…弦月姫、穹、霊愛、巫月。おいで」

 

上の4姉妹を呼ぶと、やはり駆け寄ってきた。

普段からクールに澄ましている霊愛だが、今日は口元の緩みが見受けられる。口の端がピクピクと動いている。ニヤけたいのを我慢してるらしい。

弦月姫は、普段よりも露出が多めのメイド服で、穹は正式な天狗装束、巫月はミイラ女の仮装で、霊愛は普段着である。

露出が多いのは子供にはまだ早い様な気がする。ミニスカだけならともかく、胸の上部までも露出させてしまうとは…弦月姫、恐ろしい子だ…。

ミイラ女はそのままだ。ウサ耳やら腕やら服に、包帯をグルグルと巻きつけている。

天狗装束は…言うなれば、制服のようなものだ。文や穹、はたてのように新聞を書いている者は、割とラフな格好だが、正式な集まりなどの時には意外と動きやすそうな着物を着ている。つまり、普段着が仮装という訳で、制服を今着てる訳だ。なのに仮装に見えてしまうとは……。つくづく、慣れとは怖いなと思い知らされた。

 

姉妹「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぞぉ♪」

 

カルゴ「ほう、どんなイタズラだ?」

 

巫月「えっちなイタズラしちゃうかも♡」

 

霊愛「お祓い棒で目玉を刺す」

 

穹「風で服を散々にして裸にします♪」

 

弦月姫「わ、私から…襲うかも、です…!///」

 

カルゴ「巫月…そういうことは、もう少し大きくなってからな。霊愛、それイタズラと言わない。穹、俺の裸とか誰得?弦月姫は…いいよ来いよ。襲われたら襲い返すぜ?」

 

巫月(じゃあ来年は、裸でのミイラ女かな?)

 

霊愛(じゃあ腹パンチかな)

 

穹(確かに、父上の裸って誰得なんでしょうか?河童に売れば高く売れそうですが)

 

弦月姫「ふぇっ…襲っても良いんですか…?」

 

カルゴ「こらこら、冗談だよ、冗談。弦月姫にはカップケーキ、穹にはカラフルなマカロン、霊愛には…えっと……茶道で食べるあのお茶菓子で、巫月にはミラクルパフェギガ盛りだ!」

 

弦月姫「お、お父様のケーキ…!嬉しいです!」

 

穹「ふおおっ!綺麗ですね!新聞に映えますよ、これは!まだ書いてませんけど!」

 

霊愛「なんで私だけ地味なの?まぁ…ありがと。不味かったら文句言うから。(あ、美味しい…)」

 

巫月「去年のメガ盛り越えた〜!やったっ♪」

 

去年のメガ盛りは創造魔法ではなく本当に作ったものだ。咲夜さんに手伝ってもらいながら。

 

カルゴ「次は…何歳か知らないが、ミスティア、響子、ルーミア、チルノ、リグル、大ちゃんだ」

 

チルノ「あたいアイス!アイス食べたい!」

 

そばに来るなり、チルノからリクエストが飛んできた。大ちゃんは「まぁまぁ」と窘める。先日もまた特訓を頑張ったことだし、その程度のお願いならば聞いてあげようと思う。

 

カルゴ「ソーダ味のガリゴリ君な。大ちゃんは、何かリクエストあるかな?」

 

大妖精「私ですか?…うーんと……いえ、特にはありません」

 

カルゴ「なら、大ちゃんにはチョコをあげよう。リグルは…殺虫スプレーだよな?ほれ」

 

大妖精「ありがとうございます!」

 

リグル「ぎゃあああっ!?」

 

カルゴ「冗談だって…。ホイップクリームだよ」

 

リグル「わっ、すごい…」

 

殺虫スプレーに見せかけた缶から、魔法で作ったケーキにクリームを乗せる。うまく乗せられた。目の前でそれを見たリグルは殺虫スプレー(笑)を受け取った。

 

カルゴ「響子は……ジャガイモを揚げたものだ。どうだ、いい匂いだろう?」

 

響子「初めて見るよそんなお菓子!ありがと!」

 

