お楽しみください!
咲夜「では、先ず、紅魔館の主であるお嬢様の元へ参りましょう」
最初からか…。
いや、最初だからこそ、家主に会わせるのか…。
カルゴ「お、お願い、します…」
暫く歩いた。
咲夜「この扉の先でございます」
カルゴ「大きな扉…」
咲夜「…そうですね」
あ、俺笑われた。
ガチャッ…ギィィィィ…
咲夜「あちらにおられるのがお嬢様でございます」
レミィ「あら、紅魔館へようこそ。私はこの紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ。こっちは私の妹の…」
フラン「フランドール・スカーレットよ」
!?フ、フランまでいる!?
ちょ、聞いてないよ咲夜さん!?
レミィ「あなたの名前も教えて貰えないかしら?」
あ…そーか…。これまた忘れてた…。
カルゴ「俺はエスカルゴ、普通の人間です。このたびはお世話になりました。」
頭を下げる。
レミィ「堅苦しい礼は要らないわ。それよりあなた…人間って言った?翼もあるし、咲夜とは似ても似つかないのだけれど?」
カルゴ「えっ……?はい?」
咲夜「この方は、元の世界で吸血鬼になれる薬を服用されたようなのです。おそらくはその作用でしょう」
咲夜さん!?俺の見た目どーなの!?
人間じゃねーの!?
レミィ「あら、咲夜…あなた、なぜそんなことを?…あぁ、やけに来るのが遅かったから…二人だけで秘密の話でもしてたのかしら?」
カルゴ「秘密だなんてとんでもない!ここに来たいきさつを話しただけです!」
機嫌を損ねまいと焦る。
というか俺の見た目は…?
レミィ「じゃあ、私にも教えてもらえない?」
フラン「お姉様、私も居るわ」
フランが頬を膨らます。
レミィ「そうだったわね。じゃ、私たちにもそれを教えて?」
カルゴ「……わかりました」
見た目のことはあとでもいいか。
ため息を押し殺し、俺はもう1度話した。
今度は薬の事も含め最初から。
その後……
レミィ「ああ、確かにそんなこと言ったわね。もう体調は大丈夫なのかしら?」
カルゴ「はい、お陰様で」
レミィ「そう、それは良かったわ。で、あなたのその見た目…。あなたも吸血鬼よね?元の世界に戻るよりも、吸血鬼である私たちとここで暮らす方が安全且つ楽しいと思わない?」
カルゴ「それはそうですが…その…」
レミィ「なに?」
カルゴ「学校…いや、家族が…」
レミィ「幻想郷に来た時点で、あなたはもう元の世界には戻れない。これはもう運命なのよ、受け入れなさい。(霊夢に言えば帰れるだろうけど、こっちの方が楽しそうだしね)」
カルゴ「そんな……」
レミリアが言うならそうなんだろうな…。
仕方ないか…。
結局はそれを受け入れた。
あっちよりこっちが楽しいに決まってるから。
今頃元の世界では、俺が行方不明だと騒ぎになってる頃かな?
俺はそんなことを考えながら、レミリア、フラン、パチュリーと紅茶を飲んでた。
あのあとしっかりパチュリーたちにも自己紹介した。パチュリーも小悪魔も、メイド妖精たちも俺を受け入れてくれて、ほっと一安心。
美鈴は気持ちよさそうに寝ていたので、起こさずにしておいた。また今度しっかり挨拶しよう。
起きて目が痛くなったのは、寝落ちから幻想入りの間に吸血鬼の力、姿かたち等が俺の身体に定着したから。この眼鏡はちょっと度が強めだから、目が良い人(吸血鬼)には寧ろダメージとなる。
…というパチュリーの見解は、恐らく当たっているのだろう。
ゴーン…ゴーン…
時計が鳴る。
レミィ「あらあら、もうこんな時間。さぁ、そろそろ寝ましょう」
パチェ「あら、レミィにしては寝るのが早いわね。どういう風の吹き回しかしら?」
レミィ「遊び疲れただけよ」
パチェ「……なるほどね。あれだけ暴れ回って、眠くならない方がおかしいわね」
レミィ「全く、暴れ回るなんて…パチェったら大袈裟なんだから…」
そう。みんなに自己紹介終えたあと、フランの提案でみんなでかくれんぼした。
俺は、普通のかくれんぼな訳ないだろうな、と思ったが、フランの上目遣いに負け、参加することにした。
上目遣いもなにも、身長差だろうが…。
鬼はフラン。
かくれんぼ中、フランは弾幕で障害物(柱とか壁とか)を吹っ飛ばし、隠れられるところを無くした。
というわけでフランの勝ちだ。
パチュリーは喘息でリタイアしちまったから、最後まで遊んでたのはレミリア、フラン、俺の3人だけ。
フランに“勝負しよう”、と挑発され、レミリアは自分から飛び出しフランに弾幕勝負を仕掛けた。
フランはもちろん応え、二人の大暴れが始まったというわけだ。
俺はただただ見てるだけで、たまにこっちに飛んでくる流れ弾を避けた。
ボールなどを避けるのだけは昔から得意だった。
俺にもなにか力があるのかな?