俗に言うポテトだ。

 

カルゴ「ミスティアにはウナギ型グミだぜ」

 

みすち「食べるのが勿体無いほど綺麗ですね♪」

 

カルゴ「そうかな?…ルーミアは…うーんと……何を食べたいとかあるか?」

 

るみゃ「腕が食べたい!」

 

カルゴ「別にいいが、それだといつも通りだぞ?それでもいいって言うなら止めないが」

 

るみゃ「じゃあ、2本食べさせて!」

 

目を輝かせて、俺の腕をガシッと掴むルーミア。なぜ、そこまでして俺の腕を食べたいのだろう。闇の力が溜まるからだろうか…?

 

カルゴ「オッケ、わかった」

 

 

数分後

 

 

るみゃ「美味しかったぁ…♡」

 

カルゴ「そりゃ良かった」

 

リグル「ひえぇぇ…」

 

みすち「エスカルゴさんの肉…売れますかね?」

 

カルゴ「売れないと思う」

 

チルノは普段着に大きなマントを羽織り、響子は普段着で、大ちゃんは蜂の仮装、リグルはいつもより一回り大きなマントを纏って、ミスティアは露出が多い小悪魔衣装、ルーミアは封印を解いた時のような大人っぽい服の仮装だ。

 

カルゴ「次は、可愛いマイハニー達!なんでも、望むものをあげよう!はーっ、はっはっはー!」

 

すると、嫁達と彼女達がこぞって群がってきた。

押し合い圧し合い、順番なんて関係無しだ。

 

一同「トリック!オア!トリート〜!!」

 

ガチのハーレムだぞこれ…ニヤけが止まらん…。

 

フラン「何でもいいからお菓子食べたいにゃん♪

にゃんにゃん♡」

 

フランは猫耳を付けて尻尾も付けている。多分…薬ではなく仮装だと思う。可愛すぎて萌え死ぬ。

 

カルゴ「だったら、飴の雨を降らせてやるぜ!」

 

フラン「きゃあああっ!飴が降ってきた!」

 

パチンと指を鳴らすと、空中で創造された飴が、袋に包装された状態で、バラバラと降ってきた。フラン含め、袋やバッグを持っている子、それを持ってない子関わらずに、それを集める。魔力が0になる直前で降らせるのをやめて、魔力を再び回復させる。

 

カルゴ「鈴仙は…うまい棒でも食べるか?」

 

鈴仙はバニーガールだ。露出が多くて…エロい。

 

鈴仙「何それ?」

 

カルゴ「外の世界の………こんなお菓子さ」

 

鈴仙「ちくわみたい…あっ、サクサクしてて結構イケるかも…!」

 

カルゴ「そうだろう?…霊夢は…煎餅?麩菓子?柿の種?何がいいのかな?」

 

霊夢は…何故か紅白のメイド服だ。お祓い棒ではなく、新品のモップを持っている。胸元がモロに見えているのだが…。いささか露出が多すぎでは無いだろうか。もし俺が理性を保てなくなったらどう責任を取ってくれるのだろう。まぁ…身体で責任取ってもらう事になるだろうが。

 

霊夢「せめて洋菓子がいい」

 

カルゴ「んじゃこれだ」

 

霊夢「…?チョコがついてる棒?」

 

カルゴ「2人で1本を食べるんだ。チョコの方は霊夢が食べていいから咥えて食べてくれ。反対は俺が咥えるからさ」

 

創造したポッキーの、持ち手の方を咥える。ここからは、レイチェルとの人形遊びで鍛えた腹話術で話す。

 

霊夢「えっ、待って…これ、このまま食べたら…キス、しちゃうんじゃ…?」

 

カルゴ「そうだよ?」

 

霊夢「そうだよ…って、あんたねぇ…!こんなに大勢が見てる前でキスしろって言うの!?」

 

カルゴ「結構恥ずかしいけど…俺は別にいいよ?霊夢とキスしたいな」

 

霊夢「っ…わ、わかったわよ…もうっ…///」

 

俺の肩を掴み、チョコがついている方を咥えて、サクサクと食べ始めた。その一口ごとに、霊夢が近付いてくる。霊夢とポッキーゲームをするのは勿論初めてである。

 

霊夢「…んっ…♡」

 

文「おおぉぉ〜〜〜っ!!」

 

とうとう唇が触れ合うと、文はここぞとばかりに写真を撮りまくる。霊夢は当然、それに気付いているが、すぐに唇を離そうとはしなかった。

 

カルゴ「…ふふっ、どうだった?」

 

霊夢「美味し…かった…///」

 

カルゴ「それじゃ…これ、オマケな」

 

手品のように、手からポンッと赤薔薇と白薔薇を1本ずつ創り出し、それを差し出す。おずおずとそれを受け取った霊夢は、顔をほころばす。

 

霊夢「薔薇…ありがとね。綺麗よ」

 

カルゴ「あぁ、それ砂糖菓子だよ」

 

霊夢「そうなんだ。…あ、ほんとだ」

 

花弁を1枚ちぎって口に入れ、目を見開く。砂糖菓子だが、手がベタつかないようになったいる。これにはマシュマロ並に苦労した。

 

カルゴ「文は何がいい?」

 

文も穹と同じく天狗装束だ。見慣れないからか、こちらの方が仮装に見えてしまう。

 

文「そうですねぇ…お菓子の山を見てみたいし、食べてみたいです。良いネタになりそうですし」

 

カルゴ「お菓子の山か…中身はなんでもいい?」

 

文「ええ、大丈夫ですよ。普段からお菓子なんて食べないですし、こういう時しか食べないので」

 

カルゴ「よしきた。じゃあ、メガ盛りだ…!」

 

文「うひゃあぁぁっ!凄い量ですね!!こんなに沢山のお菓子、食べていいんですか!?」

 

鍋に個包装された飴、チョコ、マシュマロなどの様々なお菓子を山盛りに注ぎ込むと、文は子供のように目を輝かせ、写真を撮った。

 

カルゴ「良いよ、勿論」

 

文「ありがとうございます!」

 

カルゴ「どういたしまして」

 

鍋いっぱいのお菓子を持った文はルンルンとした足取りで壇上から降り、お菓子を食べ始めた。

 

カルゴ「咲夜さんは何にしますか?今だったら、望むもの何でも出せますよ」

 

咲夜さんは執事の服…燕尾服というやつだ。

弦月姫が生まれる1ヵ月程前…俺が紅魔館で執事として働いていた時には、それを着ていた。

 

咲夜「何でも、ですか…?」

 

カルゴ「ええ。どうぞ遠慮なく」

 

咲夜「では……ギュッとして…ほしいです…///」

 

小声でそう言った咲夜さんは、真っ赤になった顔を両手で隠して照れまくる。その様子がなんとも可愛すぎる。かなり控えめだが…本人が言うならそれでもいいか。

 

カルゴ「本当にこれだけで良いんですか…?」

 

咲夜「はい…とっても温かくて…気持ちいい…。これだけで、私は満足です…♪」

 

やっぱ可愛い…このままベッドにインしたい…。

いや、咲夜さんにインしたいって訳じゃなくて。

 

 

 

カルゴ「さて、お次は…早苗!」

 

早苗は…紫と黒を基調とした魔女の仮装だ。闇に身を落としたような、禍々しく見える仮装だ。

 

早苗「お菓子くれなきゃ雨を降らせますよ〜!」

 

カルゴ「それは割と困るな。…ポテチ食べる?」

 

早苗「ポテチ!?うわぁ、本物だ!ポテチなんて何年ぶりでしょう!ありがとうございます!!」

 

…繰り返しになるが、早苗は外の世界から来た。

だから外のお菓子の方が嬉しいだろう、と思ったのだが…ドンピシャのようだ。

そういえば去年は何をあげたんだっけ。

 

カルゴ「次は諏訪子だな。何がいい?」

 

諏訪子は、魔女の帽子に目玉、魔女の服に蝙蝠の翼をくっ付けている服を着ている。欲張りだが、その方が諏訪子らしくて可愛い。

 