と思ったけど、あんな戦いの中に参加したら即殺されそうだから見てるだけにしといた。
その時のことを思い出し、クスッと笑う。
咲夜「どうされました?」
カルゴ「いえ、なんでもありません」
咲夜に案内され、昼間寝ていた部屋に戻った。
咲夜「なにか御用がありましたら遠慮なく申し付け下さい。それでは。おやすみなさいませ」
えっ、あっ…ちょっ…。
カルゴ「あ、あの…咲夜さん、ちょっといいですか?」
咲夜「はい?なんでしょうか。早速申し付けられるなんて予想してませんでした…」
カルゴ「あ、気に触ったようでしたらすみません…」
咲夜「フフッ、大丈夫ですよ。それで、なんでしょうか?」
カルゴ「あの、俺、まだ幻想郷にきたばかりで寂しいんです。……えっと、そのっ……一緒に寝てくれませんか?」
咲夜「メイドは添い寝なんてことはしませんよ」
ジト目でエスカルゴを見る咲夜。
カルゴ「今夜だけでいいんですッ!だ、だめなら寝るまで子守唄とかっ……」
咲夜「ダメです。明日の朝食の仕込みなどがまだ残ってますし」
カルゴ「う…そうですよね…すいません…」
肩を落として部屋に向かおうとすると、さすがに身寄りもない知り合いもいない場所に飛ばされた俺に同情してくれたのか、咲夜が返事をする。
咲夜「……全く…仕方ないですね。お嬢様方には内緒ですよ、いいですね?」
カルゴ「は、はい、ありがとうございますっ!」
咲夜「それでは、失礼します…」
うおお…暖かい…!
カルゴ「咲夜さん…とてもあったかいですね…。っ……あ…ぁ…」
あ、あれ?なんであくびが…?
咲夜「フフ、そうですね。あなたも欠伸が出てきましたね…。……布団に入ったら私まで…眠く…ふぁぁぁ…」
か、可愛えええええ…
咲夜「お互いの顔が近いと、ちょっと、照れますね……」
マジで可愛いんだけど…。
カルゴ「そ、そうですね…自分で言い出したのに俺も照れてしまいます……」
咲夜「こんなことは初めてですか?」
カルゴ「ええ、初めてです…。咲夜さんは?」
咲夜「私も初めてです……」
2人『………………………』
カルゴ「もっと近くに来てくれませんか…?」
咲夜「もっと近くですか?わかりました…」
更に距離を縮める咲夜。
咲夜「こ、これではもうくっついてるのと同じですよ…」
カルゴ「こうすれば、もっとあったかくなるでしょう?/////」
完全に頭オーバーヒートしてるわ俺…。
咲夜「そ、そう…ですね…/////」
カルゴ「あったかくなったら…もっと眠くなって…しまいました…。おやすみ…にゃさい…さく…や…さ…」
咲夜「おやすみなさいませ…」
朝。
咲夜「おはようございます」
カルゴ「…ふわぁ……」
朝は咲夜が起こしてくれた。
仕込みがあると言ってたから…早起きしたんだろうな。なんか申し訳ないな…。
咲夜と食堂へ向かう。気分はなんとなくスッキリしている。泣き疲れた後のような、フワフワした感覚だ。
レミィ「あら、おはようエスカルゴ。よく眠れたかしら?」
カルゴ「おはようございますお嬢様。よく眠れました!」
レミィ「堅苦しいのはいいから、レミリアでいいわ」
カルゴ「えっでもそんな…申し訳ないです」
レミィ「いいから。私がそうしなさいと言ったらそうしなさい、いいわね?」
カルゴ「…わかりました、レミリア様」
……あぁ……。
レミィ「全く…。まぁ、慣れれば直るでしょう」
カルゴ「すいません…」
レミィ「もういいわ、朝食食べましょう。冷めてしまうわ」
カルゴ「そうですね」
咲夜さんの料理…美味そ…!
フラン「おはよ、エスカルゴ!」
カルゴ「お、おはようございますフランお嬢様」
めっちゃ可愛ええ…!
カルゴ「もう、お嬢様つけるのやめて!フランでいいわ」
カルゴ「わかりました、フラン様」
フラン「むぅ〜…。まぁいいわ、ご飯食べましょ!」
カルゴ「そうですね」
姉さんと同じ事言ってるぞ…流石姉妹。
咲夜「お嬢様、妹様、エスカルゴさん、早く食べなければ料理が冷めてしまいますよ」
咲夜が声を張り上げる。
カルゴ&フラン『はーい』
レミィ「ハイハイ、わかってるわよ」
こうして俺は吸血鬼となって…紅魔館でレミリア・スカーレットたちと共に暮らすことになった。
なんとかプロローグを書き終えました。
さて、これからですが、プロローグを書き終えましたので、これからはマイペースに投稿したいと思います。