諏訪子「エスカルゴ!」

 

カルゴ「エスカルゴのオーブン焼きか?それならサ〇ゼに行けば食べれるぞ。一緒に行く?」

 

諏訪子「じゃ・な・く・て!エスカルゴが欲しいって言ってるの!あなたのこと!」

 

カルゴ「…もう付き合ってるのに、これ以上俺に対して何を望むんだい?」

 

諏訪子「エッチしよ♡」

 

カルゴ「行くたびにヤってるのに…。神の性欲は神レベルらしいな」

 

諏訪子「エスカルゴには負けるけどね〜♪」

 

カルゴ「そうだな。それじゃそれはまた後でな。まだやる事あるから」

 

諏訪子「やる事って…ヤル事?」

 

カルゴ「違う。…次は妖夢だな」

 

妖夢はなんと悪魔の仮装だ。尖っている尻尾が、お尻から伸びてきている。小さいツノがある黒いカチューシャもつけていて、八重歯もある。

服は着ておらず、マイクロビキニのような、布地面積が狭い黒い水着(?)を着用している。

……サキュバスだろうか?

 

妖夢「ぎゃ、ぎゃうー…食べちゃうぞー…///」

 

カルゴ「可愛いなぁ…どこか食べてみるか?」

 

妖夢「ルーミアちゃんじゃないんだから…」

 

カルゴ「あははっ、それもそうだな!妖忌は?」

 

妖夢「白玉楼で1人で修行中」

 

うん、わかってた。だって、こういう行事とかは一切興味無さそうだもの。

 

カルゴ「じゃあ…来てくれた妖夢には、お菓子をあげようかな。ドーナツとかどうだ?」

 

妖夢「わっ、すごい…!ありがと!」

 

カルゴ「おうよ。…次は紫さ…居ないか」

 

紫「居るわよ〜♪」

 

背後からの唐突な紫さんの声に、思わずビクッと飛び上がってしまった。文字通りに。

 

カルゴ「背後から来るの止めて下さい…」

 

紫さんは、幽々子さんの服を着ている。そして、幽々子さんは紫さんの服を着ている。本当にこの2人は仲良しである。ゆかゆゆ尊い…。

 

紫「私には何をくれるのかしら〜?」

 

カルゴ「紫さんと幽々子さんには…クレープとかどうでしょう?」

 

紫「あら素敵ね。たまには洋菓子も良いかもね。しかもサラッと幽々子の分まで用意するなんて。良かったわね、これで幽々子の中のあなたの株が上がったわよ♪」

 

カルゴ「これだけで上がるとは思えないですが…まぁ、ありがとうございます」

 

さて、次は…あぁ、地霊殿組だな。目のやり場に困る…さとりん、絶対俺の動揺を狙ってるよね。

 

さとりは、魔女の仮装だ。オレンジと黒の縞々のニーソが、何故かエロく見えてしまう。お空は、普段着に加えて、黒くて小さい可愛らしい帽子をちょこんと頭に乗せている。

 

さとり「先程の重力の…中々、凶悪な力ですね。えっ、念動力まで…?まぁ、あなたなら使い方は間違わないと思いますが」

 

カルゴ「間違った使い方するかもしれないぜ?」

 

さとり「ッ!! お空、スカート押さえ───」

 

お空「?」

 

カルゴ「そぉい!!」

 

クイッと指を上げて、2人のスカートを捲った。

さとりはピンク、お空は白のパンツだ。

 

さとり「きゃあああああっ!ちょっ、皆が見てるのにっ…!何してくれてるんですか!?」

 

お空「うにゅっ!?スカートが勝手に…」

 

カルゴ「皆はお菓子や弾幕に夢中さ。ま、俺からイタズラしてみたかっただけだよ」

 

さとり「もしお嫁に行けなくなったらどうするんですか…///」

 

カルゴ「…?さとりは俺の嫁になるんだろ?」

 

さとり「そっ、そうですけどっ…!!って、そうじゃなくって!えっと、その…あうぅぅ…///」

 

照れて何も言えなくなるさとりんマジで可愛い…って、これも読まれてるのか…。

 

さとり「読んでますよ…///」

 

なら真っピンクな妄想でもすればいいか。

 

さとり「ちょっ、やめてっ…あっ…ウソ…私を…んっ…リアル過ぎっ…!」

 

お空「…?」

 

さとり「はうぅっ…」

 

気絶したらしいさとりは、前のめりに…俺の方へ倒れる。漫画的に言うなら、彼女の目はバツになっている。

 

カルゴ「おーい、大丈夫かー?」

 

さとり「うぅ……」

 

頬を指でつつくと、反応が返ってきた。気絶したわけではなく、力が抜けて倒れただけらしい。

 

さとり「…さすが…何人もの女性を抱いただけ、ありますね…。まるで、自分が体験しているかのようなリアルさがある妄想でしたよ…」

 

カルゴ「そ、そうか?…ほれ、チョコバナナ」

 

お空「ありがと!」

 

さとり「あの妄想のあとにチョコバナナとは…。下心丸出しですね。私に舐めさせたいんですね、わかりました。……んっ…おっきぃ……///」

 

お空は笑顔で受け取るが、さとりは顔を真っ赤に染めて受け取り……チョコ部分を舐め始めた。

 

カルゴ「……///」

 

さとり「ふふふっ…あなたの性癖は誰よりも熟知してます。他人に言える性癖、言えない性癖…。守備範囲と同様、性癖も幅広すぎですよ…」

 

カルゴ「へへ…なんか照れる…」

 

さとり「続き(・・)はまた今度…地霊殿で…♡」

 

カルゴ「え…お、おう…?」

 

なるほど、さとりは妄想小説を書くくらいだからエロの耐性はあるんだ。でも普段は隠してるが、俺がリアルな妄想をしたから、エロのスイッチが入ったんだな。案外エロく化けそうだな。

 

こいし「おにーちゃん!トリックオアトリート!おかしくれなきゃ無意識操っちゃうぞ♪」

 

カルゴ「それは怖いな」

 

こいしも魔女の仮装だ。そして、姉と同じチョコバナナを渡すと、笑顔で姉の元へ戻って行った。

 

カルゴ「お待たせ、慧音。おっ、妹紅も来たか」

 

慧音はハクタクの仮装で、妹紅は露出は少なめのミニスカメイド服である。物凄く萌える(物理)。

そうだ、今夜は満月ではなかった。

 

妹紅「よっ。…慧音までお前と…って本当か?」

 

カルゴ「ああ」

 

慧音「私の方から言ったのだから、文句は言わせないぞ、妹紅」

 

妹紅「言うつもりはないよ。慧音が決めた事だ。慧音を泣かせたら絶対に許さないぞ。てな訳で、私にもお菓子くれ!」

 

カルゴ「もちろん、泣かせたりしないぜ。2人のお菓子はどういうのがいいかな…。きの〇の山とたけのこの〇とかどう?外のお菓子なんだけど」

 

慧音「ほう…外にはこんな形の菓子があるのか…どうやって作っているんだろうな…」

 

妹紅「おー!何も無いところから出てきた!これ本当に食べれるのか!?」

 

カルゴ「あぁ。味も食感も保証するよ」

 

大皿にバラバラときのこたけのこをごちゃ混ぜにしてそれを2人に渡す。まさか、この幻想郷でもきのこたけのこ戦争が起こることは無いだろう。

 

妹紅「いただきまーす!ん!サクサクしてる!」

 

慧音「きのこも美味しいぞ」

 

妹紅「ホントか!?あーん…」

 

慧音「ほい」

 

妹紅「んんー!こっちも美味しいな!たけのこも美味しいぞ、口開けてくれ!」

 

慧音「ん…!これは美味しいな!」

 

何で俺の前で甘い百合展開してんですかねぇ…。

もこけねマジで尊すぎだろ…。

 

そして、母さん達や魔理沙達にお菓子、萃香には追加の酒、永琳と輝夜、母さんたちにも、適当なお菓子を出した俺は、今度はお菓子をもらう側として、集団の中に紛れていった。

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